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四百四十一話 嫉妬する人は増える
翌日、少々頭痛に苦しみながらも、二人は昼手前に合流。
そして冒険者ギルドに向かい、パーティーの登録申請を行った。
「俺とスティームでパーティーを組むんで、登録お願いします」
「……えっ?」
担当した受付嬢は、アラッドから頼まれた言葉の意味を、直ぐには理解出来なかった。
言葉がどういった事を指しているのか、それは解る。
解ってはいるが……何故という疑問で頭の中が多い尽くされる。
「スティームと期間限定ではありますけど、パーティーを組むので登録をお願いします」
「か、かしこまり……ました」
改めて説明されて、一先ず目の前の光景が嘘ではないと理解。
受付嬢はまだ何故という疑問が頭に残りながらも、登録の手続きを進めていく。
昼手前ということもあり、ギルド内には人が少ないのだが……受付嬢たちギルド職員も含めて、驚きの声を上げる者が多い。
(臨時でパーティーの登録申請をするのが、そんなに珍しいのか?)
(ん~~~……やっぱり、こういう反応になるよね)
アラッドは職員や同僚たちの反応がやや過剰では? と思う中、パーティーメンバーとなったスティームは周囲の反応を予想出来ていた。
アラッドというルーキーは言わずもがな、冒険者になる前からやや有名人。
少し前に一年生ながら三年生の頂点を潰したという功績もあり、冒険者として活動し始めてから一年も経たずに大きな功績を打ち立てた。
そしてスティームは冒険者になってから、三年間……着実に順調過ぎるペースで成長していき、あっという間にCランクという位置に到達。
従魔である相棒のストームファルコンの強さも相まって、将来Aランクに届く逸材であるのは間違いない。
そんな二人がパーティーを組む……となばれば、その戦闘力はいったいどれ程のものなのか?
その場にいた幾人かの者たちはその事について考え過ぎ、頭がショートした。
「アラッド、パーティー名はどうするんだい?」
「パーティー名? …………別になくても良いんじゃないか」
「……そうだね。一応臨時のパーティーな訳だし……でも、活動してたら誰かが勝手に命名するかもしれないよ」
「そういう、こともあるのか……まっ、今すぐは思い付かないから、無理して付ける必要はないな」
結局パーティー名がその場で決まることはなかった。
ただ、まだ二人のパーティーに名前がついてないと知った者たちは、自分が考えたパーティー名が現実になれば……などと考え始め、バカなことに頭を使い始めた。
「よし。それじゃ、ギーラス兄さんたちに報告しに行くか」
二人はアポなしで兄たちが務める騎士団に向かったが、既に二人の顔は知れ渡っているため、アポなしでも面会が可能。
「へぇ~~~、パーティーを組むことにしたんだ。よし、今日も食って呑もう!!!!」
「はっ!!!!???? えっ……ちょ、はっ!!!!!?????」
二人からの報告を聞いた兄たちの反応は両極端。
ギーラスは二人が臨時とはいえ、パーティーを組んでこれから活動することを嬉しく思い、今日の夜も食って呑んで騒ぐことを決めた。
そんなギーラスに対し、ディックスは信じられない……何故そんな流れになったんだ!!?? といった、ある意味絶望顔をしながら固まった。
数時間後、本当にギーラスが言った通り、二人がパーティーを祝して宴会が行われた。
場所は騎士団の食堂ということもあり、金が殆どないディックスであっても一応飲み食いは出来る。
「二人がパーティーを組んだってなると……他の冒険者たちが、増々嫉妬しちゃうかもしれないね」
「えっ……そうなり、ますか? 俺としては、スティームと組むことで面倒な輩が絡んで来なくなると思ったんですけど」
「そういった輩が多少減るとは思うよ。減るとは思うけど、その分嫉妬する冒険者たちは増えるのは間違いないね。だって……二人がパーティーを組んだことで単純な戦力増強だけじゃなくて、非常に優秀な従魔が二体に増える。それって冒険者にとっては、非常に冒険がしやすくなるだろ」
「…………なるほど、それはそうですね」
アラッドが兄、ギーラスと話していると、スティームもディックスと楽しく? 話していた。
「スティーム……お前、なんでギーラスの弟とパーティー組んだんだよ!?」
非常に……非常に非常に身勝手な理由ではあるが、来月分の給料どころか再来月分の給料分まで呑み食いしたアラッドに対し、決して小さくない恨みを抱いていた。
「あの、僕がアルバース王国にいる間だけですよ?」
「違う、違うんだよ! そう言う話じゃないんだよ!!!!」
とはいえ、決して来月再来月分の給料を文字通り食われたディックスは、同僚との賭けに負けた弟に責任を追及することはなかった。
やや我儘な大人であれど、兄としてそこまで落ちて腐ってボロボロな似非騎士にはなっていない。
「そ、そういえばアラッド。これからどこか行きたい場所とかあるのかい」
少々面倒な兄から逃げ、パーティーメンバーとなったアラッドに次の目標を相談。
その話にギーラスを含む騎士団のメンバーもまざり、大いに盛り上がった。
そして冒険者ギルドに向かい、パーティーの登録申請を行った。
「俺とスティームでパーティーを組むんで、登録お願いします」
「……えっ?」
担当した受付嬢は、アラッドから頼まれた言葉の意味を、直ぐには理解出来なかった。
言葉がどういった事を指しているのか、それは解る。
解ってはいるが……何故という疑問で頭の中が多い尽くされる。
「スティームと期間限定ではありますけど、パーティーを組むので登録をお願いします」
「か、かしこまり……ました」
改めて説明されて、一先ず目の前の光景が嘘ではないと理解。
受付嬢はまだ何故という疑問が頭に残りながらも、登録の手続きを進めていく。
昼手前ということもあり、ギルド内には人が少ないのだが……受付嬢たちギルド職員も含めて、驚きの声を上げる者が多い。
(臨時でパーティーの登録申請をするのが、そんなに珍しいのか?)
(ん~~~……やっぱり、こういう反応になるよね)
アラッドは職員や同僚たちの反応がやや過剰では? と思う中、パーティーメンバーとなったスティームは周囲の反応を予想出来ていた。
アラッドというルーキーは言わずもがな、冒険者になる前からやや有名人。
少し前に一年生ながら三年生の頂点を潰したという功績もあり、冒険者として活動し始めてから一年も経たずに大きな功績を打ち立てた。
そしてスティームは冒険者になってから、三年間……着実に順調過ぎるペースで成長していき、あっという間にCランクという位置に到達。
従魔である相棒のストームファルコンの強さも相まって、将来Aランクに届く逸材であるのは間違いない。
そんな二人がパーティーを組む……となばれば、その戦闘力はいったいどれ程のものなのか?
その場にいた幾人かの者たちはその事について考え過ぎ、頭がショートした。
「アラッド、パーティー名はどうするんだい?」
「パーティー名? …………別になくても良いんじゃないか」
「……そうだね。一応臨時のパーティーな訳だし……でも、活動してたら誰かが勝手に命名するかもしれないよ」
「そういう、こともあるのか……まっ、今すぐは思い付かないから、無理して付ける必要はないな」
結局パーティー名がその場で決まることはなかった。
ただ、まだ二人のパーティーに名前がついてないと知った者たちは、自分が考えたパーティー名が現実になれば……などと考え始め、バカなことに頭を使い始めた。
「よし。それじゃ、ギーラス兄さんたちに報告しに行くか」
二人はアポなしで兄たちが務める騎士団に向かったが、既に二人の顔は知れ渡っているため、アポなしでも面会が可能。
「へぇ~~~、パーティーを組むことにしたんだ。よし、今日も食って呑もう!!!!」
「はっ!!!!???? えっ……ちょ、はっ!!!!!?????」
二人からの報告を聞いた兄たちの反応は両極端。
ギーラスは二人が臨時とはいえ、パーティーを組んでこれから活動することを嬉しく思い、今日の夜も食って呑んで騒ぐことを決めた。
そんなギーラスに対し、ディックスは信じられない……何故そんな流れになったんだ!!?? といった、ある意味絶望顔をしながら固まった。
数時間後、本当にギーラスが言った通り、二人がパーティーを祝して宴会が行われた。
場所は騎士団の食堂ということもあり、金が殆どないディックスであっても一応飲み食いは出来る。
「二人がパーティーを組んだってなると……他の冒険者たちが、増々嫉妬しちゃうかもしれないね」
「えっ……そうなり、ますか? 俺としては、スティームと組むことで面倒な輩が絡んで来なくなると思ったんですけど」
「そういった輩が多少減るとは思うよ。減るとは思うけど、その分嫉妬する冒険者たちは増えるのは間違いないね。だって……二人がパーティーを組んだことで単純な戦力増強だけじゃなくて、非常に優秀な従魔が二体に増える。それって冒険者にとっては、非常に冒険がしやすくなるだろ」
「…………なるほど、それはそうですね」
アラッドが兄、ギーラスと話していると、スティームもディックスと楽しく? 話していた。
「スティーム……お前、なんでギーラスの弟とパーティー組んだんだよ!?」
非常に……非常に非常に身勝手な理由ではあるが、来月分の給料どころか再来月分の給料分まで呑み食いしたアラッドに対し、決して小さくない恨みを抱いていた。
「あの、僕がアルバース王国にいる間だけですよ?」
「違う、違うんだよ! そう言う話じゃないんだよ!!!!」
とはいえ、決して来月再来月分の給料を文字通り食われたディックスは、同僚との賭けに負けた弟に責任を追及することはなかった。
やや我儘な大人であれど、兄としてそこまで落ちて腐ってボロボロな似非騎士にはなっていない。
「そ、そういえばアラッド。これからどこか行きたい場所とかあるのかい」
少々面倒な兄から逃げ、パーティーメンバーとなったアラッドに次の目標を相談。
その話にギーラスを含む騎士団のメンバーもまざり、大いに盛り上がった。
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