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八百七十三話 あいつには、多分こない
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「「「「「「「「…………」」」」」」」」
二人からある程度の情報を耳にしたベルたちは……文字通り沈黙。
色々と言葉にしたいことはあれど、中々にヘビーな内容を聞き、上手く口を開けなかった。
「すぅーーーーー……はぁーーーーー…………ひとまず、アラッドが相変わらずザ・冒険をしてるのは良く解った」
「そうですね~。本当に冒険者らしい冒険をしているかと」
「だけど、まさか木竜の一件に関して、あの国が関わってるとはね……」
「……なぁ。つまりよ、俺らを守ってる? 人たちは、アラッドたちにとって不利な状況にならないように、国からの命令で、俺たちを守ってるってことだよな」
「おそらくな」
レイが幾ら学生離れした強さを持っていたとしても、まだ学生であることに変わりはない。
フローレンスの様に、木竜と接触した時以降に起こった情報に関しては耳に入っていない。
「…………チッ!! はぁ~~~~~」
「ベル」
「解ってるよ、エリザ。解ってる……強くなったつもりだけど、結局は学生の範囲でだ。俺らは……まだ、弱ぇ」
「……そうですわね」
ベルを窘めようとしたエリザも、本心では友の足枷になるかもしれない自分の弱さが憎かった。
(兄さんは愛されてるな~~~)
一方、アッシュは強い人に守られてる事に関して特に思うことはなく、ただただ有難いと思っていた。
「それにしても二人の言う通り、わざわざ誰かが私たちのことを陰から守っているということは、本当に起こり得そうですわね」
「ですね~~……そうなあると、やはりレイさんには特例で参加するように要請がくるのでしょうか」
「……どうだろうな」
ゴリディア帝国との一件、事情に関しては耳にした。
しかし、その場では特例で参加してほしいという要望は受けていない。
だが、中等部の二人も含めて、レイなら特例で来てもおかしくないという思いがあった。
「レイにそういった特例がくるなら……僕らの中だと、後はヴェーラにきそうかな」
「あぁ~~~、あり得そうだな。二人がタッグで戦えば、Bランクのモンスターとだって戦えるだろうからな」
「……選ばれれば、全力で戦うだけね。でも……それなら、アッシュ。君にもくるんじゃ、ないかな」
アッシュはまだ中等部の学生である。
普通に考えれば……常識を取っ払って考えたとしても、本当にあり得ない。
だが、ヴェーラたちはある程度アッシュの事を知っている。
知っているからこそ…………今、目の前でアッシュがとんでもなく渋く、嫌そうな顔をしてる事に関して、思うところはなかった。
「僕……まだ、中等部の学生ですよ。しかも、二年生ですよ」
「確かにそれはそう。でも、強さは別の話」
ヴェーラはレイから、アッシュが相手の油断があったとはいえ、ナルターク王国の代表である高等部の三年生がほぼ完封負けしたという話を聞いていた。
ベルたちもアッシュが強さに執着がないにもかかわらず、戦闘センスがずば抜けていることは当然知っている。
「可能性としては、ゼロじゃない」
「普通に辞退したいですね」
「アッシュ~~~」
「解ってる、解ってるよシルフィー。でも、戦争となれば、アラッド兄さんよりも強い人も戦場に現れるわけでしょ」
侯爵家に生まれた者として、基本的に断る訳にはいかない。
そんな事はアッシュも解っている。
しかし、アッシュはアラッドの様に強者との戦いを求めるようなバトルジャンキータイプではない。
アッシュがずば抜けた戦闘センスを持っていても、まだ中等部の学生であり、体も出来上がっていない。
「…………そういえば、ふと思い浮かんだんだけど、僕たちやシルフィー、アッシュたちを陰から守ってる人がいるとなると……ドラングにもそういった人が付いてるのかな」
「「「「「「「「あっ」」」」」」」」
今の今まで、すっかり忘れていたベルたち。
パロスト学園にはアラッドと関りがある者と言えば、レイたちとシルフィーにアッシュ……そしてアッシュと同じく、アラッドの弟にあたる人物、ドラングがいた。
「そうか……そうだよな。俺らやアッシュたちにも付いてるなら、当然ドラングの奴にも付いてるよな」
「ドラングがその存在に気付いたら、かなり面倒な事になりそうね」
ヴェーラの言葉に、全員迷うことなく速攻で首を縦に動かした。
「絶対にふざけんな、そんなもん要らねぇ。自分の身は自分で守れるとか言いそうだな」
「ドラング兄さんなら、絶対に言うでしょうね」
「ん~~~。でもさ、ドラング兄さんってあんまりそういうの気付かなさそうなタイプじゃない? だから割と大丈夫だと思うけど」
サラッと兄をディスるシルフィー。
だが、マリアたちも概ね同意見だった。
「けど、一番ドラングが文句を言うというか、暴れそうなのは……本当に戦争が始まるとなった時に、アラッドがそれに参加すると知った時だろうね」
あいつが参加するなら、俺も参加する。
そんな要望を教師たちにぶつける姿が、容易に想像出来てしまう。
ベルたちから見ても、ドラングは確かに強い。
だが、接近戦であればレイの方が強く、遠距離戦であればヴェーラの方が強い。
そして……戦闘センスに関しては、弟であるアッシュに及ばない。
そういった諸々の理由から、とても特例で参加要請がくると思えなかった。
二人からある程度の情報を耳にしたベルたちは……文字通り沈黙。
色々と言葉にしたいことはあれど、中々にヘビーな内容を聞き、上手く口を開けなかった。
「すぅーーーーー……はぁーーーーー…………ひとまず、アラッドが相変わらずザ・冒険をしてるのは良く解った」
「そうですね~。本当に冒険者らしい冒険をしているかと」
「だけど、まさか木竜の一件に関して、あの国が関わってるとはね……」
「……なぁ。つまりよ、俺らを守ってる? 人たちは、アラッドたちにとって不利な状況にならないように、国からの命令で、俺たちを守ってるってことだよな」
「おそらくな」
レイが幾ら学生離れした強さを持っていたとしても、まだ学生であることに変わりはない。
フローレンスの様に、木竜と接触した時以降に起こった情報に関しては耳に入っていない。
「…………チッ!! はぁ~~~~~」
「ベル」
「解ってるよ、エリザ。解ってる……強くなったつもりだけど、結局は学生の範囲でだ。俺らは……まだ、弱ぇ」
「……そうですわね」
ベルを窘めようとしたエリザも、本心では友の足枷になるかもしれない自分の弱さが憎かった。
(兄さんは愛されてるな~~~)
一方、アッシュは強い人に守られてる事に関して特に思うことはなく、ただただ有難いと思っていた。
「それにしても二人の言う通り、わざわざ誰かが私たちのことを陰から守っているということは、本当に起こり得そうですわね」
「ですね~~……そうなあると、やはりレイさんには特例で参加するように要請がくるのでしょうか」
「……どうだろうな」
ゴリディア帝国との一件、事情に関しては耳にした。
しかし、その場では特例で参加してほしいという要望は受けていない。
だが、中等部の二人も含めて、レイなら特例で来てもおかしくないという思いがあった。
「レイにそういった特例がくるなら……僕らの中だと、後はヴェーラにきそうかな」
「あぁ~~~、あり得そうだな。二人がタッグで戦えば、Bランクのモンスターとだって戦えるだろうからな」
「……選ばれれば、全力で戦うだけね。でも……それなら、アッシュ。君にもくるんじゃ、ないかな」
アッシュはまだ中等部の学生である。
普通に考えれば……常識を取っ払って考えたとしても、本当にあり得ない。
だが、ヴェーラたちはある程度アッシュの事を知っている。
知っているからこそ…………今、目の前でアッシュがとんでもなく渋く、嫌そうな顔をしてる事に関して、思うところはなかった。
「僕……まだ、中等部の学生ですよ。しかも、二年生ですよ」
「確かにそれはそう。でも、強さは別の話」
ヴェーラはレイから、アッシュが相手の油断があったとはいえ、ナルターク王国の代表である高等部の三年生がほぼ完封負けしたという話を聞いていた。
ベルたちもアッシュが強さに執着がないにもかかわらず、戦闘センスがずば抜けていることは当然知っている。
「可能性としては、ゼロじゃない」
「普通に辞退したいですね」
「アッシュ~~~」
「解ってる、解ってるよシルフィー。でも、戦争となれば、アラッド兄さんよりも強い人も戦場に現れるわけでしょ」
侯爵家に生まれた者として、基本的に断る訳にはいかない。
そんな事はアッシュも解っている。
しかし、アッシュはアラッドの様に強者との戦いを求めるようなバトルジャンキータイプではない。
アッシュがずば抜けた戦闘センスを持っていても、まだ中等部の学生であり、体も出来上がっていない。
「…………そういえば、ふと思い浮かんだんだけど、僕たちやシルフィー、アッシュたちを陰から守ってる人がいるとなると……ドラングにもそういった人が付いてるのかな」
「「「「「「「「あっ」」」」」」」」
今の今まで、すっかり忘れていたベルたち。
パロスト学園にはアラッドと関りがある者と言えば、レイたちとシルフィーにアッシュ……そしてアッシュと同じく、アラッドの弟にあたる人物、ドラングがいた。
「そうか……そうだよな。俺らやアッシュたちにも付いてるなら、当然ドラングの奴にも付いてるよな」
「ドラングがその存在に気付いたら、かなり面倒な事になりそうね」
ヴェーラの言葉に、全員迷うことなく速攻で首を縦に動かした。
「絶対にふざけんな、そんなもん要らねぇ。自分の身は自分で守れるとか言いそうだな」
「ドラング兄さんなら、絶対に言うでしょうね」
「ん~~~。でもさ、ドラング兄さんってあんまりそういうの気付かなさそうなタイプじゃない? だから割と大丈夫だと思うけど」
サラッと兄をディスるシルフィー。
だが、マリアたちも概ね同意見だった。
「けど、一番ドラングが文句を言うというか、暴れそうなのは……本当に戦争が始まるとなった時に、アラッドがそれに参加すると知った時だろうね」
あいつが参加するなら、俺も参加する。
そんな要望を教師たちにぶつける姿が、容易に想像出来てしまう。
ベルたちから見ても、ドラングは確かに強い。
だが、接近戦であればレイの方が強く、遠距離戦であればヴェーラの方が強い。
そして……戦闘センスに関しては、弟であるアッシュに及ばない。
そういった諸々の理由から、とても特例で参加要請がくると思えなかった。
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