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九百十四話 一種の才能
「ウキャオッ!!!!!!」
「っ!! ッ!!!!!!」
ヴァジュラ対黒色ハードメタルゴーレム。
どちらもBランクモンスターの戦いだが……スピードに関しては、ヴァジュラが勝っていた。
しかし、ヴァジュラの記憶の中にあるゴーレム……ウッドゴーレムなどと比べて、明らかに黒色ハードメタルゴーレムの動きは速かった。
あの重鈍そうな体で、何故あそこまで速く動けるのかと、疑問を感じたヴァジュラ。
「……ウキャキャ!!」
だが、戦闘大好きなヴァジュラにとって、パワーはあるが、重鈍過ぎる相手との勝負はつまらない。
ある程度のスピードがあるからこそ、一撃の破壊力も通常のハードメタルゴーレムよりも上。
「ウキャッ!!!!!!」
「ッ……ッ!!!!!!」
「ホキャっ!?」
加えて、現在の身体能力で伸縮自在の棍棒を叩きつけても……大したダメージが入らない。
元々ハードメタルゴーレムは防御力に優れたモンスターである。
だが、ヴァジュラのパワーも……棍棒の頑強さも並ではない。
それでも、まともに入ったとしても多少ヒビが入るだけで、闇がその部分に集まると……直ぐに元通りになってしまう。
優れたパワーと防御力。ある程度のスピードがあるため、当てるにしても避けるにしても、気が抜けるタイミングがない。
加えてやっと与えたダメージも、闇の力によって回復されてしまう。
冒険者たちからすれば、あまりにも理不尽……ふざけるなと叫びたい存在。
ただ……この白毛のボス猿は違った。
最高の動くサンドバッグや!!!!!!!
というのが、ヴァジュラの感想だった。
ヴァジュラはサンドバッグという言葉の意味は知らないが、それでも現在戦闘中である黒色ハードメタルゴーレムは……間違いなく、ヴァジュラにとって最高の動くサンドバッグであった。
「ウッ、キャアアアアアアアアアアアッ!!!!!」
「ッ! っ!? ッ!!! っ!!」
思いっきり棒を伸ばし、ぶつけたとしても大したダメージは入らない。
黒色ハードメタルゴーレムの馬力であれば、そのまま受け止められ……逆に自分が押し込まれる可能性が高い。
でれば、どうする?
ヴァジュラはスティームとの戦いで行った、高速で棒を伸び縮みさせ、何度も何度も……何度も何度も黒色ハードメタルゴーレムを突いた。
ただでさえ堅く重いハードメタルゴーレム。
そこに更に闇の力が加わり、身体能力が全体的に上昇した。
それでも……そんな闇の鉄巨人であっても、やはりヴァジュラと棒の力は無視出来ない。
全体的に、狙いを絞られない様に突きを放つからこそ、踏ん張りが効かず、前に出ようとしても体勢が崩されてしまう。
「ウキャ、ウキャッキャキャ?」
笑う。
ヴァジュラは……嗤った。
自分と戦った雷を纏う強者は、この攻撃に対応してみせ、自分に接近した。
自分の主人であれば、笑いながら突きの嵐を攻略する。
お前は違うのかと、どうやって自分に勝つつもりなのだと……もしかして、何も手段がないのかと……盛大に煽りが含まれた笑みを浮かべるヴァジュラ。
「ッ!!!!!!!!!!!」
ゴーレムとは、モンスターの中でも比較的感情が飛ばしいモンスターとして知られている。
ただただ、敵対した人間を……モンスターであっても、自分に襲い掛かる個体は容赦なく殺す。
そんな黒色ハードメタルゴーレムに、怒りという明確な感情を覚えた。
当然ながら、現在ヴァジュラの主人であるガルーレは何故か頭が三つある黒色のオルトロスを相手に、高らかに笑いながら戦っている。
他のメンバーたちも目の前の敵と戦う事に集中しており、ヴァジュラの笑みを見た者はいない。
だが、その笑みを……笑い声を、明確に怒りを感じ……無理矢理突きの嵐を突破しようとする黒色ハードメタルゴーレムを見れば、あいつの煽りはもはや一種の才能だと答える。
「ーーーーーーーッ!!!!!!」
棒による突きの嵐など知ったことではないと、黒色ハードメタルゴーレムは思いっきり……全力で踏ん張りながら状態を逸らし……本気パンチを放った。
勿論、距離的にその場で全力パンチを放ったとしても、ヴァジュラの棒を弾くだけで終わってしまう。
ただ……黒色ハードメタルゴーレムが放ったパンチはただのパンチではなく……ロケットパンチであった。
ただ拳をその場から放つのではなく、全力で振りかぶった上で放つロケットパンチ。
当然ながら、通常のロケットパンチと比べて非常に拳の速度が速い。
棒を伸ばして当てるだけなら、容易に弾かれてしまう。
とはいえ、アホっぽく見えて、ヴァジュラは本当のアホではない。
「ウキャッキャッ!!!!!」
最初から黒色ハードメタルゴーレムの体勢から何かしらの遠距離攻撃を放ってくることは目に見えていた。
だからこそ、無意味に何かしら攻撃が飛来する部分に突きは放っていなかった。
そして……高速で、しかも正確にヴァジュラに向けて放たれたロケットパンチだったが……全体的に優れた身体能力や対人戦の慣れ、武器の扱い。
それらもヴァジュラの長所であるには間違いないが、それ以外にも優れた動体視力も強味の一つ。
暗黒のロケットパンチが飛来する軌道、ぶつかるタイミングを即座に把握し……フルパワーで下からかち上げた。
「っ!! ッ!!!!!!」
ヴァジュラ対黒色ハードメタルゴーレム。
どちらもBランクモンスターの戦いだが……スピードに関しては、ヴァジュラが勝っていた。
しかし、ヴァジュラの記憶の中にあるゴーレム……ウッドゴーレムなどと比べて、明らかに黒色ハードメタルゴーレムの動きは速かった。
あの重鈍そうな体で、何故あそこまで速く動けるのかと、疑問を感じたヴァジュラ。
「……ウキャキャ!!」
だが、戦闘大好きなヴァジュラにとって、パワーはあるが、重鈍過ぎる相手との勝負はつまらない。
ある程度のスピードがあるからこそ、一撃の破壊力も通常のハードメタルゴーレムよりも上。
「ウキャッ!!!!!!」
「ッ……ッ!!!!!!」
「ホキャっ!?」
加えて、現在の身体能力で伸縮自在の棍棒を叩きつけても……大したダメージが入らない。
元々ハードメタルゴーレムは防御力に優れたモンスターである。
だが、ヴァジュラのパワーも……棍棒の頑強さも並ではない。
それでも、まともに入ったとしても多少ヒビが入るだけで、闇がその部分に集まると……直ぐに元通りになってしまう。
優れたパワーと防御力。ある程度のスピードがあるため、当てるにしても避けるにしても、気が抜けるタイミングがない。
加えてやっと与えたダメージも、闇の力によって回復されてしまう。
冒険者たちからすれば、あまりにも理不尽……ふざけるなと叫びたい存在。
ただ……この白毛のボス猿は違った。
最高の動くサンドバッグや!!!!!!!
というのが、ヴァジュラの感想だった。
ヴァジュラはサンドバッグという言葉の意味は知らないが、それでも現在戦闘中である黒色ハードメタルゴーレムは……間違いなく、ヴァジュラにとって最高の動くサンドバッグであった。
「ウッ、キャアアアアアアアアアアアッ!!!!!」
「ッ! っ!? ッ!!! っ!!」
思いっきり棒を伸ばし、ぶつけたとしても大したダメージは入らない。
黒色ハードメタルゴーレムの馬力であれば、そのまま受け止められ……逆に自分が押し込まれる可能性が高い。
でれば、どうする?
ヴァジュラはスティームとの戦いで行った、高速で棒を伸び縮みさせ、何度も何度も……何度も何度も黒色ハードメタルゴーレムを突いた。
ただでさえ堅く重いハードメタルゴーレム。
そこに更に闇の力が加わり、身体能力が全体的に上昇した。
それでも……そんな闇の鉄巨人であっても、やはりヴァジュラと棒の力は無視出来ない。
全体的に、狙いを絞られない様に突きを放つからこそ、踏ん張りが効かず、前に出ようとしても体勢が崩されてしまう。
「ウキャ、ウキャッキャキャ?」
笑う。
ヴァジュラは……嗤った。
自分と戦った雷を纏う強者は、この攻撃に対応してみせ、自分に接近した。
自分の主人であれば、笑いながら突きの嵐を攻略する。
お前は違うのかと、どうやって自分に勝つつもりなのだと……もしかして、何も手段がないのかと……盛大に煽りが含まれた笑みを浮かべるヴァジュラ。
「ッ!!!!!!!!!!!」
ゴーレムとは、モンスターの中でも比較的感情が飛ばしいモンスターとして知られている。
ただただ、敵対した人間を……モンスターであっても、自分に襲い掛かる個体は容赦なく殺す。
そんな黒色ハードメタルゴーレムに、怒りという明確な感情を覚えた。
当然ながら、現在ヴァジュラの主人であるガルーレは何故か頭が三つある黒色のオルトロスを相手に、高らかに笑いながら戦っている。
他のメンバーたちも目の前の敵と戦う事に集中しており、ヴァジュラの笑みを見た者はいない。
だが、その笑みを……笑い声を、明確に怒りを感じ……無理矢理突きの嵐を突破しようとする黒色ハードメタルゴーレムを見れば、あいつの煽りはもはや一種の才能だと答える。
「ーーーーーーーッ!!!!!!」
棒による突きの嵐など知ったことではないと、黒色ハードメタルゴーレムは思いっきり……全力で踏ん張りながら状態を逸らし……本気パンチを放った。
勿論、距離的にその場で全力パンチを放ったとしても、ヴァジュラの棒を弾くだけで終わってしまう。
ただ……黒色ハードメタルゴーレムが放ったパンチはただのパンチではなく……ロケットパンチであった。
ただ拳をその場から放つのではなく、全力で振りかぶった上で放つロケットパンチ。
当然ながら、通常のロケットパンチと比べて非常に拳の速度が速い。
棒を伸ばして当てるだけなら、容易に弾かれてしまう。
とはいえ、アホっぽく見えて、ヴァジュラは本当のアホではない。
「ウキャッキャッ!!!!!」
最初から黒色ハードメタルゴーレムの体勢から何かしらの遠距離攻撃を放ってくることは目に見えていた。
だからこそ、無意味に何かしら攻撃が飛来する部分に突きは放っていなかった。
そして……高速で、しかも正確にヴァジュラに向けて放たれたロケットパンチだったが……全体的に優れた身体能力や対人戦の慣れ、武器の扱い。
それらもヴァジュラの長所であるには間違いないが、それ以外にも優れた動体視力も強味の一つ。
暗黒のロケットパンチが飛来する軌道、ぶつかるタイミングを即座に把握し……フルパワーで下からかち上げた。
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