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千五十一話 攻撃力が半端じゃない
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「そういえば、ここ数日アラッドは籠りっぱなしね」
アラッドの実家に訪れてから数日後の昼過ぎ。
ガルーレは訓練場でふと、思ったことを零した。
「フローレンスさんのキャバリオンを造ってるからね」
「キャバリオン、ねぇ……普段からちょこちょこ造ってたけど、もう三日ぐらい造り続けてるのに、まだ完成してないのって珍しくない」
錬金術は、完全に専門外の内容。
だからこそ、おいそれと自分が語れる内容ではないことは、ガルーレも理解している。
ただ、普段からアラッドが少しずつキャバリオンを製作していることは知っているため、起きている間の大半の時間を使って造っているにもかかわらず、まだ造り終わっていないというのが、どれだけ珍しいことなのかは理解していた。
「……そうだね。確かに、珍しいかな。ただ、使用する素材の質が普段より高かったら、アラッドも普段より慎重に造ろうとするんじゃないかな」
「アラッドでも緊張するのね」
「戦いとは、また別だろうからね。自分の物を造るのであればまだしも、人の物を造るってなったら、それ相応の緊張感はあると思うよ」
「そういうものか~~~。確かに、夕食の時には無茶苦茶食べて、お風呂に入ったら直ぐに寝ちゃってるのを考えると、もしかして闇竜とかと戦った時よりも疲れてる?」
「かもしれないね」
アラッドの実家に訪れてから、スティームとガルーレは基本的に朝から夕方頃まで訓練場にいる。
一か月もしないうちに、戦争が始まるため、共に戦争に参加するガルシアたちやフローレンスたち、パーシブル家の騎士たちと何度も何度も模擬戦を繰り返している。
(……アラッドなら、数日動かないだけで鈍るなんてことはないか)
技量を高め合う……ためだけではなく、少しでも実戦が行われるまでに戦闘の勘を鈍らせないように、彼らは毎日毎日模擬戦を繰り返していた。
「ふふ!! 本当に強いじゃない!!!!」
「ありがとう、ございます!!!!」
スティームとガルーレが休息を取っている間、訓練場ではガルシアや騎士たちの他に、アラッドの母親であるアリサとフローレンスが模擬戦を行っていた。
「……ねぇ、あの模擬戦は、どっちが勝つと思う?」
「アリサさんかな」
ガルーレの質問に、スティームは殆ど迷わずに答えた。
当然のことながら、スティームはフローレンスの実力を嘗めているわけではない。
ただ……数日間の間に、スティームは既にアリサと模擬戦を行っており、その強さを身に染みて理解していた。
赤雷は使わず、雷を纏う程度に強化は留めていたが、それでも結果は全戦全敗。
それはスティームだけではなく、ガルーレも同じだった。
「スティームも同じなのね」
「全てを使って良いのであれば、また話は別だと思うけど、そうじゃないなら……アリサさんに勝てるイメージが湧かないかな」
一応……アリサは、冒険者としては現役を引退している。
だが、自分も戦争に参加する為にと、一から鍛え直すことも含め、ガルシアたちと共にダンジョンに潜り続け、レベルを上げた。
肉体の劣れによって、身体能力や判断速度の低下は起こる。
それでもレベルを上げることによって、更に身体能力を向上させることは、確かに可能……可能ではあるものの、アリサは一度家庭に入った人間。
家庭に入れば、元冒険者や騎士の女性であっても、守るべき者たちやまだ自分が死ねない理由などから、再び強くなる為に魑魅魍魎たちに本気で挑み、既にそこそこ上がってしまっているレベルを更に上げることは……メンタル的にも辛い部分がある。
「……アリサさんってさ、アマゾネスじゃないんだよね」
「ん~~~~…………そう、ね。ていうか、仮にアマゾネスだったら、アラッドは女の子だし」
「そうか……そうだよね」
明らかに、普通ではない。
四十に迫ろうとしている者のメンタルや向上心、動きではない。
ただ……そんなアリサの普通ではない部分を知ることで、納得出来る部分も見えてくる。
(フールさんとアリサさんの間に生まれたからこそ、アラッドはアラッドで普通じゃなかったのかな……)
理屈の上で語るのであれば、普通ではない二人から生まれた子供も普通ではない可能性がある。
「アラッドにフールさんに、アリサさん……なんか、この三人だけでも大多数の騎士や冒険者を蹴散らせそうよね」
「そうだね」
まさに最強の親子パーティー!!! ……というのは、あながち誇張表現でもない。
ただ、アルバース王国とゴリディア帝国ではない国の者からすれば、その三人だけではなくファルとヴァジュラという従魔を従えるスティームとガルーレも十分な戦力である。
そこに加えて、精霊と契約を結んでいるフローレンスに、冒険者であれば出産後というハンデがあるとはいえ、ほぼあと一歩のところまで追い詰めたディーナ……フローレンスと同じく騎士であれば、黒炎を会得したギーラスもいる。
攻撃力という点に関しては、パッと見アルバース王国の方が優勢に見えてもおかしくない。
「ふぅ~~~、良い戦いだったわ!!」
「こちらこそ、良い経験が出来ました」
アリサ対フローレンスの模擬戦は、二人の予想通りアリサの勝ち。
その後、少し休憩した後に二人はアリサから一対二で自分と戦わないかと誘われ……決して嘗められるとは思わず、気合を入れて模擬戦に挑むのだった。
アラッドの実家に訪れてから数日後の昼過ぎ。
ガルーレは訓練場でふと、思ったことを零した。
「フローレンスさんのキャバリオンを造ってるからね」
「キャバリオン、ねぇ……普段からちょこちょこ造ってたけど、もう三日ぐらい造り続けてるのに、まだ完成してないのって珍しくない」
錬金術は、完全に専門外の内容。
だからこそ、おいそれと自分が語れる内容ではないことは、ガルーレも理解している。
ただ、普段からアラッドが少しずつキャバリオンを製作していることは知っているため、起きている間の大半の時間を使って造っているにもかかわらず、まだ造り終わっていないというのが、どれだけ珍しいことなのかは理解していた。
「……そうだね。確かに、珍しいかな。ただ、使用する素材の質が普段より高かったら、アラッドも普段より慎重に造ろうとするんじゃないかな」
「アラッドでも緊張するのね」
「戦いとは、また別だろうからね。自分の物を造るのであればまだしも、人の物を造るってなったら、それ相応の緊張感はあると思うよ」
「そういうものか~~~。確かに、夕食の時には無茶苦茶食べて、お風呂に入ったら直ぐに寝ちゃってるのを考えると、もしかして闇竜とかと戦った時よりも疲れてる?」
「かもしれないね」
アラッドの実家に訪れてから、スティームとガルーレは基本的に朝から夕方頃まで訓練場にいる。
一か月もしないうちに、戦争が始まるため、共に戦争に参加するガルシアたちやフローレンスたち、パーシブル家の騎士たちと何度も何度も模擬戦を繰り返している。
(……アラッドなら、数日動かないだけで鈍るなんてことはないか)
技量を高め合う……ためだけではなく、少しでも実戦が行われるまでに戦闘の勘を鈍らせないように、彼らは毎日毎日模擬戦を繰り返していた。
「ふふ!! 本当に強いじゃない!!!!」
「ありがとう、ございます!!!!」
スティームとガルーレが休息を取っている間、訓練場ではガルシアや騎士たちの他に、アラッドの母親であるアリサとフローレンスが模擬戦を行っていた。
「……ねぇ、あの模擬戦は、どっちが勝つと思う?」
「アリサさんかな」
ガルーレの質問に、スティームは殆ど迷わずに答えた。
当然のことながら、スティームはフローレンスの実力を嘗めているわけではない。
ただ……数日間の間に、スティームは既にアリサと模擬戦を行っており、その強さを身に染みて理解していた。
赤雷は使わず、雷を纏う程度に強化は留めていたが、それでも結果は全戦全敗。
それはスティームだけではなく、ガルーレも同じだった。
「スティームも同じなのね」
「全てを使って良いのであれば、また話は別だと思うけど、そうじゃないなら……アリサさんに勝てるイメージが湧かないかな」
一応……アリサは、冒険者としては現役を引退している。
だが、自分も戦争に参加する為にと、一から鍛え直すことも含め、ガルシアたちと共にダンジョンに潜り続け、レベルを上げた。
肉体の劣れによって、身体能力や判断速度の低下は起こる。
それでもレベルを上げることによって、更に身体能力を向上させることは、確かに可能……可能ではあるものの、アリサは一度家庭に入った人間。
家庭に入れば、元冒険者や騎士の女性であっても、守るべき者たちやまだ自分が死ねない理由などから、再び強くなる為に魑魅魍魎たちに本気で挑み、既にそこそこ上がってしまっているレベルを更に上げることは……メンタル的にも辛い部分がある。
「……アリサさんってさ、アマゾネスじゃないんだよね」
「ん~~~~…………そう、ね。ていうか、仮にアマゾネスだったら、アラッドは女の子だし」
「そうか……そうだよね」
明らかに、普通ではない。
四十に迫ろうとしている者のメンタルや向上心、動きではない。
ただ……そんなアリサの普通ではない部分を知ることで、納得出来る部分も見えてくる。
(フールさんとアリサさんの間に生まれたからこそ、アラッドはアラッドで普通じゃなかったのかな……)
理屈の上で語るのであれば、普通ではない二人から生まれた子供も普通ではない可能性がある。
「アラッドにフールさんに、アリサさん……なんか、この三人だけでも大多数の騎士や冒険者を蹴散らせそうよね」
「そうだね」
まさに最強の親子パーティー!!! ……というのは、あながち誇張表現でもない。
ただ、アルバース王国とゴリディア帝国ではない国の者からすれば、その三人だけではなくファルとヴァジュラという従魔を従えるスティームとガルーレも十分な戦力である。
そこに加えて、精霊と契約を結んでいるフローレンスに、冒険者であれば出産後というハンデがあるとはいえ、ほぼあと一歩のところまで追い詰めたディーナ……フローレンスと同じく騎士であれば、黒炎を会得したギーラスもいる。
攻撃力という点に関しては、パッと見アルバース王国の方が優勢に見えてもおかしくない。
「ふぅ~~~、良い戦いだったわ!!」
「こちらこそ、良い経験が出来ました」
アリサ対フローレンスの模擬戦は、二人の予想通りアリサの勝ち。
その後、少し休憩した後に二人はアリサから一対二で自分と戦わないかと誘われ……決して嘗められるとは思わず、気合を入れて模擬戦に挑むのだった。
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