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第178話 理不尽への挑戦
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「っ!!!!????」
(((チャンスッ!!!!!!)))
尾が根元に近い部分から切断された。
当然の事ながら、今回の戦いが始まってから一番の大ダメージ。
鬼竜・尖の動きが大きく鈍る。
(こんな時こそ!!!!)
千載一遇のチャンスが巡って来た。
だからこそ……フィリップは冷静さを保ち続け、前に出るのではなく、後方から多数の雷閃を放った。
直接鬼竜・尖に当てるのではなく、左右に逃げるという選択肢を与えない為の攻撃。
(了解!!!!)
言葉はなくとも、フィリップからの意志を受け取ったイブキ。
真正面から刀技……居合・桜乱を発動。
通常の居合斬りよりも速く、次の一刀を更に速く振るうことができ……それが最大、十回まで続く。
今現在、イブキの力量では四回までが限度。
「ッ!! ッ、っ!? ッ!!!!!」
だが、刀という武器は、鬼竜・尖にとってイブキが初の使い手。
事前にイブキの戦闘光景も観察していたが、その間にイブキは居合・桜乱を一度も使用していなかった。
一刀事に速度が上がる斬撃に戸惑いを隠せない。
しかし、それでも鬼竜・尖は食らえばバラバラに切断されてもおかしくない四つの斬撃を見事耐え切った。
「疾ッ!!!!!!!!!」
「っ!!!!??? っ……ゴバっ!!!!!!!」
雷閃による移動の制限、居合・桜乱による前方への意識の集中。
フィリップとイブキの働きによって、お膳立ては整った。
早い段階でガルフは鬼竜・尖の視界から消えた。
そしてジャストタイミングで闘気を纏ったロングソードを鬼竜・尖の心臓に突き立てた。
いくら強力な再生の力を持つ存在とはいえ、心臓を貫かれてはひとたまりもない。
完全に貫かれてしまえば、再生の機能を失ってしまう。
間違いなく……決着だった。
「っ、ッ!!!!!!!!!」
「なっ!!!!??? ぐっ!!!!!!!!!!」
しかし、鬼竜・尖は自身の心臓を貫いた刃の部分を後方へ押し込み、渾身の一撃で背後に振り返り……ガルフを叩き斬った。
(ど、どうしてっ!!!???)
咄嗟の反応で再度闘気を纏ったが、受けが不十分だったため、思いっきり後方へ飛ばされてしまった。
「ふざけんなってのッ!!!!!!」
あり得ない、何故、どうして。
疑問が浮かび上がると同時に、怒りもこみ上げる。
そんな状態であってもフィリップは冷静さを失わず、即座に斬り飛ばされたガルフの元へ駆け寄り、イブキはミシェラの元へ移動。
「大丈夫ですか、ミシェラさん」
「え、えぇ……所々痛みますが、大丈夫ですわ。ただ……今はそれよりも、謎を解かなければ」
ミシェラから見ても、間違いなくガルフが突き出したロングソードは鬼竜・尖の心臓を貫いていた。
(どうしてですの!? どれだけ強い再生力を持っていても、あそこまで完全に心臓を貫かれれば……)
理由が思い浮かばない。
だが、現に鬼竜・尖はまだ生きている。
「な~~~るほど。そういう事か」
緊張が走る戦場に、緩い言葉が入り込む。
「とりあえず四人とも下がれ」
リーダーからの指示に、まだ謎が解消していない四人は素直に下がった。
鬼竜・尖としては一人ぐらいは仕留めたいところだったが、いつイシュドから攻撃が飛んでくるか分からないため、あえて動かなかった。
「イシュド、何が解りましたの」
「あの個体……もう一つ心臓を持ってやがる」
「「「「っ!!!!!?????」」」」
驚きが過ぎる内容に、四人はまだ鬼竜・尖が生きているというのに、驚きを隠せず固まってしまった。
「イシュド……それは、本当なの?」
「お前が心臓を貫いた瞬間、別の場所から強い生命力を感じ取った。魔石はまた別の場所にあるだろうから、それを考えると別の場所に……反対側の位置にもう一つ心臓がある筈だ」
イシュドも過去に再生の能力、またはスキルを持つ個体と戦ったことがあるので知っている。
腕や脚を切断されても再生し、心臓を少し傷付けただけでは殺せない。
しかし、心臓を完全に切断、もしくは貫くことが出来れば殺せる。
再生能力持ちの相手と戦闘経験が一度や二度ではないため、自身を持って断言出来る。
そして、そんなイシュドの確信に関してだが……まさにその通りだった。
「あいつは、もしかしたらオーガとリザードマンがやる事やって生まれた個体じゃねぇのかもな」
鬼竜・尖は再生のスキルを持っていたオーガとリザードマンの心臓が復活を諦めず、活動し続けた結果生まれた、正真正銘のイレギュラー個体。
故に、誕生の経緯を知っていれば、心臓が二つあるという不思議現象をも納得出来る。
ただ、イシュドはそこまで知らないため、モンスターはモンスターで未知の部分があると無理矢理納得していた。
「はぁ~~~~、つまりあいつを殺すには首を刎ねるか、心臓を同時に二つ潰すかしないとダメってことか」
「まっ、そいう事になるな」
調査ということもあり、可能であれば魔石は回収したい。
「さて……どうする。変わるか?」
「僕は、まだ戦うよ。まだ、折れてないから」
ノータイムでまた自分は戦うと宣言するガルフ。
「自棄か? それとも意地かプライドか?」
「理不尽への挑戦」
「………………ったく、死なねぇ程度に気張って来い」
「うん」
再度、ノータイムで冷静な答えを返されては、イシュドとしても無理矢理変われとは言えなかった。
「残業、ってやつか?」
「嫌なら下がっても良いのよ」
「バ~~~カ。やるに決まってんだろ似非令嬢」
「なんですって!!!!????」
「二人とも、戦る気は全て目の前の強敵に向けてください」
ガルフという存在は、三人にとってまさに起爆剤の様な友人。
彼がまだ前に進むと宣言しているのに……自分たちが脚を止める訳にはいかないという意地が燃え上がる。
(((チャンスッ!!!!!!)))
尾が根元に近い部分から切断された。
当然の事ながら、今回の戦いが始まってから一番の大ダメージ。
鬼竜・尖の動きが大きく鈍る。
(こんな時こそ!!!!)
千載一遇のチャンスが巡って来た。
だからこそ……フィリップは冷静さを保ち続け、前に出るのではなく、後方から多数の雷閃を放った。
直接鬼竜・尖に当てるのではなく、左右に逃げるという選択肢を与えない為の攻撃。
(了解!!!!)
言葉はなくとも、フィリップからの意志を受け取ったイブキ。
真正面から刀技……居合・桜乱を発動。
通常の居合斬りよりも速く、次の一刀を更に速く振るうことができ……それが最大、十回まで続く。
今現在、イブキの力量では四回までが限度。
「ッ!! ッ、っ!? ッ!!!!!」
だが、刀という武器は、鬼竜・尖にとってイブキが初の使い手。
事前にイブキの戦闘光景も観察していたが、その間にイブキは居合・桜乱を一度も使用していなかった。
一刀事に速度が上がる斬撃に戸惑いを隠せない。
しかし、それでも鬼竜・尖は食らえばバラバラに切断されてもおかしくない四つの斬撃を見事耐え切った。
「疾ッ!!!!!!!!!」
「っ!!!!??? っ……ゴバっ!!!!!!!」
雷閃による移動の制限、居合・桜乱による前方への意識の集中。
フィリップとイブキの働きによって、お膳立ては整った。
早い段階でガルフは鬼竜・尖の視界から消えた。
そしてジャストタイミングで闘気を纏ったロングソードを鬼竜・尖の心臓に突き立てた。
いくら強力な再生の力を持つ存在とはいえ、心臓を貫かれてはひとたまりもない。
完全に貫かれてしまえば、再生の機能を失ってしまう。
間違いなく……決着だった。
「っ、ッ!!!!!!!!!」
「なっ!!!!??? ぐっ!!!!!!!!!!」
しかし、鬼竜・尖は自身の心臓を貫いた刃の部分を後方へ押し込み、渾身の一撃で背後に振り返り……ガルフを叩き斬った。
(ど、どうしてっ!!!???)
咄嗟の反応で再度闘気を纏ったが、受けが不十分だったため、思いっきり後方へ飛ばされてしまった。
「ふざけんなってのッ!!!!!!」
あり得ない、何故、どうして。
疑問が浮かび上がると同時に、怒りもこみ上げる。
そんな状態であってもフィリップは冷静さを失わず、即座に斬り飛ばされたガルフの元へ駆け寄り、イブキはミシェラの元へ移動。
「大丈夫ですか、ミシェラさん」
「え、えぇ……所々痛みますが、大丈夫ですわ。ただ……今はそれよりも、謎を解かなければ」
ミシェラから見ても、間違いなくガルフが突き出したロングソードは鬼竜・尖の心臓を貫いていた。
(どうしてですの!? どれだけ強い再生力を持っていても、あそこまで完全に心臓を貫かれれば……)
理由が思い浮かばない。
だが、現に鬼竜・尖はまだ生きている。
「な~~~るほど。そういう事か」
緊張が走る戦場に、緩い言葉が入り込む。
「とりあえず四人とも下がれ」
リーダーからの指示に、まだ謎が解消していない四人は素直に下がった。
鬼竜・尖としては一人ぐらいは仕留めたいところだったが、いつイシュドから攻撃が飛んでくるか分からないため、あえて動かなかった。
「イシュド、何が解りましたの」
「あの個体……もう一つ心臓を持ってやがる」
「「「「っ!!!!!?????」」」」
驚きが過ぎる内容に、四人はまだ鬼竜・尖が生きているというのに、驚きを隠せず固まってしまった。
「イシュド……それは、本当なの?」
「お前が心臓を貫いた瞬間、別の場所から強い生命力を感じ取った。魔石はまた別の場所にあるだろうから、それを考えると別の場所に……反対側の位置にもう一つ心臓がある筈だ」
イシュドも過去に再生の能力、またはスキルを持つ個体と戦ったことがあるので知っている。
腕や脚を切断されても再生し、心臓を少し傷付けただけでは殺せない。
しかし、心臓を完全に切断、もしくは貫くことが出来れば殺せる。
再生能力持ちの相手と戦闘経験が一度や二度ではないため、自身を持って断言出来る。
そして、そんなイシュドの確信に関してだが……まさにその通りだった。
「あいつは、もしかしたらオーガとリザードマンがやる事やって生まれた個体じゃねぇのかもな」
鬼竜・尖は再生のスキルを持っていたオーガとリザードマンの心臓が復活を諦めず、活動し続けた結果生まれた、正真正銘のイレギュラー個体。
故に、誕生の経緯を知っていれば、心臓が二つあるという不思議現象をも納得出来る。
ただ、イシュドはそこまで知らないため、モンスターはモンスターで未知の部分があると無理矢理納得していた。
「はぁ~~~~、つまりあいつを殺すには首を刎ねるか、心臓を同時に二つ潰すかしないとダメってことか」
「まっ、そいう事になるな」
調査ということもあり、可能であれば魔石は回収したい。
「さて……どうする。変わるか?」
「僕は、まだ戦うよ。まだ、折れてないから」
ノータイムでまた自分は戦うと宣言するガルフ。
「自棄か? それとも意地かプライドか?」
「理不尽への挑戦」
「………………ったく、死なねぇ程度に気張って来い」
「うん」
再度、ノータイムで冷静な答えを返されては、イシュドとしても無理矢理変われとは言えなかった。
「残業、ってやつか?」
「嫌なら下がっても良いのよ」
「バ~~~カ。やるに決まってんだろ似非令嬢」
「なんですって!!!!????」
「二人とも、戦る気は全て目の前の強敵に向けてください」
ガルフという存在は、三人にとってまさに起爆剤の様な友人。
彼がまだ前に進むと宣言しているのに……自分たちが脚を止める訳にはいかないという意地が燃え上がる。
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