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連載
少年期[1106]寧ろ高い
「っ!! ゼルート様」
「ラル、何かを感じ取ったか」
「えぇ。あちらで普通ではない魔力が動くのを感知しました」
ここ最近、それなりに実力のある冒険者たちや魔塔の魔法使いを殺している猿の魔物に関して調査してほしいと頼まれたゼルート。
調査依頼を受けてから三日後……ようやくそれらしい反応をラルが発見した。
「行くぞ!!」
普通ではない魔力が感じられた方向に向かって猛ダッシュ。
猛者と戦ってきた順番的に、ルウナやアレナ、ラームは戦えないものの……ルウナも例の猿魔物に関しては非常に気になっているため、足取りは早い。
「っ!!!! こいつは…………ちっ!」
現場に到着したゼルートたちの目の前に入ってきた光景は……激戦の後に、重傷を負っている魔法使いや騎士たち。
それを見て、軽く舌打ちをしながらも、ゼルートはまだ回復の手が回っていない者たちにポーションを渡して回る。
「飲めますか」
「た、助かる。ありがとう」
幸いにも死者はいなかったものの、本当に重傷な者が多く動ける者も満足に仲間たちを回復出来ていなかった。
「本当に感謝する、ゼルート殿」
ゼルートから貰ったポーション、マジックポーションのお陰である程度傷が癒え、魔力量も戻った魔術師たち。
彼らは自分たちを助けてくれたのがあのゼルートであると直ぐに把握し、全員が丁寧な態度で例の言葉を伝える。
そんな彼らに……ゼルートは早速助けた報酬を求めた。
「それじゃあ、あんた達が戦ってた魔物に関して教えてもらっても良いか。うちのラルが普通じゃない魔力の動きを感じ取って、ここまで来たんで」
「それぐらい、お安い御用です」
正直なところ、自分たちがやり返したいという思いはあった。
だが、彼らも戦いのプロ。
万全の状態で再戦を望めたとしても、勝利を掴み取れるイメージが上手く浮かばなかった。
加えて、先程自分たちが戦っていた魔物に強い恐怖を感じたのは事実……早い段階で狩られなければ、同業者たちに被害が出てしまうと判断した。
「先程まで私たちが戦っていた魔物は、猿のスケルトンでした」
「猿の、スケルトン……猿の、魔物だったのか」
スケルトンというのは予想外だったものの、猿というキーワードがゼルートたちの求めている者と一致。
「えぇ。その猿はリッチなどが着るようなローブを纏っていながら、非常に格闘戦を得意としていました」
「……冒険者か、あなた達の同業者から奪った物を使っていた、ということですね」
「おそらく、その可能性が高いかと…………加えて、あの猿はアイテムバッグを完全に使いこなしていました」
「「「っ!!??」」」
アイテムバッグを完全に使いこなしていた。
それは、中々に聞き逃せない情報であった。
「使いこなしていた、ということは杖や……その他の武器も、使ったんですか」
「えぇ……それだけではなく、マジックポーションなども、完全に性質理解し、使いこなしていました」
スケルトンがどの様にしてマジックポーションを飲むのかと疑問が浮かぶかもしれないが、自身の体にぶっかけるだけで効果は発揮される。
「生前の記憶がある個体。いや、仮に生前の記憶が残っていたとしても……どう考えても、異質な個体」
今回猿のスケルトンと戦い、敗北してしまった魔術師や騎士たちは決して弱くはなく、全員が顔見知りという事もあり、連携は非常に優れていた。
だが、それでも及ばない多才な攻撃手段を持つ猿のスケルトン。
(成長を経験した個体……いや、だとしてもそこまで成長するのか? 明らかに予想の範疇を越えてる…………けど、猿か…………)
ゼルートの前世の知識にはなるが、人類の祖先は猿。
ある種の猿が進化の道を辿り、人間へと至った。
学習能力が高いという点に関しては、寧ろ猿という存在は中々に侮れない。
ただ、まだ知らなければならない重要な事が残っていた。
「ラル、何かを感じ取ったか」
「えぇ。あちらで普通ではない魔力が動くのを感知しました」
ここ最近、それなりに実力のある冒険者たちや魔塔の魔法使いを殺している猿の魔物に関して調査してほしいと頼まれたゼルート。
調査依頼を受けてから三日後……ようやくそれらしい反応をラルが発見した。
「行くぞ!!」
普通ではない魔力が感じられた方向に向かって猛ダッシュ。
猛者と戦ってきた順番的に、ルウナやアレナ、ラームは戦えないものの……ルウナも例の猿魔物に関しては非常に気になっているため、足取りは早い。
「っ!!!! こいつは…………ちっ!」
現場に到着したゼルートたちの目の前に入ってきた光景は……激戦の後に、重傷を負っている魔法使いや騎士たち。
それを見て、軽く舌打ちをしながらも、ゼルートはまだ回復の手が回っていない者たちにポーションを渡して回る。
「飲めますか」
「た、助かる。ありがとう」
幸いにも死者はいなかったものの、本当に重傷な者が多く動ける者も満足に仲間たちを回復出来ていなかった。
「本当に感謝する、ゼルート殿」
ゼルートから貰ったポーション、マジックポーションのお陰である程度傷が癒え、魔力量も戻った魔術師たち。
彼らは自分たちを助けてくれたのがあのゼルートであると直ぐに把握し、全員が丁寧な態度で例の言葉を伝える。
そんな彼らに……ゼルートは早速助けた報酬を求めた。
「それじゃあ、あんた達が戦ってた魔物に関して教えてもらっても良いか。うちのラルが普通じゃない魔力の動きを感じ取って、ここまで来たんで」
「それぐらい、お安い御用です」
正直なところ、自分たちがやり返したいという思いはあった。
だが、彼らも戦いのプロ。
万全の状態で再戦を望めたとしても、勝利を掴み取れるイメージが上手く浮かばなかった。
加えて、先程自分たちが戦っていた魔物に強い恐怖を感じたのは事実……早い段階で狩られなければ、同業者たちに被害が出てしまうと判断した。
「先程まで私たちが戦っていた魔物は、猿のスケルトンでした」
「猿の、スケルトン……猿の、魔物だったのか」
スケルトンというのは予想外だったものの、猿というキーワードがゼルートたちの求めている者と一致。
「えぇ。その猿はリッチなどが着るようなローブを纏っていながら、非常に格闘戦を得意としていました」
「……冒険者か、あなた達の同業者から奪った物を使っていた、ということですね」
「おそらく、その可能性が高いかと…………加えて、あの猿はアイテムバッグを完全に使いこなしていました」
「「「っ!!??」」」
アイテムバッグを完全に使いこなしていた。
それは、中々に聞き逃せない情報であった。
「使いこなしていた、ということは杖や……その他の武器も、使ったんですか」
「えぇ……それだけではなく、マジックポーションなども、完全に性質理解し、使いこなしていました」
スケルトンがどの様にしてマジックポーションを飲むのかと疑問が浮かぶかもしれないが、自身の体にぶっかけるだけで効果は発揮される。
「生前の記憶がある個体。いや、仮に生前の記憶が残っていたとしても……どう考えても、異質な個体」
今回猿のスケルトンと戦い、敗北してしまった魔術師や騎士たちは決して弱くはなく、全員が顔見知りという事もあり、連携は非常に優れていた。
だが、それでも及ばない多才な攻撃手段を持つ猿のスケルトン。
(成長を経験した個体……いや、だとしてもそこまで成長するのか? 明らかに予想の範疇を越えてる…………けど、猿か…………)
ゼルートの前世の知識にはなるが、人類の祖先は猿。
ある種の猿が進化の道を辿り、人間へと至った。
学習能力が高いという点に関しては、寧ろ猿という存在は中々に侮れない。
ただ、まだ知らなければならない重要な事が残っていた。
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