740 / 1,361
七百三十九話 ある意味決めつけれる
しおりを挟む
(こ、ここまで感情が顔に出るアッシュも、珍しいな)
アラッドの記憶にあるアッシュは、ここまで感情が顔に出ていたことは殆どなかった。
(というか、そんなにあの……リエラ・カルバトラだったか。あの人と婚約するのは嫌か)
一応、アラッドから見て歳上の女性ではある。
そもそもアッシュの好みなタイプに外見が入っていないため、外見がどれほど高いレベルだから云々は関係無いにしても……まず、リエラの様な令嬢から婚約を求められて、嫌な気持ちになる者はいない。
(別に初対面の時からアッシュの事を思いっきり見下したりはしてなかった筈だから…………とりあえず悪い人ではないと思うんだが、そんなに嫌がるものか?)
フローレンスやレイ、フィリアスといった綺麗どころから好意を持たれているくせに、それらの気持ちに気付けてない……もしくはただただ避けてるアラッドにとってはブーメランなのだが、本人が気付くことはない。
「アッシュ君、その……リエラさんが嫌なの? それとも、婚約自体が嫌なのかな」
「…………多分、婚約ですね。とりあえず、あの人は悪い人ではないと思います」
「そうか……こう、婚約者という相手がいる。そういった相手に縛られることが嫌なの?」
「僕は…………ただ錬金術に没頭したいだけなんで、それを考えると縛られる未来が見えそうなので、スティームさんの言う通りな部分はあるかと」
当然だが、アッシュは婚約者ができたら女遊びが出来なくなるから~、といった理由で婚約者ができることを嫌っているわけではない。
ただ、なんとなく拘束されてる感じがするだけ。
「それに、僕みたいな男と婚約したところで、結局後悔するだけですよ」
「あら、アッシュ。それはちょっと決めつけが過ぎるんじゃないの?」
それはそれで、実際にしてみないことには解らないのではないかとツッコむガルーレだが、そこはアッシュ。
アッシュなりの反論を既に用意していた。
「婚約者になるということは、最終的に夫婦に、家族になるということじゃないですか」
「うん、そうね」
「知り合い、友人とはまた感覚が異なると思うんですよ。じゃなきゃ、浮気と離婚とか不倫って絶対に起きないかと」
「「「「「「…………」」」」」」
アラッドやガルーレだけではなく、ソルやルーナまでガチガチに固まってしまい、反論できる言葉が一切出てこない。
「貴族は政略結婚などがあると思うので、裏であれこれというのがあってもおかしくないとは思いますけど、平民の方々は基本的に恋愛から発展して結婚しますよね」
「そう……だろうな」
「けど、恋愛の時点で浮気。結婚して家族になってからも不倫、離婚があるじゃないですか。なので、僕の考えは決して間違ってないと思うんですよ」
僕みたいな男と婚約したところで、結局後悔するだけ。
それを説明するために、ここまで力説されると……反応に困るの一言。
まず、アッシュは不倫や離婚をするタイプではないだろう、とツッコミたいところだが、世の中の摂理的に……関係が発展してみないことには、ある意味解らない。
だからこそ自分との婚約がリエラにとって正しいとは思えないという本人の説明を……上手く否定する言葉が見つからなかった。
「そりゃあ、僕は男なので、女性の…………乙女心、ですか? そういった部分は確かに解りません。でも、俺にそういう存在として何かを期待するのは、本当に無意味かと。あの人には……リエラさんでしたか。彼女にはもっと良い人がいるかと」
兄であるアラッドも……良く知り合った人物から、お前幾つだよとツッコまれることがあった。
だが、この時ばかりは……そんなツッコまれる側のアラッドも含め、お前は幾つだよ! と心の中でツッコんでしまった。
「……これ以上勧めるって訳じゃないけど、あの人は多分アッシュ以上に良い人はいない、って宣言すると思うぞ」
「世の中、男は星の数ほどいます。多分……まだ、出会った星の数が少ないだけでしょう。視野を広げれば、僕より良い男なんてごまんといる筈です」
(すぅーーーーーー…………えっとぉ…………アッシュは、まだ……十三、だよな?)
がっつり弟の年齢を疑う兄。
もしや、アッシュも自分と同じく転生者なのでは? とも疑ってしまう。
「あの場で、僕に婚約を申し込めたという事は、おそらくリエラさんは自由に自分の結婚相手を選べる立場なはず。であれば、この先の人生で良い人と出会えるかと」
浮気、不倫、離婚云々の話よりも更に説得力のある考えに、一同撃沈。
(父さんとエリア母さんは今のアッシュを見て、考えを聞いて……どう思うんだろうな)
二人の第一子はギーラス。
本人に結婚願望がないことはないので、孫は期待出来る。
しかし、エリアとしては長男の孫を見れればそれで構わない……というわけではない。
「なんて言うか……思った以上に達観してるね~~~~」
「……自分で言うのもあれですけど、錬金術に興味が全振りしてますからね」
本人の言う通り、錬金術に興味を持ち過ぎた故か……本当に思春期の野郎とは思えない、びっくりするほど異性に対してそういった興味がなかった。
アラッドの記憶にあるアッシュは、ここまで感情が顔に出ていたことは殆どなかった。
(というか、そんなにあの……リエラ・カルバトラだったか。あの人と婚約するのは嫌か)
一応、アラッドから見て歳上の女性ではある。
そもそもアッシュの好みなタイプに外見が入っていないため、外見がどれほど高いレベルだから云々は関係無いにしても……まず、リエラの様な令嬢から婚約を求められて、嫌な気持ちになる者はいない。
(別に初対面の時からアッシュの事を思いっきり見下したりはしてなかった筈だから…………とりあえず悪い人ではないと思うんだが、そんなに嫌がるものか?)
フローレンスやレイ、フィリアスといった綺麗どころから好意を持たれているくせに、それらの気持ちに気付けてない……もしくはただただ避けてるアラッドにとってはブーメランなのだが、本人が気付くことはない。
「アッシュ君、その……リエラさんが嫌なの? それとも、婚約自体が嫌なのかな」
「…………多分、婚約ですね。とりあえず、あの人は悪い人ではないと思います」
「そうか……こう、婚約者という相手がいる。そういった相手に縛られることが嫌なの?」
「僕は…………ただ錬金術に没頭したいだけなんで、それを考えると縛られる未来が見えそうなので、スティームさんの言う通りな部分はあるかと」
当然だが、アッシュは婚約者ができたら女遊びが出来なくなるから~、といった理由で婚約者ができることを嫌っているわけではない。
ただ、なんとなく拘束されてる感じがするだけ。
「それに、僕みたいな男と婚約したところで、結局後悔するだけですよ」
「あら、アッシュ。それはちょっと決めつけが過ぎるんじゃないの?」
それはそれで、実際にしてみないことには解らないのではないかとツッコむガルーレだが、そこはアッシュ。
アッシュなりの反論を既に用意していた。
「婚約者になるということは、最終的に夫婦に、家族になるということじゃないですか」
「うん、そうね」
「知り合い、友人とはまた感覚が異なると思うんですよ。じゃなきゃ、浮気と離婚とか不倫って絶対に起きないかと」
「「「「「「…………」」」」」」
アラッドやガルーレだけではなく、ソルやルーナまでガチガチに固まってしまい、反論できる言葉が一切出てこない。
「貴族は政略結婚などがあると思うので、裏であれこれというのがあってもおかしくないとは思いますけど、平民の方々は基本的に恋愛から発展して結婚しますよね」
「そう……だろうな」
「けど、恋愛の時点で浮気。結婚して家族になってからも不倫、離婚があるじゃないですか。なので、僕の考えは決して間違ってないと思うんですよ」
僕みたいな男と婚約したところで、結局後悔するだけ。
それを説明するために、ここまで力説されると……反応に困るの一言。
まず、アッシュは不倫や離婚をするタイプではないだろう、とツッコミたいところだが、世の中の摂理的に……関係が発展してみないことには、ある意味解らない。
だからこそ自分との婚約がリエラにとって正しいとは思えないという本人の説明を……上手く否定する言葉が見つからなかった。
「そりゃあ、僕は男なので、女性の…………乙女心、ですか? そういった部分は確かに解りません。でも、俺にそういう存在として何かを期待するのは、本当に無意味かと。あの人には……リエラさんでしたか。彼女にはもっと良い人がいるかと」
兄であるアラッドも……良く知り合った人物から、お前幾つだよとツッコまれることがあった。
だが、この時ばかりは……そんなツッコまれる側のアラッドも含め、お前は幾つだよ! と心の中でツッコんでしまった。
「……これ以上勧めるって訳じゃないけど、あの人は多分アッシュ以上に良い人はいない、って宣言すると思うぞ」
「世の中、男は星の数ほどいます。多分……まだ、出会った星の数が少ないだけでしょう。視野を広げれば、僕より良い男なんてごまんといる筈です」
(すぅーーーーーー…………えっとぉ…………アッシュは、まだ……十三、だよな?)
がっつり弟の年齢を疑う兄。
もしや、アッシュも自分と同じく転生者なのでは? とも疑ってしまう。
「あの場で、僕に婚約を申し込めたという事は、おそらくリエラさんは自由に自分の結婚相手を選べる立場なはず。であれば、この先の人生で良い人と出会えるかと」
浮気、不倫、離婚云々の話よりも更に説得力のある考えに、一同撃沈。
(父さんとエリア母さんは今のアッシュを見て、考えを聞いて……どう思うんだろうな)
二人の第一子はギーラス。
本人に結婚願望がないことはないので、孫は期待出来る。
しかし、エリアとしては長男の孫を見れればそれで構わない……というわけではない。
「なんて言うか……思った以上に達観してるね~~~~」
「……自分で言うのもあれですけど、錬金術に興味が全振りしてますからね」
本人の言う通り、錬金術に興味を持ち過ぎた故か……本当に思春期の野郎とは思えない、びっくりするほど異性に対してそういった興味がなかった。
190
あなたにおすすめの小説
母は何処? 父はだぁれ?
穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。
産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。
妹も、実妹なのか不明だ。
そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。
父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。
母は、どこへ行ってしまったんだろう!
というところからスタートする、
さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。
変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、
家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。
意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。
前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。
もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。
単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。
また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。
「小説家になろう」で連載していたものです。
「俺が勇者一行に?嫌です」
東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。
物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。
は?無理
【読切短編】処刑前夜、地下牢に現れた王女は言った。「お前でなければ駄目なんだ」滅びの未来を覆す、騎士との契約
Lihito
ファンタジー
王国騎士団の副長ヴェルドは、無実の罪で投獄され、明日処刑される運命にあった。
腐敗した国に絶望し、静かに死を待つ夜。
地下牢に現れたのは、実権を持たない「傀儡」と噂されるイゾルデ王女。
彼女はヴェルドに仮死毒を渡し、こう告げた。
「死んで、私の影になれ」
彼女は知っていた。
この国が三年後に滅ぶこと。誰が裏切り者か。
そして——ヴェルドこそが、国を救うための唯一の「切り札」であることを。
これは、滅びの未来を知る孤独な王女と、一度死んで生まれ変わった騎士が、裏から国を救う「共犯」の物語。
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草
ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)
10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。
親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。
同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……──
※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました!
※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
【完結】勇者と国王は最悪。なので私が彼らを後悔させます。
凛 伊緒
ファンタジー
「お前はこのパーティーに相応しくない。今この場をもって、追放とする!それと、お前が持っている物は全て置いていってもらうぞ。」
「それは良いですわね、勇者様!」
勇者でありパーティーリーダーのゼイスに追放を宣言された。
隣にいる聖女メーシアも、大きく頷く。
毎日の暴行。
さらに報酬は平等に分けるはずが、いつも私だけかなり少なくされている。
最後の嫌味と言わんばかりに、今持っている物全てを奪われた。
今までの行いを、後悔させてあげる--
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる