スキル「糸」を手に入れた転生者。糸をバカにする奴は全員ぶっ飛ばす

Gai

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八百六十二話 アマゾネスだな~~

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「着いたな」

ゴルドスに到着したアラッドたちは直ぐに手頃な宿屋を探し始めた。

「……グレイスさんが教えてくれたドラゴンが、アンドーラ山岳にいるらしいけど、あんまり街の空気はどんよりしてないみたいだな」

「そうだな…………勿論、それに越したことはないが」

アラッドも、ゴルドス内の空気は、少し予想外だった。
中堅レベルの街通りの空気感、賑わいがあった。

(もしや、あまり暴れてないのか? 全ての個体がそうではないとは思うが、属性上……暴れることに恐れを感じない個体だと思ってたんだがな)

アラッドがゴルドスにやって来た理由は、アンドーラ山岳に潜んでいる闇竜、アンザラムを討伐するため。

ドラゴンの中でも比較的珍しい属性のドラゴンであり、怒りがトリガーとなって暴れ始めれば、火竜と同じぐらい手が付けられなくなる、攻撃性の高いドラゴン。

「二人共、あそこが良さそうじゃないかな。従魔も泊れるみたいだし」

「そうだな……あの宿にするか」

時刻は夕方前ではあったが、ギリギリ部屋が空いていた。

その日は酒場で夕食を食べ、大浴場で汗を流して就寝。
翌朝、情報を集める為に冒険者ギルドへと向かう。

「なんか勝手なイメージなんだけどさ、闇竜ってストールとか……ルドラよりもこう……従えるとかじゃなくて、洗脳とか出来そうだよね」

「……そのイメージは、解らなくもないな」

雑魚の相手は、洗脳したモンスター共にやらせれば良い。
自身の力を誇示するのではなく、傲慢さ故に本当に自分が動かなければならない場合のみ、自分で動こうとする個体……かもしれない。

なんとなくではあるが、ガルーレやアラッドだけではなく、スティームも脳内に同じイメージが浮かんだ。

「傲慢、と言えばドラゴンに似合う特徴かもしれないが、それだと………………萎えるな」

「萎えるね~~~~~」

「ウキャキャ~~~~」

「……………」

ドラゴンらしく、傲慢でありつつも自身で戦うことを恐れない、血気盛んな個体でなければ、非常に萎えてしまう。
本来の目的を考えれば別にそれでも構わないのだが、それでも萎えるものは萎えてしまうと口にしたアラッドとガルーレ……そしてヴァジュラ。

ただ、スティームはノーコメントだった。

「それより、闇竜と戦うなら、光属性の武器を買っておいた方が良いんじゃないかな」

闇には光が有効。
逆も言えるのだが、明確に闇の属性を持つ相手には有効だと言える属性攻撃。

対策しておくに越したことはない……そう思ったスティームだが、それを聞いたアラッドは悩ましい表情を浮かべ、ガルーレはつまらなさそうな表情を浮かべた。

「……僕、なにかおかしい事言ったかな?」

「いや、全くおかしくないぞ。ただ……グレイスさんの話だと、Bランクだろ。勿論、嘗めてかかっていい相手ではないというのは解ってるが……」

「もしかしたらストールやルドラみたいなタイプかもしれないけど、わざわざ弱点を突くとか、そんな面倒なことする必要なくない? うちの拳やアラッドの斬撃、スティームの雷撃だけでも十分戦れるじゃん」

アラッドは実際に言葉にしてる通り……ガルーレも、決して闇竜を嘗めている訳ではない。

二人とも先日クロが戦った、風竜ルドラの実力はしっかり記憶している。
あれが……Bランクの中でも超トップレベルの実力。

闇竜もあの実力を有していると考えると、諸々の事情を含めても、なるべく早く討伐出来るに越したことはない。

だが、それでも事前準備から入念に取り組んで挑まなければならない、と思う程のレベルではなかった。

「そりゃこの前戦ったルドラと、これから戦うはずの闇竜の戦い方は違うと思うけど、そこにお金使わなくても良いんじゃない?」

「…………とりあえず、保留にするよ」

逆に、これまで手に入れ、貯めてきた財産をそういうところに使わないでどうする? とツッコミたかったスティーム。

だが、今のスティームには雷獣の素材をメインに造られた、万雷という最強の切り札がある。

そんな最強の切り札のことを考えると……確かに、わざわざ今回の為に光属性の武器を購入する必要はないのかもしれないと……思わなくもなかった。

「因みに、ガルーレはそこにお金を使わないなら、どこにお金を使うんだい?」

「飯ね!!! それと、強いオスとヤる時の宿代ね」

((…………アマゾネスだな~~~~~~))

ガルーレの堂々とした返しに、スティームとアラッドの心はシンクロした。

そうこうしてる間に、冒険者ギルドに到着。

時間は十時を過ぎているため、ロビーにいる冒険者たちの数は少ない。
それでも何人かの同業者がおり、いつも通り複数の死線を向けられる三人。

そんな視線を全て無視し、アラッドたちはとりあえずギルドボードの前へ向かい、貼られている依頼書にざっと目を通していく。

(……意外と、Bランクモンスターの討伐依頼もチラホラとあるな。それに…………やはり、存在自体は確認されているみたいだな)

依頼書とは異なり、賞金首の様な形で闇竜を討伐した際の報酬金が掛かれた書類が貼られていた。

「「「「「っ!!」」」」」

「ん?」

先程まで自分たちに向けられていた視線が、全く別の方向に向けられた。

何事だと思い、その方向に顔を向けたことを……アラッドは直ぐに後悔した。
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