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少年期[424]その一線を越えてしまいかねない魅力
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日が暮れるまでゼルートが動かす簡易トラックは順調に進み。
途中でモンスターや盗賊の邪魔が入る事無く、目的地までの距離は確実に縮んだ。
そして夕食時、ゼルートがアイテムバッグから出来立ての料理を出したところで魔導の戦斧以外のパーティーが固まる。
噂は事前に聞いてはいたが、それでも実際に目にすると驚かずにはいられず、更に料理を一口食べて出来立てだとしたが解ると、一気に視線がゼルートが持つアイテムバッグに集まった。
(おーいおいおいおーい、もしかして前回のオークとゴブリンの群れの討伐時みたいな状況になんの? 勘弁してくれよ。あんたら上位ランクの冒険者なんだから金は大量に持っているだろ)
ある程度無駄遣いをしないCランク以上の冒険者ならある程度の貯蓄がある。
それこそ体力の限界まで頑張れば老後の心配は無い。
それに元高位ランクの冒険者ともなれば、働き口はそこそこある。
なので基本的に正確に難がある者でなければ金に困る事は無い。
だが、贅沢に遊んで暮らせるほど稼げるかといえば、それは難しい。
それこそ、高位ランクの冒険者の中でも一握りの存在だけだろう。
(確かにこいつを売れば見たら失神しそうなほど大量の金が手に入るだろう。でも、それが周囲に伝わった時点で誰かしらに狙われる人生を送ることになると思うんだが・・・・・・今アイテムバッグの事しか頭にない奴らに何を言っても無駄そうな感じだ)
乱戦の最中にモンスター以外の第三者から狙われるなど、本気でふざけるなという話。
しかし、このまま何も対処しなければ面倒事に発展する可能性は消えない。
「ゼルート、飯食べ終わったら俺とちょっと軽く運動しないか?」
「・・・・・・はい、解りました」
グレイスは他のパーティーの連中とちょいちょい付合いがあるので、馬鹿な事をするような奴らでは無いと知っている。
だがそれでもゼルートが持つアイテムバッグは、冒険者が犯罪者に転がり落ちない為の一線を容易に越えてしまう程に魅力がある物。
ゼルートと同じようにグレイスも万が一の可能性があると思い、夕食後に摸擬戦をしようと声を掛けた。
その意図が直ぐに解ったゼルートは誘いに乗り、夕食を食べ終えた十分後に摸擬戦を始めた。
お互いに使うスキルは身体強化のみ。魔剣や魔斧は使わない。
といったルール―を決めてから三分程の戦いが始まる。
それを見ていた他のパーティーメンバー達は唖然とした表情になり、先程まで頭の片隅に残っていた考えが完全に掻き消された。
グレイスとゼルートは身体強化を使う場面もあるが、お互いに全力で動いてはいない。
しかし当たればどれも怪我を負う一撃を平然と放っている。
そしてその攻撃はどれも直撃はしていない。
グレイスは元々接近戦特化の冒険者であり、ゼルートも魔法による遠距離攻撃が才能的には上であっても性格的には接近戦が好みである。
そんな二人による摸擬戦は他の冒険者の頭に浮かんだしょうもない考えを吹き飛ばすには十分だった。
三分後、結局お互いに一撃もクリーンヒットすることは無く摸擬戦は終了した。
「いやーーーー、良い汗かいたぜ。なぁ、ゼルート。風呂作って貰っても良いか?」
「良いですよ。俺も丁度入りたいと思っていましたから」
二人の言葉に何を言っているのか解らない冒険者達はゼルートが風呂と温水を作る様子を見て、二度とこいつに喧嘩は売らないと誓った。
そして風呂と除き防止の壁が制作され、ゲイル達も人の姿になって男女に分かれて湯に浸かる。
途中でモンスターや盗賊の邪魔が入る事無く、目的地までの距離は確実に縮んだ。
そして夕食時、ゼルートがアイテムバッグから出来立ての料理を出したところで魔導の戦斧以外のパーティーが固まる。
噂は事前に聞いてはいたが、それでも実際に目にすると驚かずにはいられず、更に料理を一口食べて出来立てだとしたが解ると、一気に視線がゼルートが持つアイテムバッグに集まった。
(おーいおいおいおーい、もしかして前回のオークとゴブリンの群れの討伐時みたいな状況になんの? 勘弁してくれよ。あんたら上位ランクの冒険者なんだから金は大量に持っているだろ)
ある程度無駄遣いをしないCランク以上の冒険者ならある程度の貯蓄がある。
それこそ体力の限界まで頑張れば老後の心配は無い。
それに元高位ランクの冒険者ともなれば、働き口はそこそこある。
なので基本的に正確に難がある者でなければ金に困る事は無い。
だが、贅沢に遊んで暮らせるほど稼げるかといえば、それは難しい。
それこそ、高位ランクの冒険者の中でも一握りの存在だけだろう。
(確かにこいつを売れば見たら失神しそうなほど大量の金が手に入るだろう。でも、それが周囲に伝わった時点で誰かしらに狙われる人生を送ることになると思うんだが・・・・・・今アイテムバッグの事しか頭にない奴らに何を言っても無駄そうな感じだ)
乱戦の最中にモンスター以外の第三者から狙われるなど、本気でふざけるなという話。
しかし、このまま何も対処しなければ面倒事に発展する可能性は消えない。
「ゼルート、飯食べ終わったら俺とちょっと軽く運動しないか?」
「・・・・・・はい、解りました」
グレイスは他のパーティーの連中とちょいちょい付合いがあるので、馬鹿な事をするような奴らでは無いと知っている。
だがそれでもゼルートが持つアイテムバッグは、冒険者が犯罪者に転がり落ちない為の一線を容易に越えてしまう程に魅力がある物。
ゼルートと同じようにグレイスも万が一の可能性があると思い、夕食後に摸擬戦をしようと声を掛けた。
その意図が直ぐに解ったゼルートは誘いに乗り、夕食を食べ終えた十分後に摸擬戦を始めた。
お互いに使うスキルは身体強化のみ。魔剣や魔斧は使わない。
といったルール―を決めてから三分程の戦いが始まる。
それを見ていた他のパーティーメンバー達は唖然とした表情になり、先程まで頭の片隅に残っていた考えが完全に掻き消された。
グレイスとゼルートは身体強化を使う場面もあるが、お互いに全力で動いてはいない。
しかし当たればどれも怪我を負う一撃を平然と放っている。
そしてその攻撃はどれも直撃はしていない。
グレイスは元々接近戦特化の冒険者であり、ゼルートも魔法による遠距離攻撃が才能的には上であっても性格的には接近戦が好みである。
そんな二人による摸擬戦は他の冒険者の頭に浮かんだしょうもない考えを吹き飛ばすには十分だった。
三分後、結局お互いに一撃もクリーンヒットすることは無く摸擬戦は終了した。
「いやーーーー、良い汗かいたぜ。なぁ、ゼルート。風呂作って貰っても良いか?」
「良いですよ。俺も丁度入りたいと思っていましたから」
二人の言葉に何を言っているのか解らない冒険者達はゼルートが風呂と温水を作る様子を見て、二度とこいつに喧嘩は売らないと誓った。
そして風呂と除き防止の壁が制作され、ゲイル達も人の姿になって男女に分かれて湯に浸かる。
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