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少年期[372]つい、うとうとうっかりと
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屋敷の中や庭を全て紹介されたゼルートは一旦休憩しようと普段着に着替えてベッドに倒れ込んだ。
「・・・・・・なんだよこのベッドの柔らかさ。いつも寝てるベッドと中々に違うんだが」
普段泊まっているベットが悪い訳では無い。しかしこのベッドで寝るのに慣れてしまったらドーウルスの街の宿で再び泊める時、宿のベッドでは中々寝付けなくなってしまうのではとゼルートは思えてならない。
「基本的にはドーウルスの街を拠点にして住んでるんだし、他の街へ長期間滞在する予定が出来たとしてもドーウルスにそこそこ広い家を持っておくか」
宿での生活に不満がある訳では無いゼルートだが、自身の家が欲しいといえば欲しい。
なのでドーウルスへ戻れば不動産屋へに行ってまずはどんな土地があるのか調べるようと決めた。
このままちょっとだけ昼寝をしようか、そう思ったゼルートだがノックの音に遠のきそうになっていた意識が一気に引き戻された。
「ゼルート、起きてる?」
「ああ、起きてるぞ」
ゼルートから返事が返って来たのを確認したアレナが扉を開け、ルウナと一緒に部屋へ入る。
「今日は外で夕食を食べようと思ってるのだけど、ゼルートは屋敷で食べる方が良いかしら?」
「・・・・・・いや、折角王都に来た初日なんだ。王都の店で料理を喰ってみよう」
ドーウルスの料理店の料理も美味いと感じるが、扱う食材が違うであろう王都の料理店の料理も楽しみなゼルートは取りあえず今日は外食しようと決めた。
全員私服になっているが、帯剣だけはして部屋から出る。
そしてすれ違った執事の一人に外出し、外で夕食を食べる事を伝えた。
「かしこまりした。自分から料理長の方へ伝えておきます。お気をつけていってらっしゃいませ」
執事の綺麗なお辞儀に言葉遣いにゼルートは子供の時は勿論屋敷に住んでおり、こういった言葉遣いのメイドや執事と話す事はあったが、それでも慣れないと感じた。
「有難い事なんだろうけど、やっぱむず痒く感じるな」
「私もちょっとね。Aランクだった時はやっぱり年下の冒険者の子には敬語を使われていたんだけど、ここまで綺麗な言葉遣いでは無かったから同じような気持ちよ。ルウナもそんな感じかしら?」
「そうだな。正直私にそんな言葉を使わなくてもいいのにという気持ちが大きいな。まぁ、そう長い間この屋敷に滞在する訳では無いから我慢するとしよう。しかし侯爵家の別荘と言うだけあって中も本当に広いな」
何十人という人が入れる風呂が男女共にあり、訓練場もある程度の広さがあったのにゼルートは驚くと同時にこれはありだなと感じた。
(ドーウルスに家を建てるとしたらやっぱり朝のびのびと訓練が出来る場所が欲しいな)
訓練場には侯爵家が落ちる前と変わらず訓練ようの武器などが多数残っている。
それを少し貰って自分が家を建てた時の訓練場に置こうかとゼルートはこれも有りだなと思いながら頷く。
大量の金を持っているゼルートだが、金を払わずに済むならそれに越した事は無いとも思っているので意外とケチな部分もある。
「大きなお風呂があるのは嬉しいわね」
「帰ってきたらのんびりと湯につかろう。ただしあまりにものんびりし過ぎてのぼせるなよ」
「それぐらいは気を付けるに決まってるじゃない」
気持ち良すぎて風呂で寝てしまい、気付いたらブクブクと・・・・・・なんて事には流石にならないとアレナは自信をもって言いきった。
「だがアレナ、冒険を終えて疲れた後の風呂ならばうっかり風呂で寝てしまう事もあるんじゃないか?」
ルウナの言葉に対してアレナは即座に否定しようとしたが、気付いたら顔が水の中にという事は無かったが、それでもあと少し遅ければそうなってしまったかもしれない経験を思い出し、数秒の間無言になってしまった。
「・・・・・・なんだよこのベッドの柔らかさ。いつも寝てるベッドと中々に違うんだが」
普段泊まっているベットが悪い訳では無い。しかしこのベッドで寝るのに慣れてしまったらドーウルスの街の宿で再び泊める時、宿のベッドでは中々寝付けなくなってしまうのではとゼルートは思えてならない。
「基本的にはドーウルスの街を拠点にして住んでるんだし、他の街へ長期間滞在する予定が出来たとしてもドーウルスにそこそこ広い家を持っておくか」
宿での生活に不満がある訳では無いゼルートだが、自身の家が欲しいといえば欲しい。
なのでドーウルスへ戻れば不動産屋へに行ってまずはどんな土地があるのか調べるようと決めた。
このままちょっとだけ昼寝をしようか、そう思ったゼルートだがノックの音に遠のきそうになっていた意識が一気に引き戻された。
「ゼルート、起きてる?」
「ああ、起きてるぞ」
ゼルートから返事が返って来たのを確認したアレナが扉を開け、ルウナと一緒に部屋へ入る。
「今日は外で夕食を食べようと思ってるのだけど、ゼルートは屋敷で食べる方が良いかしら?」
「・・・・・・いや、折角王都に来た初日なんだ。王都の店で料理を喰ってみよう」
ドーウルスの料理店の料理も美味いと感じるが、扱う食材が違うであろう王都の料理店の料理も楽しみなゼルートは取りあえず今日は外食しようと決めた。
全員私服になっているが、帯剣だけはして部屋から出る。
そしてすれ違った執事の一人に外出し、外で夕食を食べる事を伝えた。
「かしこまりした。自分から料理長の方へ伝えておきます。お気をつけていってらっしゃいませ」
執事の綺麗なお辞儀に言葉遣いにゼルートは子供の時は勿論屋敷に住んでおり、こういった言葉遣いのメイドや執事と話す事はあったが、それでも慣れないと感じた。
「有難い事なんだろうけど、やっぱむず痒く感じるな」
「私もちょっとね。Aランクだった時はやっぱり年下の冒険者の子には敬語を使われていたんだけど、ここまで綺麗な言葉遣いでは無かったから同じような気持ちよ。ルウナもそんな感じかしら?」
「そうだな。正直私にそんな言葉を使わなくてもいいのにという気持ちが大きいな。まぁ、そう長い間この屋敷に滞在する訳では無いから我慢するとしよう。しかし侯爵家の別荘と言うだけあって中も本当に広いな」
何十人という人が入れる風呂が男女共にあり、訓練場もある程度の広さがあったのにゼルートは驚くと同時にこれはありだなと感じた。
(ドーウルスに家を建てるとしたらやっぱり朝のびのびと訓練が出来る場所が欲しいな)
訓練場には侯爵家が落ちる前と変わらず訓練ようの武器などが多数残っている。
それを少し貰って自分が家を建てた時の訓練場に置こうかとゼルートはこれも有りだなと思いながら頷く。
大量の金を持っているゼルートだが、金を払わずに済むならそれに越した事は無いとも思っているので意外とケチな部分もある。
「大きなお風呂があるのは嬉しいわね」
「帰ってきたらのんびりと湯につかろう。ただしあまりにものんびりし過ぎてのぼせるなよ」
「それぐらいは気を付けるに決まってるじゃない」
気持ち良すぎて風呂で寝てしまい、気付いたらブクブクと・・・・・・なんて事には流石にならないとアレナは自信をもって言いきった。
「だがアレナ、冒険を終えて疲れた後の風呂ならばうっかり風呂で寝てしまう事もあるんじゃないか?」
ルウナの言葉に対してアレナは即座に否定しようとしたが、気付いたら顔が水の中にという事は無かったが、それでもあと少し遅ければそうなってしまったかもしれない経験を思い出し、数秒の間無言になってしまった。
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