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千百三話 仕方ない
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強いと認めていた。
赤龍は蒼天のメンバーたちと戦い、決して小さくないダメージを負っており、幾つかの攻撃が赤龍の喉元に手を届きかけた。
だからといって、赤龍は彼等との戦いから逃げるつもりはない。
確かに背を向けたものの、それはブレスを溜めながら、冒険者たちに虚を突くため。
ドラゴンである赤龍が、その様な行動を取るのは卑怯?
ドラゴンとしてのプライドがない? 外野はなんとでも言うだろう。
だが……赤龍は、ただ認めただけである。
今自分が戦っている人間たちは、そこまでしなければ勝てない相手だと。
逃げる風に見せかけ、ブレスを溜め……もう半分、数を減らす。
その判断は、正しかった。
戦いも終盤に入っている。
それでも最初から戦い続け、赤龍を相手にまだ戦い続けているメンバーは大きく消費している。
もう……ここまでくれば精神の問題であり、彼らは絶対に折れない。
まだ、戦える力も残っている。
そんな彼らに勝つためには、虚を突いて多少のダメージを食らっても確実に数を減らす。
回復など出来ない状態に……完全に消し飛ばす。
赤龍の渾身のブレスには、それが可能な火力を有している。
ただ、赤龍は一つ判断ミスをした。
仕方ないと言えば、致し方ない。
蒼天が赤龍に通じる殆どのメンバーを導入していたのだ。
赤龍が彼らとの戦いだけに集中してしまうのは、仕方ない状況だった。
それでも……ほんの少しだけでも移動する際、周囲の状況を……観察している者たちの位置を把握出来れていれば、結果は変っていたかもしれない。
「っっっっっ!!!!!!」
赤龍が移動した先には、一人の男と一人のエルフがいた。
二人は多数の……五十以上の風槍や風刃、雷轟槍に特大火球、水転牙を展開していた。
一斉に放たれれば、赤龍と言えど対処出来なければ痛いダメージを受ける。
赤龍はブレスを使わず、両腕の爪撃で全てを粉砕しようとした。
「フンッッッッッ!!!!!!!!!」
だが、ここでも目の前のことだけに意識を捉われてしまい、横から一瞬で距離を詰めて来た存在を確認するのが遅れてしまった。
「っっっっっっっ!!!!????」
現れたのは、一体のオーガ。
彼は陰に隠れて赤龍の尾を掴むと……全力で振り下ろした。
その衝撃は、大地を揺らす一撃。
赤龍はあまりにも想定外過ぎる一撃を貰い、溜めていたブレスが暴発。
ほんの少しの間ではあるが、意識が飛んでしまった。
その間……オーガの攻撃は止まらず、地面に叩きつけた赤龍を……そのまま蹴飛ばした。
「「「殺れッ!!!!!!!!」」」
青年、エルフ、オーガの三人の声が重なり合う。
殺れと……誰に言っているのかは、明白だった。
先程まで赤龍と戦っていた蒼天のメンバーたちに送られて言葉である。
彼等は、何故ソウスケたちがその場にいるのか解らなかった。
それは解らないが……それでも、自分たちを助けてくれた……背を押してくれた事だけは解った。
「ゥォォォォォアアアアアアアアアッ!!!!!!」
「破アアアアアアアア゛ア゛ア゛ッ!!!!!」
「フンッッッッ!!!!!!!!!」
「ダイダルスパイラルッ!!!!!!!!!!!」
水斬が、水拳が……水槌や、海流の螺旋が叩き込まれた。
赤龍もドラゴンとはいえ、呼吸をしながら受けている生物。
だからこそ、オーガに……ザハークによってぶん投げられ、背を叩きつけられたのは不味かった。
ブレスの暴発による意識の飛びだけではなく、肺から酸素が消えたことにより、迫る強者たちの猛撃に対しての対処が完全に遅れてしまった。
「ーーーーーーーーーッッッッッッ!!!!!????? ……っ!!!!!!!! ッ、ァ………………」
絶大なダメージを負った赤龍は体中から、最後には口から大量の血を吐き……それでも動こうとしたが、力なくその場に崩れ落ちるのだった。
赤龍は蒼天のメンバーたちと戦い、決して小さくないダメージを負っており、幾つかの攻撃が赤龍の喉元に手を届きかけた。
だからといって、赤龍は彼等との戦いから逃げるつもりはない。
確かに背を向けたものの、それはブレスを溜めながら、冒険者たちに虚を突くため。
ドラゴンである赤龍が、その様な行動を取るのは卑怯?
ドラゴンとしてのプライドがない? 外野はなんとでも言うだろう。
だが……赤龍は、ただ認めただけである。
今自分が戦っている人間たちは、そこまでしなければ勝てない相手だと。
逃げる風に見せかけ、ブレスを溜め……もう半分、数を減らす。
その判断は、正しかった。
戦いも終盤に入っている。
それでも最初から戦い続け、赤龍を相手にまだ戦い続けているメンバーは大きく消費している。
もう……ここまでくれば精神の問題であり、彼らは絶対に折れない。
まだ、戦える力も残っている。
そんな彼らに勝つためには、虚を突いて多少のダメージを食らっても確実に数を減らす。
回復など出来ない状態に……完全に消し飛ばす。
赤龍の渾身のブレスには、それが可能な火力を有している。
ただ、赤龍は一つ判断ミスをした。
仕方ないと言えば、致し方ない。
蒼天が赤龍に通じる殆どのメンバーを導入していたのだ。
赤龍が彼らとの戦いだけに集中してしまうのは、仕方ない状況だった。
それでも……ほんの少しだけでも移動する際、周囲の状況を……観察している者たちの位置を把握出来れていれば、結果は変っていたかもしれない。
「っっっっっ!!!!!!」
赤龍が移動した先には、一人の男と一人のエルフがいた。
二人は多数の……五十以上の風槍や風刃、雷轟槍に特大火球、水転牙を展開していた。
一斉に放たれれば、赤龍と言えど対処出来なければ痛いダメージを受ける。
赤龍はブレスを使わず、両腕の爪撃で全てを粉砕しようとした。
「フンッッッッッ!!!!!!!!!」
だが、ここでも目の前のことだけに意識を捉われてしまい、横から一瞬で距離を詰めて来た存在を確認するのが遅れてしまった。
「っっっっっっっ!!!!????」
現れたのは、一体のオーガ。
彼は陰に隠れて赤龍の尾を掴むと……全力で振り下ろした。
その衝撃は、大地を揺らす一撃。
赤龍はあまりにも想定外過ぎる一撃を貰い、溜めていたブレスが暴発。
ほんの少しの間ではあるが、意識が飛んでしまった。
その間……オーガの攻撃は止まらず、地面に叩きつけた赤龍を……そのまま蹴飛ばした。
「「「殺れッ!!!!!!!!」」」
青年、エルフ、オーガの三人の声が重なり合う。
殺れと……誰に言っているのかは、明白だった。
先程まで赤龍と戦っていた蒼天のメンバーたちに送られて言葉である。
彼等は、何故ソウスケたちがその場にいるのか解らなかった。
それは解らないが……それでも、自分たちを助けてくれた……背を押してくれた事だけは解った。
「ゥォォォォォアアアアアアアアアッ!!!!!!」
「破アアアアアアアア゛ア゛ア゛ッ!!!!!」
「フンッッッッ!!!!!!!!!」
「ダイダルスパイラルッ!!!!!!!!!!!」
水斬が、水拳が……水槌や、海流の螺旋が叩き込まれた。
赤龍もドラゴンとはいえ、呼吸をしながら受けている生物。
だからこそ、オーガに……ザハークによってぶん投げられ、背を叩きつけられたのは不味かった。
ブレスの暴発による意識の飛びだけではなく、肺から酸素が消えたことにより、迫る強者たちの猛撃に対しての対処が完全に遅れてしまった。
「ーーーーーーーーーッッッッッッ!!!!!????? ……っ!!!!!!!! ッ、ァ………………」
絶大なダメージを負った赤龍は体中から、最後には口から大量の血を吐き……それでも動こうとしたが、力なくその場に崩れ落ちるのだった。
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