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千百十三話 高い対応力
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「……ソウスケさん、少々厳しいんじゃないか」
ザハークが思わずそう呟く視線の先では、風竜と戦うノックスたちがいた。
ソウスケは本当に一度でも倒せれば大丈夫、ドラゴニックバレーでの探索は終了……とするつもりはなく、七人揃ってであればドラゴンスレイヤーと言える境地に達してもらうと考えていた。
そして現在、ハリアルたちは火竜に続いて同じBランクのドラゴン、風竜と戦闘を行っていた。
「相変わらず楽ではないとは思うけど、それでも戦えていないことはないと思うよ」
ドラゴンと言えばこんな感じ、といったフォルムの火竜とは違い、全体的に細身な体型を持つ風竜。
物理攻撃に関しては火竜の方が上だが、スピードに関しては確実に風竜の方が一段上。
「苦戦はしているようですが…………ソウスケさんの言う通り、戦えていないことはない、といった感じですね」
速いというのは、それだけで大きな武器となる。
加えて、火竜や土竜、岩竜等と比べれば防御力は劣るものの、Bランクのモンスター……決して脆くはない。
加えて体の至る所に風を纏えるため、爪撃や翼……尾による攻撃は非常に鋭く、スパッと切断されてもおかしくない。
「でしょ。空中から急降下してくる相手の対処も出来てるし、なんなら多数の攻撃魔法を放たれても、しっかり対応出来てる」
中々攻撃に移れてはいないものの、ジャバたちは的確に風竜の攻撃を対処し続け、疲労こそ溜まるものの……戦闘に支障が出るようなダメージは受けていなかった。
(本当に上手く対処出来てる……もしかして、レイヤーズ学園には属性ドラゴンを従魔として従えている教師とかいるのかな)
既に属性ドラゴンとの戦闘経験があるのであれば、ナディーたちの対応力の高さにも納得出来る。
ただ、実際のところさすがのレイヤーズ学園であっても、そこまで練習相手が揃っているわけではなかった。
であれば、どの様にしてヨルカたちはあれ程の対応力を手に入れているのか。
それは……火竜や風竜たちとの戦闘経験がある教師たちが、どうにかして自分たちの身体能力で属性ドラゴンたちの動きや攻撃力を真似れないかと考え……実際に生徒たちとの模擬戦で試していた。
レイヤーズ学園に属する教師であれば、珍しいスキルや魔力操作技術を活かし、宙に飛ぶ、駆ける……マジックアイテムの力も借り、空を飛ぶことも不可能ではない。
そういった教師陣の試行錯誤もあり、アスレアたちは完全に初見である風竜との戦いに付いて行けていた。
「っっっっ!!!! っぺ!! おいおいどうした風竜さんよぉ~~~。んな攻撃じゃあ、全然効かねぇぜ!!!」
「ジャバの言う通り……ワイバーン、以下」
「…………」
現在戦闘中の風竜に対し、挑発を行う。
彼らは……決して風竜を嘗めているわけではなく、調子に乗っているわけでもない。
ジャバとヨルカは七人の中ではタンクを担うため、風竜の攻撃をなるべく自身が引き付けたい。
加えて、ドラゴンはその他のモンスターと比べて知能が高く、中には完全に人の言葉を理解している個体もいると、教師たちに教えられていた。
それらを全て把握した上で、挑発を行った。
「……ッッッッッ!!!!!!!!」
一見、二人の言葉を涼しく受け流している様に思えた風竜だが、次の瞬間には体の後ろに溜め込んでいた風の魔力を利用し、急加速。
両翼に旋風を纏い、二人を切り裂こうとする。
「ハッ!!!!!!」
風竜の動きを牽制しようと、アスレアが風矢を三つ同時に放つ。
並大抵の攻撃では風竜の動きを邪魔出来ないことは承知済みであり、矢には普段以上の風を纏わせていた。
「ッッッ!!!」
しかし、自身の顔に迫る三つの風矢に対し、風竜はショートバージョンのブレスを放ち、器用に吹き飛ばした。
このままではジャバとヨルカがこれまで通り対処しなければならず、そのまま切断されずとも、吹き飛ばされる可能性が高い。
ただ……そこまで読んでいたハリアルは、地面に向けて刺突を放っていた。
ザハークが思わずそう呟く視線の先では、風竜と戦うノックスたちがいた。
ソウスケは本当に一度でも倒せれば大丈夫、ドラゴニックバレーでの探索は終了……とするつもりはなく、七人揃ってであればドラゴンスレイヤーと言える境地に達してもらうと考えていた。
そして現在、ハリアルたちは火竜に続いて同じBランクのドラゴン、風竜と戦闘を行っていた。
「相変わらず楽ではないとは思うけど、それでも戦えていないことはないと思うよ」
ドラゴンと言えばこんな感じ、といったフォルムの火竜とは違い、全体的に細身な体型を持つ風竜。
物理攻撃に関しては火竜の方が上だが、スピードに関しては確実に風竜の方が一段上。
「苦戦はしているようですが…………ソウスケさんの言う通り、戦えていないことはない、といった感じですね」
速いというのは、それだけで大きな武器となる。
加えて、火竜や土竜、岩竜等と比べれば防御力は劣るものの、Bランクのモンスター……決して脆くはない。
加えて体の至る所に風を纏えるため、爪撃や翼……尾による攻撃は非常に鋭く、スパッと切断されてもおかしくない。
「でしょ。空中から急降下してくる相手の対処も出来てるし、なんなら多数の攻撃魔法を放たれても、しっかり対応出来てる」
中々攻撃に移れてはいないものの、ジャバたちは的確に風竜の攻撃を対処し続け、疲労こそ溜まるものの……戦闘に支障が出るようなダメージは受けていなかった。
(本当に上手く対処出来てる……もしかして、レイヤーズ学園には属性ドラゴンを従魔として従えている教師とかいるのかな)
既に属性ドラゴンとの戦闘経験があるのであれば、ナディーたちの対応力の高さにも納得出来る。
ただ、実際のところさすがのレイヤーズ学園であっても、そこまで練習相手が揃っているわけではなかった。
であれば、どの様にしてヨルカたちはあれ程の対応力を手に入れているのか。
それは……火竜や風竜たちとの戦闘経験がある教師たちが、どうにかして自分たちの身体能力で属性ドラゴンたちの動きや攻撃力を真似れないかと考え……実際に生徒たちとの模擬戦で試していた。
レイヤーズ学園に属する教師であれば、珍しいスキルや魔力操作技術を活かし、宙に飛ぶ、駆ける……マジックアイテムの力も借り、空を飛ぶことも不可能ではない。
そういった教師陣の試行錯誤もあり、アスレアたちは完全に初見である風竜との戦いに付いて行けていた。
「っっっっ!!!! っぺ!! おいおいどうした風竜さんよぉ~~~。んな攻撃じゃあ、全然効かねぇぜ!!!」
「ジャバの言う通り……ワイバーン、以下」
「…………」
現在戦闘中の風竜に対し、挑発を行う。
彼らは……決して風竜を嘗めているわけではなく、調子に乗っているわけでもない。
ジャバとヨルカは七人の中ではタンクを担うため、風竜の攻撃をなるべく自身が引き付けたい。
加えて、ドラゴンはその他のモンスターと比べて知能が高く、中には完全に人の言葉を理解している個体もいると、教師たちに教えられていた。
それらを全て把握した上で、挑発を行った。
「……ッッッッッ!!!!!!!!」
一見、二人の言葉を涼しく受け流している様に思えた風竜だが、次の瞬間には体の後ろに溜め込んでいた風の魔力を利用し、急加速。
両翼に旋風を纏い、二人を切り裂こうとする。
「ハッ!!!!!!」
風竜の動きを牽制しようと、アスレアが風矢を三つ同時に放つ。
並大抵の攻撃では風竜の動きを邪魔出来ないことは承知済みであり、矢には普段以上の風を纏わせていた。
「ッッッ!!!」
しかし、自身の顔に迫る三つの風矢に対し、風竜はショートバージョンのブレスを放ち、器用に吹き飛ばした。
このままではジャバとヨルカがこれまで通り対処しなければならず、そのまま切断されずとも、吹き飛ばされる可能性が高い。
ただ……そこまで読んでいたハリアルは、地面に向けて刺突を放っていた。
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