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千百三十五話 用意すべき物を用意しろ
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(仇討ち、か~~~~~……いや、あれだけ強いモンスターだったんだから、そりゃそういう人もいるか~~~~)
事前にそれを知っていればと思わなくもなかった。
だが、それなら時間が巻き戻った際、バラスタたちを助けないのかと言えば……結局助けてしまう。
(こればっかりは、運としか言えないよな)
ベルダよりも先にバラスタたちが……ソウスケたちが出会ってしまった。
そしてソウスケたちには、ヴァレードタイガーを討伐出来るだけの戦闘力があった。
「……それ以外の方法は、ないですよね」
「当たり前だろう」
その通りである。
感情的な問題であるため、明確な解決策はない。
ただ、復讐者であったベルダにとって、これまで溜め込んできた感情を何処に向ければ良いか解らない。
向ける先があるとすれば……それは、復讐対象であるヴァレードタイガーを討伐したザハークに挑むのみ。
それしか、思い付かなかった。
とはいえ、ソウスケからすれば「んなの知ったことか! それなら、もっと血眼になって探してれば良かっただろ!!」と言い返すことが出来る……その権利がある。
復讐者の気持ちなど、ソウスケには解らない。
解らない……だからこそ、ソウスケとしてはそう簡単に切り捨てることが出来なかった。
(おそらく、それが一番良いというか、纏まるというか…………ベルダさん的にも、一番考慮した結果なんだろうな)
一応…………一応ではあるが、ベルダはソウスケたちに頼み込んでいる。
一方的に「私と戦えぇえええええええ!!!!」と強制しているわけではなく、「ザハークっていうのはてめぇかあああああああああ!!!!」と、いきなり殴りかかって来たわけでもない。
復讐対象を奪われたという部分を考えれば……ベルダは、理性的な行動を取っていると言える。
そして、ソウスケもそれが一番の解決方法だと解っている。
ただ……どうしても、面倒という考えが付いて回る。
「ソウスケさん、致し方ないかと」
「ミレアナ?」
「ソウスケさんの事ですから、彼女の気持ちを考えた結果、受けるべきだと思っているのでしょう。ただ、それと同時に面倒な相手だとも思っている」
「うっ……まぁ、そうだな」
「という事ですのでベルダさん、まずは何かしらの対価を用意して貰えますでしょうか」
話はそれからだと言わんばかりに、まずは用意すべき物を用意しろと言い切った。
ソウスケたちとベルダは先程出会ったばかりであり、友人ではない。
話は聞いていた、それでも目の前の人を死なせたくなかったからヴァレードタイガーを討伐した……そういった流れがあったのであれば、ソウスケもザハークに頼み込む。
「……これぐらいでどうだい」
そう言いながら、ベルダはアイテムポーチの中からジャラっと音の鳴る袋を取り出した。
「っ………………ふむ。ソウスケさん、私個人としては受けてもよろしいのではと思いました」
袋の中身をザっと確認したミレアナはそう口にし、ソウスケの方に袋を移動させた。
「っ……な、なる……ほど」
袋の中には大量の金貨だけではなく、数枚の白金貨も含まれていた。
(よ、よく用意したな……もしかして、誰かから借りたりしたのか?)
ソウスケは一目見た時から、ベルダが並の冒険者ではないと気付いていた。
Cランク以上は確実だと思っていたため、それなりの金を持っていることは予想出来る。
それでも、大量の金貨に白金貨数枚というのは、容易に集められる……復讐とはいえ、実際の復讐を成功させるために使用するのであればまだしも、今回の様な事に使うには……少々大金過ぎる。
「………………はぁ~~~~。解りました。ですが、もう少しベルダさんに尋ねたいことがあります」
「なんだい、スリーサイズかい?」
「違います。あなたは、どこかしらのクランに所属していますか」
「あぁ、所属してるよ」
面倒案件だ~~と思いながらも、ソウスケはしっかり形ある誠意も見せてもらったため、もう少し話を詰めていくことにした。
事前にそれを知っていればと思わなくもなかった。
だが、それなら時間が巻き戻った際、バラスタたちを助けないのかと言えば……結局助けてしまう。
(こればっかりは、運としか言えないよな)
ベルダよりも先にバラスタたちが……ソウスケたちが出会ってしまった。
そしてソウスケたちには、ヴァレードタイガーを討伐出来るだけの戦闘力があった。
「……それ以外の方法は、ないですよね」
「当たり前だろう」
その通りである。
感情的な問題であるため、明確な解決策はない。
ただ、復讐者であったベルダにとって、これまで溜め込んできた感情を何処に向ければ良いか解らない。
向ける先があるとすれば……それは、復讐対象であるヴァレードタイガーを討伐したザハークに挑むのみ。
それしか、思い付かなかった。
とはいえ、ソウスケからすれば「んなの知ったことか! それなら、もっと血眼になって探してれば良かっただろ!!」と言い返すことが出来る……その権利がある。
復讐者の気持ちなど、ソウスケには解らない。
解らない……だからこそ、ソウスケとしてはそう簡単に切り捨てることが出来なかった。
(おそらく、それが一番良いというか、纏まるというか…………ベルダさん的にも、一番考慮した結果なんだろうな)
一応…………一応ではあるが、ベルダはソウスケたちに頼み込んでいる。
一方的に「私と戦えぇえええええええ!!!!」と強制しているわけではなく、「ザハークっていうのはてめぇかあああああああああ!!!!」と、いきなり殴りかかって来たわけでもない。
復讐対象を奪われたという部分を考えれば……ベルダは、理性的な行動を取っていると言える。
そして、ソウスケもそれが一番の解決方法だと解っている。
ただ……どうしても、面倒という考えが付いて回る。
「ソウスケさん、致し方ないかと」
「ミレアナ?」
「ソウスケさんの事ですから、彼女の気持ちを考えた結果、受けるべきだと思っているのでしょう。ただ、それと同時に面倒な相手だとも思っている」
「うっ……まぁ、そうだな」
「という事ですのでベルダさん、まずは何かしらの対価を用意して貰えますでしょうか」
話はそれからだと言わんばかりに、まずは用意すべき物を用意しろと言い切った。
ソウスケたちとベルダは先程出会ったばかりであり、友人ではない。
話は聞いていた、それでも目の前の人を死なせたくなかったからヴァレードタイガーを討伐した……そういった流れがあったのであれば、ソウスケもザハークに頼み込む。
「……これぐらいでどうだい」
そう言いながら、ベルダはアイテムポーチの中からジャラっと音の鳴る袋を取り出した。
「っ………………ふむ。ソウスケさん、私個人としては受けてもよろしいのではと思いました」
袋の中身をザっと確認したミレアナはそう口にし、ソウスケの方に袋を移動させた。
「っ……な、なる……ほど」
袋の中には大量の金貨だけではなく、数枚の白金貨も含まれていた。
(よ、よく用意したな……もしかして、誰かから借りたりしたのか?)
ソウスケは一目見た時から、ベルダが並の冒険者ではないと気付いていた。
Cランク以上は確実だと思っていたため、それなりの金を持っていることは予想出来る。
それでも、大量の金貨に白金貨数枚というのは、容易に集められる……復讐とはいえ、実際の復讐を成功させるために使用するのであればまだしも、今回の様な事に使うには……少々大金過ぎる。
「………………はぁ~~~~。解りました。ですが、もう少しベルダさんに尋ねたいことがあります」
「なんだい、スリーサイズかい?」
「違います。あなたは、どこかしらのクランに所属していますか」
「あぁ、所属してるよ」
面倒案件だ~~と思いながらも、ソウスケはしっかり形ある誠意も見せてもらったため、もう少し話を詰めていくことにした。
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