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八百十八話 さすがに躊躇う
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「それじゃあ、適当に戦るか」
「そうだね」
「ぃよっしゃ!!!」
ハヌーマの数は合計で八体。
三人の内誰かが独占することはなく、全員自由に戦い始めた。
そしてハヌーマ達も先に動き出したアラッドたちを迎撃。
「「「「「「「「ウキャキャッ!!!!!!!」」」」」」」」
高らかに雄叫びを上げ、一切怯えを見せない姿に、アラッドとガルーレは口端を吊り上げた。
因みに、相手に困ることはないと解っているクロとファルは無理に混ざろうとはせず、他のモンスターたちが戦闘中のアラッドたちを狙わない様に警戒していた。
(こいつら、本当に他の猿系モンスターと同じとは、思えないな!!)
体格が一回り大きく、当然身体能力も高い。
しかし、アラッドが感心したのはそこではなく、体技の練度だった。
モンキー系モンスターの中にも体技をそこそこ使える個体はいるが、ハヌーマたちは全員体技の練度が並の武道家ほどある。
「あっはっは!!!! 良いじゃん良いじゃん!!!! じゃんじゃん来なッ!!!!!!」
ガルーレも直感でハヌーマはこれまで対峙してきた猿系のモンスターよりも強い事は解っていた。
だが、実際に拳を……脚を交えて、明確に強さを感じ取り……嬉しさからくる笑い声を抑えきれなかった。
(話だけは軽く聞いていたけど、まさかここまで高い戦闘力を持っている、とは。これはどう考えても、ベテラン殺しのモンスターかな?)
冒険者で言うベテランとは、主にCランクを指す。
アラッドたちの様に二十代に突入する前にCランクに到達する者もいるが、それは例外として置いておき、ベテランと呼ばれる者たちほど下手な自信を持っていることが多い。
自身の戦闘力に加えて、Cランクに到達するまでに得てきた経験値。
本来であればそれがあるからこそ油断せず、奇襲を食らったりしないものだが……ハヌーマの体技や連携度は下手に知識があるベテランたちを殺しに掛かる。
「っと、ふんッ!!!!!!!!」
「ウキャっ!!!???」
ただ、アラッドたち三人は並のベテランたちよりも戦闘力が高く、安全を優先するような冒険を送っていない。
最初から素手でハヌーマと戦っていたアラッドは素の状態で、戦闘開始から数分後、ようやくハヌーマの動きに慣れてきたところで、伸びきった腕を掴んだ。
身体能力の高いという事は、当然ながら握力も並大抵ではない。
「ウギャっ!!!???」
「ホギャっ!!??」
アラッドは掴んだハヌーマの腕をそのまま握り潰すのではなく、ヌンチャクの様に振り回し、他の個体を叩き潰し始めた。
体技の心得があるハヌーマを相手にするには、隙が大きい攻撃ではあるものの、アラッドは相手の動きに合わせて身を引き、リーチの差を活かしてヌンチャク(ハヌーマ)で見事攻撃に成功していた。
(わぉっ!? あんな攻撃方法があるなんて、やっぱりアラッドは凄いわね!!!!)
(…………パーティーメンバーで、友人で…………親友だと思ってる。思ってるけど……ちょっとバカだと思うぐらい、許されるよね)
ガルーレはチラ見でアラッドのハヌーマへの攻撃方法を見て、そんな攻撃方法もあるのかと……そんな攻撃方法を実践してしまうのかと感心していた。
それに対し、スティームはほんの少し……親友に対し、バカだなと思ってしまった。
「ふんっ!!!!」
「っ!!!??? …………」
「こんなところか。ん? どうした、スティーム」
「いや……なんて言うか、うん。ビックリが過ぎる攻撃方法だなと思って」
本当にヌンチャク(ハヌーマ)で数体のハヌーマを倒し終えた後、最後は持っていたヌンチャク(ハヌーマ)をそこら辺の気に叩きつけて戦いを終わらせた。
「いやぁ~~、なんとなく思い付いてしまってな。あっ、そういえば……いや、でもなぁ……さすがに、怖いな」
「何が怖いの?」
「なんでもない。ちょっとはしゃぎ過ぎたと思ってな」
アラッドの前世の知識には、猿の脳みそは食べられるという情報があった。
主に他国で食べられていた料理。
ファンタジーの世界では虎や獅子などのモンスターの肉も食べられるため、寧ろ猿脳みそというのも逆に普通に食べられる料理では? と思った。
だが、頭蓋骨の中に入っていた物。
脳という、前世のアラッドには食べられる物という認識がなく、なにより……この世界でも食べられる物だと聞いたことがない。
(もしかしたら絶品なのかもしれないが……さすがに、これは私たちの主食ですよ。って言う部族? とかが目の前で食べてくれれば、それならと思えるんだが……とにかく、今勇気を振り絞るべきではない)
冷静さを取り戻したアラッドは死体の解体に勤しみ、解体を終えた後は日が暮れるまでモンスターと戦って解体してを繰り返し続け……風竜とは遭遇出来なかったものの、悪くない狩りを終えることが出来た。
(モンスターの数、種類を考慮すればウィラーナ付近の雪原地帯よりも良い狩場と言えるな。それに……どうやら、警戒しなければならないのは風竜だけではないみたいだ)
僅かな反応ではあったが、その反応にイシュドの本能が楽しめる相手は本命以外にもいると告げた。
「そうだね」
「ぃよっしゃ!!!」
ハヌーマの数は合計で八体。
三人の内誰かが独占することはなく、全員自由に戦い始めた。
そしてハヌーマ達も先に動き出したアラッドたちを迎撃。
「「「「「「「「ウキャキャッ!!!!!!!」」」」」」」」
高らかに雄叫びを上げ、一切怯えを見せない姿に、アラッドとガルーレは口端を吊り上げた。
因みに、相手に困ることはないと解っているクロとファルは無理に混ざろうとはせず、他のモンスターたちが戦闘中のアラッドたちを狙わない様に警戒していた。
(こいつら、本当に他の猿系モンスターと同じとは、思えないな!!)
体格が一回り大きく、当然身体能力も高い。
しかし、アラッドが感心したのはそこではなく、体技の練度だった。
モンキー系モンスターの中にも体技をそこそこ使える個体はいるが、ハヌーマたちは全員体技の練度が並の武道家ほどある。
「あっはっは!!!! 良いじゃん良いじゃん!!!! じゃんじゃん来なッ!!!!!!」
ガルーレも直感でハヌーマはこれまで対峙してきた猿系のモンスターよりも強い事は解っていた。
だが、実際に拳を……脚を交えて、明確に強さを感じ取り……嬉しさからくる笑い声を抑えきれなかった。
(話だけは軽く聞いていたけど、まさかここまで高い戦闘力を持っている、とは。これはどう考えても、ベテラン殺しのモンスターかな?)
冒険者で言うベテランとは、主にCランクを指す。
アラッドたちの様に二十代に突入する前にCランクに到達する者もいるが、それは例外として置いておき、ベテランと呼ばれる者たちほど下手な自信を持っていることが多い。
自身の戦闘力に加えて、Cランクに到達するまでに得てきた経験値。
本来であればそれがあるからこそ油断せず、奇襲を食らったりしないものだが……ハヌーマの体技や連携度は下手に知識があるベテランたちを殺しに掛かる。
「っと、ふんッ!!!!!!!!」
「ウキャっ!!!???」
ただ、アラッドたち三人は並のベテランたちよりも戦闘力が高く、安全を優先するような冒険を送っていない。
最初から素手でハヌーマと戦っていたアラッドは素の状態で、戦闘開始から数分後、ようやくハヌーマの動きに慣れてきたところで、伸びきった腕を掴んだ。
身体能力の高いという事は、当然ながら握力も並大抵ではない。
「ウギャっ!!!???」
「ホギャっ!!??」
アラッドは掴んだハヌーマの腕をそのまま握り潰すのではなく、ヌンチャクの様に振り回し、他の個体を叩き潰し始めた。
体技の心得があるハヌーマを相手にするには、隙が大きい攻撃ではあるものの、アラッドは相手の動きに合わせて身を引き、リーチの差を活かしてヌンチャク(ハヌーマ)で見事攻撃に成功していた。
(わぉっ!? あんな攻撃方法があるなんて、やっぱりアラッドは凄いわね!!!!)
(…………パーティーメンバーで、友人で…………親友だと思ってる。思ってるけど……ちょっとバカだと思うぐらい、許されるよね)
ガルーレはチラ見でアラッドのハヌーマへの攻撃方法を見て、そんな攻撃方法もあるのかと……そんな攻撃方法を実践してしまうのかと感心していた。
それに対し、スティームはほんの少し……親友に対し、バカだなと思ってしまった。
「ふんっ!!!!」
「っ!!!??? …………」
「こんなところか。ん? どうした、スティーム」
「いや……なんて言うか、うん。ビックリが過ぎる攻撃方法だなと思って」
本当にヌンチャク(ハヌーマ)で数体のハヌーマを倒し終えた後、最後は持っていたヌンチャク(ハヌーマ)をそこら辺の気に叩きつけて戦いを終わらせた。
「いやぁ~~、なんとなく思い付いてしまってな。あっ、そういえば……いや、でもなぁ……さすがに、怖いな」
「何が怖いの?」
「なんでもない。ちょっとはしゃぎ過ぎたと思ってな」
アラッドの前世の知識には、猿の脳みそは食べられるという情報があった。
主に他国で食べられていた料理。
ファンタジーの世界では虎や獅子などのモンスターの肉も食べられるため、寧ろ猿脳みそというのも逆に普通に食べられる料理では? と思った。
だが、頭蓋骨の中に入っていた物。
脳という、前世のアラッドには食べられる物という認識がなく、なにより……この世界でも食べられる物だと聞いたことがない。
(もしかしたら絶品なのかもしれないが……さすがに、これは私たちの主食ですよ。って言う部族? とかが目の前で食べてくれれば、それならと思えるんだが……とにかく、今勇気を振り絞るべきではない)
冷静さを取り戻したアラッドは死体の解体に勤しみ、解体を終えた後は日が暮れるまでモンスターと戦って解体してを繰り返し続け……風竜とは遭遇出来なかったものの、悪くない狩りを終えることが出来た。
(モンスターの数、種類を考慮すればウィラーナ付近の雪原地帯よりも良い狩場と言えるな。それに……どうやら、警戒しなければならないのは風竜だけではないみたいだ)
僅かな反応ではあったが、その反応にイシュドの本能が楽しめる相手は本命以外にもいると告げた。
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