スキル「糸」を手に入れた転生者。糸をバカにする奴は全員ぶっ飛ばす

Gai

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千三百五十話 羨ましいシチュエーション?

「どうも、お久しぶりです」

画家の頼みに付き合った後、アラッドはまだ礼を言えてない人物たちの元へと向かった。

「お久しぶりね!」

「久しぶり」

「久しいな……もう体は大丈夫なのか?」

アラッドが訪れたのは、リエラ・カルバドラ、ラディア・クレスター、ライホルト・ギュレリックたちの元。

アッシュとシルフィーが三人にも世話になったという話は聞いており、兄であるアラッドとしては、是非とも感謝の気持ちを伝えねばならなかった。

「三人とも、うちの弟や妹の面倒を見てくれてありがとう。本当に、助かった」

木竜の時と同じく、アラッドは深々と頭を下げた。

「もう、そんな頭を下げなくて良いって~~~。元々少しでもアラッドたちの助けになりたいって理由で参加したわけだし、ね」

「リエラの言う通り。アッシュとシルフィーの傍で戦うことになったのは、成り行き」

「全て二人の言う通りだ、アラッド。ただ、俺たちは俺たちがやりたいと思った事はしただけだ」

なんとなくこうなるだろうとは思っていたため、三人は事前に考えていた内容を伝え、さっさと頭を上げようとする。

「そういう訳にはいかない。ただ俺たちの為を思って参加してくれた。それだけでも感謝の念が絶えないというのに、弟と妹の面倒を見てもらった……決して、楽な事ではなかったはずだ」

主にアッシュとシルフィーをサポートしていたのは木竜とユニコーン親子ではあったが、それでも三人が危機を察知して動いたことで、二人が危険に晒されずに難を逃れたこともあった。

アラッドからすれば、三人だけで動いていれば、集中力の面で負担を掛けずにもう少し余裕を持って戦えていたと……結果的に三人は生きているが、重症を負うか、最悪死んでしまう可能性は二人をサポートするという選択肢を加えたことで上がったと思っている。

(う~~ん、思った以上に頑固ね~。ちょっと違うけど、こういうところはアッシュ君と似てる感じがするわねぇ……あっ、そうだ)

この状況をあっさりと打破できる内容を思いつき、小さく笑みを浮かべるリエラ。

「アラッドがどれだけ私たちにどれだけ感謝してるのかは解ったわ。けど、だからってそうかそうかとはならなさそうだから、もし私たちが困ったことに直面したら、今度はアラッドが助けてちょうだい」

「っ、あぁ……勿論だ。最速でリエラ嬢たちの元へ駆けつけよう」

リエラとしては、あまりアラッドに頭を下げられ続けられるのは思うところがあるからこそ、この状況を終わらせるために思いついた内容だった。

しかし、アラッドは言葉通りに受け取り、自身の言葉を必ず実行すると、右拳を心臓の位置に添えて宣言した。

(うっ、まぁそうなるよね~~~…………っていうか、今……結構、アラッドのファンたちから羨ましがれるような状況だった?)

リエラは変わらずアッシュLOVEであり、アラッドは友人としか見てない。

ただ、アラッドがどれだけ凄い人物なのか……どれほど人気があるのかは解っていた。
実際のところ、アラッドが知らないだけで、彼のファンというのは割と存在する。

同業者、職種が近い者たちの間では妬まれることは多いものの、それでもファンと呼べる者たちは確実にいた。

当然、その中には女性たちもいる。
平民や同業者たちだけではなく、令嬢たちの中にも彼に憧れるを持つ者は珍しくない。

強い強いと噂されており、一度だけ表舞台に登場した際も、自身に絡んできた輩を華麗に? 懲らしめた。

そして完全に表舞台に出てきたと思ったら、一年生でトーナメントに参加し、圧倒的な力で決勝戦まで勝ち上がり、決勝戦では昨年の優勝者であるフローレンスの力を……限界を越えて引き出し、それを上回り、勝利を掴み取った。

その後は騎士の爵位を受け取り、特例としてそのまま卒業。
冒険者として活動するようになってからも、彼の活躍が定期的に耳に入る。

そんなアラッドが魅力的に感じる異性が、あまり立場や容姿は関係なく、強さに惹かれる……という話が広まったことで、それまで武器を持ったことがない令嬢たちが武器を持つ、なんてちょっとした貴族社会内での社会現象が起きていた。

あまり表には出ないものの、それほど人気があるアラッドから「最速でリエラ嬢たちの元へ駆けつけよう」と告げられた。

(ほ、他の人たちに聞かれてないわよね?)

リエラ嬢た・ち、であるため、当然ながらラディアやライホルトが困難に直面した時なども、即座に駆け付ける。

ただ、名前を出されたのはリエラである。

「……………」

「? リエラ嬢、何か問題でもあるだろうか」

「い、いや、全くなわいよ!! ……うん、本当にないから安心して!!」

「そ、そうか」

急な変化に戸惑うアラッド。
当然、やった本人は全く気付いていない。

(…………なるほど。それでか)

ただ、ライホルトは何故急にリエラがおどおどした態度になったのかを把握。

ライホルトたちは他国の人間だからこそ、この国でどれだけアラッドが感心されているのか、ファンがいるのかなどを戦時中……祝勝会が始まるまで世話になってる間、騎士や魔術師たちと関わることで深く知っていた。

因みに……約一名、ほんの少しだけ嫉妬している者がいた。
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