945 / 1,361
九百四十三話 昇格? 昇進?
しおりを挟む
「俺たちも同じ感想だ。正直……途中まで本当に一杯一杯だった」
「結局、討伐への流れもウィリアスが作ってくれたようなものだものね」
自分たちの力だけでは、闇の力を授かったオークジェネラルたちに勝てなかった。
それがソルたちの総意だった。
「随分と謙虚だな」
「事実を事実と受け入れただけですよ」
「ルーナの言う通りだな。まぁ……うちとしては、狂化の感覚を少し掴めた気がするから、良い経験だったとは思うけど」
「はっはっは、そりゃ良かったな」
同じ狂化というスキルを使う者として、アラッドは本当に良かったと思っていた。
そんなアラッドの言葉を……疑う訳ではない。
ただ、狂化を使う者として、ソルはどうしても狂化を使用したアラッドの姿が気になっていた。
(あれが……狂化を、極めた先に至る姿なのか? 狂化をストップしたら、元の状態になったけど…………とりあえず、今詳しく聞くところじゃ、ないか)
本当は物凄く気になっている。
超気になっているソルではあるが、今は祝いの席であり、あの角に……瞳の変化について尋ねる場ではないと解っていた。
「それで、フローレンスはどうだった?」
「私も一筋縄ではいかない戦いでした。聖光雄化を使えばなんとか上手くいくだろうとは思っていましたが、それだけでは足りないと……リスクを背負う必要があると感じる相手でした」
「グレータースケルトンだったな…………それだけ、全体的にレベルが高かったってことか」
正直なところ、アラッドもフローレンスであれば属性の相性もあり、聖光雄化を使用すれば、闇の力を授かったBランクモンスターが相手でも多少余裕を持って倒せると思っていた。
(ウィリアスがソルたちのサポートで手一杯な状態だったから、フローレンスは万全な状態だったとは言えないが、それでも聖光雄化を使ったフローレンスがリスクを背負わないと勝てなかった、か…………改めて、あの闇竜、とんでもない軍団を作りやがったな)
アラッドとしては、スティームが戦た黒色リザードマンとガルーダが戦った黒色オルトロス亜種も相当ヤバいと感じていた。
本当に……Bランク冒険者のパーティーが複数組み組んだとしても、全滅する可能性の方が高い。
そんな軍団を作った闇竜を、今この段階で討伐出来て良かったと、アラッドは改めて思った。
そして数分後、頼んだ料理が続々と運ばれてきた。
一旦あまり明るくはない話題は止め、料理を食べることに集中し始めたアラッドたち。
「そういえば、さ。私たちって、これで二体目の面倒で厄介なドラゴンを仕留めた訳じゃん」
「ん? そうだが……それがどうかしたか?」
「いや、私たちの中でアラッドは騎士の爵位を持ってるから、こっから男爵とかに昇格? 昇進? するのかと思って」
「ぶっ!!!」
突然すぎる質問に驚き、喉を詰まらせたアラッド。
「ごほっ、ごほっ……はぁ、はぁ。ガルーレ……頼むから、いきなり突拍子もない事を言わないでくれ」
「あっはっは! ごめんごめん。でもさ、あり得ない話じゃないんじゃないの?」
「ないだろ。騎士の爵位は持ってるが、別に騎士として活動しているわけじゃない。冒険者として活動してるんだから、上がるとしても冒険者ランクの方だろ」
男爵、子爵になることはあり得ない。
そう断言するアラッドだが、ガルーレが口にした内容に関して、真剣に考える者たちがいた。
「………………」
「ねぇねぇ、フローレンスさん。フローレンスさん的には、アラッドの昇進? はあり得ると思いますか?」
「……可能性は、ゼロではないと思いますね」
「はぁ~~~~~……フローレンス。頼むからそんな恐ろしいこと言わないでくれ」
公爵家の令嬢であるフローレンスが口にすると、シャレにならないと感じる。
だが、他国の貴族令息ではあるが、スティームも同じ考えであり、ソルたちの中で貴族出身のメンバーたちも……概ねフローレンスと同じ考えが浮かんでいた。
「すいません。ですが、本当に可能性としてはゼロではありません。他の冒険者の方々比べても、その可能性は高いかと」
「多分、アラッドの場合特に強いモンスターを討伐しただけではなく、国の危機に関わるモンスターを積極的に討伐してるからですよね」
「えぇ、スティームさんの言う通りです」
「………………」
ストールに関して討伐したのはアラッドの兄であるギーラスだが、もう一体の暴風竜ボレアスの息子、ルストに関してはクロが討伐した。
ルストを討伐するまでにスティームたちも活躍したが、それでも親玉を討伐したのはアラッドの相棒であるクロ。
そして今回、闇竜デネブと彼から闇の力を授かったモンスターたちを討伐するのに、アラッドたちはフローレンスたちと組んで戦った。
両チームとも、自分たちだけではなく共に挑んで良かったと思っている。
ただ、一応アラッドたちはアラッドたちだけで討伐出来るだけの総合力があった。
そして結果的に、親玉を討伐したのはアラッドである。
一度は巧妙な奇手にハマり、狂気に飲まれて仲間を襲いそうになったが、未遂に終了。
最終的に闇竜デネブもアラッドが討伐した。
「……仕方ないだろ。自国がヤバい状態に晒されるかもしれないって状況で、何もしないって選択肢はないだろ」
それが、今のアラッドに出来る精一杯の反論であった。
「結局、討伐への流れもウィリアスが作ってくれたようなものだものね」
自分たちの力だけでは、闇の力を授かったオークジェネラルたちに勝てなかった。
それがソルたちの総意だった。
「随分と謙虚だな」
「事実を事実と受け入れただけですよ」
「ルーナの言う通りだな。まぁ……うちとしては、狂化の感覚を少し掴めた気がするから、良い経験だったとは思うけど」
「はっはっは、そりゃ良かったな」
同じ狂化というスキルを使う者として、アラッドは本当に良かったと思っていた。
そんなアラッドの言葉を……疑う訳ではない。
ただ、狂化を使う者として、ソルはどうしても狂化を使用したアラッドの姿が気になっていた。
(あれが……狂化を、極めた先に至る姿なのか? 狂化をストップしたら、元の状態になったけど…………とりあえず、今詳しく聞くところじゃ、ないか)
本当は物凄く気になっている。
超気になっているソルではあるが、今は祝いの席であり、あの角に……瞳の変化について尋ねる場ではないと解っていた。
「それで、フローレンスはどうだった?」
「私も一筋縄ではいかない戦いでした。聖光雄化を使えばなんとか上手くいくだろうとは思っていましたが、それだけでは足りないと……リスクを背負う必要があると感じる相手でした」
「グレータースケルトンだったな…………それだけ、全体的にレベルが高かったってことか」
正直なところ、アラッドもフローレンスであれば属性の相性もあり、聖光雄化を使用すれば、闇の力を授かったBランクモンスターが相手でも多少余裕を持って倒せると思っていた。
(ウィリアスがソルたちのサポートで手一杯な状態だったから、フローレンスは万全な状態だったとは言えないが、それでも聖光雄化を使ったフローレンスがリスクを背負わないと勝てなかった、か…………改めて、あの闇竜、とんでもない軍団を作りやがったな)
アラッドとしては、スティームが戦た黒色リザードマンとガルーダが戦った黒色オルトロス亜種も相当ヤバいと感じていた。
本当に……Bランク冒険者のパーティーが複数組み組んだとしても、全滅する可能性の方が高い。
そんな軍団を作った闇竜を、今この段階で討伐出来て良かったと、アラッドは改めて思った。
そして数分後、頼んだ料理が続々と運ばれてきた。
一旦あまり明るくはない話題は止め、料理を食べることに集中し始めたアラッドたち。
「そういえば、さ。私たちって、これで二体目の面倒で厄介なドラゴンを仕留めた訳じゃん」
「ん? そうだが……それがどうかしたか?」
「いや、私たちの中でアラッドは騎士の爵位を持ってるから、こっから男爵とかに昇格? 昇進? するのかと思って」
「ぶっ!!!」
突然すぎる質問に驚き、喉を詰まらせたアラッド。
「ごほっ、ごほっ……はぁ、はぁ。ガルーレ……頼むから、いきなり突拍子もない事を言わないでくれ」
「あっはっは! ごめんごめん。でもさ、あり得ない話じゃないんじゃないの?」
「ないだろ。騎士の爵位は持ってるが、別に騎士として活動しているわけじゃない。冒険者として活動してるんだから、上がるとしても冒険者ランクの方だろ」
男爵、子爵になることはあり得ない。
そう断言するアラッドだが、ガルーレが口にした内容に関して、真剣に考える者たちがいた。
「………………」
「ねぇねぇ、フローレンスさん。フローレンスさん的には、アラッドの昇進? はあり得ると思いますか?」
「……可能性は、ゼロではないと思いますね」
「はぁ~~~~~……フローレンス。頼むからそんな恐ろしいこと言わないでくれ」
公爵家の令嬢であるフローレンスが口にすると、シャレにならないと感じる。
だが、他国の貴族令息ではあるが、スティームも同じ考えであり、ソルたちの中で貴族出身のメンバーたちも……概ねフローレンスと同じ考えが浮かんでいた。
「すいません。ですが、本当に可能性としてはゼロではありません。他の冒険者の方々比べても、その可能性は高いかと」
「多分、アラッドの場合特に強いモンスターを討伐しただけではなく、国の危機に関わるモンスターを積極的に討伐してるからですよね」
「えぇ、スティームさんの言う通りです」
「………………」
ストールに関して討伐したのはアラッドの兄であるギーラスだが、もう一体の暴風竜ボレアスの息子、ルストに関してはクロが討伐した。
ルストを討伐するまでにスティームたちも活躍したが、それでも親玉を討伐したのはアラッドの相棒であるクロ。
そして今回、闇竜デネブと彼から闇の力を授かったモンスターたちを討伐するのに、アラッドたちはフローレンスたちと組んで戦った。
両チームとも、自分たちだけではなく共に挑んで良かったと思っている。
ただ、一応アラッドたちはアラッドたちだけで討伐出来るだけの総合力があった。
そして結果的に、親玉を討伐したのはアラッドである。
一度は巧妙な奇手にハマり、狂気に飲まれて仲間を襲いそうになったが、未遂に終了。
最終的に闇竜デネブもアラッドが討伐した。
「……仕方ないだろ。自国がヤバい状態に晒されるかもしれないって状況で、何もしないって選択肢はないだろ」
それが、今のアラッドに出来る精一杯の反論であった。
570
あなたにおすすめの小説
母は何処? 父はだぁれ?
穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。
産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。
妹も、実妹なのか不明だ。
そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。
父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。
母は、どこへ行ってしまったんだろう!
というところからスタートする、
さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。
変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、
家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。
意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。
前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。
もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。
単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。
また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。
「小説家になろう」で連載していたものです。
「俺が勇者一行に?嫌です」
東稔 雨紗霧
ファンタジー
異世界に転生したけれども特にチートも無く前世の知識を生かせる訳でも無く凡庸な人間として過ごしていたある日、魔王が現れたらしい。
物見遊山がてら勇者のお披露目式に行ってみると勇者と目が合った。
は?無理
【読切短編】処刑前夜、地下牢に現れた王女は言った。「お前でなければ駄目なんだ」滅びの未来を覆す、騎士との契約
Lihito
ファンタジー
王国騎士団の副長ヴェルドは、無実の罪で投獄され、明日処刑される運命にあった。
腐敗した国に絶望し、静かに死を待つ夜。
地下牢に現れたのは、実権を持たない「傀儡」と噂されるイゾルデ王女。
彼女はヴェルドに仮死毒を渡し、こう告げた。
「死んで、私の影になれ」
彼女は知っていた。
この国が三年後に滅ぶこと。誰が裏切り者か。
そして——ヴェルドこそが、国を救うための唯一の「切り札」であることを。
これは、滅びの未来を知る孤独な王女と、一度死んで生まれ変わった騎士が、裏から国を救う「共犯」の物語。
〈完結〉この女を家に入れたことが父にとっての致命傷でした。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」アリサは父の後妻の言葉により、家を追い出されることとなる。
だがそれは待ち望んでいた日がやってきたでもあった。横領の罪で連座蟄居されられていた祖父の復活する日だった。
十年前、八歳の時からアリサは父と後妻により使用人として扱われてきた。
ところが自分の代わりに可愛がられてきたはずの異母妹ミュゼットまでもが、義母によって使用人に落とされてしまった。義母は自分の周囲に年頃の女が居ること自体が気に食わなかったのだ。
元々それぞれ自体は仲が悪い訳ではなかった二人は、お互い使用人の立場で二年間共に過ごすが、ミュゼットへの義母の仕打ちの酷さに、アリサは彼女を乳母のもとへ逃がす。
そして更に二年、とうとうその日が来た……
授かったスキルが【草】だったので家を勘当されたから悲しくてスキルに不満をぶつけたら国に恐怖が訪れて草
ラララキヲ
ファンタジー
(※[両性向け]と言いたい...)
10歳のグランは家族の見守る中でスキル鑑定を行った。グランのスキルは【草】。草一本だけを生やすスキルに親は失望しグランの為だと言ってグランを捨てた。
親を恨んだグランはどこにもぶつける事の出来ない気持ちを全て自分のスキルにぶつけた。
同時刻、グランを捨てた家族の居る王都では『謎の笑い声』が響き渡った。その笑い声に人々は恐怖し、グランを捨てた家族は……──
※確認していないので二番煎じだったらごめんなさい。急に思いついたので書きました!
※「妻」に対する暴言があります。嫌な方は御注意下さい※
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
【完結】勇者と国王は最悪。なので私が彼らを後悔させます。
凛 伊緒
ファンタジー
「お前はこのパーティーに相応しくない。今この場をもって、追放とする!それと、お前が持っている物は全て置いていってもらうぞ。」
「それは良いですわね、勇者様!」
勇者でありパーティーリーダーのゼイスに追放を宣言された。
隣にいる聖女メーシアも、大きく頷く。
毎日の暴行。
さらに報酬は平等に分けるはずが、いつも私だけかなり少なくされている。
最後の嫌味と言わんばかりに、今持っている物全てを奪われた。
今までの行いを、後悔させてあげる--
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる