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八百五十二話 聞き馴染みのない言葉
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「何と言いますか……彼女たちは、その、大丈夫でしょうか?」
貴族の令嬢たちに対し、失礼な発言をしている自覚はある。
しかし、ソウスケはミレアナが思わずそう言いたくなる気持ちが非常に解る。
「まっ、親たちとしては将来が心配になるだろうな。でも……何と言うか、あれだ。彼女たちとしては、推しを見つけた感覚に近いんだろうな」
「お、推し……ですか?」
全く聞き馴染みがない言葉に首を捻るミレアナ。
ザハークも同じく、今まで一度も聞いたことがない言葉に対し……いったいどんな内容なのか、想像することも出来なかった。
「ん~~~……あれだよ、この人を応援したい。この人のカッコイイところを見たい、令嬢たちはその快感と言うか気持ち良さというか……幸福感を知ってしまったんだろうな」
「「…………??」」
リーダーであるソウスケは自分たちに分りやすく説明してくれた。
それは何となく解るのだが、まだ二人は推しという言葉が半分も理解出来なかった。
「とりあえず、今日俺たちに依頼してきた令嬢たちは、男性が浮かべる雄味が強い表情に……興奮を覚えたって言えば良いのか? それは多分、ザハーク限定の話じゃない」
「男であれば、誰でも良いと」
「いや、さすがにちょっとは選ぶと思うけど……まぁ、戦意や闘志に満ち溢れている笑みなら、男女関係無しに興奮するのかもしれないな」
見事未来を読み当てるソウスケ。
これからどっぷりと面倒な沼にハマっていった令嬢たちは、女性戦闘者たちのそういった表情にまで興奮するように
なっていく。
「…………女性が相手であれば問題無い、とは言えませんね。しかし、あまり男性の戦闘者たちを追いかける? そういう行動を繰り返していれば、その……嫁の貰い手がなくなるのではないでしょうか?」
「あぁ~~~……ははは、それは大丈夫なんて無責任なこと言えないな」
既に従者たちはその可能性に気付いていたからこそ、ここ数日……気分が急下降していた。
令嬢に仕える者として、やはり令嬢たちには素敵な男性と出会い、暖かい家庭を築きいて幸せになってほしいと思っている。
貴族社会では、なんだかんだでそれが難しい事は知っているが、それでも仕える従者としてはそれを願わずにはいられない。
勿論、彼らはソウスケやザハークのせいで自分が仕えるお嬢様たちが……なんて馬鹿なことは考えていない。
彼らが戦争に参加したからこそ、大勢の冒険者や騎士の命が救われたという話を聞いた。
そして今回、仕えるお嬢様たちの前で見せてくれた演舞を見て、本当に彼らは英雄なのだと解かった。
感謝こそすれど、憎むのはお門違い。
「そうだよなぁ~。そういう可能性があるよな……でも、だからって俺がそういう趣味は止めた方が良いですよなんて、今更言えないからな~~」
「……ソウスケさん。メスは……女性とは、強い雄を、男性を求めるのだろう」
「突然の質問だな。何を持って強いと捉えるかは解らないが、とりあえず実戦的な戦闘力が高ければ食うに困ることはないだろうし、財力も余裕ができるだろうな」
「であれば、男性は意地でも気になった女性よりも強くなろうと奮起するのではないか?」
「…………それも、そうか。そうだな。それはあれだ、自然の摂理と言えるかもな」
プライドが高い貴族の男児ともなれば尚更な話。
「貴族の令息なら、それを実行出来る才能はとりあえずあるだろうから……意外と騎士たちの質も向上して、オールオッケーになるか?」
「俺は意外とそうなると思うぞ」
「……私も意外と大丈夫な気がしてきました。寧ろ、一部の者たちから感謝されるかもしれませんね」
「逆に一部の人たちからは、うちの娘に何を吹き込んでくれたんだって怒鳴られそうだけどな」
なにはともあれ、その道に進むと決めたのは令嬢たちであり、ソウスケたちは全く強制していない。
ただ……こうすれば雄味が深い顔を見れる機会が増えますよと教えただけであり、怒鳴られる筋合いはない……ということで話はまとまった。
貴族の令嬢たちに対し、失礼な発言をしている自覚はある。
しかし、ソウスケはミレアナが思わずそう言いたくなる気持ちが非常に解る。
「まっ、親たちとしては将来が心配になるだろうな。でも……何と言うか、あれだ。彼女たちとしては、推しを見つけた感覚に近いんだろうな」
「お、推し……ですか?」
全く聞き馴染みがない言葉に首を捻るミレアナ。
ザハークも同じく、今まで一度も聞いたことがない言葉に対し……いったいどんな内容なのか、想像することも出来なかった。
「ん~~~……あれだよ、この人を応援したい。この人のカッコイイところを見たい、令嬢たちはその快感と言うか気持ち良さというか……幸福感を知ってしまったんだろうな」
「「…………??」」
リーダーであるソウスケは自分たちに分りやすく説明してくれた。
それは何となく解るのだが、まだ二人は推しという言葉が半分も理解出来なかった。
「とりあえず、今日俺たちに依頼してきた令嬢たちは、男性が浮かべる雄味が強い表情に……興奮を覚えたって言えば良いのか? それは多分、ザハーク限定の話じゃない」
「男であれば、誰でも良いと」
「いや、さすがにちょっとは選ぶと思うけど……まぁ、戦意や闘志に満ち溢れている笑みなら、男女関係無しに興奮するのかもしれないな」
見事未来を読み当てるソウスケ。
これからどっぷりと面倒な沼にハマっていった令嬢たちは、女性戦闘者たちのそういった表情にまで興奮するように
なっていく。
「…………女性が相手であれば問題無い、とは言えませんね。しかし、あまり男性の戦闘者たちを追いかける? そういう行動を繰り返していれば、その……嫁の貰い手がなくなるのではないでしょうか?」
「あぁ~~~……ははは、それは大丈夫なんて無責任なこと言えないな」
既に従者たちはその可能性に気付いていたからこそ、ここ数日……気分が急下降していた。
令嬢に仕える者として、やはり令嬢たちには素敵な男性と出会い、暖かい家庭を築きいて幸せになってほしいと思っている。
貴族社会では、なんだかんだでそれが難しい事は知っているが、それでも仕える従者としてはそれを願わずにはいられない。
勿論、彼らはソウスケやザハークのせいで自分が仕えるお嬢様たちが……なんて馬鹿なことは考えていない。
彼らが戦争に参加したからこそ、大勢の冒険者や騎士の命が救われたという話を聞いた。
そして今回、仕えるお嬢様たちの前で見せてくれた演舞を見て、本当に彼らは英雄なのだと解かった。
感謝こそすれど、憎むのはお門違い。
「そうだよなぁ~。そういう可能性があるよな……でも、だからって俺がそういう趣味は止めた方が良いですよなんて、今更言えないからな~~」
「……ソウスケさん。メスは……女性とは、強い雄を、男性を求めるのだろう」
「突然の質問だな。何を持って強いと捉えるかは解らないが、とりあえず実戦的な戦闘力が高ければ食うに困ることはないだろうし、財力も余裕ができるだろうな」
「であれば、男性は意地でも気になった女性よりも強くなろうと奮起するのではないか?」
「…………それも、そうか。そうだな。それはあれだ、自然の摂理と言えるかもな」
プライドが高い貴族の男児ともなれば尚更な話。
「貴族の令息なら、それを実行出来る才能はとりあえずあるだろうから……意外と騎士たちの質も向上して、オールオッケーになるか?」
「俺は意外とそうなると思うぞ」
「……私も意外と大丈夫な気がしてきました。寧ろ、一部の者たちから感謝されるかもしれませんね」
「逆に一部の人たちからは、うちの娘に何を吹き込んでくれたんだって怒鳴られそうだけどな」
なにはともあれ、その道に進むと決めたのは令嬢たちであり、ソウスケたちは全く強制していない。
ただ……こうすれば雄味が深い顔を見れる機会が増えますよと教えただけであり、怒鳴られる筋合いはない……ということで話はまとまった。
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