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千七十一話 大人の対応を
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「…………クソッ!!!!」
「落ち着いてくれ」
「分かってる。分かってるよ!!! けど……それとこれとは、話が別よ」
仲間たちにソウスケたちと話し合った内容を伝えたイルザス。
反応はバラけているものの、決して今すぐソウスケとミレアナに「余計な真似すんじゃねぇッ!!!!」と殴り掛かりに行こうとする者はいなかった。
寧ろ、わざわざ自分たちの元に尋ね、リーダーの意見を聞き入れてくれたことに感謝する者もいた。
「……例の二人は、それ程までに強かったの?」
「ミレアナさんは言わずもがな、ソウスケ君に関しては……上手く、隠していたんだろうね」
イルザスはこれまでソウスケが重ねてきた功績を、決して嘘や捏造だと疑ってはいなかった。
「ただ、得体の知れない不気味さ、というのは彼に失礼だね。ただ、予想出来ない強さを抱えていた……というのが率直な感想かな」
「噂に一切の偽りなしということね」
メンバーの中にはイルザスよりもソウスケたちの功績を細かく知っている者もおり、それら全てが真実だと思うと……思わず体が震えてた。
「僕たちを見下している訳じゃない。ただ……純粋に気遣ってくれてるんだ」
「分かってるよ…………はぁ~~~~~~~~~~~。ねぇ、私って成長したと思わない?」
「そうね。ちゃんと強さだけじゃなくて、中身も成長してるわ」
「彼の対応に文句は言えないよ。思うところはあっても、彼は事前に起こるであろう揉め事を察知して動いてくれた。僕たちが感じるかもしれない思いを承知でね」
まだ本当に若いソウスケが大人な対応をしてくれた。
であれば、自分たちもその思いを大人らしく受け取らなければならない、という思い感じたイルザス。
その後、イルザスは自分たちが再度トロールシャーマンを捜索して倒しに行く日にちと時間を伝え……その日が訪れた。
「…………」
「ちゃんと大人しいですね、ザハーク」
数日後、ソウスケたちは基本的にイルザスたちの視線に入らないほどの距離を保ちながら移動していた。
「あいつらの手に負えないレベルまでトロールシャーマンが強くなっていれば、俺が相手して良いのだろう」
「そういう約束になっています」
「つまり、楽しみが残っているということだろう」
「「…………」」
イルザスたちが負けることを前提に考えているザハークに、呆れた目を向けるソウスケとミレアナ。
「ザハーク……それはさすがにちょっと駄目だぞ」
「むっ…………しかし、手痛い敗北を味わったとなると……この辺り一帯から消えていれば、逃げたということになるが、まだ残っているのであれば……一皮剥けていると思うが」
モンスターにはモンスターにしか解らない真理がある……のかもしれない。
「でもザハーク、イルザスさんたちは先日の戦いではトロールシャーマンだけではなく、アンデットモンスターたちも同時に相手をしていたんだ。当然、楽勝とはいかないだろうけど、絶対に負けるとは言えないんじゃないか?」
「というか、ザハーク。あなた、トロールシャーマンが絶対に成長……もしくは進化すると仮定して話してますよね」
「当然だろう」
「…………最近は割とまともなので忘れていましたが、元は脳筋でしたね」
可能性としてはあり得るものの、確定はしていない。
逆にトロールシャーマンがイルザスたちの強さに、心が折れてしまうという可能性もある。
「まぁ、一応その可能性は捨てきれないけど……仮に進化してたら、どういった方向に進化してるだろうね」
「シャーマンということ考えれば、魔力総量が増え、魔法以外にもアンデットモンスターの強化といった手札を手に入れているかもしれませんね」
「逆にトロールらしく、接近戦……圧倒的な力でねじ伏せるスタイルに進化するかもしれないな…………とはいえ、俺としてはどちらもありだ」
変わらずテンションが高いザハークに二人はそれ以上ツッコまず、軽くため息をはいた。
「落ち着いてくれ」
「分かってる。分かってるよ!!! けど……それとこれとは、話が別よ」
仲間たちにソウスケたちと話し合った内容を伝えたイルザス。
反応はバラけているものの、決して今すぐソウスケとミレアナに「余計な真似すんじゃねぇッ!!!!」と殴り掛かりに行こうとする者はいなかった。
寧ろ、わざわざ自分たちの元に尋ね、リーダーの意見を聞き入れてくれたことに感謝する者もいた。
「……例の二人は、それ程までに強かったの?」
「ミレアナさんは言わずもがな、ソウスケ君に関しては……上手く、隠していたんだろうね」
イルザスはこれまでソウスケが重ねてきた功績を、決して嘘や捏造だと疑ってはいなかった。
「ただ、得体の知れない不気味さ、というのは彼に失礼だね。ただ、予想出来ない強さを抱えていた……というのが率直な感想かな」
「噂に一切の偽りなしということね」
メンバーの中にはイルザスよりもソウスケたちの功績を細かく知っている者もおり、それら全てが真実だと思うと……思わず体が震えてた。
「僕たちを見下している訳じゃない。ただ……純粋に気遣ってくれてるんだ」
「分かってるよ…………はぁ~~~~~~~~~~~。ねぇ、私って成長したと思わない?」
「そうね。ちゃんと強さだけじゃなくて、中身も成長してるわ」
「彼の対応に文句は言えないよ。思うところはあっても、彼は事前に起こるであろう揉め事を察知して動いてくれた。僕たちが感じるかもしれない思いを承知でね」
まだ本当に若いソウスケが大人な対応をしてくれた。
であれば、自分たちもその思いを大人らしく受け取らなければならない、という思い感じたイルザス。
その後、イルザスは自分たちが再度トロールシャーマンを捜索して倒しに行く日にちと時間を伝え……その日が訪れた。
「…………」
「ちゃんと大人しいですね、ザハーク」
数日後、ソウスケたちは基本的にイルザスたちの視線に入らないほどの距離を保ちながら移動していた。
「あいつらの手に負えないレベルまでトロールシャーマンが強くなっていれば、俺が相手して良いのだろう」
「そういう約束になっています」
「つまり、楽しみが残っているということだろう」
「「…………」」
イルザスたちが負けることを前提に考えているザハークに、呆れた目を向けるソウスケとミレアナ。
「ザハーク……それはさすがにちょっと駄目だぞ」
「むっ…………しかし、手痛い敗北を味わったとなると……この辺り一帯から消えていれば、逃げたということになるが、まだ残っているのであれば……一皮剥けていると思うが」
モンスターにはモンスターにしか解らない真理がある……のかもしれない。
「でもザハーク、イルザスさんたちは先日の戦いではトロールシャーマンだけではなく、アンデットモンスターたちも同時に相手をしていたんだ。当然、楽勝とはいかないだろうけど、絶対に負けるとは言えないんじゃないか?」
「というか、ザハーク。あなた、トロールシャーマンが絶対に成長……もしくは進化すると仮定して話してますよね」
「当然だろう」
「…………最近は割とまともなので忘れていましたが、元は脳筋でしたね」
可能性としてはあり得るものの、確定はしていない。
逆にトロールシャーマンがイルザスたちの強さに、心が折れてしまうという可能性もある。
「まぁ、一応その可能性は捨てきれないけど……仮に進化してたら、どういった方向に進化してるだろうね」
「シャーマンということ考えれば、魔力総量が増え、魔法以外にもアンデットモンスターの強化といった手札を手に入れているかもしれませんね」
「逆にトロールらしく、接近戦……圧倒的な力でねじ伏せるスタイルに進化するかもしれないな…………とはいえ、俺としてはどちらもありだ」
変わらずテンションが高いザハークに二人はそれ以上ツッコまず、軽くため息をはいた。
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