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千七十七話 目指して良い凄さではない
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「あの呪いを食らっても、そのまま倒してしまうなんて…………解ってはいたけど、凄いね」
「イルザス、確かにザハークは凄いことはしたと思いますけど、真似して良い凄さじゃありませんからね」
念のため……念のためソウスケはイルザスに、決して真似してはいけない、目指す様な凄さではないと伝えた。
ソウスケも大概の部類ではあるが、デバフ……呪いに対しては、基本的に忌避感がある。
わざと強化系のスキルを戦わず……普段は使わない武器で戦ったりすることはあるが、デバフを食らってまでそういった戦いをしたいとは思わない。
「ソウスケさん……あれだな、今日は厳しいな」
「いや、だってお前が青痣がいくつもあって、血も流してたんだぞ。驚くに決まってるだろ」
「むっ…………そうか、それは済まなかったな」
自分が傷付けば、主人であるソウスケが心配する。
さすがにそれが解らないほど、ザハークの頭は戦い一色ではなかった。
「だが、あのトロールシャーマンとの戦いは楽しかった!!」
「うん……そっか。まぁ、それなら良いんだよ」
気になっていた個体が、ザハークの期待通りの進化をし、デバフを受けたという経緯はあれど、満足感マックスの表情を浮かべるほどの戦いが出来た。
ソウスケとしては……ザハークがそれほど満足気な顔をしてくれたなら、それはそれで嬉しいと思う部分もあった。
「それでは、帰りましょうか」
あえて、結果的にザハークが討伐したシェイプアップしたトロールシャーマンの死体を解体せず、亜空間に入れて街に帰還。
そして冒険者ギルドへ向かい、解体場で解体士とギルド職員たちの前でシェイプアップしたトロールシャーマンの死体と、使用していた杖を見せた。
「「「「「「「っ!!!!????」」」」」」」
死体を見た瞬間、解体士も含めて全員が目玉が飛び出そうなほどギョッとした表情で驚いた。
「こ、これがトロールシャーマン……シャーマン、なのですか?」
「僕達と距離を取ったと思ったら、いきなり力を入れて体に刻まれている刺青を伸ばし、ふくよかな体系から鍛え上げられた肉体を持つ大剣使い……大斧使い、ハンマー使いのような戦士へと変化したんです」
「一種の呪術って言われたらそこまでですけど、あの光景には驚かされましたね」
イルザスと共に、後方から戦いを観戦していたソウスケも会話に加わり、トロールシャーマンの変化について語る。
「もうトロールじゃなくて、完全にオーガでしたよね」
「うん、そうだね。けど……いきなりオーガに変身したくせに、攻撃魔法や呪いはそれまで通り行うんだからね……もう本当に理不尽だったと言うか、ローグたちがいなかったらと思うと、本当に恐ろしかったね」
「そ、そうだったんですね…………え、えっと、ソウスケさんたちから見て、成長した? トロールシャーマンの強さはどれ程でしたか」
「ランク的な話ですか? ……ミレアナ、どれぐらいだと思う。俺、あのトロールシャーマンがイルザスさんたちが前回戦った時みたいにアンデットモンスターを従えてたら、Aランクモンスタークラスって思うんだけど」
ソウスケから話を振られ、ミレアナは数十秒ほど……じっくり考え込んだ。
「私も、ソウスケさんの考えと同じです。デバフの呪いを食らったとはいえ、ザハークにいくつもの傷を負わせました。呪い、魔法、高い身体能力……そしてあの魔力量は中々に恐ろしい武器です」
「おいおい、マジかよ。Aランククラスのモンスターが街の近くにいたってことかよ……マジでイルザスやソウスケたちが居てくれて良かったな」
年配の解体師がそう口にした。
ソウスケたちだけではなく、イルザスたちもいてくれて良かったと……そう言った。
(ふぅ~~~~、良かった良かった)
街の安全を考えれば、それなりの知性を持っていそうな個体は、絶対に討伐しておきたい。
結果としてザハークが討伐したが、後方からイルザスたちの戦いっぷりを観ていたソウスケには、トロールシャーマンが以前と変わらなければ……間違いなく、イルザスたち四人が勝っていたと断言出来る。
そんな彼らが……別にあいつらがいなくても、最初からソウスケたちが戦っていれば……と思われるのが嫌だった。
その後、トロールシャーマンの解体を解体士たちに任せ、ソウスケたちはイルザスたちと共に宴会を楽しんだ。
「イルザス、確かにザハークは凄いことはしたと思いますけど、真似して良い凄さじゃありませんからね」
念のため……念のためソウスケはイルザスに、決して真似してはいけない、目指す様な凄さではないと伝えた。
ソウスケも大概の部類ではあるが、デバフ……呪いに対しては、基本的に忌避感がある。
わざと強化系のスキルを戦わず……普段は使わない武器で戦ったりすることはあるが、デバフを食らってまでそういった戦いをしたいとは思わない。
「ソウスケさん……あれだな、今日は厳しいな」
「いや、だってお前が青痣がいくつもあって、血も流してたんだぞ。驚くに決まってるだろ」
「むっ…………そうか、それは済まなかったな」
自分が傷付けば、主人であるソウスケが心配する。
さすがにそれが解らないほど、ザハークの頭は戦い一色ではなかった。
「だが、あのトロールシャーマンとの戦いは楽しかった!!」
「うん……そっか。まぁ、それなら良いんだよ」
気になっていた個体が、ザハークの期待通りの進化をし、デバフを受けたという経緯はあれど、満足感マックスの表情を浮かべるほどの戦いが出来た。
ソウスケとしては……ザハークがそれほど満足気な顔をしてくれたなら、それはそれで嬉しいと思う部分もあった。
「それでは、帰りましょうか」
あえて、結果的にザハークが討伐したシェイプアップしたトロールシャーマンの死体を解体せず、亜空間に入れて街に帰還。
そして冒険者ギルドへ向かい、解体場で解体士とギルド職員たちの前でシェイプアップしたトロールシャーマンの死体と、使用していた杖を見せた。
「「「「「「「っ!!!!????」」」」」」」
死体を見た瞬間、解体士も含めて全員が目玉が飛び出そうなほどギョッとした表情で驚いた。
「こ、これがトロールシャーマン……シャーマン、なのですか?」
「僕達と距離を取ったと思ったら、いきなり力を入れて体に刻まれている刺青を伸ばし、ふくよかな体系から鍛え上げられた肉体を持つ大剣使い……大斧使い、ハンマー使いのような戦士へと変化したんです」
「一種の呪術って言われたらそこまでですけど、あの光景には驚かされましたね」
イルザスと共に、後方から戦いを観戦していたソウスケも会話に加わり、トロールシャーマンの変化について語る。
「もうトロールじゃなくて、完全にオーガでしたよね」
「うん、そうだね。けど……いきなりオーガに変身したくせに、攻撃魔法や呪いはそれまで通り行うんだからね……もう本当に理不尽だったと言うか、ローグたちがいなかったらと思うと、本当に恐ろしかったね」
「そ、そうだったんですね…………え、えっと、ソウスケさんたちから見て、成長した? トロールシャーマンの強さはどれ程でしたか」
「ランク的な話ですか? ……ミレアナ、どれぐらいだと思う。俺、あのトロールシャーマンがイルザスさんたちが前回戦った時みたいにアンデットモンスターを従えてたら、Aランクモンスタークラスって思うんだけど」
ソウスケから話を振られ、ミレアナは数十秒ほど……じっくり考え込んだ。
「私も、ソウスケさんの考えと同じです。デバフの呪いを食らったとはいえ、ザハークにいくつもの傷を負わせました。呪い、魔法、高い身体能力……そしてあの魔力量は中々に恐ろしい武器です」
「おいおい、マジかよ。Aランククラスのモンスターが街の近くにいたってことかよ……マジでイルザスやソウスケたちが居てくれて良かったな」
年配の解体師がそう口にした。
ソウスケたちだけではなく、イルザスたちもいてくれて良かったと……そう言った。
(ふぅ~~~~、良かった良かった)
街の安全を考えれば、それなりの知性を持っていそうな個体は、絶対に討伐しておきたい。
結果としてザハークが討伐したが、後方からイルザスたちの戦いっぷりを観ていたソウスケには、トロールシャーマンが以前と変わらなければ……間違いなく、イルザスたち四人が勝っていたと断言出来る。
そんな彼らが……別にあいつらがいなくても、最初からソウスケたちが戦っていれば……と思われるのが嫌だった。
その後、トロールシャーマンの解体を解体士たちに任せ、ソウスケたちはイルザスたちと共に宴会を楽しんだ。
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