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八百六十三話 本気? 冗談?
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「そうですね……こういう時、騎士団長という立場が恨めしく思います」
出世を目指している人物が聞けば発狂しそうなセリフだが、第三騎士団の歴代団長だけではなく、他の団の歴代団長たちも……なんやかんやで団長という立場に息苦しさを感じることがあった。
「……それなら、遠征という名目の強化合宿。これでどうでしょうか?」
「ど、どうでしょうかと言われましても……その、国王陛下や、他の騎士団の方々から了承を貰わないと、無理なんじゃないですか?」
ルクローラ王国との一件では確かに大活躍を果たした。
しかし、貴族の爵位を得た訳ではなく、基本的に貴族出身のアマンダたちにあれこれ許可できる立場ではない。
とはいえ、ソウスケに爵位が授与されなかったのは一緒に行動していたエルネスの助言があったため。
ソウスケが何処かに縛られることを嫌うという性格を理解しており、更に同じ部隊で戦っていからこそのその戦闘力を深く把握している……故に、変に対立しない方が良いと上に伝えた結果。
つまり……権力者たちとしても、ソウスケの意見というのは簡単に無視できないものなのだ。
「警備のスケジュール、私に一つ借りという内容であれば……ふむ、いけるか?」
(ほ、本気で考えてらっしゃる)
半分本気で半分冗談なのかと思っていたソウスケ。
だが、アマンダの考えっぷりからガチのマジでどうやってハイレベルなダンジョンに向かおうか考えているのが解る。
とりあえずその日は夕方まで訓練を行い、依頼は終了。
「はぁ~~……疲れるな」
「これから夕食ですよ?」
「一緒に食べる相手は解ってるだろ」
練習終了直後、アマンダはソウスケとミレアナ、ザハークに夕食を一緒に食べないかと誘った。
当然ながら、ソウスケとしてはお断りしたいところだが、他の騎士団の団員や団長に誘われた時にオーケーしてしまったため、アマンダだけ断るという訳にはいかなかった。
当然ながら、騎士団長と夕食を食べるということを考えれば、普段着で行く訳にはいかない。
「あら、ちょっと遅かったからしら」
「そんなことないですよ。俺たちが早く来ただけなんで」
今……ソウスケは必至でアマンダの顔だけを見るように意識を集中していた。
(べ、別に変なドレスではないんだろうけど……駄目だ、気を抜けば直ぐ谷間に眼が行きそうになる)
アマンダが着てきた水色がメインのドレスは基本的に露出が少なく、性素管が溢れるドレスだが……逆に何故か色香が漂う。
馬車ではなく歩きでの移動であるため、通行人たちの目が集中する。
向かう店は勿論高級店であり、到着するまでの道のりに複数のカップルがいたのだが……ミレアナもドレスを着てるため、彼氏たちは思わず目を奪われ……彼女に脇腹を抓られていた。
(ご愁傷様としか言えないな)
ソウスケとしては、そんな彼氏たちの気持ちが解らなくもなかった。
そして夕食後には会員制のバーへ案内され、ソウスケはぶっ倒れない程度まで付き合った。
「帰りは一人で大丈夫ですよ」
「そういう訳にはいきませんよ。もう暗いんで、家の近くまで送ります」
「……そうですか。では、お願いします」
アマンダも付き合いで異性と食事を食べることはあるが、そういった欲を持たない者はあまりいない。
故に、まだまだ思春期でありながら大人の対応が出来るソウスケを好ましく感じていた。
「ここまでで大丈夫です」
「分かりました。では、おやすみなさい」
「えぇ、おやすみなさい」
アマンダを送り終え、ソウスケも宿へと戻る……その道中、もうアマンダと会う事はないだろうと考えていた。
特別な理由などは特にないが、なんとなくそんな気がした。
しかしそれから三日後……根拠のない感覚はあっさりと裏切られることになった。
出世を目指している人物が聞けば発狂しそうなセリフだが、第三騎士団の歴代団長だけではなく、他の団の歴代団長たちも……なんやかんやで団長という立場に息苦しさを感じることがあった。
「……それなら、遠征という名目の強化合宿。これでどうでしょうか?」
「ど、どうでしょうかと言われましても……その、国王陛下や、他の騎士団の方々から了承を貰わないと、無理なんじゃないですか?」
ルクローラ王国との一件では確かに大活躍を果たした。
しかし、貴族の爵位を得た訳ではなく、基本的に貴族出身のアマンダたちにあれこれ許可できる立場ではない。
とはいえ、ソウスケに爵位が授与されなかったのは一緒に行動していたエルネスの助言があったため。
ソウスケが何処かに縛られることを嫌うという性格を理解しており、更に同じ部隊で戦っていからこそのその戦闘力を深く把握している……故に、変に対立しない方が良いと上に伝えた結果。
つまり……権力者たちとしても、ソウスケの意見というのは簡単に無視できないものなのだ。
「警備のスケジュール、私に一つ借りという内容であれば……ふむ、いけるか?」
(ほ、本気で考えてらっしゃる)
半分本気で半分冗談なのかと思っていたソウスケ。
だが、アマンダの考えっぷりからガチのマジでどうやってハイレベルなダンジョンに向かおうか考えているのが解る。
とりあえずその日は夕方まで訓練を行い、依頼は終了。
「はぁ~~……疲れるな」
「これから夕食ですよ?」
「一緒に食べる相手は解ってるだろ」
練習終了直後、アマンダはソウスケとミレアナ、ザハークに夕食を一緒に食べないかと誘った。
当然ながら、ソウスケとしてはお断りしたいところだが、他の騎士団の団員や団長に誘われた時にオーケーしてしまったため、アマンダだけ断るという訳にはいかなかった。
当然ながら、騎士団長と夕食を食べるということを考えれば、普段着で行く訳にはいかない。
「あら、ちょっと遅かったからしら」
「そんなことないですよ。俺たちが早く来ただけなんで」
今……ソウスケは必至でアマンダの顔だけを見るように意識を集中していた。
(べ、別に変なドレスではないんだろうけど……駄目だ、気を抜けば直ぐ谷間に眼が行きそうになる)
アマンダが着てきた水色がメインのドレスは基本的に露出が少なく、性素管が溢れるドレスだが……逆に何故か色香が漂う。
馬車ではなく歩きでの移動であるため、通行人たちの目が集中する。
向かう店は勿論高級店であり、到着するまでの道のりに複数のカップルがいたのだが……ミレアナもドレスを着てるため、彼氏たちは思わず目を奪われ……彼女に脇腹を抓られていた。
(ご愁傷様としか言えないな)
ソウスケとしては、そんな彼氏たちの気持ちが解らなくもなかった。
そして夕食後には会員制のバーへ案内され、ソウスケはぶっ倒れない程度まで付き合った。
「帰りは一人で大丈夫ですよ」
「そういう訳にはいきませんよ。もう暗いんで、家の近くまで送ります」
「……そうですか。では、お願いします」
アマンダも付き合いで異性と食事を食べることはあるが、そういった欲を持たない者はあまりいない。
故に、まだまだ思春期でありながら大人の対応が出来るソウスケを好ましく感じていた。
「ここまでで大丈夫です」
「分かりました。では、おやすみなさい」
「えぇ、おやすみなさい」
アマンダを送り終え、ソウスケも宿へと戻る……その道中、もうアマンダと会う事はないだろうと考えていた。
特別な理由などは特にないが、なんとなくそんな気がした。
しかしそれから三日後……根拠のない感覚はあっさりと裏切られることになった。
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