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千五十七話 改めて、認める
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(解ってた、けど、本当に、強い!!!!)
ヌレールアはリザードマンの戦闘能力の強さ自体には驚いていない。
模擬戦でソウスケたちがヌレールアの限界ギリギリを引き出す力で戦っていたこともあって、自分よりもパワーとスピードが上の相手に対し、決して完全に後れを取ってはいなかった。
では何に驚いているのか?
それは……槍使いのリザードマンが発する殺気の強さ。
(これまで、戦ってきた、どのモンスターよりも、強烈だ!!)
ヌレールアとて、これまで何度もモンスターと戦ってきた。
少し前までは、邪悪な悪意をぶつけられていた。
それらと比べて……槍使いのリザードマンが放つ殺気は、レベルが違った。
文字通り槍の様に刺す強烈な殺気に何度か身を震わせるも、己を勇気で奮い立たせ、果敢に隙を見ては攻めに転じる。
(反応、し続けるんだ!!!!)
今のところ、それなりに対応は出来ているが、それでも体に切傷が増え続けている。
剣と槍を合わせ、直ぐに今の自分には早いと……何故先生であるソウスケが渋ったのか、理解出来た。
身体能力の面で完全に負けている。
ヌレールアとリザードマンのメイン武器のスキル練度は…………数字だけ見れば同練度だが、大剣を使い始めて二十日のヌレールアよりも歴は長い。
ヌレールアが勝っているのは、主に魔力量。
そこに時間は多少の時間は掛かるも、辿り着いた。
(っ、それが、一番なのか!?)
相手が自分よりも強い事は理解している。
それでも……ヌレールアはソウスケの様に、敵をぶっ倒したい。
可能であれば、真っ直ぐぶつかって勝ちたい。
しかし、現状ヌレールアが思い付く勝利の道筋は、リザードマンの魔力が切れるのを待ち、ガクッと身体能力が落ちたタイミングで急所に攻撃を叩き込む。
それしかなかった。
(でも、でも!!!)
葛藤が続く。
それが本当に自分の目指すべき勝利なのかと。
この戦いは、絶対に綺麗に勝たなければならない戦いではない。
それはヌレールアも理解しているが、やはり理解と納得は違う。
ソウスケの前では、自分は今回の試練の内容をしっかりと理解しています!! と偉そうに言ったものの、本音は別だった。
目の前のモンスターを正々堂々と、真正面から叩き伏せて勝利したい。
(っ…………っ!!! けど、今は、違う!!!!)
リザードマンの槍が首元を通り過ぎた瞬間、ここ二十日間の記憶が一瞬にして脳内を過った。
本音は正々堂々と、真正面から叩き伏せて勝利したい。
だが……自分は本気で強くなろうと、ソウスケの様に己の意志を貫き通す力が欲しいと思い、道を進み始めてから……まだ二十日しか経ってないのだ。
対して、目の前の槍使いのリザードマンはどうだ。
槍を使ってきた時間……はともかく、野生という常に生死が付き纏う世界で生きてきた年数は、優にヌレールアを越えている。
そう、ヌレールアはここで、改めて自分は目の前のモンスターより圧倒的に弱い事を悟った。
であれば、汚くても泥臭くても、勝ち筋を感じる一つの光に懸けるのが一番の勝利方法。
「ぐっ、くっ……ッ!!!!!」
改めて自分は目の前のリザードマンよりも弱いと理解し、納得してからは直ぐに持久戦に切り替えた。
しかし、諸々のテンションがマックス状態に高まっていたヌレールアは頭の冷静さも最高潮であり「モンスターがこんな事を考えてるって俺の作戦に気付く訳がないだろう」といった甘い考えを捨て去っていた。
これまで通り何度か隙を見つければ大剣を叩き込む。
ただ、これまで以上に体力の消耗に気を付けながら戦い続けた。
そして数分後…………遂に、その時が訪れた。
「ッ!!!!!!!!!!!!」
動きながらも、魔力を全て消費し、体を纏う魔力が切れ、身体強化の発動がオフになった状態。
まだリザードマンがその状況を理解するよりも先に、ヌレールアが振り下ろした大剣が叩き込まれた。
ヌレールアはリザードマンの戦闘能力の強さ自体には驚いていない。
模擬戦でソウスケたちがヌレールアの限界ギリギリを引き出す力で戦っていたこともあって、自分よりもパワーとスピードが上の相手に対し、決して完全に後れを取ってはいなかった。
では何に驚いているのか?
それは……槍使いのリザードマンが発する殺気の強さ。
(これまで、戦ってきた、どのモンスターよりも、強烈だ!!)
ヌレールアとて、これまで何度もモンスターと戦ってきた。
少し前までは、邪悪な悪意をぶつけられていた。
それらと比べて……槍使いのリザードマンが放つ殺気は、レベルが違った。
文字通り槍の様に刺す強烈な殺気に何度か身を震わせるも、己を勇気で奮い立たせ、果敢に隙を見ては攻めに転じる。
(反応、し続けるんだ!!!!)
今のところ、それなりに対応は出来ているが、それでも体に切傷が増え続けている。
剣と槍を合わせ、直ぐに今の自分には早いと……何故先生であるソウスケが渋ったのか、理解出来た。
身体能力の面で完全に負けている。
ヌレールアとリザードマンのメイン武器のスキル練度は…………数字だけ見れば同練度だが、大剣を使い始めて二十日のヌレールアよりも歴は長い。
ヌレールアが勝っているのは、主に魔力量。
そこに時間は多少の時間は掛かるも、辿り着いた。
(っ、それが、一番なのか!?)
相手が自分よりも強い事は理解している。
それでも……ヌレールアはソウスケの様に、敵をぶっ倒したい。
可能であれば、真っ直ぐぶつかって勝ちたい。
しかし、現状ヌレールアが思い付く勝利の道筋は、リザードマンの魔力が切れるのを待ち、ガクッと身体能力が落ちたタイミングで急所に攻撃を叩き込む。
それしかなかった。
(でも、でも!!!)
葛藤が続く。
それが本当に自分の目指すべき勝利なのかと。
この戦いは、絶対に綺麗に勝たなければならない戦いではない。
それはヌレールアも理解しているが、やはり理解と納得は違う。
ソウスケの前では、自分は今回の試練の内容をしっかりと理解しています!! と偉そうに言ったものの、本音は別だった。
目の前のモンスターを正々堂々と、真正面から叩き伏せて勝利したい。
(っ…………っ!!! けど、今は、違う!!!!)
リザードマンの槍が首元を通り過ぎた瞬間、ここ二十日間の記憶が一瞬にして脳内を過った。
本音は正々堂々と、真正面から叩き伏せて勝利したい。
だが……自分は本気で強くなろうと、ソウスケの様に己の意志を貫き通す力が欲しいと思い、道を進み始めてから……まだ二十日しか経ってないのだ。
対して、目の前の槍使いのリザードマンはどうだ。
槍を使ってきた時間……はともかく、野生という常に生死が付き纏う世界で生きてきた年数は、優にヌレールアを越えている。
そう、ヌレールアはここで、改めて自分は目の前のモンスターより圧倒的に弱い事を悟った。
であれば、汚くても泥臭くても、勝ち筋を感じる一つの光に懸けるのが一番の勝利方法。
「ぐっ、くっ……ッ!!!!!」
改めて自分は目の前のリザードマンよりも弱いと理解し、納得してからは直ぐに持久戦に切り替えた。
しかし、諸々のテンションがマックス状態に高まっていたヌレールアは頭の冷静さも最高潮であり「モンスターがこんな事を考えてるって俺の作戦に気付く訳がないだろう」といった甘い考えを捨て去っていた。
これまで通り何度か隙を見つければ大剣を叩き込む。
ただ、これまで以上に体力の消耗に気を付けながら戦い続けた。
そして数分後…………遂に、その時が訪れた。
「ッ!!!!!!!!!!!!」
動きながらも、魔力を全て消費し、体を纏う魔力が切れ、身体強化の発動がオフになった状態。
まだリザードマンがその状況を理解するよりも先に、ヌレールアが振り下ろした大剣が叩き込まれた。
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