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三十一話 プレミア感?
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「ギーラス義兄さん、起きてる?」
「あぁ、まだ起きてるよ」
義兄から返事が返ってきたアラッドは部屋の中へと入った。
「アラッドが僕の部屋に来るなんて珍しいね……その手に持ってる物はいったいなんだい?」
ギーラスはアラッドが部屋に入ると早速手に持っているリバーシに興味を持った。
「これはリバーシってゲームだよ」
「リバーシ……それはアラッドが作ったゲームなのかい?」
「そうだよ。ルールを説明するから、とりあえず遊ぼう」
「ふふ、面白そうだね」
ギーラスの中でアラッドは不思議で予測できない存在。
そんな義弟が作ったゲーム……面白くない訳がない。
サクッとルールを教わり、いざ勝負。
五分後……盤上はアラッドの白でが占拠していた。
「ふむ……どうやら完敗だね」
「一応作ったの俺だからね。初めてやる人には負けられないよ」
「それもそうか。しかしこのリバーシ……やっぱり面白いね。これは商品にするのかい?」
「あぁ、既に父さんには話してある」
「その方が良い。これは間違いなく流行るよ。文字通り子供から大人まで遊べる娯楽だ」
付け加えれば、金が掛からない娯楽といえる。
この世界に存在する娯楽はどれも楽しむにはそれなりに金が必要だ。
ギャンブルなどに関しては、身を亡ぼす可能性がある。
しかしアラッドが作ったリバーシはそういった心配がなく、一般家庭でも余裕で買える。
値段設定はまだ決めていないが、通常の木と塗料を使えば低値段でも十分に利益が取れる。
「それでアラッド……いったいどれぐらいの権利を主張したんだい? こんな面白い娯楽……五割を主張しても問題無いと思うよ」
「ふふ、ギーラス義兄さんは父さんみたいなことを言うんだね。俺が主張した権利は三割。そのうちの二割は家に入れるって父さんに伝えたよ」
まさかの回答に楽しそうな笑みを浮かべていたギーラスの表情が固まった。
「……アラッド、それは本当なのか?」
「本当だよ、ギーラス義兄さん。俺もリバーシは売れると思ってる。だから一割でも十分俺の懐にお金が入ってくるよ」
「それは……そうだな」
「でしょ。それに、ほら……貴族や豪商たちには多分、普通の木じゃなくてトレントの木を使ったりすると思うんだ。父さんぐらい爵位が高い貴族であれば、宝石や大理石を使った物を注文するかもしれない……というか、多分絶対にそういうのを一つ頼むと思うんだよ」
貴族は自身が持っている者によって己の価値を引き上げようとする。
リバーシがポピュラーな娯楽となれば、より材質の良いリバーシを持っていれば自然と己の価値を引き上げることになる。
そんなリバーシを売れば、必然的にアラッドの懐に入ってくる金も増える。
「ははっ!! 本当にアラッドは良く解ってるね。多くの貴族や商人が特注のリバーシを作らせるだろうね……でも、これが国中で広まれば……アラッド、君が作ったリバーシの価値が高くなると僕は思うよ」
「俺が自身が作った……発案した本人が作ったから、ってこと?」
「そういうことだよ。有名な人物が作った物であれば同じ物を作ってもそこに価値の差が生まれる。そういうわけだから、多分遠くない内にアラッドに自分だけの特注品を作ってほしいって依頼が来ると思うよ」
「えぇーーーー……それは面倒だな」
「面倒かもしれないけど、アラッドに直接依頼だからお金は全部アラッドに入ってくるよ。そう考えると、美味しい仕事だと思わないかい」
店で売るのとは違い、生みの親に制作を頼めば買取金額は全て制作者に送られる。
その点は確かにギーラスの言う通り美味しい仕事だと思った。
「そう、だね……なら、俺が作った証……マークみたいなのを考えていた方が良いかな」
「それは良いアイデアだね。契約魔法の力が付与された契約書があれば、それがアラッドが直々に作ったって証になるけど、そういうのがあると買った側の人は嬉しいかもしれないね」
「そういうものか……当分家にいるし、作るのには問題無さそうだな」
「アラッドは将来冒険者になるんだよね。いつ家を出発するんだい」
「最初は十二歳になったらって思ってたけど、父さんと母さんに止められたから十五歳にした」
二人ともアラッドが冒険者の道に進むのは止めないが、流石に十二歳は早過ぎると必死で止めた。
「あぁ、まだ起きてるよ」
義兄から返事が返ってきたアラッドは部屋の中へと入った。
「アラッドが僕の部屋に来るなんて珍しいね……その手に持ってる物はいったいなんだい?」
ギーラスはアラッドが部屋に入ると早速手に持っているリバーシに興味を持った。
「これはリバーシってゲームだよ」
「リバーシ……それはアラッドが作ったゲームなのかい?」
「そうだよ。ルールを説明するから、とりあえず遊ぼう」
「ふふ、面白そうだね」
ギーラスの中でアラッドは不思議で予測できない存在。
そんな義弟が作ったゲーム……面白くない訳がない。
サクッとルールを教わり、いざ勝負。
五分後……盤上はアラッドの白でが占拠していた。
「ふむ……どうやら完敗だね」
「一応作ったの俺だからね。初めてやる人には負けられないよ」
「それもそうか。しかしこのリバーシ……やっぱり面白いね。これは商品にするのかい?」
「あぁ、既に父さんには話してある」
「その方が良い。これは間違いなく流行るよ。文字通り子供から大人まで遊べる娯楽だ」
付け加えれば、金が掛からない娯楽といえる。
この世界に存在する娯楽はどれも楽しむにはそれなりに金が必要だ。
ギャンブルなどに関しては、身を亡ぼす可能性がある。
しかしアラッドが作ったリバーシはそういった心配がなく、一般家庭でも余裕で買える。
値段設定はまだ決めていないが、通常の木と塗料を使えば低値段でも十分に利益が取れる。
「それでアラッド……いったいどれぐらいの権利を主張したんだい? こんな面白い娯楽……五割を主張しても問題無いと思うよ」
「ふふ、ギーラス義兄さんは父さんみたいなことを言うんだね。俺が主張した権利は三割。そのうちの二割は家に入れるって父さんに伝えたよ」
まさかの回答に楽しそうな笑みを浮かべていたギーラスの表情が固まった。
「……アラッド、それは本当なのか?」
「本当だよ、ギーラス義兄さん。俺もリバーシは売れると思ってる。だから一割でも十分俺の懐にお金が入ってくるよ」
「それは……そうだな」
「でしょ。それに、ほら……貴族や豪商たちには多分、普通の木じゃなくてトレントの木を使ったりすると思うんだ。父さんぐらい爵位が高い貴族であれば、宝石や大理石を使った物を注文するかもしれない……というか、多分絶対にそういうのを一つ頼むと思うんだよ」
貴族は自身が持っている者によって己の価値を引き上げようとする。
リバーシがポピュラーな娯楽となれば、より材質の良いリバーシを持っていれば自然と己の価値を引き上げることになる。
そんなリバーシを売れば、必然的にアラッドの懐に入ってくる金も増える。
「ははっ!! 本当にアラッドは良く解ってるね。多くの貴族や商人が特注のリバーシを作らせるだろうね……でも、これが国中で広まれば……アラッド、君が作ったリバーシの価値が高くなると僕は思うよ」
「俺が自身が作った……発案した本人が作ったから、ってこと?」
「そういうことだよ。有名な人物が作った物であれば同じ物を作ってもそこに価値の差が生まれる。そういうわけだから、多分遠くない内にアラッドに自分だけの特注品を作ってほしいって依頼が来ると思うよ」
「えぇーーーー……それは面倒だな」
「面倒かもしれないけど、アラッドに直接依頼だからお金は全部アラッドに入ってくるよ。そう考えると、美味しい仕事だと思わないかい」
店で売るのとは違い、生みの親に制作を頼めば買取金額は全て制作者に送られる。
その点は確かにギーラスの言う通り美味しい仕事だと思った。
「そう、だね……なら、俺が作った証……マークみたいなのを考えていた方が良いかな」
「それは良いアイデアだね。契約魔法の力が付与された契約書があれば、それがアラッドが直々に作ったって証になるけど、そういうのがあると買った側の人は嬉しいかもしれないね」
「そういうものか……当分家にいるし、作るのには問題無さそうだな」
「アラッドは将来冒険者になるんだよね。いつ家を出発するんだい」
「最初は十二歳になったらって思ってたけど、父さんと母さんに止められたから十五歳にした」
二人ともアラッドが冒険者の道に進むのは止めないが、流石に十二歳は早過ぎると必死で止めた。
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