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八百十五話 認識の甘さ
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一人、部隊の中に危険な存在がいる。
ルクローラ王国側の認識は確かに間違ってはいなかった。
今、ソウスケという存在は特別な武器の能力を生かし、別戦場でもその猛威を振るっていた。
そしてレヴァルグの投擲攻撃はまさに撃砕、爆炎。
多種多様な武器、魔法を操るだけではなく、超一撃必殺を連続で放つことが出来る……まさに危険人物と呼べる存在。
ただ……そのレヴァルグによる全力投擲攻撃から生き延びた男は、そこだけしか伝えなかった。
あまりにも衝撃的過ぎる威力と、仲間が続々と殺されたその光景に……レヴァルグを操る少年、ソウスケ本体の印象が強く残り過ぎていた。
故に、ソウスケ本体はレヴァルグを使用せずとも、一級品の剣術と魔法を同時に操る猛者。
そして……共に行動するエルフ(ハイ・エルフ)の美女がどれだけ優れた戦闘者なのかを伝え忘れていた。
今回の場合は、ミレアナが実力を隠すのが上手かったとも言えるが、それでもレヴァルグの猛撃から生き残った男がそれらを伝えられなかったことで……ルティナ・ヴィリスト率いる部隊の戦闘者たちは、少々気を抜いていた部分があった。
所詮は少年……強くとも、そもそも槍さえ投げさせなければ良い。
警戒するにしても、その少年をメインに警戒するだけで良い……その認識が甘すぎた。
部隊トップの実力を一人で抑えられる存在、ザハーク。
一分と経たずトップクラスの戦闘者を殺める事が出来る美女エルフ、ミレアナ。
他のメンバーも数の有利さえ逆転してしまい、更に欲をかかずに守りに徹しさえすれば、命を奪われることはない。
「っ……」
「どうした! 他を気にしている余裕があるのか!?」
「ぐっ!! あなたたちは、本当に強いわね!!!!」
最初こそ自分と同等……もしくはそれ以上の力を秘めているかもしれない相手との戦闘に、不謹慎にも心を躍らせていた。
しかし、ふたを開けてみれば……ものの数分で完全不利な状況に追い込まれていた。
二つの部隊がぶつかり、たった数分で決着がつくこと自体は珍しくない。
だが……ルティナ・ヴィリストは自身の部隊に、圧倒的な自信を持っていた、
圧倒出来ずとも、実力は拮抗すると。
総合的な戦力を考えれば、ミレアナとザハークのフルパワーを考慮し……ややソウスケ本体たち側が上。
しかし、個々の戦闘力に関してはルティナ・ヴィリスト側に分があった。
ただ……まだ子供であり、ソウスケ本体のメイン武器が槍と勘違いしていたのが痛手となった。
結局ルティナ・ヴィリスト側は一人も殺す事が出来ず、徐々に数を減らしていく。
現在自身が戦っている敵は言わずもがな超強敵。
加えて、そんな超強敵と近い、もしくは同格の敵があと二人もいる。
仮に自分が目の前の超強敵を倒して生き残っても、逃げ切れる自信がない。
そう考えたルティナ・ヴィリストの腹が決まるのは早かった。
(それなら、一人でも多く道連れにする!!!!!)
「むっ!」
沈みかけていた投資の爆発を察知し、警戒心を一段階高めるザハーク。
生き残って勝つというブレーキをぶち壊し、死んでも勝つという危険で……漢気溢れる心情へ変化。
その変化は即座に動きに現れ、ザハークに圧を与え……戦況がややルティナ有利へと変わる。
(お~いおいおいマジか……いや、ザハークも結構マジで戦ってるよな……それで押されてるとか、マジか)
(彼女……正真正銘の化け物ですね。おそらく、クリムゾンリビングナイトであれば倒せる実力を有している。私たちが居るでせいでフルに動けないとはいえ、ややザハークが押されている……)
ミレアナとしては、残りの面子は部隊の仲間とソウスケ本体を信じて任せ、加勢した方が良いかもしれないという考えが浮かんだ。
「っ…………はぁ~~、解りました。自由にやってください」
ほんの一瞬、自身の方に向けて「手出ししたら許さん!!!!!」といった圧を放ったザハークに、飽きれながらも了承した。
ルクローラ王国側の認識は確かに間違ってはいなかった。
今、ソウスケという存在は特別な武器の能力を生かし、別戦場でもその猛威を振るっていた。
そしてレヴァルグの投擲攻撃はまさに撃砕、爆炎。
多種多様な武器、魔法を操るだけではなく、超一撃必殺を連続で放つことが出来る……まさに危険人物と呼べる存在。
ただ……そのレヴァルグによる全力投擲攻撃から生き延びた男は、そこだけしか伝えなかった。
あまりにも衝撃的過ぎる威力と、仲間が続々と殺されたその光景に……レヴァルグを操る少年、ソウスケ本体の印象が強く残り過ぎていた。
故に、ソウスケ本体はレヴァルグを使用せずとも、一級品の剣術と魔法を同時に操る猛者。
そして……共に行動するエルフ(ハイ・エルフ)の美女がどれだけ優れた戦闘者なのかを伝え忘れていた。
今回の場合は、ミレアナが実力を隠すのが上手かったとも言えるが、それでもレヴァルグの猛撃から生き残った男がそれらを伝えられなかったことで……ルティナ・ヴィリスト率いる部隊の戦闘者たちは、少々気を抜いていた部分があった。
所詮は少年……強くとも、そもそも槍さえ投げさせなければ良い。
警戒するにしても、その少年をメインに警戒するだけで良い……その認識が甘すぎた。
部隊トップの実力を一人で抑えられる存在、ザハーク。
一分と経たずトップクラスの戦闘者を殺める事が出来る美女エルフ、ミレアナ。
他のメンバーも数の有利さえ逆転してしまい、更に欲をかかずに守りに徹しさえすれば、命を奪われることはない。
「っ……」
「どうした! 他を気にしている余裕があるのか!?」
「ぐっ!! あなたたちは、本当に強いわね!!!!」
最初こそ自分と同等……もしくはそれ以上の力を秘めているかもしれない相手との戦闘に、不謹慎にも心を躍らせていた。
しかし、ふたを開けてみれば……ものの数分で完全不利な状況に追い込まれていた。
二つの部隊がぶつかり、たった数分で決着がつくこと自体は珍しくない。
だが……ルティナ・ヴィリストは自身の部隊に、圧倒的な自信を持っていた、
圧倒出来ずとも、実力は拮抗すると。
総合的な戦力を考えれば、ミレアナとザハークのフルパワーを考慮し……ややソウスケ本体たち側が上。
しかし、個々の戦闘力に関してはルティナ・ヴィリスト側に分があった。
ただ……まだ子供であり、ソウスケ本体のメイン武器が槍と勘違いしていたのが痛手となった。
結局ルティナ・ヴィリスト側は一人も殺す事が出来ず、徐々に数を減らしていく。
現在自身が戦っている敵は言わずもがな超強敵。
加えて、そんな超強敵と近い、もしくは同格の敵があと二人もいる。
仮に自分が目の前の超強敵を倒して生き残っても、逃げ切れる自信がない。
そう考えたルティナ・ヴィリストの腹が決まるのは早かった。
(それなら、一人でも多く道連れにする!!!!!)
「むっ!」
沈みかけていた投資の爆発を察知し、警戒心を一段階高めるザハーク。
生き残って勝つというブレーキをぶち壊し、死んでも勝つという危険で……漢気溢れる心情へ変化。
その変化は即座に動きに現れ、ザハークに圧を与え……戦況がややルティナ有利へと変わる。
(お~いおいおいマジか……いや、ザハークも結構マジで戦ってるよな……それで押されてるとか、マジか)
(彼女……正真正銘の化け物ですね。おそらく、クリムゾンリビングナイトであれば倒せる実力を有している。私たちが居るでせいでフルに動けないとはいえ、ややザハークが押されている……)
ミレアナとしては、残りの面子は部隊の仲間とソウスケ本体を信じて任せ、加勢した方が良いかもしれないという考えが浮かんだ。
「っ…………はぁ~~、解りました。自由にやってください」
ほんの一瞬、自身の方に向けて「手出ししたら許さん!!!!!」といった圧を放ったザハークに、飽きれながらも了承した。
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