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千百十八話 反対はしない
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「今日の探索が終われば、一旦戻るか」
ドラゴニックバレーで探索を始めて三日目の朝、ソウスケは朝食中にポツリと呟いた。
「ふむ…………そうか、解った」
「あら、もっと長く滞在していても構わないのではないか、と反対はしないのですね」
ミレアナは勿論、ソウスケの考えに反論する気は一切ない。
ただ、ザハークは最終的に従いはするが、それでも一度はもう数日ぐらい滞在していても良いのではないかと、反対すると思っていた。
「まだまだドラゴニックバレーの最寄り街、グロードに滞在するのだろう。であれば、焦ることはないと思ってな」
「そうですか……まぁ、それは間違いありませんね」
ミレアナはザハークやソウスケほど強大な力を持つドラゴンとの戦闘を望んではいないが、せっかく国を越えて目的地まで来たというのに、たった十日や二十日で移動するのは勿体ない……とは思っていた。
「しかし、思っていた以上にBランクのドラゴンだけではなく、同じBランクのモンスターもチラホラと生息していますね」
「そうだな。もしかしたら、ドラゴンにとっては特に過ごしやすい場所だけど、大多数のモンスターにとっても過ごしやすい場所なのかもしれないな」
ドラゴニックバレーで活動を始めてから、三人はドラゴン以外の強敵とも遭遇していた。
当然、襲い掛かるモンスターたちは、主にザハークとソウスケが堪能しながら叩き潰した。
「つまり、多くの強敵たちが生息する楽園という訳だな」
「ザハークにとっては、その認識で合っているでしょう。ただ、ドラゴン以外の生息しているモンスターまである程度の強さを持っているのは……進化、もしくは適応せざるを得なかったからでしょう」
「つまり、過酷な環境……生態系? から逃げなかった個体ばかりということだな」
朝から子供が見れば泣き出すこと間違いなしの笑みを浮かべるザハーク。
朝食を食べ終えてから数十分後、戦闘欲が溢れるザハークの最初の犠牲者となったのは、ソウスケが初日に戦ったドラゴンと同じ火竜であった。
「ハッハッハ!!!! 中々パワーがありそうな火竜じゃないか!!!!」
「グゥウウオオオォアアアアアアッ!!!!!!」
ザハークの言う通り、火竜ではあるものの、先日ソウスケが戦った個体と比べて全体的に大きく、そして太い。
見た目からしてパワー型であることが窺える。
(このパワーっ!! どうやら、岩竜にも、負けてない様だな!!!!!!!)
岩竜にも負けないパワー。
そこに加えて、以前ソウスケが戦った火竜よりは劣るものの、スピードは岩竜以上。
パワーだけの相手というのも悪くないが、そこに更にスピードが加われば直良し。
今回は身体強化のスキルを使う以外にも、両手両足に水の魔力を纏いながら戦うザハーク。
「凶暴性が高そうな火竜だな」
「そうですね。どの攻撃も荒々しい……以前ソウスケさんが戦った火竜と比べて知能が劣る様に感じますが、あれは
あれで恐ろしい戦力なのでしょう…………とはいえ、これから恐ろしさを感じるのは火竜の方だと思いますが」
「違いないな」
ミレアナが口にした通り、最初こそ火竜は威勢よく吼え、己の牙を、爪を振るっていた。
だが、狙った得物はどんな攻撃を放っても物理攻撃は笑いながら同じ物理攻撃で対応し、ブレスを放っても笑いながら水の衝撃波を放ち、対応されてしまう。
強烈な一撃を叩き込むのではなく、連続で炎爪を叩き込むも……これまた笑みを浮かべながら水を纏った拳で全ての爪撃を対応された火竜。
「ッ!!!」
「ふっふっふ、悪くない連撃だった。さぁ……次は俺に何を見せてくれる」
「ッ………………~~~~~~ッ!!!!!!! ギィィィイ゛イ゛アアアアアアアアアッ!!!!!!」
火竜は確かに恐怖を感じた。
しかし、暗黙のルールのせいか、それともプライドが許さなかったのか……撤退、ドラゴニックバレーから去るという選択肢は選ばず、全身に轟炎を纏ってザハークに咬みつこうとした。
「ふははははっ!!!!! 良いぞ!! それでこそドラゴンだッ!!!!!!!!!」
接触直前、ザハークは両手を上下に広げ、火竜の咬みつきに対抗した。
ドラゴニックバレーで探索を始めて三日目の朝、ソウスケは朝食中にポツリと呟いた。
「ふむ…………そうか、解った」
「あら、もっと長く滞在していても構わないのではないか、と反対はしないのですね」
ミレアナは勿論、ソウスケの考えに反論する気は一切ない。
ただ、ザハークは最終的に従いはするが、それでも一度はもう数日ぐらい滞在していても良いのではないかと、反対すると思っていた。
「まだまだドラゴニックバレーの最寄り街、グロードに滞在するのだろう。であれば、焦ることはないと思ってな」
「そうですか……まぁ、それは間違いありませんね」
ミレアナはザハークやソウスケほど強大な力を持つドラゴンとの戦闘を望んではいないが、せっかく国を越えて目的地まで来たというのに、たった十日や二十日で移動するのは勿体ない……とは思っていた。
「しかし、思っていた以上にBランクのドラゴンだけではなく、同じBランクのモンスターもチラホラと生息していますね」
「そうだな。もしかしたら、ドラゴンにとっては特に過ごしやすい場所だけど、大多数のモンスターにとっても過ごしやすい場所なのかもしれないな」
ドラゴニックバレーで活動を始めてから、三人はドラゴン以外の強敵とも遭遇していた。
当然、襲い掛かるモンスターたちは、主にザハークとソウスケが堪能しながら叩き潰した。
「つまり、多くの強敵たちが生息する楽園という訳だな」
「ザハークにとっては、その認識で合っているでしょう。ただ、ドラゴン以外の生息しているモンスターまである程度の強さを持っているのは……進化、もしくは適応せざるを得なかったからでしょう」
「つまり、過酷な環境……生態系? から逃げなかった個体ばかりということだな」
朝から子供が見れば泣き出すこと間違いなしの笑みを浮かべるザハーク。
朝食を食べ終えてから数十分後、戦闘欲が溢れるザハークの最初の犠牲者となったのは、ソウスケが初日に戦ったドラゴンと同じ火竜であった。
「ハッハッハ!!!! 中々パワーがありそうな火竜じゃないか!!!!」
「グゥウウオオオォアアアアアアッ!!!!!!」
ザハークの言う通り、火竜ではあるものの、先日ソウスケが戦った個体と比べて全体的に大きく、そして太い。
見た目からしてパワー型であることが窺える。
(このパワーっ!! どうやら、岩竜にも、負けてない様だな!!!!!!!)
岩竜にも負けないパワー。
そこに加えて、以前ソウスケが戦った火竜よりは劣るものの、スピードは岩竜以上。
パワーだけの相手というのも悪くないが、そこに更にスピードが加われば直良し。
今回は身体強化のスキルを使う以外にも、両手両足に水の魔力を纏いながら戦うザハーク。
「凶暴性が高そうな火竜だな」
「そうですね。どの攻撃も荒々しい……以前ソウスケさんが戦った火竜と比べて知能が劣る様に感じますが、あれは
あれで恐ろしい戦力なのでしょう…………とはいえ、これから恐ろしさを感じるのは火竜の方だと思いますが」
「違いないな」
ミレアナが口にした通り、最初こそ火竜は威勢よく吼え、己の牙を、爪を振るっていた。
だが、狙った得物はどんな攻撃を放っても物理攻撃は笑いながら同じ物理攻撃で対応し、ブレスを放っても笑いながら水の衝撃波を放ち、対応されてしまう。
強烈な一撃を叩き込むのではなく、連続で炎爪を叩き込むも……これまた笑みを浮かべながら水を纏った拳で全ての爪撃を対応された火竜。
「ッ!!!」
「ふっふっふ、悪くない連撃だった。さぁ……次は俺に何を見せてくれる」
「ッ………………~~~~~~ッ!!!!!!! ギィィィイ゛イ゛アアアアアアアアアッ!!!!!!」
火竜は確かに恐怖を感じた。
しかし、暗黙のルールのせいか、それともプライドが許さなかったのか……撤退、ドラゴニックバレーから去るという選択肢は選ばず、全身に轟炎を纏ってザハークに咬みつこうとした。
「ふははははっ!!!!! 良いぞ!! それでこそドラゴンだッ!!!!!!!!!」
接触直前、ザハークは両手を上下に広げ、火竜の咬みつきに対抗した。
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