907 / 1,293
八百七十七話 至福の時間を……を続ける為に
しおりを挟む
「ふぅ~~。そろそろ帰るか」
「そうだな」
モヤモヤがそれなりにスッキリしたソウスケの表情は、今朝よりも優れた状態になっていた。
「あれ、お前ら」
「あっ、ソウスケさん」
道中、偶々出会ったのは轟炎流の門下生たち。
その門下生たちは……第三騎士団の女性騎士たちに対し、異性として興味を持っていた者たちであった。
(この感じ……悪くない感触、だったみたいだな)
まだ内容を聞いてはいないが、自然と頬が緩む。
「彼女たちと会ったんだろ」
「は、はい! お陰様で、その……本当に良い時間を過ごせました」
「「「「「「ありがとうございます!!!!」」」」」」
「そんなに揃って頭を下げないでくださいよ。今日の出会い? を楽しいと思えたのは、皆さんが今まで頑張って来たからこそ手に入れられた……ある意味必然的な出会いだったんですから」
彼女たちが轟炎流の門下生たちに興味を持ったのは、彼らがこれまで積み重ねてきた強さがあってこそ。
轟炎流の門下生として活動していたとしても、結局は真面目に鍛錬と実戦を積み重ねていなければ、今日の出会いは手に入れられなかった。
「ところで、実際のところ……上手くいきそうなんですか?」
実際のところというのは、男女としてお付き合いをし、結婚まで至れるのかということ。
「その、やはり彼女たちは貴族の出身であるため、親族の方々を納得出来るだけの実績が必要とのことらしいです」
「実績…………それなら、丁度良いですね」
「はい。自分たちも、同じ気持ちです」
戦闘者としての実績を積むのであれば、ダンジョンが三つもある学術都市は非常に積みやすい拠点。
(でも、丁度良い実績となると……中級者向けダンジョンの最下層のボス、エルダートレントを一人で倒すとか、上級者向けダンジョンの……三十層のボスモンスターのガーゴイル三体、グレートウルフ二体を一人で倒すとか、か?)
戦闘者として、戦士としての実績には申し分ない。
ソロで倒すとなれば上級者ダンジョンのニ十層のボス、オーク上位種が四体とオークリーダー一体といった面子を倒すだけでも十分なのだが……大事な娘を父親が平民出身の者たちに託すとなれば、並みの実績では納得されない。
「それでですね、ソウスケん……あまり頼り過ぎるのは良くないのは解ってるんですが、自分たちは基本的に頭が良くありません」
「お、おぅ」
轟炎流は脳筋たちが扱う剣技……というわけではないが、入門する門下生たちは元々そういった戦闘スタイルの者が多い。
それは彼等も自覚しているため、恥を忍んでソウスケに頼み込む。
「なので、俺たちに……強くなる術を、教えてください!!!」
「「「「「「お願いします!!!!」」」」」」
「えっと……と、とりあえず場所を移そっか」
ミレアナに今日は個別で食べると伝えてから、門下生たちを引き連れて個室があるレストランへと入る。
「そ、そそそソウスケさん。あの、俺たちあんまり金は、持ってないんですけど」
「俺の奢りに決まってるじゃないですか。遠慮せずに注文してください」
ハッキリと自分の奢りだと言い切った。
自分たちよりも歳下にも拘わらず、なんて豪快で器が多き人なのだと感心させられる。
ここでまだ「いや、それでも……」と言うのは逆に失礼だと思い、門下生たちはお言葉に甘えて遠慮なく料理を注文。
「それで、どうやって強くなりたいか、ですよね……まず、ダンジョンで鍛えるのであれば、浅い階層の方が良いです。浅いと言っても、二十一階層や二十二階層……もしくは三十一階層、三十二階層です」
三十一階層ともなれば、冒険者の中でも経験豊富なCランク以上の冒険者でなければ到達は難しい階層である。
しかし、ソロで複数のCランクモンスターを……それかBランクモンスターを倒すとなれば、更にリスクの高い死地へと足を踏み入れなければならないのは、至極当然であった。
「そうだな」
モヤモヤがそれなりにスッキリしたソウスケの表情は、今朝よりも優れた状態になっていた。
「あれ、お前ら」
「あっ、ソウスケさん」
道中、偶々出会ったのは轟炎流の門下生たち。
その門下生たちは……第三騎士団の女性騎士たちに対し、異性として興味を持っていた者たちであった。
(この感じ……悪くない感触、だったみたいだな)
まだ内容を聞いてはいないが、自然と頬が緩む。
「彼女たちと会ったんだろ」
「は、はい! お陰様で、その……本当に良い時間を過ごせました」
「「「「「「ありがとうございます!!!!」」」」」」
「そんなに揃って頭を下げないでくださいよ。今日の出会い? を楽しいと思えたのは、皆さんが今まで頑張って来たからこそ手に入れられた……ある意味必然的な出会いだったんですから」
彼女たちが轟炎流の門下生たちに興味を持ったのは、彼らがこれまで積み重ねてきた強さがあってこそ。
轟炎流の門下生として活動していたとしても、結局は真面目に鍛錬と実戦を積み重ねていなければ、今日の出会いは手に入れられなかった。
「ところで、実際のところ……上手くいきそうなんですか?」
実際のところというのは、男女としてお付き合いをし、結婚まで至れるのかということ。
「その、やはり彼女たちは貴族の出身であるため、親族の方々を納得出来るだけの実績が必要とのことらしいです」
「実績…………それなら、丁度良いですね」
「はい。自分たちも、同じ気持ちです」
戦闘者としての実績を積むのであれば、ダンジョンが三つもある学術都市は非常に積みやすい拠点。
(でも、丁度良い実績となると……中級者向けダンジョンの最下層のボス、エルダートレントを一人で倒すとか、上級者向けダンジョンの……三十層のボスモンスターのガーゴイル三体、グレートウルフ二体を一人で倒すとか、か?)
戦闘者として、戦士としての実績には申し分ない。
ソロで倒すとなれば上級者ダンジョンのニ十層のボス、オーク上位種が四体とオークリーダー一体といった面子を倒すだけでも十分なのだが……大事な娘を父親が平民出身の者たちに託すとなれば、並みの実績では納得されない。
「それでですね、ソウスケん……あまり頼り過ぎるのは良くないのは解ってるんですが、自分たちは基本的に頭が良くありません」
「お、おぅ」
轟炎流は脳筋たちが扱う剣技……というわけではないが、入門する門下生たちは元々そういった戦闘スタイルの者が多い。
それは彼等も自覚しているため、恥を忍んでソウスケに頼み込む。
「なので、俺たちに……強くなる術を、教えてください!!!」
「「「「「「お願いします!!!!」」」」」」
「えっと……と、とりあえず場所を移そっか」
ミレアナに今日は個別で食べると伝えてから、門下生たちを引き連れて個室があるレストランへと入る。
「そ、そそそソウスケさん。あの、俺たちあんまり金は、持ってないんですけど」
「俺の奢りに決まってるじゃないですか。遠慮せずに注文してください」
ハッキリと自分の奢りだと言い切った。
自分たちよりも歳下にも拘わらず、なんて豪快で器が多き人なのだと感心させられる。
ここでまだ「いや、それでも……」と言うのは逆に失礼だと思い、門下生たちはお言葉に甘えて遠慮なく料理を注文。
「それで、どうやって強くなりたいか、ですよね……まず、ダンジョンで鍛えるのであれば、浅い階層の方が良いです。浅いと言っても、二十一階層や二十二階層……もしくは三十一階層、三十二階層です」
三十一階層ともなれば、冒険者の中でも経験豊富なCランク以上の冒険者でなければ到達は難しい階層である。
しかし、ソロで複数のCランクモンスターを……それかBランクモンスターを倒すとなれば、更にリスクの高い死地へと足を踏み入れなければならないのは、至極当然であった。
128
あなたにおすすめの小説
ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします
ランド犬
ファンタジー
異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは
――〈ホームセンター〉
壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。
気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。
拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?
精霊に愛された錬金術師、チートすぎてもはや無敵!?
あーもんど
ファンタジー
精霊の愛し子で、帝国唯一の錬金術師である公爵令嬢プリシラ。
彼女は今日もマイペースに、精霊達と楽しくモノ作りに励む。
ときどき、悪人を断罪したり人々を救ったりしながら。
◆小説家になろう様にて、先行公開中◆
◆三人称視点で本格的に書くのは初めてなので、温かい目で見守っていただけますと幸いです◆
本の知識で、らくらく異世界生活? 〜チート過ぎて、逆にヤバい……けど、とっても役に立つ!〜
あーもんど
ファンタジー
異世界でも、本を読みたい!
ミレイのそんな願いにより、生まれた“あらゆる文書を閲覧出来るタブレット”
ミレイとしては、『小説や漫画が読めればいい』くらいの感覚だったが、思ったよりチートみたいで?
異世界で知り合った仲間達の窮地を救うキッカケになったり、敵の情報が筒抜けになったりと大変優秀。
チートすぎるがゆえの弊害も多少あるものの、それを鑑みても一家に一台はほしい性能だ。
「────さてと、今日は何を読もうかな」
これはマイペースな主人公ミレイが、タブレット片手に異世界の暮らしを謳歌するお話。
◆小説家になろう様でも、公開中◆
◆恋愛要素は、ありません◆
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
転生幼子は生きのびたい
えぞぎんぎつね
ファンタジー
大貴族の次男として生まれたノエルは、生後八か月で誘拐されて、凶悪な魔物が跋扈する死の山に捨てられてしまった。
だが、ノエルには前世の記憶がある。それに優れた魔法の才能も。
神獣の猫シルヴァに拾われたノエルは、親を亡くした赤ちゃんの聖獣犬と一緒に、神獣のお乳を飲んで大きくなる。
たくましく育ったノエルはでかい赤ちゃん犬と一緒に、元気に楽しく暮らしていくのだった。
一方、ノエルの生存を信じている両親はノエルを救出するために様々な手段を講じていくのだった。
※ネオページ、カクヨムにも掲載しています
ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ
高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。
タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。
ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。
本編完結済み。
外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。
おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ
双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。
彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。
そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。
洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。
さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。
持ち前のサバイバル能力で見敵必殺!
赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。
そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。
人々との出会い。
そして貴族や平民との格差社会。
ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。
牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。
うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい!
そんな人のための物語。
5/6_18:00完結!
スキル「糸」を手に入れた転生者。糸をバカにする奴は全員ぶっ飛ばす
Gai
ファンタジー
人を助けた代わりにバイクに轢かれた男、工藤 英二
その魂は異世界へと送られ、第二の人生を送ることになった。
侯爵家の三男として生まれ、順風満帆な人生を過ごせる……とは限らない。
裕福な家庭に生まれたとしても、生きていいく中で面倒な壁とぶつかることはある。
そこで先天性スキル、糸を手に入れた。
だが、その糸はただの糸ではなく、英二が生きていく上で大いに役立つスキルとなる。
「おいおい、あんまり糸を嘗めるんじゃねぇぞ」
少々強気な性格を崩さず、英二は己が生きたい道を行く。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる