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五百七十四話 そうなれば、後悔させるのみ
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「……」
「ワフゥ?」
「あぁ、大丈夫だよ。ちょっとドキドキしてるだけだ」
木竜が暴れ回ることなく……本当に無事に一連の騒動が一応片付いた翌日、ソウスケが木竜の元へと向かっていた。
アラッドだけで来いと言われたが……クロは従魔であり、相棒なので問題無いだろうと思い、一緒に住処へと向かっている。
ただ、スティームを連れて行くとさすがに何か言われそうだと思い、留守番を頼んだ。
(つっても、俺に興味を持ったとしても……俺と話して、何をしたいんだ? 単純に興味を持った人間と話してみたいってだけか? それなら……うん、個人的には有難いが)
貴族のお茶会的な、そんな会話で終わるのであれば、アラッドとしても緊張が和らぐというもの。
(ドラゴンとはいえ、全員がボレアスの息子のストールみたいな腐った奴じゃないってのは最初から解ってたけど……やっぱり、ビビりはするな)
勇敢にミノタウロスやドラゴンゾンビ、雷獣に立ち向かった猛者の思考ではない?
本人からすれば、そんな事知ったことではないと吠える。
仮に……何かの手違いで木竜とガチンコバトルをすることになってしまうと、アラッド一人で済ませられる問題ではない。
「そろそろだな………………どうも、先日ぶりですね」
「あぁ、そうだな。良く来た、そこに座れ」
木竜の住処に到着すると、木竜の直ぐ傍に机と椅子が用意されていた。
「失礼します」
「…………さて、何から話そうか」
知性があるとはいえ、木竜もドラゴン。
人と話す機会など、非常に久しぶりである。
そんな中、色々と興味つが尽きない人間に出会った。
となれば……尋ねたい事が多過ぎて、さらっと話題が出てこないのも、致し方ないのかもしれない。
「……アラッドよ。お主はゴリディア帝国と戦争が始まれば、参加するのか?」
「はい。勿論参加します」
「そうか……既に覚悟が決まっているようだな」
木竜は竜であり、人ではない。
しかし、長い長い間生きてきたこともあり……人の心というものに、ある程度の理解があった。
「……殺さなければ、友人知人が殺されてしまうかもしれないので」
「ふむ、その通りだ。良く解っているな…………さて、次の問いに移ろうか。アラッドよ、そちらの巨狼はなんだ」
これまた抽象的な問い。
(この木竜でも……知らないってことか)
そういった質問をしてきたというだけで、ある程度の事情を察した。
「えっとですね……」
とはいえ、どう説明すれば良いのか解らず、まずどうしてブラックウルフからデルドウルフに進化したのか、そこから説明を始めた。
「アラッドの様な人間を、命知らずと言うのだな」
「うっ……そ、そうなりますね」
初めて狂化を使用し、友を失った悲しみで怒りに飲まれているとなれば、敵が誰であっても挑んでしまうものだが……トロールという怪物は、十代前半の子供が挑む相手ではなかった。
「……そやつの影にいるものは、そういう事か」
「はい」
隠しても無駄だろうと判断し、アラッドは木竜の言葉を肯定した。
「…………場合によっては、同じ人間に狙われるな」
「はは、そうかもしれませんね」
アラッドも自覚している。
ブラックウルフからデルドウルフに進化した相棒が持つ力の一端は、一部の人間……もしくは大多数の人から非難する可能性が高い。
「そちらも、覚悟決まっているという訳か?」
「……まだですね。そもそも作っただけで、まだ使ってないので。それに……もしそういう事が起こったとしても、世論が自分を攻撃しないように功績を積んでいれば、頭が固くて面倒な人達も下手に動けないでしょう」
「ふふ、聡いな」
「それに……仮に本当に動くなら、その考えが間違えだったと本気で後悔させるぐらい、叩き潰してみせますよ」
「流石、狂気を操る戦士と言ったところか……では、次の質問だ。私としては愚か者どもを潰したいところだが、本当に参加させてもらえそうか」
「………………」
超ド級の質問であり、アラッドの一存で答えられる内容ではなかった。
(ど……どう、応えるのが正解なんだ??????)
こんな事なら、ホーバスト伯爵かハリス……まだジバルに滞在している国に仕える騎士団の責任者でも連れて来ればよかったと後悔。
だが、とりあえず……とりあえず何かしらの答えを口にしなければならない。
「そ、そのですね…………も、もしかしたら、もしかしたらですよ? 木竜さんがアルバース王国とゴリディア帝国との戦争に加入するとなると……その、向こうがいちゃもんを付けてくるかもしれない」
「……人というのは、国というのは面倒だな」
「は、ははは。こちら側としては有難いのですが……ははは」
結局この場では良い答えが出ず、乾いた笑いしか出てこない。
(別に本当に戦争するとなっても、わざわざこちら側の戦力を向こうに提示する必要はないだろうが…………けど、絶対に拗れる未来しか見えない)
木竜のクソアホ裏人間に対する殺意をどうすれば良いか悩んでいると……木竜が名案を思い付き、口を開いた。
「ワフゥ?」
「あぁ、大丈夫だよ。ちょっとドキドキしてるだけだ」
木竜が暴れ回ることなく……本当に無事に一連の騒動が一応片付いた翌日、ソウスケが木竜の元へと向かっていた。
アラッドだけで来いと言われたが……クロは従魔であり、相棒なので問題無いだろうと思い、一緒に住処へと向かっている。
ただ、スティームを連れて行くとさすがに何か言われそうだと思い、留守番を頼んだ。
(つっても、俺に興味を持ったとしても……俺と話して、何をしたいんだ? 単純に興味を持った人間と話してみたいってだけか? それなら……うん、個人的には有難いが)
貴族のお茶会的な、そんな会話で終わるのであれば、アラッドとしても緊張が和らぐというもの。
(ドラゴンとはいえ、全員がボレアスの息子のストールみたいな腐った奴じゃないってのは最初から解ってたけど……やっぱり、ビビりはするな)
勇敢にミノタウロスやドラゴンゾンビ、雷獣に立ち向かった猛者の思考ではない?
本人からすれば、そんな事知ったことではないと吠える。
仮に……何かの手違いで木竜とガチンコバトルをすることになってしまうと、アラッド一人で済ませられる問題ではない。
「そろそろだな………………どうも、先日ぶりですね」
「あぁ、そうだな。良く来た、そこに座れ」
木竜の住処に到着すると、木竜の直ぐ傍に机と椅子が用意されていた。
「失礼します」
「…………さて、何から話そうか」
知性があるとはいえ、木竜もドラゴン。
人と話す機会など、非常に久しぶりである。
そんな中、色々と興味つが尽きない人間に出会った。
となれば……尋ねたい事が多過ぎて、さらっと話題が出てこないのも、致し方ないのかもしれない。
「……アラッドよ。お主はゴリディア帝国と戦争が始まれば、参加するのか?」
「はい。勿論参加します」
「そうか……既に覚悟が決まっているようだな」
木竜は竜であり、人ではない。
しかし、長い長い間生きてきたこともあり……人の心というものに、ある程度の理解があった。
「……殺さなければ、友人知人が殺されてしまうかもしれないので」
「ふむ、その通りだ。良く解っているな…………さて、次の問いに移ろうか。アラッドよ、そちらの巨狼はなんだ」
これまた抽象的な問い。
(この木竜でも……知らないってことか)
そういった質問をしてきたというだけで、ある程度の事情を察した。
「えっとですね……」
とはいえ、どう説明すれば良いのか解らず、まずどうしてブラックウルフからデルドウルフに進化したのか、そこから説明を始めた。
「アラッドの様な人間を、命知らずと言うのだな」
「うっ……そ、そうなりますね」
初めて狂化を使用し、友を失った悲しみで怒りに飲まれているとなれば、敵が誰であっても挑んでしまうものだが……トロールという怪物は、十代前半の子供が挑む相手ではなかった。
「……そやつの影にいるものは、そういう事か」
「はい」
隠しても無駄だろうと判断し、アラッドは木竜の言葉を肯定した。
「…………場合によっては、同じ人間に狙われるな」
「はは、そうかもしれませんね」
アラッドも自覚している。
ブラックウルフからデルドウルフに進化した相棒が持つ力の一端は、一部の人間……もしくは大多数の人から非難する可能性が高い。
「そちらも、覚悟決まっているという訳か?」
「……まだですね。そもそも作っただけで、まだ使ってないので。それに……もしそういう事が起こったとしても、世論が自分を攻撃しないように功績を積んでいれば、頭が固くて面倒な人達も下手に動けないでしょう」
「ふふ、聡いな」
「それに……仮に本当に動くなら、その考えが間違えだったと本気で後悔させるぐらい、叩き潰してみせますよ」
「流石、狂気を操る戦士と言ったところか……では、次の質問だ。私としては愚か者どもを潰したいところだが、本当に参加させてもらえそうか」
「………………」
超ド級の質問であり、アラッドの一存で答えられる内容ではなかった。
(ど……どう、応えるのが正解なんだ??????)
こんな事なら、ホーバスト伯爵かハリス……まだジバルに滞在している国に仕える騎士団の責任者でも連れて来ればよかったと後悔。
だが、とりあえず……とりあえず何かしらの答えを口にしなければならない。
「そ、そのですね…………も、もしかしたら、もしかしたらですよ? 木竜さんがアルバース王国とゴリディア帝国との戦争に加入するとなると……その、向こうがいちゃもんを付けてくるかもしれない」
「……人というのは、国というのは面倒だな」
「は、ははは。こちら側としては有難いのですが……ははは」
結局この場では良い答えが出ず、乾いた笑いしか出てこない。
(別に本当に戦争するとなっても、わざわざこちら側の戦力を向こうに提示する必要はないだろうが…………けど、絶対に拗れる未来しか見えない)
木竜のクソアホ裏人間に対する殺意をどうすれば良いか悩んでいると……木竜が名案を思い付き、口を開いた。
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