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七百四十一話 抽象的だが
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「と、とりあえずどれだけ見た目が良くても、必要以上に束縛してくる人を好きになることはないと思うんだ」
「う、うん……確かに、アッシュ君って自分より実力のある錬金術師の女性とかいたら、婚約者がいても普通時に師事してもらおうと、頼み込みそうだもんね」
スティームの言葉が容易にイメージ出来てしまう兄。
(やりそうだな…………なんと言うか、アッシュの場合「自分の実力を上げる為なら、師事を求める相手が女性だろうと関係無いだろ!!」とか言わず、ただただ何故そこを指摘するのか、首を傾げて終わりそうだな)
それはそれで弟らしいと思うも、決して良いところとは言えない。
「……これを男性が求めるのは少しあれかもしれないけど、アッシュ君は自分のことを守ってくれそうな女性とかも、あまり興味がなさそうだよね」
「だろうな。戦闘に関して興味は薄いが、自分が同世代の中で強いという事は自覚している」
本人から直接聞いてはいないが、二人はアッシュがそういった女性と求めてるとは思えなかった。
「本当の意味でアッシュ君に興味を持つ女性は、その強さにも興味を持ってるわけだから、そこでそういった反応をされれば、女性側が困るだろうね」
「中には寧ろ任せてほしいと張り切る女性もいるかもしれないが…………ほぼほぼいないだろうな」
メンヘラ、寧ろ守ってくれるタイプの女性も除外。
「…………そういえば前に、アラッドがツンデレ? タイプな女性もいる、みたいな事言ってたよね」
「あぁ……ツンデレ、ねぇ」
以前、野郎同士の会話でポロっと口にし、その際に説明したこともあって、スティームはある程度ツンデレという言葉の意味を理解していた。
「ん~~~~…………多分だけど、アッシュみたいなタイプには刺さらないだろうな」
そもそもアッシュは同級生であろうとも、他人と積極的に関わろうとしないタイプ。
そしてここは兄であるアラッドと同じく、ウザい相手は心底ウザいと思ってしまう。
ギャップと言う点にも興味はないため…………仮に学園内で関わっている者のデレを見たとしても「変なの」で終わってしまう可能性が高い。
(あぁいうのに刺さるのは、普段からかなり交流があるタイプじゃないと、その差にやられないと思うんだが……どうなんだろうな)
アラッドは前世でそれなりに漫画等を読むタイプであり、そういった友人たちの間で話題になることもあり、ツンデレタイプが好みと宣言する友人もいたが……アラッドは割と理解出来なかった。
「普段からツンツンした態度を取られてて、けどそれが好意の裏返し? みたいなものだと言われても……多分、アッシュは思いっきり首を傾げると思うんだよな」
「気になる人に対して、中々素直に慣れないというのも、そこまで珍しくない心だとは思うけどね」
「ふむ…………なる、ほど?」
言われてみれば、とスティームの説明で思わなくもなかったアラッドだが、ひとまずツンデレタイプも除外。
「でも、あのアッシュがそこに気付くのは、難しいだろう」
「は、ははは。それもそうだね」
「……そうなると、やっぱりアッシュ自身が……この人を守りたいと思えるような人、か」
「なるほ、ど………………そうだね。そう思える人は、もうその人の事をそう意味でも想ってると言っても過言ではない、かな」
具体的な例えからかなり離れてしまっている。
それはアラッドとスティームも解っている。
考え付いた例は、結果論ではあるものの……二人とも、現状ではアッシュから仮に共にする女性を選ぶ場合の基準は、それだとしか思えない。
「じゃあ、どういった女性がそういう対象になるのか、っていうのは直ぐに考え付かないな」
「それこそ、無意識に好きになった人になるだろうね」
「どういった人が好みなのではなく、好きになった人が好みのタイプなパターンか……」
抽象的ではあるが、今までで一番あり得そうなパターンだと思うのと同時に、果たしてその流れがアッシュの人生に絡まるのかと考えると……全くそうは思えなかった兄。
「ダメだ。抽象的過ぎるが、それらしい答えに辿り着いたとは思ったが……」
「どうしてだい」
「……スティームも解ってるだろ。アッシュは、基本的に錬金術に没頭している。今は傍にシルフィーがいて、レイ嬢たちも気にかけてくれているからあれだが、学園を卒業すれば一人だ…………実家に戻ってきたとしても、そこで出会いがあるかと言われたら……なぁ」
「そ、そうだねぇ…………そうなると、やっぱり冒険者として活動した方が、そういう人と巡り合える可能性はありそうだね」
「まぁ………………そうなんだよな」
冒険者として活動したからこそ、初めての人と出会た過去を思い出し、感慨深く頷く。
「何か目標を持ってる人とか、割とそういうベタというか、そういう人に興味を持つかな」
「ただ生きてる人よりも、それは確かだろうな…………どう生きていくかなんて本人の意志次第ではあるんだが、やっぱり片手間で良いから冒険者として活動してほしいと思ってしまうな」
勿論、アラッドは自分のこう生きてほしいな、という結論をアッシュに押し付けることはなく……夜、アッシュが泊っている部屋にリエラがいきなり押しかけてくることもなく、代表戦が行われた日は幕を閉じた。
「う、うん……確かに、アッシュ君って自分より実力のある錬金術師の女性とかいたら、婚約者がいても普通時に師事してもらおうと、頼み込みそうだもんね」
スティームの言葉が容易にイメージ出来てしまう兄。
(やりそうだな…………なんと言うか、アッシュの場合「自分の実力を上げる為なら、師事を求める相手が女性だろうと関係無いだろ!!」とか言わず、ただただ何故そこを指摘するのか、首を傾げて終わりそうだな)
それはそれで弟らしいと思うも、決して良いところとは言えない。
「……これを男性が求めるのは少しあれかもしれないけど、アッシュ君は自分のことを守ってくれそうな女性とかも、あまり興味がなさそうだよね」
「だろうな。戦闘に関して興味は薄いが、自分が同世代の中で強いという事は自覚している」
本人から直接聞いてはいないが、二人はアッシュがそういった女性と求めてるとは思えなかった。
「本当の意味でアッシュ君に興味を持つ女性は、その強さにも興味を持ってるわけだから、そこでそういった反応をされれば、女性側が困るだろうね」
「中には寧ろ任せてほしいと張り切る女性もいるかもしれないが…………ほぼほぼいないだろうな」
メンヘラ、寧ろ守ってくれるタイプの女性も除外。
「…………そういえば前に、アラッドがツンデレ? タイプな女性もいる、みたいな事言ってたよね」
「あぁ……ツンデレ、ねぇ」
以前、野郎同士の会話でポロっと口にし、その際に説明したこともあって、スティームはある程度ツンデレという言葉の意味を理解していた。
「ん~~~~…………多分だけど、アッシュみたいなタイプには刺さらないだろうな」
そもそもアッシュは同級生であろうとも、他人と積極的に関わろうとしないタイプ。
そしてここは兄であるアラッドと同じく、ウザい相手は心底ウザいと思ってしまう。
ギャップと言う点にも興味はないため…………仮に学園内で関わっている者のデレを見たとしても「変なの」で終わってしまう可能性が高い。
(あぁいうのに刺さるのは、普段からかなり交流があるタイプじゃないと、その差にやられないと思うんだが……どうなんだろうな)
アラッドは前世でそれなりに漫画等を読むタイプであり、そういった友人たちの間で話題になることもあり、ツンデレタイプが好みと宣言する友人もいたが……アラッドは割と理解出来なかった。
「普段からツンツンした態度を取られてて、けどそれが好意の裏返し? みたいなものだと言われても……多分、アッシュは思いっきり首を傾げると思うんだよな」
「気になる人に対して、中々素直に慣れないというのも、そこまで珍しくない心だとは思うけどね」
「ふむ…………なる、ほど?」
言われてみれば、とスティームの説明で思わなくもなかったアラッドだが、ひとまずツンデレタイプも除外。
「でも、あのアッシュがそこに気付くのは、難しいだろう」
「は、ははは。それもそうだね」
「……そうなると、やっぱりアッシュ自身が……この人を守りたいと思えるような人、か」
「なるほ、ど………………そうだね。そう思える人は、もうその人の事をそう意味でも想ってると言っても過言ではない、かな」
具体的な例えからかなり離れてしまっている。
それはアラッドとスティームも解っている。
考え付いた例は、結果論ではあるものの……二人とも、現状ではアッシュから仮に共にする女性を選ぶ場合の基準は、それだとしか思えない。
「じゃあ、どういった女性がそういう対象になるのか、っていうのは直ぐに考え付かないな」
「それこそ、無意識に好きになった人になるだろうね」
「どういった人が好みなのではなく、好きになった人が好みのタイプなパターンか……」
抽象的ではあるが、今までで一番あり得そうなパターンだと思うのと同時に、果たしてその流れがアッシュの人生に絡まるのかと考えると……全くそうは思えなかった兄。
「ダメだ。抽象的過ぎるが、それらしい答えに辿り着いたとは思ったが……」
「どうしてだい」
「……スティームも解ってるだろ。アッシュは、基本的に錬金術に没頭している。今は傍にシルフィーがいて、レイ嬢たちも気にかけてくれているからあれだが、学園を卒業すれば一人だ…………実家に戻ってきたとしても、そこで出会いがあるかと言われたら……なぁ」
「そ、そうだねぇ…………そうなると、やっぱり冒険者として活動した方が、そういう人と巡り合える可能性はありそうだね」
「まぁ………………そうなんだよな」
冒険者として活動したからこそ、初めての人と出会た過去を思い出し、感慨深く頷く。
「何か目標を持ってる人とか、割とそういうベタというか、そういう人に興味を持つかな」
「ただ生きてる人よりも、それは確かだろうな…………どう生きていくかなんて本人の意志次第ではあるんだが、やっぱり片手間で良いから冒険者として活動してほしいと思ってしまうな」
勿論、アラッドは自分のこう生きてほしいな、という結論をアッシュに押し付けることはなく……夜、アッシュが泊っている部屋にリエラがいきなり押しかけてくることもなく、代表戦が行われた日は幕を閉じた。
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