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少年期[659]さすがラームだ
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「まっ、こんなもんだな」
「……五分掛からなかったわね。素材の状態は決して悪くない。一番価値がある魔石には一切傷が付いていない……ボスと戦ったにしては良い状態ね」
「正直な話、ゼルートが脚力を最大にして首を斬りにいけば、大抵の魔物は一斬りで終わるんじゃないか?」
ホーリーミノタウロスとのぶつかり合いは決して悪くなかった。
アレナの言う通り、素材や魔石の状態も良い。
だが、過去にゼルートと対峙して全く動けず負けたルウナはふと思ってしまった。
ゼルートが脚力マックスで近づけば、殆どホーリーミノタウロスを傷付けずに倒せたのではないかと。
「脚力をマックスにしたら、確かにさっきみたいにスパッと斬って終わるかもな。でも、そんなのつまらないだろ」
「そうだな。それに関しては全くもって同感だ。ただ、切断した部分を凍らせるというのは良いな」
「かもな。けど、ルウナだって炎で切断面を焦がせば同じようなことができるだろ」
「それはそうだが……アレナも素材の状態を考えたら、氷の方が良いと思わないか?」
「冒険者としてはあまり素材が傷付かない氷の方良いけど、あんまり気にしない方が良いんじゃないの? ルウナはあまりそういうことを考えるのは性に合わないでしょ」
ルウナに対して若干失礼なことを言ってるのだが、本人は全く気にしていなかった。
「……うむ、確かにそうだな!! 気にするのは止めよう。さて、目的のボスを倒したのだ。早速宝箱の中身を見よう、ゼルート」
「そうだな。できれば一発で目的の物が入ってれば良いんだが……」
ラームが強奪によってダンジョンで生まれた魔物から運を奪い、溜め込んでいた。
なので、欲しいもの……もしくは珍しい物が手に入る確率が高い。
「…………ぃよっしゃっ!!!!!!!」
宝箱の錠を開け、中身を確認すると宝箱の中には目的の物である聖魔石が入っていた。
「ふぅーーー、一発で手に入るなんて本当に運が良いわね。ラーム様々よ」
「あぁ、マジで良かった。ありがとな、ラーム」
「えへへへへへ。どういたしまして!!!!」
六人の実力を考えれば五十一階層からボス部屋まで猛ダッシュで降りることができるが、それでも次のボス戦でも聖魔石が手に入らなかったらと思うと、焦りが止まらない。
だが、六十階層のボス戦一回目で聖魔石が手に入り、一同はほっと一安心した。
「にしても……この聖魔石の大きさなら、聖剣二つ分ぐらいは造れそうじゃないか?」
「鍛冶に詳しくはないけど、この大きさなら二つ分造れてもおかしくなさそうね……真っ二つにするつもり? ゼルートなら綺麗に斬れるでしょうけど、一応鍛冶ギルドに持って行って調べてもらった方が良いと思うわよ」
「それもそうだな。よし、とりあえず目的の物は手に入れた。地上に戻ろう」
地上に転移される魔法陣の上に乗り、六人は一瞬でダンジョンの入り口に到着。
時間はまだ午後三時過ぎ。夕食を食べるには少々早過ぎる。
という訳で、夕食を食べる前にそのまま鍛冶ギルドに向かった。
「……視線が集まるのはいつものことだが、今日はやけに多い気がするが……何故だ?」
「帰ってきたらいつも多くの素材をギルドで売ってるでしょ。だから今回もどれだけ狩ってきたのか気になってるのよ」
「あぁ、なるほど。うちにはゼルートがいるから、いくらでも持って帰られるからな」
よっぽど優れたアイテムバッグやリングを持っていなければ、ダンジョンの中で倒した魔物の素材を全て持ち帰るのは不可能。
故に、同業者たちはゼルートたちがどの階層を探索していたかよりも、それだけの量を持ち帰って売るのかが気になっていた。
「まっ……事情が事情だからな」
魔法の才能が非凡過ぎたため、個人で容量無制限……加えて時間停止のアイテムバッグやリングを造れるのはゼルートしかいない。
この街に来てから溜め込んでいた魔物の素材を売っているが、それでもアイテムバッグやリングの中にはまだまだ多くの素材が溜め込まれている。
「ここが鍛冶ギルドだな」
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そしてどういった手順、考え方で大まかな設定やストーリーを考えているのかを記載しています。
もし小説を書くという副業をしてみたいと思う方がいれば、是非ご購入してみてください。
お値段は後九日間は百五十円です!
「……五分掛からなかったわね。素材の状態は決して悪くない。一番価値がある魔石には一切傷が付いていない……ボスと戦ったにしては良い状態ね」
「正直な話、ゼルートが脚力を最大にして首を斬りにいけば、大抵の魔物は一斬りで終わるんじゃないか?」
ホーリーミノタウロスとのぶつかり合いは決して悪くなかった。
アレナの言う通り、素材や魔石の状態も良い。
だが、過去にゼルートと対峙して全く動けず負けたルウナはふと思ってしまった。
ゼルートが脚力マックスで近づけば、殆どホーリーミノタウロスを傷付けずに倒せたのではないかと。
「脚力をマックスにしたら、確かにさっきみたいにスパッと斬って終わるかもな。でも、そんなのつまらないだろ」
「そうだな。それに関しては全くもって同感だ。ただ、切断した部分を凍らせるというのは良いな」
「かもな。けど、ルウナだって炎で切断面を焦がせば同じようなことができるだろ」
「それはそうだが……アレナも素材の状態を考えたら、氷の方が良いと思わないか?」
「冒険者としてはあまり素材が傷付かない氷の方良いけど、あんまり気にしない方が良いんじゃないの? ルウナはあまりそういうことを考えるのは性に合わないでしょ」
ルウナに対して若干失礼なことを言ってるのだが、本人は全く気にしていなかった。
「……うむ、確かにそうだな!! 気にするのは止めよう。さて、目的のボスを倒したのだ。早速宝箱の中身を見よう、ゼルート」
「そうだな。できれば一発で目的の物が入ってれば良いんだが……」
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「…………ぃよっしゃっ!!!!!!!」
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「ふぅーーー、一発で手に入るなんて本当に運が良いわね。ラーム様々よ」
「あぁ、マジで良かった。ありがとな、ラーム」
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六人の実力を考えれば五十一階層からボス部屋まで猛ダッシュで降りることができるが、それでも次のボス戦でも聖魔石が手に入らなかったらと思うと、焦りが止まらない。
だが、六十階層のボス戦一回目で聖魔石が手に入り、一同はほっと一安心した。
「にしても……この聖魔石の大きさなら、聖剣二つ分ぐらいは造れそうじゃないか?」
「鍛冶に詳しくはないけど、この大きさなら二つ分造れてもおかしくなさそうね……真っ二つにするつもり? ゼルートなら綺麗に斬れるでしょうけど、一応鍛冶ギルドに持って行って調べてもらった方が良いと思うわよ」
「それもそうだな。よし、とりあえず目的の物は手に入れた。地上に戻ろう」
地上に転移される魔法陣の上に乗り、六人は一瞬でダンジョンの入り口に到着。
時間はまだ午後三時過ぎ。夕食を食べるには少々早過ぎる。
という訳で、夕食を食べる前にそのまま鍛冶ギルドに向かった。
「……視線が集まるのはいつものことだが、今日はやけに多い気がするが……何故だ?」
「帰ってきたらいつも多くの素材をギルドで売ってるでしょ。だから今回もどれだけ狩ってきたのか気になってるのよ」
「あぁ、なるほど。うちにはゼルートがいるから、いくらでも持って帰られるからな」
よっぽど優れたアイテムバッグやリングを持っていなければ、ダンジョンの中で倒した魔物の素材を全て持ち帰るのは不可能。
故に、同業者たちはゼルートたちがどの階層を探索していたかよりも、それだけの量を持ち帰って売るのかが気になっていた。
「まっ……事情が事情だからな」
魔法の才能が非凡過ぎたため、個人で容量無制限……加えて時間停止のアイテムバッグやリングを造れるのはゼルートしかいない。
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