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千百十二話 後輩たちへ
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「ソウスケさん、もう少しだけこの場に留まっても良いですか?」
「? あぁ、良いよ」
「ありがとうございます」
無事に自分たちで討伐した火竜の討伐を終えたノックスたちは、アイテムバッグやリングの中から洋紙とペンを取り出した。
「「「「「「「………」」」」」」」
ソウスケ、ミレアナ、ザハークの実力を信用し切っている七人は、その場でレポートを書き始めた。
(私たちを信用してくれているのは嬉しいですが、なんとも大胆と言いますか……しかし、彼らにとっては重要な事なのでしょう)
ドラゴニックバレーでレポートを書くなど、馬鹿だろと言われてもおかしくはない。
そんな事はジャバたちも解っている。
解ってはいるが……ソウスケたちの実力があまりにも別格だと理解してるからこその判断。
実際のBランクドラゴンと対峙した者の感想文は、レイヤーズ学園には大量に残されている。
もうこれ以上必要ないんじゃないか……そう思う者もいるだろう。
しかし、レイヤーズ学園では、対亜竜やドラゴンだけではなく、その他のモンスターとの戦闘を経験した生徒たちに、レポートを書いてもらうことを推奨している。
レイヤーズ学園は早い者だと、十二歳から入学できる。
卒業するのは十八歳時であり、十五歳時からの……高等部から入学する者もいるため、その際に出会う信頼のおける先輩からのアドバイスというのは、非常に重要である。
他にも、人によって感想とは異なる。
論理派や感覚派……明確な言葉に出来た方が良いのは間違いないが、肉体言語的な内容の方がスッと頭に入ってくる者もいる。
そのため、今回の様なレポートを書く際には、それぞれあまり深くは考えず、本当にただただ思った事を記していく。
「よし……皆、書き終わったかい」
「あぁ」
「えぇ、書き終わりましたわ」
深くは考えず、思った事を……感じたことをパッと書くことが重要であるため、アスレアたちは五分程度レポートを書きあげた。
「レポート、というやつか」
「はい、そうです。少しでもこれから戦う後輩たちに情報を残したいので」
「ふむ……そうか」
モンスター戦のレポートは、決して強制ではない。
レイヤーズ学園が、教師たちが推奨しているというだけで、細かいレポートを書かなかったからといって、進級出来なくなるということはない。
(後輩…………ノックスにとっては、ジャバたちに近い存在、ということか)
後輩という存在を、ザハークは知らない。
一応ダンジョンでゴブリンとして生まれ、途中から他のゴブリンたちの上に立って行動するようになったが、その期間があまりなかったこともあり、今一つノックスたちが後輩たちの為にとレポートを書くのかが解らなかった。
ただ、誰かを想っての行動に意味はないだろうとは思わないため、やる必要があるのかと尋ねることはなかった。
「そういえばマスター、細かく確認した訳ではないが、ちらほらと複数体で行動しているドラゴンたちがいた」
「複数体か……それは珍しいかもな」
巣などに複数体居るのは珍しくないが、そういった場所以外で複数体のドラゴンが行動することはあまりない。
ザハークがソウスケが伝えた情報に、ノックスたちは驚きが隠せなかった。
「ざ、ザハークさん。それは、本当ですか」
「あぁ。同属性のドラゴンではあるがな」
ソウスケたち、ノックスたちとしては、単体で行動しているドラゴンとの遭遇が好ましい。
ただ、ソウスケはザハークが感じ取った情報を聞き、悪くないなと感じていた。
「警戒心の高いドラゴンが増えてるなら、そうじゃない個体は何も考えてない可能性が高いかもな」
「……そういう事も、考えられますね」
あまりにも単純ではないか? と思われるかもしれないが、ノックスも過去にソウスケと似た様な事を考えたことがあるため、有り得ないと心の内で切り捨てることはなく……その可能性を頭の片隅に置きながら、次のドラゴン戦へと動き出す。
「? あぁ、良いよ」
「ありがとうございます」
無事に自分たちで討伐した火竜の討伐を終えたノックスたちは、アイテムバッグやリングの中から洋紙とペンを取り出した。
「「「「「「「………」」」」」」」
ソウスケ、ミレアナ、ザハークの実力を信用し切っている七人は、その場でレポートを書き始めた。
(私たちを信用してくれているのは嬉しいですが、なんとも大胆と言いますか……しかし、彼らにとっては重要な事なのでしょう)
ドラゴニックバレーでレポートを書くなど、馬鹿だろと言われてもおかしくはない。
そんな事はジャバたちも解っている。
解ってはいるが……ソウスケたちの実力があまりにも別格だと理解してるからこその判断。
実際のBランクドラゴンと対峙した者の感想文は、レイヤーズ学園には大量に残されている。
もうこれ以上必要ないんじゃないか……そう思う者もいるだろう。
しかし、レイヤーズ学園では、対亜竜やドラゴンだけではなく、その他のモンスターとの戦闘を経験した生徒たちに、レポートを書いてもらうことを推奨している。
レイヤーズ学園は早い者だと、十二歳から入学できる。
卒業するのは十八歳時であり、十五歳時からの……高等部から入学する者もいるため、その際に出会う信頼のおける先輩からのアドバイスというのは、非常に重要である。
他にも、人によって感想とは異なる。
論理派や感覚派……明確な言葉に出来た方が良いのは間違いないが、肉体言語的な内容の方がスッと頭に入ってくる者もいる。
そのため、今回の様なレポートを書く際には、それぞれあまり深くは考えず、本当にただただ思った事を記していく。
「よし……皆、書き終わったかい」
「あぁ」
「えぇ、書き終わりましたわ」
深くは考えず、思った事を……感じたことをパッと書くことが重要であるため、アスレアたちは五分程度レポートを書きあげた。
「レポート、というやつか」
「はい、そうです。少しでもこれから戦う後輩たちに情報を残したいので」
「ふむ……そうか」
モンスター戦のレポートは、決して強制ではない。
レイヤーズ学園が、教師たちが推奨しているというだけで、細かいレポートを書かなかったからといって、進級出来なくなるということはない。
(後輩…………ノックスにとっては、ジャバたちに近い存在、ということか)
後輩という存在を、ザハークは知らない。
一応ダンジョンでゴブリンとして生まれ、途中から他のゴブリンたちの上に立って行動するようになったが、その期間があまりなかったこともあり、今一つノックスたちが後輩たちの為にとレポートを書くのかが解らなかった。
ただ、誰かを想っての行動に意味はないだろうとは思わないため、やる必要があるのかと尋ねることはなかった。
「そういえばマスター、細かく確認した訳ではないが、ちらほらと複数体で行動しているドラゴンたちがいた」
「複数体か……それは珍しいかもな」
巣などに複数体居るのは珍しくないが、そういった場所以外で複数体のドラゴンが行動することはあまりない。
ザハークがソウスケが伝えた情報に、ノックスたちは驚きが隠せなかった。
「ざ、ザハークさん。それは、本当ですか」
「あぁ。同属性のドラゴンではあるがな」
ソウスケたち、ノックスたちとしては、単体で行動しているドラゴンとの遭遇が好ましい。
ただ、ソウスケはザハークが感じ取った情報を聞き、悪くないなと感じていた。
「警戒心の高いドラゴンが増えてるなら、そうじゃない個体は何も考えてない可能性が高いかもな」
「……そういう事も、考えられますね」
あまりにも単純ではないか? と思われるかもしれないが、ノックスも過去にソウスケと似た様な事を考えたことがあるため、有り得ないと心の内で切り捨てることはなく……その可能性を頭の片隅に置きながら、次のドラゴン戦へと動き出す。
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