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千百六話 最低でも二流半
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「そういえば、ソウスケ君たちはどういう目的を持ってドラゴニックバレーに来たんだい」
「……ただ、ドラゴニックバレーに興味があっただけですね」
何目的でドラゴニックバレーに挑もうとしたのか。
成り上がるため、名声を手に入れるため。
ある程度理由は推測出来るが、ソウスケたちほどの実力者たちがいったいどういった理由で訪れたのか気になったノストル。
しかし、帰ってきた答えは興味があったからという、なんとも簡素な内容だった。
「そ、そうか……他には、特に理由はないのかい?」
「ん~~~~…………あっ、ドラゴンの素材には興味ありましたね」
「ソウスケさんの言う通り、ドラゴンの素材には強い興味を持っていました」
ソウスケたちはエイリスト王国でも複数のBランクモンスター、Aランクモンスターと戦ってきたが、あまりドラゴン系のモンスターとは戦った経験がなかった。
「ドラゴンの素材を………………噂程度だが、君たちが鍛冶や錬金術を好んでいると聞いたことがあるのだが、それと関係しているのか?」
「そのまま直結してますね。俺とザハークは鍛冶を行っていて、ミレアナは錬金術で杖やマジックアイテムを造ったりしてます」
「ザハークというと、従魔のザハーク、なのだよな?」
「えぇ、そのザハークですよ」
信じられない、といった表情を浮かべるノストル。
だが、直ぐにザハークが人の言葉を喋り、人間に近い考えを持っていることを思い出す。
(人間の言葉を喋ることが出来、確かな思考力も有している……体格も大き過ぎないところを考えれば、逆に挑戦できない理由がない、か)
信じられないと思う経験なら何度もしてきたからこそ、ノストルはオーガであるザハークが鍛冶を行えるという事実を受け入れることが出来た。
「……凄いな。では、武器やマジックアイテムを造っているのであれば、それを販売もしているのかな」
「……………………」
ソウスケたちにとって、鍛冶や錬金術はあくまで趣味。
今でこそ気に入ってもらい、自分たちが造った武器に合格点を貰っているからこそ、グロードの店で販売している。
しかし、それまでは一応商人ギルドにも加入しているため、露店を開いて格安値段で販売するぐらいであり、本格的な副業として活動はしていない。
(……この人になら、まぁ良いか)
ソウスケの中で信用出来そう判定が下されたノストル。
幸運なことに、ここ最近の状況を教えてもらうことができた。
「グロードさん、という鍛冶師の方を知っていますか」
「あぁ、勿論だとも。うちのギルドでも数は少ないが、世話になっている者がいる…………ま、まさか……彼の店に、武器を並べている、のか?」
「はい、その通りです。有難いことに、自分たちが造った武器を並べさせてもらっています」
ノストルは、自分が冒険者として一流の域に到達していると断言出来る。
実際にその自信は驕りではなく、純然たる事実。
だからこそ、道は違えど高みに……遥か高みに到達しているグロードの事を、超一流の職人だと認めている。
そんな彼の店に置くとなれば、格安品として三流の物を置けるかもしれないが、ちゃんとした商品として並べるのであれば、最低でも二流半。
ボーダーラインは一流半が当たり前。
つまり、ソウスケたちが造る物は、超一流の鍛冶師であるグロードから視て、最低でも二流半と言えるレベルの物を造ることが出来る……と、捉えられる。
「……………………その、もし良ければ食事が終わった後、作品があれば見せてもらえないだろうか」
「勿論構いませんよ。ただ、自分たちががっつり武器を造ったりしてる事、グロードさんの店に商品として置かせてもらっていることは、他の方に言わないでもらえると嬉しいです」
「あ、あぁ。分かった」
恩人の頼みということもあり、ノストルは絶対に他言しないと誓った。
「……ただ、ドラゴニックバレーに興味があっただけですね」
何目的でドラゴニックバレーに挑もうとしたのか。
成り上がるため、名声を手に入れるため。
ある程度理由は推測出来るが、ソウスケたちほどの実力者たちがいったいどういった理由で訪れたのか気になったノストル。
しかし、帰ってきた答えは興味があったからという、なんとも簡素な内容だった。
「そ、そうか……他には、特に理由はないのかい?」
「ん~~~~…………あっ、ドラゴンの素材には興味ありましたね」
「ソウスケさんの言う通り、ドラゴンの素材には強い興味を持っていました」
ソウスケたちはエイリスト王国でも複数のBランクモンスター、Aランクモンスターと戦ってきたが、あまりドラゴン系のモンスターとは戦った経験がなかった。
「ドラゴンの素材を………………噂程度だが、君たちが鍛冶や錬金術を好んでいると聞いたことがあるのだが、それと関係しているのか?」
「そのまま直結してますね。俺とザハークは鍛冶を行っていて、ミレアナは錬金術で杖やマジックアイテムを造ったりしてます」
「ザハークというと、従魔のザハーク、なのだよな?」
「えぇ、そのザハークですよ」
信じられない、といった表情を浮かべるノストル。
だが、直ぐにザハークが人の言葉を喋り、人間に近い考えを持っていることを思い出す。
(人間の言葉を喋ることが出来、確かな思考力も有している……体格も大き過ぎないところを考えれば、逆に挑戦できない理由がない、か)
信じられないと思う経験なら何度もしてきたからこそ、ノストルはオーガであるザハークが鍛冶を行えるという事実を受け入れることが出来た。
「……凄いな。では、武器やマジックアイテムを造っているのであれば、それを販売もしているのかな」
「……………………」
ソウスケたちにとって、鍛冶や錬金術はあくまで趣味。
今でこそ気に入ってもらい、自分たちが造った武器に合格点を貰っているからこそ、グロードの店で販売している。
しかし、それまでは一応商人ギルドにも加入しているため、露店を開いて格安値段で販売するぐらいであり、本格的な副業として活動はしていない。
(……この人になら、まぁ良いか)
ソウスケの中で信用出来そう判定が下されたノストル。
幸運なことに、ここ最近の状況を教えてもらうことができた。
「グロードさん、という鍛冶師の方を知っていますか」
「あぁ、勿論だとも。うちのギルドでも数は少ないが、世話になっている者がいる…………ま、まさか……彼の店に、武器を並べている、のか?」
「はい、その通りです。有難いことに、自分たちが造った武器を並べさせてもらっています」
ノストルは、自分が冒険者として一流の域に到達していると断言出来る。
実際にその自信は驕りではなく、純然たる事実。
だからこそ、道は違えど高みに……遥か高みに到達しているグロードの事を、超一流の職人だと認めている。
そんな彼の店に置くとなれば、格安品として三流の物を置けるかもしれないが、ちゃんとした商品として並べるのであれば、最低でも二流半。
ボーダーラインは一流半が当たり前。
つまり、ソウスケたちが造る物は、超一流の鍛冶師であるグロードから視て、最低でも二流半と言えるレベルの物を造ることが出来る……と、捉えられる。
「……………………その、もし良ければ食事が終わった後、作品があれば見せてもらえないだろうか」
「勿論構いませんよ。ただ、自分たちががっつり武器を造ったりしてる事、グロードさんの店に商品として置かせてもらっていることは、他の方に言わないでもらえると嬉しいです」
「あ、あぁ。分かった」
恩人の頼みということもあり、ノストルは絶対に他言しないと誓った。
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