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八百七十五話 休息と……
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「いやぁ~~~……本当に、俺らが居る必要は殆どなかったな」
現在、目の前で戦い続けるアネットを観て、再度似た様な言葉が零れる。
十層のボスはロックゴーレムが三体。
ランクはDとはいえ、レベルはどの個体も二十半ば。
「……一つ、疑問があります」
「おぅ、どうしたんだ?」
「確かにアネット様は強いです。これから……鍛錬、実戦を続ければもっと強くなるでしょう」
「だろうな。Aランク冒険者クラスの魔法使いになってもおかしくない」
「私も同じ考えです。ですが、そうなると……その、嫁の貰い手がなくなるのではないでしょうか」
「「「「「ッ……」」」」」
ミレアナの言葉に後方で待機している数名の女性騎士たちの体が僅かに震える。
「あぁ~~~~……いや、どうなんだ? 確かにこのまま続ければ非常に優れた魔法使いになるとは思うけど、戦士じゃなくて魔法使いなんだから、そんなに男側も遠慮することはないんじゃないか?」
基本的に王族の女性と婚約、結婚出来ることは非常に名誉なことであるため、そもそも断る令息などいない。
とはいえ……男は心の中で嫁より弱い自分を許せない……そういった思いを持っている。
「そう、なのでしょうか。ですが、やはり魔力の質は優れていて、センスも悪くありません」
「このまま伸びれば本当に超強い魔法使いになるのは間違いないって言いたいんだろ。でも、それなら優れた騎士の男性側からしたら、子孫云々とか考えればとびっきり良い相手、なんじゃないか?」
「……なるほど。そもそもの戦闘スタイルが違えば、そこまで気にすることはない……のかもしれませんね」
「多分な。てか、別に俺らがそこまで心配する必要はないって。美人で魔法の腕も優れてるってなれば、良い男たちが放っておかないから」
そうこう話してる内に、アネットが女性騎士たちと共にロックゴーレムの討伐に成功。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
「大丈夫ですか、アネット様」
「だ、大丈夫、です。ありがとうございます」
ソウスケから冷えた果実水を受け取り、ぐいっと一気に飲み干す。
王城に居れば誰かしらが、はしたないですよと小言を飛ばすが、今この場にそんな事を注意する者はいない。
(今まで、必要以上に体を動かすことはありませんでしたが……これはこれで、楽しいですね)
(っ……本当に、大丈夫だよな?)
ソウスケは見てしまった。
アネットの笑みを……その笑みが、どういった笑みなのか……ソウスケは知っていた。
その日、当然ながらソウスケたちは地上へと戻り、休息を取る。
「それでは、次の探索は二日後で」
休息するだけであれば一日だけでも問題無いが、ソウスケはしっかりと先日の夜、アマンダと二人で話した内容を覚えている。
地上に戻ってきた日の夜、轟炎流の門下生たちにまずは最初のチャンスが訪れたことを伝える。
そして翌日、休息を取るための一日なのだが……ソウスケは鍛冶ギルドの鍛冶場を借り、ザハークと共に武器を造っていた。
誰かに頼まれたわけではなく、当然依頼もない。
それでも何となく……戦闘以外のことで体を動かしたくなった。
「休憩にするか」
「うっす」
幾つか完成させ、一息つく中……ソウスケの顔はやや浮かない。
「どうしたんだ、ソウスケさん。護衛、指導の依頼に関しては順調だと思うが」
「いや、それはそうなんだけどさ……昨日、ダンジョン探索で最後の最後にアネット様が浮かべた笑みをみたか?」
「すまん、ちゃんとは見てなかった」
「そうか…………あれは、動くこと……もしくは、戦いに楽しさを感じたからこそ出る笑みだったんだよ」
「ほ~~う。それはそれは、意外だな。何度もモンスターとの戦闘に参加していたが……もしや、英雄譚といった物語に興味があるのか?」
本当に特に考えずに口にしたザハークの言葉が耳に入り……ソウスケの頭の中で色々とガッチリハマった。
現在、目の前で戦い続けるアネットを観て、再度似た様な言葉が零れる。
十層のボスはロックゴーレムが三体。
ランクはDとはいえ、レベルはどの個体も二十半ば。
「……一つ、疑問があります」
「おぅ、どうしたんだ?」
「確かにアネット様は強いです。これから……鍛錬、実戦を続ければもっと強くなるでしょう」
「だろうな。Aランク冒険者クラスの魔法使いになってもおかしくない」
「私も同じ考えです。ですが、そうなると……その、嫁の貰い手がなくなるのではないでしょうか」
「「「「「ッ……」」」」」
ミレアナの言葉に後方で待機している数名の女性騎士たちの体が僅かに震える。
「あぁ~~~~……いや、どうなんだ? 確かにこのまま続ければ非常に優れた魔法使いになるとは思うけど、戦士じゃなくて魔法使いなんだから、そんなに男側も遠慮することはないんじゃないか?」
基本的に王族の女性と婚約、結婚出来ることは非常に名誉なことであるため、そもそも断る令息などいない。
とはいえ……男は心の中で嫁より弱い自分を許せない……そういった思いを持っている。
「そう、なのでしょうか。ですが、やはり魔力の質は優れていて、センスも悪くありません」
「このまま伸びれば本当に超強い魔法使いになるのは間違いないって言いたいんだろ。でも、それなら優れた騎士の男性側からしたら、子孫云々とか考えればとびっきり良い相手、なんじゃないか?」
「……なるほど。そもそもの戦闘スタイルが違えば、そこまで気にすることはない……のかもしれませんね」
「多分な。てか、別に俺らがそこまで心配する必要はないって。美人で魔法の腕も優れてるってなれば、良い男たちが放っておかないから」
そうこう話してる内に、アネットが女性騎士たちと共にロックゴーレムの討伐に成功。
「はぁ、はぁ、はぁ……」
「大丈夫ですか、アネット様」
「だ、大丈夫、です。ありがとうございます」
ソウスケから冷えた果実水を受け取り、ぐいっと一気に飲み干す。
王城に居れば誰かしらが、はしたないですよと小言を飛ばすが、今この場にそんな事を注意する者はいない。
(今まで、必要以上に体を動かすことはありませんでしたが……これはこれで、楽しいですね)
(っ……本当に、大丈夫だよな?)
ソウスケは見てしまった。
アネットの笑みを……その笑みが、どういった笑みなのか……ソウスケは知っていた。
その日、当然ながらソウスケたちは地上へと戻り、休息を取る。
「それでは、次の探索は二日後で」
休息するだけであれば一日だけでも問題無いが、ソウスケはしっかりと先日の夜、アマンダと二人で話した内容を覚えている。
地上に戻ってきた日の夜、轟炎流の門下生たちにまずは最初のチャンスが訪れたことを伝える。
そして翌日、休息を取るための一日なのだが……ソウスケは鍛冶ギルドの鍛冶場を借り、ザハークと共に武器を造っていた。
誰かに頼まれたわけではなく、当然依頼もない。
それでも何となく……戦闘以外のことで体を動かしたくなった。
「休憩にするか」
「うっす」
幾つか完成させ、一息つく中……ソウスケの顔はやや浮かない。
「どうしたんだ、ソウスケさん。護衛、指導の依頼に関しては順調だと思うが」
「いや、それはそうなんだけどさ……昨日、ダンジョン探索で最後の最後にアネット様が浮かべた笑みをみたか?」
「すまん、ちゃんとは見てなかった」
「そうか…………あれは、動くこと……もしくは、戦いに楽しさを感じたからこそ出る笑みだったんだよ」
「ほ~~う。それはそれは、意外だな。何度もモンスターとの戦闘に参加していたが……もしや、英雄譚といった物語に興味があるのか?」
本当に特に考えずに口にしたザハークの言葉が耳に入り……ソウスケの頭の中で色々とガッチリハマった。
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