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八百七十七話 至福の時間を……を続ける為に
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「ふぅ~~。そろそろ帰るか」
「そうだな」
モヤモヤがそれなりにスッキリしたソウスケの表情は、今朝よりも優れた状態になっていた。
「あれ、お前ら」
「あっ、ソウスケさん」
道中、偶々出会ったのは轟炎流の門下生たち。
その門下生たちは……第三騎士団の女性騎士たちに対し、異性として興味を持っていた者たちであった。
(この感じ……悪くない感触、だったみたいだな)
まだ内容を聞いてはいないが、自然と頬が緩む。
「彼女たちと会ったんだろ」
「は、はい! お陰様で、その……本当に良い時間を過ごせました」
「「「「「「ありがとうございます!!!!」」」」」」
「そんなに揃って頭を下げないでくださいよ。今日の出会い? を楽しいと思えたのは、皆さんが今まで頑張って来たからこそ手に入れられた……ある意味必然的な出会いだったんですから」
彼女たちが轟炎流の門下生たちに興味を持ったのは、彼らがこれまで積み重ねてきた強さがあってこそ。
轟炎流の門下生として活動していたとしても、結局は真面目に鍛錬と実戦を積み重ねていなければ、今日の出会いは手に入れられなかった。
「ところで、実際のところ……上手くいきそうなんですか?」
実際のところというのは、男女としてお付き合いをし、結婚まで至れるのかということ。
「その、やはり彼女たちは貴族の出身であるため、親族の方々を納得出来るだけの実績が必要とのことらしいです」
「実績…………それなら、丁度良いですね」
「はい。自分たちも、同じ気持ちです」
戦闘者としての実績を積むのであれば、ダンジョンが三つもある学術都市は非常に積みやすい拠点。
(でも、丁度良い実績となると……中級者向けダンジョンの最下層のボス、エルダートレントを一人で倒すとか、上級者向けダンジョンの……三十層のボスモンスターのガーゴイル三体、グレートウルフ二体を一人で倒すとか、か?)
戦闘者として、戦士としての実績には申し分ない。
ソロで倒すとなれば上級者ダンジョンのニ十層のボス、オーク上位種が四体とオークリーダー一体といった面子を倒すだけでも十分なのだが……大事な娘を父親が平民出身の者たちに託すとなれば、並みの実績では納得されない。
「それでですね、ソウスケん……あまり頼り過ぎるのは良くないのは解ってるんですが、自分たちは基本的に頭が良くありません」
「お、おぅ」
轟炎流は脳筋たちが扱う剣技……というわけではないが、入門する門下生たちは元々そういった戦闘スタイルの者が多い。
それは彼等も自覚しているため、恥を忍んでソウスケに頼み込む。
「なので、俺たちに……強くなる術を、教えてください!!!」
「「「「「「お願いします!!!!」」」」」」
「えっと……と、とりあえず場所を移そっか」
ミレアナに今日は個別で食べると伝えてから、門下生たちを引き連れて個室があるレストランへと入る。
「そ、そそそソウスケさん。あの、俺たちあんまり金は、持ってないんですけど」
「俺の奢りに決まってるじゃないですか。遠慮せずに注文してください」
ハッキリと自分の奢りだと言い切った。
自分たちよりも歳下にも拘わらず、なんて豪快で器が多き人なのだと感心させられる。
ここでまだ「いや、それでも……」と言うのは逆に失礼だと思い、門下生たちはお言葉に甘えて遠慮なく料理を注文。
「それで、どうやって強くなりたいか、ですよね……まず、ダンジョンで鍛えるのであれば、浅い階層の方が良いです。浅いと言っても、二十一階層や二十二階層……もしくは三十一階層、三十二階層です」
三十一階層ともなれば、冒険者の中でも経験豊富なCランク以上の冒険者でなければ到達は難しい階層である。
しかし、ソロで複数のCランクモンスターを……それかBランクモンスターを倒すとなれば、更にリスクの高い死地へと足を踏み入れなければならないのは、至極当然であった。
「そうだな」
モヤモヤがそれなりにスッキリしたソウスケの表情は、今朝よりも優れた状態になっていた。
「あれ、お前ら」
「あっ、ソウスケさん」
道中、偶々出会ったのは轟炎流の門下生たち。
その門下生たちは……第三騎士団の女性騎士たちに対し、異性として興味を持っていた者たちであった。
(この感じ……悪くない感触、だったみたいだな)
まだ内容を聞いてはいないが、自然と頬が緩む。
「彼女たちと会ったんだろ」
「は、はい! お陰様で、その……本当に良い時間を過ごせました」
「「「「「「ありがとうございます!!!!」」」」」」
「そんなに揃って頭を下げないでくださいよ。今日の出会い? を楽しいと思えたのは、皆さんが今まで頑張って来たからこそ手に入れられた……ある意味必然的な出会いだったんですから」
彼女たちが轟炎流の門下生たちに興味を持ったのは、彼らがこれまで積み重ねてきた強さがあってこそ。
轟炎流の門下生として活動していたとしても、結局は真面目に鍛錬と実戦を積み重ねていなければ、今日の出会いは手に入れられなかった。
「ところで、実際のところ……上手くいきそうなんですか?」
実際のところというのは、男女としてお付き合いをし、結婚まで至れるのかということ。
「その、やはり彼女たちは貴族の出身であるため、親族の方々を納得出来るだけの実績が必要とのことらしいです」
「実績…………それなら、丁度良いですね」
「はい。自分たちも、同じ気持ちです」
戦闘者としての実績を積むのであれば、ダンジョンが三つもある学術都市は非常に積みやすい拠点。
(でも、丁度良い実績となると……中級者向けダンジョンの最下層のボス、エルダートレントを一人で倒すとか、上級者向けダンジョンの……三十層のボスモンスターのガーゴイル三体、グレートウルフ二体を一人で倒すとか、か?)
戦闘者として、戦士としての実績には申し分ない。
ソロで倒すとなれば上級者ダンジョンのニ十層のボス、オーク上位種が四体とオークリーダー一体といった面子を倒すだけでも十分なのだが……大事な娘を父親が平民出身の者たちに託すとなれば、並みの実績では納得されない。
「それでですね、ソウスケん……あまり頼り過ぎるのは良くないのは解ってるんですが、自分たちは基本的に頭が良くありません」
「お、おぅ」
轟炎流は脳筋たちが扱う剣技……というわけではないが、入門する門下生たちは元々そういった戦闘スタイルの者が多い。
それは彼等も自覚しているため、恥を忍んでソウスケに頼み込む。
「なので、俺たちに……強くなる術を、教えてください!!!」
「「「「「「お願いします!!!!」」」」」」
「えっと……と、とりあえず場所を移そっか」
ミレアナに今日は個別で食べると伝えてから、門下生たちを引き連れて個室があるレストランへと入る。
「そ、そそそソウスケさん。あの、俺たちあんまり金は、持ってないんですけど」
「俺の奢りに決まってるじゃないですか。遠慮せずに注文してください」
ハッキリと自分の奢りだと言い切った。
自分たちよりも歳下にも拘わらず、なんて豪快で器が多き人なのだと感心させられる。
ここでまだ「いや、それでも……」と言うのは逆に失礼だと思い、門下生たちはお言葉に甘えて遠慮なく料理を注文。
「それで、どうやって強くなりたいか、ですよね……まず、ダンジョンで鍛えるのであれば、浅い階層の方が良いです。浅いと言っても、二十一階層や二十二階層……もしくは三十一階層、三十二階層です」
三十一階層ともなれば、冒険者の中でも経験豊富なCランク以上の冒険者でなければ到達は難しい階層である。
しかし、ソロで複数のCランクモンスターを……それかBランクモンスターを倒すとなれば、更にリスクの高い死地へと足を踏み入れなければならないのは、至極当然であった。
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