898 / 1,259
八百六十八話 交流試合?
しおりを挟む
訓練場に到着しソウスケ一行。
「ッ……凄い熱気ですね」
武芸にはそこまで詳しくないアネット。
だが、目の前の門下生たちがどれ程強くなることに全力で集中しているのか……ほんの一欠片ぐらいは感じ取った。
そんな中……門下生たちの何人かはソウスケやミレアナにザハーク、アマンダたちの気配に気付くも……師範代わりのターリアから休憩の許可が出ていないこともあり、そのまま集中力を持続させて稽古に取り組む。
「そこまでッ!!!!」
ターリアの凛とした声が響き渡り、門下生たちは乾いた喉に水分を補給……する前に、外部の師であるソウスケたちの元へ速足で駆け寄ってきた。
「「「「「「「「「「お疲れ様です!!!!!」」」」」」」」」」
「おぅ、皆もお疲れ。ほら、さっさと水貰ってこい。俺が冷やしてやるから」
門下生たちは速攻で水を取りに行き、一滴も零すことなく速足でソウスケの元へ戻って来た。
「こちらでも行いますので」
ミレアナも門下生たちの水を冷やすことを手伝い、稽古を終えた彼ら、彼女たちは最高の癒しを得ることが出来た。
そして水分補給もほどごどに済んだところで、ソウスケは門下生たちに目で合図を行った。
特に互いを知っている間柄ではないが、事前に情報は得ており、彼女たちが王都の騎士団に所属している騎士であることは把握している為、全員整列して深く頭を下げた。
「初めまして、第三騎士団団長のアマンダ・ファニエスです。今日は轟炎流の稽古を見学しに来ました。どうぞ、よろしくお願いします」
実際のところはアネットが興味を持って付いて行くと宣言したので、第三騎士団のメンバーも付いてくることになった。
「……レガース、どうせなら模擬戦でもしますか?」
「ふむ……良い案だ。第三騎士団の方々がよろしければだが……」
「えぇ、勿論受けさせていただきます」
第三騎士団対轟炎流……という訳ではないが、それはそれで両者とも盛り上がるというもの。
彼ら、彼女たちの中にはソウスケたち三人に敬意を持ち、憧れている者がそこそこいるため……成長した実力を見せようと張り切っている。
対して第三騎士団のメンバーは……第三騎士団の一員という誇りを捨てず、思いがけないタイミングで起こった対外試合で……アネットの前で無様な姿を晒せないと、こちらも気合は十分な状態。
「ソウスケ君、ぶっちゃけなところ彼女たちの実力はどうなんだい?」
「レガースさんも解ってるとは思いますけど、中級以上の使い手じゃないと色々と厳しいと思いますよ」
「やはりそうか……でも、あいつらの熱は、間違いなく彼女たち以上だよ」
その熱が模擬戦にどう影響が出るのか……それは直ぐに目に見えて現れた。
先日、第三騎士団の女性騎士たちはソウスケたちの指導を受けたが、それは轟炎流の門下生たちも同じ。
ソウスケたちが学術都市を離れてから入門した者たちには、既にソウスケたちから指導を受けていた先輩たちが同じ内容をアドバイスしており……より深く理解し、体現出来るようになっていた。
「おぉおおおおおおおッ!!!!!」
「ぐっ!!??」
(……はは、マジか。これは予想外というか……いや、あいつらが真面目に俺たちが教えた事を実行してたからか)
愛弟子というわけではないが、それでも目の前の結果に対して少々こみ上げてくる者がある。
とはいえ、第三騎士団の女性騎士たちも負けてはいない。
護衛対象である王女のアネットが見てる前で無様な姿は晒せない。
下らないプライド? しょうもない誇り?
人によってはそう感じるかもしれないが、彼女たちのそういった意識に対する芯は太く、プライドは簡単に砕けない。
「どうだい、あいつらは本当に強くなっただろ」
「えぇ、本当に……強くなってますね」
門下生たちの成長に、感動すら覚える。
だが……一番の衝撃はまだこれからだった。
「ッ……凄い熱気ですね」
武芸にはそこまで詳しくないアネット。
だが、目の前の門下生たちがどれ程強くなることに全力で集中しているのか……ほんの一欠片ぐらいは感じ取った。
そんな中……門下生たちの何人かはソウスケやミレアナにザハーク、アマンダたちの気配に気付くも……師範代わりのターリアから休憩の許可が出ていないこともあり、そのまま集中力を持続させて稽古に取り組む。
「そこまでッ!!!!」
ターリアの凛とした声が響き渡り、門下生たちは乾いた喉に水分を補給……する前に、外部の師であるソウスケたちの元へ速足で駆け寄ってきた。
「「「「「「「「「「お疲れ様です!!!!!」」」」」」」」」」
「おぅ、皆もお疲れ。ほら、さっさと水貰ってこい。俺が冷やしてやるから」
門下生たちは速攻で水を取りに行き、一滴も零すことなく速足でソウスケの元へ戻って来た。
「こちらでも行いますので」
ミレアナも門下生たちの水を冷やすことを手伝い、稽古を終えた彼ら、彼女たちは最高の癒しを得ることが出来た。
そして水分補給もほどごどに済んだところで、ソウスケは門下生たちに目で合図を行った。
特に互いを知っている間柄ではないが、事前に情報は得ており、彼女たちが王都の騎士団に所属している騎士であることは把握している為、全員整列して深く頭を下げた。
「初めまして、第三騎士団団長のアマンダ・ファニエスです。今日は轟炎流の稽古を見学しに来ました。どうぞ、よろしくお願いします」
実際のところはアネットが興味を持って付いて行くと宣言したので、第三騎士団のメンバーも付いてくることになった。
「……レガース、どうせなら模擬戦でもしますか?」
「ふむ……良い案だ。第三騎士団の方々がよろしければだが……」
「えぇ、勿論受けさせていただきます」
第三騎士団対轟炎流……という訳ではないが、それはそれで両者とも盛り上がるというもの。
彼ら、彼女たちの中にはソウスケたち三人に敬意を持ち、憧れている者がそこそこいるため……成長した実力を見せようと張り切っている。
対して第三騎士団のメンバーは……第三騎士団の一員という誇りを捨てず、思いがけないタイミングで起こった対外試合で……アネットの前で無様な姿を晒せないと、こちらも気合は十分な状態。
「ソウスケ君、ぶっちゃけなところ彼女たちの実力はどうなんだい?」
「レガースさんも解ってるとは思いますけど、中級以上の使い手じゃないと色々と厳しいと思いますよ」
「やはりそうか……でも、あいつらの熱は、間違いなく彼女たち以上だよ」
その熱が模擬戦にどう影響が出るのか……それは直ぐに目に見えて現れた。
先日、第三騎士団の女性騎士たちはソウスケたちの指導を受けたが、それは轟炎流の門下生たちも同じ。
ソウスケたちが学術都市を離れてから入門した者たちには、既にソウスケたちから指導を受けていた先輩たちが同じ内容をアドバイスしており……より深く理解し、体現出来るようになっていた。
「おぉおおおおおおおッ!!!!!」
「ぐっ!!??」
(……はは、マジか。これは予想外というか……いや、あいつらが真面目に俺たちが教えた事を実行してたからか)
愛弟子というわけではないが、それでも目の前の結果に対して少々こみ上げてくる者がある。
とはいえ、第三騎士団の女性騎士たちも負けてはいない。
護衛対象である王女のアネットが見てる前で無様な姿は晒せない。
下らないプライド? しょうもない誇り?
人によってはそう感じるかもしれないが、彼女たちのそういった意識に対する芯は太く、プライドは簡単に砕けない。
「どうだい、あいつらは本当に強くなっただろ」
「えぇ、本当に……強くなってますね」
門下生たちの成長に、感動すら覚える。
だが……一番の衝撃はまだこれからだった。
110
あなたにおすすめの小説
異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 番外編『旅日記』
アーエル
ファンタジー
カクヨムさん→小説家になろうさんで連載(完結済)していた
【 異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 】の番外編です。
カクヨム版の
分割投稿となりますので
一話が長かったり短かったりしています。
無属性魔法使いの下剋上~現代日本の知識を持つ魔導書と契約したら、俺だけが使える「科学魔法」で学園の英雄に成り上がりました~
黒崎隼人
ファンタジー
「お前は今日から、俺の主(マスター)だ」――魔力を持たない“無能”と蔑まれる落ちこぼれ貴族、ユキナリ。彼が手にした一冊の古びた魔導書。そこに宿っていたのは、異世界日本の知識を持つ生意気な魂、カイだった!
「俺の知識とお前の魔力があれば、最強だって夢じゃない」
主従契約から始まる、二人の秘密の特訓。科学的知識で魔法の常識を覆し、落ちこぼれが天才たちに成り上がる! 無自覚に甘い主従関係と、胸がすくような下剋上劇が今、幕を開ける!
【完結】すまない民よ。その聖騎士団、実は全員俺なんだ
一終一(にのまえしゅういち)
ファンタジー
俺こと“有塚しろ”が転移した先は巨大モンスターのうろつく異世界だった。それだけならエサになって終わりだったが、なぜか身に付けていた魔法“ワンオペ”によりポンコツ鎧兵を何体も召喚して命からがら生き延びていた。
百体まで増えた鎧兵を使って騎士団を結成し、モンスター狩りが安定してきた頃、大樹の上に人間の住むマルクト王国を発見する。女王に入国を許されたのだが何を血迷ったか“聖騎士団”の称号を与えられて、いきなり国の重職に就くことになってしまった。
平和に暮らしたい俺は騎士団が実は自分一人だということを隠し、国民の信頼を得るため一人百役で鎧兵を演じていく。
そして事あるごとに俺は心の中で呟くんだ。
『すまない民よ。その聖騎士団、実は全員俺なんだ』ってね。
※小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しています。
私の薬華異堂薬局は異世界につくるのだ
柚木 潤
ファンタジー
薬剤師の舞は、亡くなった祖父から託された鍵で秘密の扉を開けると、不思議な薬が書いてある古びた書物を見つけた。
そしてその扉の中に届いた異世界からの手紙に導かれその世界に転移すると、そこは人間だけでなく魔人、精霊、翼人などが存在する世界であった。
舞はその世界の魔人の王に見合う女性になる為に、異世界で勉強する事を決断する。
舞は薬師大学校に聴講生として入るのだが、のんびりと学生をしている状況にはならなかった。
以前も現れた黒い影の集合体や、舞を監視する存在が見え隠れし始めたのだ・・・
「薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ」の続編になります。
主人公「舞」は異世界に拠点を移し、薬師大学校での学生生活が始まります。
前作で起きた話の説明も間に挟みながら書いていく予定なので、前作を読んでいなくてもわかるようにしていこうと思います。
また、意外なその異世界の秘密や、新たな敵というべき存在も現れる予定なので、前作と合わせて読んでいただけると嬉しいです。
以前の登場人物についてもプロローグのに軽く記載しましたので、よかったら参考にしてください。
家族に捨てられたけど、もふもふ最強従魔に愛されました
朔夜
ファンタジー
この世界は「アステルシア」。
魔法と魔物、そして“従魔契約”という特殊な力が存在する世界。代々、強大な魔力と優れた従魔を持つ“英雄の血筋”。
でも、生まれたばかりの私は、そんな期待を知らず、ただ両親と兄姉の愛に包まれて育っていった。
本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜
あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい!
ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット”
ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで?
異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。
チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。
「────さてと、今日は何を読もうかな」
これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。
◆小説家になろう様にて、先行公開中◆
◆恋愛要素は、ありません◆
レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル
異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった
孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた
そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた
その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。
5レベルになったら世界が変わりました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる