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二百九十話 爆睡は回避
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違法薬物をキメた暴走先輩に襲われた翌日、アラッドは一応という形で教師から事情聴取を受けた。
勿論、アラッドはお咎めなし。
そして先日の一件……暴走先輩と遭遇したのがアラッドと止めに入った教師だけではない為、上級生が違法薬物を使った云々は置いておき、下級生を廊下で襲ったという光景を他の生徒が見てしまっている。
そうなってしまえば、実家の力で事実をもみ消すというのは不可能。
現在は停学という形だが、三年生のこの時期にこのまま退学という話も十分あり得る。
(俺に負けて悔しいってのは……俺が言うのはおかしいんだろうけど、解らなくもない。ただ、それでも自分のこれからを潰すか?)
確かに、アラッドを襲った三年生は今回の大会には出場できなかった。
だからといって、騎士に慣れない訳ではない。
入団試験がある日まで時間があれば鍛え続け、高みを目指し続ければ不可能な話ではない。
(……違法薬物自分で手に入れたのか、それとも他者から渡されたのか……後者だとしたら、洗脳系のスキルでも使われたか?)
襲って来た先輩とは、特に因縁がある訳ではなく、以前参加した社交界でアラッドが糸を使用し、パンツ一丁にしたロンバー・アリッドの兄でもない。
であれば、心の中で燻っていた怒りを利用され、愚行を侵した。
っと、アラッドは推測。
あながち的外れではないのでは? と思った推測だが、所詮は学生が考えた内容。
教師に伝える必要はないと思い、授業開始ギリギリに教室に到着。
「アラッド、何かあったのか?」
「ん? いや、特に何もないよ」
平然とした表情で応えるアラッド。
その表情から嘘は読み取れない……が、親しい者たちであれば、絶対に何かあったと解ってしまう。
(絶対に何かあっただろ。あいつが校内戦で反則をしてたとは思えない……まさか、校内のどこかで襲われたのか?)
実際のところ、何があったのか。
それを聞く気にはなれないドラングだが、兄の身に起きたことをドンピシャで当てていた。
「それじゃ、授業を始めるぞ。寝るなよ」
当然、騎士になるとはいえ、座学の授業もある。
アラッドにとってはあまり興味がない授業内容ではあるが、爆睡しようとも思えない。
(前世なら、興味がない授業で眠気が来たら絶対に寝てたんだけどな……そういうわけにいかないよな)
体を動かす授業は真面目に受け、座学は爆睡してしまう。
どう考えても実家の印象を悪くすると思い、眠気が来てもなるべく起きようと努力する。
そしてついに……明日から王都最大の闘技場で学生同士のガチバトルが始まる。
個人戦では一年生の中からアラッド、レイ、ドラングが出場を決めた。
レイは当然一年の内から参加するだろうと予想されていたが、殆ど情報がなかったアラッドと、優秀な生徒ではあるが天辺には後数歩及ばないという評価を受けていたドラングが選ばれた。
この結果に、裏で一年生の中で誰が選ばれるかを賭けていた連中の大半は悲惨な目に合っていた。
そしてタッグ戦のトーナメントには、見事ベルたちが全員一年生の中から参加することが決定。
「どの場所でも良いが、あの場で私はアラッドと戦いたい」
授業が終わり、普段の合同訓練が終わったタイミングで、レイはアラッドに自分の思いを伝えた。
本音を言えば、決勝の舞台で戦いたい。
ただ……戦いが始まってしまえば、おそらくそんな考えは消え、勝つ事だけに前意識が集中する。
そんな予感がする。
「そうか。それなら、お互いに勝ち上がらないとな」
「ふふ、そうだな。でも、初戦からぶつかるかもしれないぞ?」
「……はは、それはそれで良いかもな」
基本的に初戦で同じ学園同士がぶつかることはない。
その事情を考慮した上で……そこからランダムで選択されていく。
しかし、今回のトーナメント……とある二名だけ、運営の方から位置を弄られていた。
勿論、アラッドはお咎めなし。
そして先日の一件……暴走先輩と遭遇したのがアラッドと止めに入った教師だけではない為、上級生が違法薬物を使った云々は置いておき、下級生を廊下で襲ったという光景を他の生徒が見てしまっている。
そうなってしまえば、実家の力で事実をもみ消すというのは不可能。
現在は停学という形だが、三年生のこの時期にこのまま退学という話も十分あり得る。
(俺に負けて悔しいってのは……俺が言うのはおかしいんだろうけど、解らなくもない。ただ、それでも自分のこれからを潰すか?)
確かに、アラッドを襲った三年生は今回の大会には出場できなかった。
だからといって、騎士に慣れない訳ではない。
入団試験がある日まで時間があれば鍛え続け、高みを目指し続ければ不可能な話ではない。
(……違法薬物自分で手に入れたのか、それとも他者から渡されたのか……後者だとしたら、洗脳系のスキルでも使われたか?)
襲って来た先輩とは、特に因縁がある訳ではなく、以前参加した社交界でアラッドが糸を使用し、パンツ一丁にしたロンバー・アリッドの兄でもない。
であれば、心の中で燻っていた怒りを利用され、愚行を侵した。
っと、アラッドは推測。
あながち的外れではないのでは? と思った推測だが、所詮は学生が考えた内容。
教師に伝える必要はないと思い、授業開始ギリギリに教室に到着。
「アラッド、何かあったのか?」
「ん? いや、特に何もないよ」
平然とした表情で応えるアラッド。
その表情から嘘は読み取れない……が、親しい者たちであれば、絶対に何かあったと解ってしまう。
(絶対に何かあっただろ。あいつが校内戦で反則をしてたとは思えない……まさか、校内のどこかで襲われたのか?)
実際のところ、何があったのか。
それを聞く気にはなれないドラングだが、兄の身に起きたことをドンピシャで当てていた。
「それじゃ、授業を始めるぞ。寝るなよ」
当然、騎士になるとはいえ、座学の授業もある。
アラッドにとってはあまり興味がない授業内容ではあるが、爆睡しようとも思えない。
(前世なら、興味がない授業で眠気が来たら絶対に寝てたんだけどな……そういうわけにいかないよな)
体を動かす授業は真面目に受け、座学は爆睡してしまう。
どう考えても実家の印象を悪くすると思い、眠気が来てもなるべく起きようと努力する。
そしてついに……明日から王都最大の闘技場で学生同士のガチバトルが始まる。
個人戦では一年生の中からアラッド、レイ、ドラングが出場を決めた。
レイは当然一年の内から参加するだろうと予想されていたが、殆ど情報がなかったアラッドと、優秀な生徒ではあるが天辺には後数歩及ばないという評価を受けていたドラングが選ばれた。
この結果に、裏で一年生の中で誰が選ばれるかを賭けていた連中の大半は悲惨な目に合っていた。
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授業が終わり、普段の合同訓練が終わったタイミングで、レイはアラッドに自分の思いを伝えた。
本音を言えば、決勝の舞台で戦いたい。
ただ……戦いが始まってしまえば、おそらくそんな考えは消え、勝つ事だけに前意識が集中する。
そんな予感がする。
「そうか。それなら、お互いに勝ち上がらないとな」
「ふふ、そうだな。でも、初戦からぶつかるかもしれないぞ?」
「……はは、それはそれで良いかもな」
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