転移したらダンジョンの下層だった

Gai

文字の大きさ
1,189 / 1,280

千百十三話 高い対応力

しおりを挟む
「……ソウスケさん、少々厳しいんじゃないか」

ザハークが思わずそう呟く視線の先では、風竜と戦うノックスたちがいた。

ソウスケは本当に一度でも倒せれば大丈夫、ドラゴニックバレーでの探索は終了……とするつもりはなく、七人揃ってであればドラゴンスレイヤーと言える境地に達してもらうと考えていた。

そして現在、ハリアルたちは火竜に続いて同じBランクのドラゴン、風竜と戦闘を行っていた。

「相変わらず楽ではないとは思うけど、それでも戦えていないことはないと思うよ」

ドラゴンと言えばこんな感じ、といったフォルムの火竜とは違い、全体的に細身な体型を持つ風竜。
物理攻撃に関しては火竜の方が上だが、スピードに関しては確実に風竜の方が一段上。

「苦戦はしているようですが…………ソウスケさんの言う通り、戦えていないことはない、といった感じですね」

速いというのは、それだけで大きな武器となる。
加えて、火竜や土竜、岩竜等と比べれば防御力は劣るものの、Bランクのモンスター……決して脆くはない。

加えて体の至る所に風を纏えるため、爪撃や翼……尾による攻撃は非常に鋭く、スパッと切断されてもおかしくない。

「でしょ。空中から急降下してくる相手の対処も出来てるし、なんなら多数の攻撃魔法を放たれても、しっかり対応出来てる」

中々攻撃に移れてはいないものの、ジャバたちは的確に風竜の攻撃を対処し続け、疲労こそ溜まるものの……戦闘に支障が出るようなダメージは受けていなかった。

(本当に上手く対処出来てる……もしかして、レイヤーズ学園には属性ドラゴンを従魔として従えている教師とかいるのかな)

既に属性ドラゴンとの戦闘経験があるのであれば、ナディーたちの対応力の高さにも納得出来る。

ただ、実際のところさすがのレイヤーズ学園であっても、そこまで練習相手が揃っているわけではなかった。
であれば、どの様にしてヨルカたちはあれ程の対応力を手に入れているのか。

それは……火竜や風竜たちとの戦闘経験がある教師たちが、どうにかして自分たちの身体能力で属性ドラゴンたちの動きや攻撃力を真似れないかと考え……実際に生徒たちとの模擬戦で試していた。

レイヤーズ学園に属する教師であれば、珍しいスキルや魔力操作技術を活かし、宙に飛ぶ、駆ける……マジックアイテムの力も借り、空を飛ぶことも不可能ではない。
そういった教師陣の試行錯誤もあり、アスレアたちは完全に初見である風竜との戦いに付いて行けていた。

「っっっっ!!!! っぺ!! おいおいどうした風竜さんよぉ~~~。んな攻撃じゃあ、全然効かねぇぜ!!!」

「ジャバの言う通り……ワイバーン、以下」

「…………」

現在戦闘中の風竜に対し、挑発を行う。
彼らは……決して風竜を嘗めているわけではなく、調子に乗っているわけでもない。

ジャバとヨルカは七人の中ではタンクを担うため、風竜の攻撃をなるべく自身が引き付けたい。
加えて、ドラゴンはその他のモンスターと比べて知能が高く、中には完全に人の言葉を理解している個体もいると、教師たちに教えられていた。

それらを全て把握した上で、挑発を行った。

「……ッッッッッ!!!!!!!!」

一見、二人の言葉を涼しく受け流している様に思えた風竜だが、次の瞬間には体の後ろに溜め込んでいた風の魔力を利用し、急加速。

両翼に旋風を纏い、二人を切り裂こうとする。

「ハッ!!!!!!」

風竜の動きを牽制しようと、アスレアが風矢を三つ同時に放つ。
並大抵の攻撃では風竜の動きを邪魔出来ないことは承知済みであり、矢には普段以上の風を纏わせていた。

「ッッッ!!!」

しかし、自身の顔に迫る三つの風矢に対し、風竜はショートバージョンのブレスを放ち、器用に吹き飛ばした。

このままではジャバとヨルカがこれまで通り対処しなければならず、そのまま切断されずとも、吹き飛ばされる可能性が高い。

ただ……そこまで読んでいたハリアルは、地面に向けて刺突を放っていた。
しおりを挟む
感想 254

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

人生初めての旅先が異世界でした!? ~ 元の世界へ帰る方法探して異世界めぐり、家に帰るまでが旅行です。~(仮)

葵セナ
ファンタジー
 主人公 39歳フリーターが、初めての旅行に行こうと家を出たら何故か森の中?  管理神(神様)のミスで、異世界転移し見知らぬ森の中に…  不思議と持っていた一枚の紙を読み、元の世界に帰る方法を探して、異世界での冒険の始まり。   曖昧で、都合の良い魔法とスキルでを使い、異世界での冒険旅行? いったいどうなる!  ありがちな異世界物語と思いますが、暖かい目で見てやってください。  初めての作品なので誤字 脱字などおかしな所が出て来るかと思いますが、御容赦ください。(気が付けば修正していきます。)  ステータスも何処かで見たことあるような、似たり寄ったりの表示になっているかと思いますがどうか御容赦ください。よろしくお願いします。

世界最弱と呼ばれた少年、気づけば伝説級勇者でした ~追放されたので気ままに旅してたら、全種族の姫たちに囲まれていました~

fuwamofu
ファンタジー
魔力量ゼロの落ちこぼれとして勇者パーティを追放された少年リアン。 絶望の果てに始めた自由な旅の中で、偶然助けた少女たちが次々と彼に惹かれていく。 だが誰も知らない。彼こそが古代勇者の血を継ぎ、世界を滅ぼす運命の「真なる勇者」だということを──。 無自覚最強の少年が、世界を変える奇跡を紡ぐ異世界ファンタジー!

タブレット片手に異世界転移!〜元社畜、ダウンロード→インストールでチート強化しつつ温泉巡り始めます〜

夢・風魔
ファンタジー
一か月の平均残業時間130時間。残業代ゼロ。そんなブラック企業で働いていた葉月悠斗は、巨漢上司が眩暈を起こし倒れた所に居たため圧死した。 不真面目な天使のせいでデスルーラを繰り返すハメになった彼は、輪廻の女神によって1001回目にようやくまともな異世界転移を果たす。 その際、便利アイテムとしてタブレットを貰った。検索機能、収納機能を持ったタブレットで『ダウンロード』『インストール』で徐々に強化されていく悠斗。 彼を「勇者殿」と呼び慕うどうみても美少女な男装エルフと共に、彼は社畜時代に夢見た「温泉巡り」を異世界ですることにした。 異世界の温泉事情もあり、温泉地でいろいろな事件に巻き込まれつつも、彼は社畜時代には無かったポジティブ思考で事件を解決していく!? *小説家になろうでも公開しております。

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

無属性魔法しか使えない少年冒険者!!

藤城満定
ファンタジー
「祝福の儀式」で授かった属性魔法は無属性魔法だった。無属性と書いてハズレや役立たずと読まれている属性魔法を極めて馬鹿にしてきた奴らの常識を覆して見返す「ざまあ」系ストーリー。  不定期投稿作品です。

処理中です...