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五百五十三話 変わらず残る旨味
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「はっはっは!!! ストームペイラーを、一気に六つも出すか!!!」
「アラッド! 結構、笑い事じゃないと、思うよ!!!」
「解ってる解ってる!!!」
風の柱……簡易的な竜巻を生み出す風魔法、ストームペイラー。
一つの竜巻でも敵の体勢を崩す、当たれば肉体を引き裂く恐ろしい風柱。
その数が五つや六つに増えれば……多方向からの風で対処が遅れると、完全に体勢が崩れる。
(体が少しでも、浮いた瞬間にトレントの木による攻撃!!! 統率されてるな!!!)
そんな状況下でもアラッドの表情に焦りが生まれることはなく、魔力を纏って耐久性を強化した糸でやり過ごし……旋風を纏った閃脚で竜巻を切り裂く。
スティームもリンから貰った通常戦闘用の双剣を抜剣し、切断。
全てのストームペイラーの破壊に成功したが……まだまだエルダートレントどころか、多くのトレントが残っている。
「キィィイイエエエエエエエエッ!!!!!!」
アラッドがまずはどっちから片付けようか悩んでいると、ファルが我先にと邪魔なトレントの始末へと動く。
それに従魔仲間のクロも続き、二人に鬱陶しい枝や蔓が飛んでくることはなくなった。
「お互い、良い相棒に恵まれたな」
「本当に、心の底から恵まれてると思うよ!」
「…………ッ!!!!」
同族が殺されそうだからといって、エルダートレントは焦らない。
ただただ、自身の栄養素となる人間を仕留めに掛かる。
(手数に限れば、俺たち二人がかりでも、エルダートレントの方が多い! こいつの枝の場合、普通の状態じゃ……切断は厳しいな)
魔力を纏って強化していても、切断までは至らない。
事実を受け入れ、アラッドは即座にスレッドチェンジで性質を鉄製に変更。
更に纏う魔力を風の魔力に変更。
それらの変化によって、エルダートレントはより正確にアラッドが操る糸が見えてしまうものの……高速戦闘の中、全ての糸に注視して対応出来るほどアラッドの糸捌きは甘くない。
エルダートレントは自身の体から多数の枝を伸ばし、木々の槍を放つ。
しかし……そのどれもが敵の体に届く前に切断、もしくは弾かれてしまう。
(リンさんが造ったこれ、やっぱり切れ味だけ見ても凄い、よね)
スティームは素材を大事にしようという冒険者らしい考えで動いており、雷属性の双剣に雷は纏っていない。
それでも魔力を纏った状態でエルダートレントの攻撃を全て切断。
アラッドと同じく、まともな攻撃を一つも食らっていない。
(これはこれで、糸を存分に使った、良い戦い……ではあるが、これがずっと続くと思うと、ちょっと面倒だな)
トレント、エルダートレントなどは自身の体が欠損しても周囲の木々から生命力を吸収し、体を修復することが出来る。
サンディラの樹海の木々は生命力が強く、再生するのにこれ以上ない回復アイテム。
そんな木々が大量にあることを考えると……いつまで経っても勝負が終わらない。
「スティーム、鬱陶しい枝とか蔓は俺が、なんとかする。その隙に、良い感じに切断と風穴を頼む」
「分かった、よ!!」
本当に出来るの? とは尋ねない。
これまでの経験から、寧ろ出来ないイメージが湧かない。
(それじゃあ……全部ぶった切るか!!!!!)
操る糸の数が増えれば増えるほど、精密なコントロールが難しくなる。
アラッドが操る糸の数は、既に両手の指の数を越えている。
そんな中……久しぶりの強敵とのバトルということもあり、集中力が普段よりも向上。
木や蔓の攻撃だけではなく、風魔法も混ざった猛攻を……全て一人で対処してしまった。
当然、猛攻を対処する中でスティームが走行する道も確保。
(最高過ぎる、アシストだよ!!!!)
瞬時にアラッドが用意した走行ルートを把握し、全速前進。
「シッ!!!!!!」
エルダートレントが接近した敵に反応するよりも先に、閃光の双剣技が炸裂。
「ハッ!!!!」
一応体と言える樹木を切断後、残った体の一か所に渾身の突きを放ち、綺麗な風穴を開けた。
「ナイス!!!!」
綺麗な風穴に複数の糸が侵入。
「っ!!!!????」
体を数か所切断された時ですら歪まなかった顔が、糸の体内侵入によって初めて歪んだ。
だが、アラッドの狙いを気づけた時にはもう遅く、糸をどうにかする……もしくは即座に糸を操っている敵を殺すべきか、と考えている間に意識が完全に途切れた。
「お疲れ様、アラッド。上手くいったみたいだね」
「スティームが良い感じに風穴を開けてくれたお陰だ。クロとファルの方は……はは、やっぱりトレントぐらいじゃ、あいつらが楽しめる相手にはならないか」
二人がエルダートレントに止めを刺す前に、十体以上いたトレントの討伐を終えていた。
「それにしても、まだそこまで深い場所に入っていないのに、Bランクのモンスターと遭遇したのを考えると……僕たちと臨時のパーティーを組みたいって声を掛けてきたのにも納得だね」
「……この樹海はモンスター以外にも旨味が多いというのを考えると、無理してでも探索したい奴らは多いだろうな」
木竜がいなくなった影響でモンスター同士の争いは増えたものの、依然としてサンディラの樹海でしか取れない果実や薬草などはそのまま。
リスクは増したが、変わらず冒険者にとって旨味が大きい狩場であることに変わりはなかった。
「アラッド! 結構、笑い事じゃないと、思うよ!!!」
「解ってる解ってる!!!」
風の柱……簡易的な竜巻を生み出す風魔法、ストームペイラー。
一つの竜巻でも敵の体勢を崩す、当たれば肉体を引き裂く恐ろしい風柱。
その数が五つや六つに増えれば……多方向からの風で対処が遅れると、完全に体勢が崩れる。
(体が少しでも、浮いた瞬間にトレントの木による攻撃!!! 統率されてるな!!!)
そんな状況下でもアラッドの表情に焦りが生まれることはなく、魔力を纏って耐久性を強化した糸でやり過ごし……旋風を纏った閃脚で竜巻を切り裂く。
スティームもリンから貰った通常戦闘用の双剣を抜剣し、切断。
全てのストームペイラーの破壊に成功したが……まだまだエルダートレントどころか、多くのトレントが残っている。
「キィィイイエエエエエエエエッ!!!!!!」
アラッドがまずはどっちから片付けようか悩んでいると、ファルが我先にと邪魔なトレントの始末へと動く。
それに従魔仲間のクロも続き、二人に鬱陶しい枝や蔓が飛んでくることはなくなった。
「お互い、良い相棒に恵まれたな」
「本当に、心の底から恵まれてると思うよ!」
「…………ッ!!!!」
同族が殺されそうだからといって、エルダートレントは焦らない。
ただただ、自身の栄養素となる人間を仕留めに掛かる。
(手数に限れば、俺たち二人がかりでも、エルダートレントの方が多い! こいつの枝の場合、普通の状態じゃ……切断は厳しいな)
魔力を纏って強化していても、切断までは至らない。
事実を受け入れ、アラッドは即座にスレッドチェンジで性質を鉄製に変更。
更に纏う魔力を風の魔力に変更。
それらの変化によって、エルダートレントはより正確にアラッドが操る糸が見えてしまうものの……高速戦闘の中、全ての糸に注視して対応出来るほどアラッドの糸捌きは甘くない。
エルダートレントは自身の体から多数の枝を伸ばし、木々の槍を放つ。
しかし……そのどれもが敵の体に届く前に切断、もしくは弾かれてしまう。
(リンさんが造ったこれ、やっぱり切れ味だけ見ても凄い、よね)
スティームは素材を大事にしようという冒険者らしい考えで動いており、雷属性の双剣に雷は纏っていない。
それでも魔力を纏った状態でエルダートレントの攻撃を全て切断。
アラッドと同じく、まともな攻撃を一つも食らっていない。
(これはこれで、糸を存分に使った、良い戦い……ではあるが、これがずっと続くと思うと、ちょっと面倒だな)
トレント、エルダートレントなどは自身の体が欠損しても周囲の木々から生命力を吸収し、体を修復することが出来る。
サンディラの樹海の木々は生命力が強く、再生するのにこれ以上ない回復アイテム。
そんな木々が大量にあることを考えると……いつまで経っても勝負が終わらない。
「スティーム、鬱陶しい枝とか蔓は俺が、なんとかする。その隙に、良い感じに切断と風穴を頼む」
「分かった、よ!!」
本当に出来るの? とは尋ねない。
これまでの経験から、寧ろ出来ないイメージが湧かない。
(それじゃあ……全部ぶった切るか!!!!!)
操る糸の数が増えれば増えるほど、精密なコントロールが難しくなる。
アラッドが操る糸の数は、既に両手の指の数を越えている。
そんな中……久しぶりの強敵とのバトルということもあり、集中力が普段よりも向上。
木や蔓の攻撃だけではなく、風魔法も混ざった猛攻を……全て一人で対処してしまった。
当然、猛攻を対処する中でスティームが走行する道も確保。
(最高過ぎる、アシストだよ!!!!)
瞬時にアラッドが用意した走行ルートを把握し、全速前進。
「シッ!!!!!!」
エルダートレントが接近した敵に反応するよりも先に、閃光の双剣技が炸裂。
「ハッ!!!!」
一応体と言える樹木を切断後、残った体の一か所に渾身の突きを放ち、綺麗な風穴を開けた。
「ナイス!!!!」
綺麗な風穴に複数の糸が侵入。
「っ!!!!????」
体を数か所切断された時ですら歪まなかった顔が、糸の体内侵入によって初めて歪んだ。
だが、アラッドの狙いを気づけた時にはもう遅く、糸をどうにかする……もしくは即座に糸を操っている敵を殺すべきか、と考えている間に意識が完全に途切れた。
「お疲れ様、アラッド。上手くいったみたいだね」
「スティームが良い感じに風穴を開けてくれたお陰だ。クロとファルの方は……はは、やっぱりトレントぐらいじゃ、あいつらが楽しめる相手にはならないか」
二人がエルダートレントに止めを刺す前に、十体以上いたトレントの討伐を終えていた。
「それにしても、まだそこまで深い場所に入っていないのに、Bランクのモンスターと遭遇したのを考えると……僕たちと臨時のパーティーを組みたいって声を掛けてきたのにも納得だね」
「……この樹海はモンスター以外にも旨味が多いというのを考えると、無理してでも探索したい奴らは多いだろうな」
木竜がいなくなった影響でモンスター同士の争いは増えたものの、依然としてサンディラの樹海でしか取れない果実や薬草などはそのまま。
リスクは増したが、変わらず冒険者にとって旨味が大きい狩場であることに変わりはなかった。
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