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千二話 既に助けている
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「一か月、ですか……」
「あぁ、そうだ。アラッドは、この期間……どう見る」
開戦は、一か月後。
これは一方的に提案された内容ですはなく、両国が合意した上での決定である。
「そうですね…………向こうは向こうで、それまでに何かを行い、戦力を増強したいのかもしれませんね」
「ふむ、やはりそれが考えられるか」
「はい。ただ、木竜や雪竜の件の様な事は起こらないでしょう……恐らくですが」
「あぁ、そうだな。そこはルールを結んだ。もし、破るようなことが起これば、ただの戦争では済まないとな」
「……仮にそうなり、命とあらば全てを斬り刻んできましょう」
国王陛下の命であれば、全てを斬り刻む。
そう答えたソウスケの眼は……本気であり、一切の嘘はなかった。
「…………そう答えてくれるのは、嬉しく思う。だが、そうさせないために、私たち大人が動く」
「……反論する訳ではありませんが、一応私も大人なのですが」
「はっはっは!!!! 勿論、それは解っておる。だが……闘争を好んでいても、アラッドは決して戦争が好きな訳ではないだろう」
「……えぇ、そうですね」
国王の言う通り、アラッドは闘争を好む。
強き者との闘争では、自然と心が躍ろる。
だが……それでも、戦争という理由なき相手の命を奪う戦いは、また別物であると理解している。
「私としては、アラッドには冒険者としての人生を楽しんでほしいと思っている」
「……これでも、貴族の令息です。一応、騎士の爵位を持っていますので、普段は冒険者として活動しているからといって、逃げることは出来ません」
「そうか、そう思っていると解っただけでも、国王としては嬉しく思う。だが……忘れないでほしい。お主は既に、多くの命を救っていることをな」
アラッドはこれまで、騎士として活動したことはなく、冒険者として活動し続けている。
だが、結果としてアラッドは冒険者として活動する中で、多くの命を助けていた。
オークシャーマンを倒し、ドラゴンゾンビをなんとかギリギリで討伐。
雷獣をスティームと共に討伐し、轟炎竜をクロと共に撃破。
そして……風竜を、闇竜をフローレンスたちと共に倒した。
今、この場で国王が口にすることはないが、闇竜と闇の力を持つモンスターたちの詳細内容を書き記したフローレンスから報告書を読んだ際……国王は決して小さくない衝撃を受けた。
(闇竜に関しては、本当に運が良かったとしか言えないだろう。もし……フローレンスたちと同じタイミングでアラッドたちが到着していなければ……全滅か、はたまたフローレンスだけが亡くるかのどちらかであっただろう)
国王は、決してフローレンスの事を過小評価などしていない。
アラッドが冒険者界隈の超新星であれば、騎士界隈の超新星は間違いなくフローレンスである。
それでも、闇竜の戦闘力だけではなく、闇竜が保有していた戦力を考慮すれば……敗北が濃厚であるというのは、誰が考えても間違いない。
そういった点も含めれば、アラッドは偶々偶然とはいえ、これからの世代を背負う者たちを救ったことにもなる。
「……誠に、光栄です」
「頭など下げずともよい。して、話は戻るが、奴らが何を企んでいるか、もう少し詳しい内容は思い浮かぶか」
「そうですね……………………騎士か、冒険者か、それともはたまた一般人かは解りませんが、強力なスキルを持っているが、調整に手こずっているのかもしれませんね」
アラッドにとって、糸に関しては特に扱う上で多少の難しさはあれど、どうしても破れない分厚い壁というのは感じなかった。
だが、クロが殺されかけた事を切っ掛けに手に入れたスキル、狂化には一定の越えなければならない壁を感じていた。
(狂気を解放する時間を伸ばす、狂気を理性で従える……あれは、一筋縄ではいかなかった)
長い年月をかけ、今も成長している狂化だが、間違いなくじゃじゃ馬だった期間が存在した。
「強力だが、扱いに手こずるスキルか……なるほど。そういった理由での一か月という期間はあり得そうだ。では、少し話は変るが、やはり……後ろの二人のスティームとガルーレだったか。その二人と共に戦場を駆ける方がやりやすいか」
「そうですね……その方が、戦りやすいかと。共に行動するメンバーを増やすにしても、気の知れた相手であった方が良いかと」
「ふむ、やはりそうか」
国王としては、自身の頭の中に騎士、冒険者問わず「アラッドはこういった者たちと組んだ方が……いや、この者たちと組むのもありだろう」と候補がいたのだが、本人から気の知れたメンバーでと言われてしまうと、無理矢理提案は出来ない。
これに関しては現役の騎士である護衛の二人も、気の知れた者たちの方が共に戦いやすいというのは身に染みて解っているため、特に反応を示すことはなかった。
(……いや、そうなのだろうな。寧ろ、私などが心配するだけ無駄というものか)
フローレンスからの報告などを聞いているため、現在アラッドと共に行動しているスティームとガルーレがソロでBランクモンスターと討伐出来る実力を有しており、二人ともBランクの従魔を従えていることも知っている。
国王もそこら辺の正体よりも圧倒的に強い戦闘力を有していることは解っているため、ひとまずアラッドの意見を受け入れ、作戦に組み込むことにした。
「あぁ、そうだ。アラッドは、この期間……どう見る」
開戦は、一か月後。
これは一方的に提案された内容ですはなく、両国が合意した上での決定である。
「そうですね…………向こうは向こうで、それまでに何かを行い、戦力を増強したいのかもしれませんね」
「ふむ、やはりそれが考えられるか」
「はい。ただ、木竜や雪竜の件の様な事は起こらないでしょう……恐らくですが」
「あぁ、そうだな。そこはルールを結んだ。もし、破るようなことが起これば、ただの戦争では済まないとな」
「……仮にそうなり、命とあらば全てを斬り刻んできましょう」
国王陛下の命であれば、全てを斬り刻む。
そう答えたソウスケの眼は……本気であり、一切の嘘はなかった。
「…………そう答えてくれるのは、嬉しく思う。だが、そうさせないために、私たち大人が動く」
「……反論する訳ではありませんが、一応私も大人なのですが」
「はっはっは!!!! 勿論、それは解っておる。だが……闘争を好んでいても、アラッドは決して戦争が好きな訳ではないだろう」
「……えぇ、そうですね」
国王の言う通り、アラッドは闘争を好む。
強き者との闘争では、自然と心が躍ろる。
だが……それでも、戦争という理由なき相手の命を奪う戦いは、また別物であると理解している。
「私としては、アラッドには冒険者としての人生を楽しんでほしいと思っている」
「……これでも、貴族の令息です。一応、騎士の爵位を持っていますので、普段は冒険者として活動しているからといって、逃げることは出来ません」
「そうか、そう思っていると解っただけでも、国王としては嬉しく思う。だが……忘れないでほしい。お主は既に、多くの命を救っていることをな」
アラッドはこれまで、騎士として活動したことはなく、冒険者として活動し続けている。
だが、結果としてアラッドは冒険者として活動する中で、多くの命を助けていた。
オークシャーマンを倒し、ドラゴンゾンビをなんとかギリギリで討伐。
雷獣をスティームと共に討伐し、轟炎竜をクロと共に撃破。
そして……風竜を、闇竜をフローレンスたちと共に倒した。
今、この場で国王が口にすることはないが、闇竜と闇の力を持つモンスターたちの詳細内容を書き記したフローレンスから報告書を読んだ際……国王は決して小さくない衝撃を受けた。
(闇竜に関しては、本当に運が良かったとしか言えないだろう。もし……フローレンスたちと同じタイミングでアラッドたちが到着していなければ……全滅か、はたまたフローレンスだけが亡くるかのどちらかであっただろう)
国王は、決してフローレンスの事を過小評価などしていない。
アラッドが冒険者界隈の超新星であれば、騎士界隈の超新星は間違いなくフローレンスである。
それでも、闇竜の戦闘力だけではなく、闇竜が保有していた戦力を考慮すれば……敗北が濃厚であるというのは、誰が考えても間違いない。
そういった点も含めれば、アラッドは偶々偶然とはいえ、これからの世代を背負う者たちを救ったことにもなる。
「……誠に、光栄です」
「頭など下げずともよい。して、話は戻るが、奴らが何を企んでいるか、もう少し詳しい内容は思い浮かぶか」
「そうですね……………………騎士か、冒険者か、それともはたまた一般人かは解りませんが、強力なスキルを持っているが、調整に手こずっているのかもしれませんね」
アラッドにとって、糸に関しては特に扱う上で多少の難しさはあれど、どうしても破れない分厚い壁というのは感じなかった。
だが、クロが殺されかけた事を切っ掛けに手に入れたスキル、狂化には一定の越えなければならない壁を感じていた。
(狂気を解放する時間を伸ばす、狂気を理性で従える……あれは、一筋縄ではいかなかった)
長い年月をかけ、今も成長している狂化だが、間違いなくじゃじゃ馬だった期間が存在した。
「強力だが、扱いに手こずるスキルか……なるほど。そういった理由での一か月という期間はあり得そうだ。では、少し話は変るが、やはり……後ろの二人のスティームとガルーレだったか。その二人と共に戦場を駆ける方がやりやすいか」
「そうですね……その方が、戦りやすいかと。共に行動するメンバーを増やすにしても、気の知れた相手であった方が良いかと」
「ふむ、やはりそうか」
国王としては、自身の頭の中に騎士、冒険者問わず「アラッドはこういった者たちと組んだ方が……いや、この者たちと組むのもありだろう」と候補がいたのだが、本人から気の知れたメンバーでと言われてしまうと、無理矢理提案は出来ない。
これに関しては現役の騎士である護衛の二人も、気の知れた者たちの方が共に戦いやすいというのは身に染みて解っているため、特に反応を示すことはなかった。
(……いや、そうなのだろうな。寧ろ、私などが心配するだけ無駄というものか)
フローレンスからの報告などを聞いているため、現在アラッドと共に行動しているスティームとガルーレがソロでBランクモンスターと討伐出来る実力を有しており、二人ともBランクの従魔を従えていることも知っている。
国王もそこら辺の正体よりも圧倒的に強い戦闘力を有していることは解っているため、ひとまずアラッドの意見を受け入れ、作戦に組み込むことにした。
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