スキル「糸」を手に入れた転生者。糸をバカにする奴は全員ぶっ飛ばす

Gai

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千二百五十二話 想定済み

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「いくぜ、ルリナっ!!!!」

「えぇ。いきましょう、ガルア」

ギーラスが強敵とバチバチに戦っていた頃、弟と妹であるガルアとルリナもゴリディア帝国の戦闘者とバチバチに戦り合っていた。

と言うよりも……相手が同格ではないということもあり、戦闘内容はやや一方的となっていた。

二人は別の腹から生まれているということもあり、アッシュやシルフィーのように双子ではない。
ただ、同じ歳に生まれた存在であり……違う腹から生まれたということもあって、一番身近ならライバルとも言えた。

それでも二人は互いに暴言を吐き合う様な関係ではなく、二人で狩りに出かけることも珍しくなかった。
そのため、槍と細剣という珍しい組み合わせのタッグではあるが、そこら辺のタッグよりもコンビネーションの精度は抜群。

勿論、二人が自由に動けるのは、同じ騎士団のメンバーたちが上手く周囲の対応を行ってくれているからと言うのもある。

「「「「「ぅおおおおおおッ!!!!!!」」」」」

(数で来たか、そんならッ!!!!!!!)

実では勝てないと判断した兵士たちが数の差で潰そうと攻め込む。

それに対してガルアは魔力を纏った槍を豪快に薙ぎ払い、範囲が広い斬撃波を放った。
犠牲になる者が数名出るも、跳ぶ……もしくはスライディングといった回避方法でガルアの懐に潜り込もうとする。

「ぐっ!?」

「あぶッ!!!」

「いぎぁっ!!!???」

だが、それをルリナが許すはずもなく、複数の刺突が放たれた。
運良く躱す者もいたが、ある者は腸を貫かれ、他にも眼を……そのまま頭を貫かれる者もいた。

「おぃ、あの二人は」

「……みたいだな」

少し離れた場所に居たゴリディア帝国の戦闘者たちが、何かを確認。

彼らがその場を離れてから約五分後……徐々に雑兵たちが別の戦場へ移動し、ガルアと同じく槍を扱う者や双剣を扱うCランク冒険者にロックリザードを従魔に持つ冒険者。

加えてベテラン騎士や魔術師まで集まり始めた。

(これは……私たちを、潰しにきたわね)

確かに今のところ、二人は無傷で戦場を動き続けていた。
着実に兵士や冒険者の数を減らしていた。

しかし、まだゴリディア帝国にとって大きな脅威と認識されるほど大きく大胆に暴れてはいない。

そのため、ルリナは何かしらの明確な理由があって自分たちが狙われていると予想。
ただ、その理由を解明する余裕はない。

「ガルアっ!!!!」

「解ってんよっ!!! いきなり、クライマックスってやつだなッ!!!!!」

二人にとっても、二人と共に行動している騎士、魔術師にとっても決して楽な相手ではない。

先程までのイケイケムードから一転、全員の表情に緊張感が走り、険しさが刻まれる。

「ぅおらッ!!! 死に晒せやぁあああああ!!!!」

「しッ!!! ふッ!!!! ハッ!!!!!!!」

「ぬぅうううんッ!!! せぇえええやッ!!!!」

冒険者と騎士が混ざっているため、お世辞にも連携が取れているとは言えないが、それでもガルアたちにとってCランクモンスターを相手に一人で戦えるほどの実力を持つ者たちとの戦闘は、どの攻撃も急所に刃を突き付けられる錯覚を感じさせられる。

だが……魔術師、狩人たちが放つ遠距離攻撃は、全て別方向から放たれる遠距離攻撃によって潰されてしまう。

「なっ! いったいどこからっ!!??」

「ちっ!! 随分と、離れた距離からっ!!!!」

彼らはなんとか自身に迫る攻撃に対応するも、それで精一杯の状況に追い込まれる。

ゴリディア帝国がガルア、ルリナがいる戦場に実力のある者たちを集めたのには、明確な理由があった。
それは、パーシブル侯爵家の人間である二人を捉え、人質として利用するため。

侯爵家の人間であれば、同じ戦場に長男であるギーラスもいる。

だが、単純な戦力を視れば二人よりもギーラスの方が上。
ガルアとルリナは同僚たちと共にBランクモンスターを討伐した経験こそあるが、ギーラスは暴風竜ボレアスの息子、風竜ストールを一人で討伐したという実績がある。

ストール討伐後も、何度かBランクモンスターをソロで討伐しており……彼の友人であるディックスも似た様な実績を有している。
どう視ても、ギーラスを捉えるよりもガルアとルリナの二人を捉える方が、消耗する戦力を抑えられる。

「くっ、こいつは」

「ぬぅううっ!!!」

早めに姿を把握し、丁度良い戦力を投入することが出来た。
後は捉えるだけだったが……アルバース王国大将の一人、ロードス・バスターは決して心臓や脳みそだけではなく、細胞の隅々まで筋肉に支配されている、というわけではない。

ゴリディア帝国の連中が友人の子供を狙い、家族の動揺を誘い、少しでも戦力を削ごうとするんじゃないか、ということぐらいは予想出来ていた。

そのため、上層部が複数人の宮廷魔術師や弓や魔法の扱いに長けた冒険者に指示を出し、その時が来れば二人やガルアとルリナの周りにいる者たちも援護するように伝えていた。

決して賢くはないが、それでも感覚だけで生きているだけではなく……なにより、彼は人の意見を聞くことが出来る筋肉ゴリラ大剣騎士。

それがロードス・バスターである。
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