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千百三十一話 道をつくる
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「はぁ、はぁ」
「クソがっ!!」
「くっ!!!!」
「「ギィィィアアアアアアアアアアッッ!!!!!!」」
二つの頭を持つ火竜に、ノックスたちは苦戦を強いられていた。
先日、火竜に風竜、土竜、キングワイバーンなどのBランクドラゴンの討伐に成功。
ノックスたちは……間違いなく、自分たちの力だけで、Bランクドラゴンを倒した。
ただ、七人とも数度Bランクドラゴンを討伐したからといって、今後遭遇する全てのBランクドラゴンを討伐出来ると思うほど自惚れてはいない。
(頭が一つ、増えるだけで……これほど、強さが増すとはっ!!!)
ハリアルは双頭の火竜に直接ダメージを与えるのを諦め、羽や顔面、ブレスを吐く際などを狙って攻撃を行う。
メインアタッカーとして戦うというプライドを捨て、直ぐに動きを切り替えたのは見事と言えるだろう。
しかし……それでもこれまで程上手くドラゴンの動きを制限できない。
「ガァアアアアアアッ!!!!!」
「っ!! 本当に、咄嗟に気付きますわね」
自身は付けど、馬鹿正直に真正面から挑むことはなく、基本的には相手の虚を突くように動き、攻撃を行うネイトたち。
しかし、片方の頭に攻撃しようとすれば、もう片方の頭が補完。
それが繰り返されるため、中々頭部や口の中に攻撃がヒットしない。
では、二つの頭……両方に向けて攻撃を行い、ワンテンポずらして別の場所に攻撃したらどうか。
「「っ!!!!!」」
「っ!? くっそ~~~~~!!! 本当にふざけた堅さしてるな!!!」
魔槍に水流を纏い、渾身の水刺を腹に向けて放つが、今日に轟炎を纏った尾に弾かれてしまった。
水と火という相性もあり、全くのノーダメージではなかったものの、戦況を変える切っ掛けとなるほどの傷は与えられていない。
「っ!!! ふぅーーー……ナイト、どうしますの」
少しでもダメージを与えようと、普段以上の旋風を纏った矢を放つも、ギリギリのところで躱されてしまう。
確実にダメージを与えるとなれば、それ相応の魔力を消費しなければならない。
当然ながら、彼女たちが有する魔力は無限ではない。
そのため、アスレアとネイトもいつまでも後方支援が出来る訳ではない。
(頭が二つある。これまで通りの虚を突く形では、ダメージが殆ど通らない。尾を使うのが、上手い。翼も……同じく器用に使うかもしれない)
後衛は、戦場での位置的に指揮官を兼任することがある。
ハリアルやアスレアも出来なくはないが、七人で行動する際はネイトがそれを担っている。
(早く、答えを出さなければ、ジャバたちの体力が…………っ!!!!)
Bランクモンスターと、Bランクドラゴンと戦うのは今回が初めてではない。
だからこそ、これまで学友たちと……仲間たちと乗り越えてきた経験を思い出す。
「ノ「ネイトっ!!」っ!!??」
何かを思い付いたネイトはノックスを呼ぼうとしたが、その前に彼がネイトの元を訪れた。
「僕たちは、これから防御を捨てる」
「っ!!!! ……ふっ、ふふふ……ノックス。私は今、あなたと同じ事を考えてましたわ」
「君にしては珍しいね」
「それほどの相手であるのは間違いない。そして……やはり頼りたくないだけです」
「同感だよ。そういう訳だから、アスレアも頼むよ」
「えぇ、解りましたわ」
防御を捨てる。
それは、文字通りの言葉である。
前衛であるノックス、ジャバ、ハリアル、ナディー、ヨルカ、全員が妨害などのサポート、防御を切り捨て……ただ、渾身の一撃を叩き込むことだけに集中する。
(魔力を使い果たしても、やり切る!!!!)
(全てを……全てを見極めるのよ)
そして、双頭の火竜が前衛たちを潰そうとする動きに対し、後衛のアスレアとネイトが全力でサポートし、渾身の一撃を叩き込む為の道をつくる。
全員が、ここを分水嶺だと判断し……今日の戦いが、ここで終わっても良いと、覚悟の炎を燃やす。
「クソがっ!!」
「くっ!!!!」
「「ギィィィアアアアアアアアアアッッ!!!!!!」」
二つの頭を持つ火竜に、ノックスたちは苦戦を強いられていた。
先日、火竜に風竜、土竜、キングワイバーンなどのBランクドラゴンの討伐に成功。
ノックスたちは……間違いなく、自分たちの力だけで、Bランクドラゴンを倒した。
ただ、七人とも数度Bランクドラゴンを討伐したからといって、今後遭遇する全てのBランクドラゴンを討伐出来ると思うほど自惚れてはいない。
(頭が一つ、増えるだけで……これほど、強さが増すとはっ!!!)
ハリアルは双頭の火竜に直接ダメージを与えるのを諦め、羽や顔面、ブレスを吐く際などを狙って攻撃を行う。
メインアタッカーとして戦うというプライドを捨て、直ぐに動きを切り替えたのは見事と言えるだろう。
しかし……それでもこれまで程上手くドラゴンの動きを制限できない。
「ガァアアアアアアッ!!!!!」
「っ!! 本当に、咄嗟に気付きますわね」
自身は付けど、馬鹿正直に真正面から挑むことはなく、基本的には相手の虚を突くように動き、攻撃を行うネイトたち。
しかし、片方の頭に攻撃しようとすれば、もう片方の頭が補完。
それが繰り返されるため、中々頭部や口の中に攻撃がヒットしない。
では、二つの頭……両方に向けて攻撃を行い、ワンテンポずらして別の場所に攻撃したらどうか。
「「っ!!!!!」」
「っ!? くっそ~~~~~!!! 本当にふざけた堅さしてるな!!!」
魔槍に水流を纏い、渾身の水刺を腹に向けて放つが、今日に轟炎を纏った尾に弾かれてしまった。
水と火という相性もあり、全くのノーダメージではなかったものの、戦況を変える切っ掛けとなるほどの傷は与えられていない。
「っ!!! ふぅーーー……ナイト、どうしますの」
少しでもダメージを与えようと、普段以上の旋風を纏った矢を放つも、ギリギリのところで躱されてしまう。
確実にダメージを与えるとなれば、それ相応の魔力を消費しなければならない。
当然ながら、彼女たちが有する魔力は無限ではない。
そのため、アスレアとネイトもいつまでも後方支援が出来る訳ではない。
(頭が二つある。これまで通りの虚を突く形では、ダメージが殆ど通らない。尾を使うのが、上手い。翼も……同じく器用に使うかもしれない)
後衛は、戦場での位置的に指揮官を兼任することがある。
ハリアルやアスレアも出来なくはないが、七人で行動する際はネイトがそれを担っている。
(早く、答えを出さなければ、ジャバたちの体力が…………っ!!!!)
Bランクモンスターと、Bランクドラゴンと戦うのは今回が初めてではない。
だからこそ、これまで学友たちと……仲間たちと乗り越えてきた経験を思い出す。
「ノ「ネイトっ!!」っ!!??」
何かを思い付いたネイトはノックスを呼ぼうとしたが、その前に彼がネイトの元を訪れた。
「僕たちは、これから防御を捨てる」
「っ!!!! ……ふっ、ふふふ……ノックス。私は今、あなたと同じ事を考えてましたわ」
「君にしては珍しいね」
「それほどの相手であるのは間違いない。そして……やはり頼りたくないだけです」
「同感だよ。そういう訳だから、アスレアも頼むよ」
「えぇ、解りましたわ」
防御を捨てる。
それは、文字通りの言葉である。
前衛であるノックス、ジャバ、ハリアル、ナディー、ヨルカ、全員が妨害などのサポート、防御を切り捨て……ただ、渾身の一撃を叩き込むことだけに集中する。
(魔力を使い果たしても、やり切る!!!!)
(全てを……全てを見極めるのよ)
そして、双頭の火竜が前衛たちを潰そうとする動きに対し、後衛のアスレアとネイトが全力でサポートし、渾身の一撃を叩き込む為の道をつくる。
全員が、ここを分水嶺だと判断し……今日の戦いが、ここで終わっても良いと、覚悟の炎を燃やす。
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