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思い出すだけで胸が……
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「先ほどの話、セルシア様もなるほどと思いましたか?」
遊泳の鍛錬を一旦終え、昼食タイムの三人。
ラガスがいなかったとしても、適当に魚を捕まえて焼き魚にするぐらいは問題なく行える。
「うん……思った」
「そうなのですね」
「だって、他の人、たちより……ラガスの、話の方が、面白い。一緒に、いて、楽しい、し」
「…………ふふ、そうですか」
セルシアがそう思ってるならなによりであり、メリルとしても主人が彼女にそこまで想われているのは、非常に誇らしいと感じる。
「それにしても、そういったからくりがあったとは……やるわね、シュラ」
「いや、あくまで俺の勝手な想像だけどな。ほら、失敗話って話し方によっちゃ面白いけど、本人がそういった話にしようと思って話さなかったらつまらないだろ」
「……そうね」
メリルに同じメイドの友人ができたように、シュラにも同じ執事の友人たちができ、その中には平民出身の友人もそこそこいた。
執事としての技量はそれぞれ差があるが、シュラの印象では全員話し方が上手い気がした。
「偶にご令嬢と平民の男のラブストーリーの詩が歌われたり、舞台が行われたりするのも、そういうところにある種の憧れがあるからかしら?」
「逆のパターンもあるんじゃねぇか? けど、逆ってなると……あぁ、あれか。ご令嬢たちが自分ではなく自分の家を見てるからどうたらって理由だったか?」
「……良く知ってるわね」
「執事同士の話でちょいちょいそういうのが出てたのを思い出してな」
メイドたちだけではなく、執事たちの中でも恋バナというのはちょいちょい行われていた。
シュラは三度の飯より楽しいバトルが好きに近い鬼人族だが、しっかりと男ではあるため、そういう会話が嫌いではなかった。
シンデレラストーリー、逆シンデレラストーリーは割と一定数の支持を得ている。
「そうだったのね……自分が知らない世界を教えてくれるから、本当の自分を見てくれるから……そういったのが主な理由よね…………」
「理解出来ない内容ってか?」
「そうは言わないわよ。ただ、やっぱり難しい話だと思ってね。家が男爵家……子爵家までならともかく、それ以上の家になると、次期当主などの立場と関係ない人でも難しいはずよ」
次期当主などの立場に関係ないのであれば、何故ダメなのか。
婚約が決まっていないのなら良いのではないか?
そういった疑問に関しては……同じ貴族の者が持つこともある。
そこに関しては、既にそういった風潮があるとしか言えない。
「次期当主か、婚約が決まってる人とかになるとなぁ~~~~。それこそ、あれだろ、貴族に生まれた者としての責任を果たすのが優先だろって話になるしな」
「……リーベ、の、話?」
「「っっ……」」
二人とも意図してはいなかったが、セルシアの言葉にハッとした表情を浮かべる。
ジース・リーベ。
ラガスたちの同級生だった人物であり、学生の中では数少ないラガスたちを楽しませるバトルができた学生。
そんな彼には……フィーラ・アザルトという男爵家の婚約者がいた。
ジースが侯爵家の令息であることを考えれば、かなり身分違いの婚約ではある。
だが、ジースが基本的に我儘を言わない子供であり、相手側としても侯爵家と縁ができることは非常に嬉しく、断る理由がなかった。
しかし……フィーラには、既にライドという平民の想い人がいた。
「あれは……なんと言いますか…………胸が痛くなるものでした」
「そうだなぁ……恋愛とかしたことねぇけど、思い出すとマジで胸が痛くなる終わりだったよな」
最終的にジースが引いたこともあり、主役たちからすればその場では悲劇的な結末にはならなかった。
ただ、現実にはストーリーにするなら表に出せない内容もある。
具体的には……婚約するにあたって行われた侯爵家から男爵家に対する援助など。
「……うん。あれは、違うと、思った、かな」
恋愛にあまり興味がないセルシアであっても、あの出来事に祝福的な意味での感動を覚えることは……なかった。
遊泳の鍛錬を一旦終え、昼食タイムの三人。
ラガスがいなかったとしても、適当に魚を捕まえて焼き魚にするぐらいは問題なく行える。
「うん……思った」
「そうなのですね」
「だって、他の人、たちより……ラガスの、話の方が、面白い。一緒に、いて、楽しい、し」
「…………ふふ、そうですか」
セルシアがそう思ってるならなによりであり、メリルとしても主人が彼女にそこまで想われているのは、非常に誇らしいと感じる。
「それにしても、そういったからくりがあったとは……やるわね、シュラ」
「いや、あくまで俺の勝手な想像だけどな。ほら、失敗話って話し方によっちゃ面白いけど、本人がそういった話にしようと思って話さなかったらつまらないだろ」
「……そうね」
メリルに同じメイドの友人ができたように、シュラにも同じ執事の友人たちができ、その中には平民出身の友人もそこそこいた。
執事としての技量はそれぞれ差があるが、シュラの印象では全員話し方が上手い気がした。
「偶にご令嬢と平民の男のラブストーリーの詩が歌われたり、舞台が行われたりするのも、そういうところにある種の憧れがあるからかしら?」
「逆のパターンもあるんじゃねぇか? けど、逆ってなると……あぁ、あれか。ご令嬢たちが自分ではなく自分の家を見てるからどうたらって理由だったか?」
「……良く知ってるわね」
「執事同士の話でちょいちょいそういうのが出てたのを思い出してな」
メイドたちだけではなく、執事たちの中でも恋バナというのはちょいちょい行われていた。
シュラは三度の飯より楽しいバトルが好きに近い鬼人族だが、しっかりと男ではあるため、そういう会話が嫌いではなかった。
シンデレラストーリー、逆シンデレラストーリーは割と一定数の支持を得ている。
「そうだったのね……自分が知らない世界を教えてくれるから、本当の自分を見てくれるから……そういったのが主な理由よね…………」
「理解出来ない内容ってか?」
「そうは言わないわよ。ただ、やっぱり難しい話だと思ってね。家が男爵家……子爵家までならともかく、それ以上の家になると、次期当主などの立場と関係ない人でも難しいはずよ」
次期当主などの立場に関係ないのであれば、何故ダメなのか。
婚約が決まっていないのなら良いのではないか?
そういった疑問に関しては……同じ貴族の者が持つこともある。
そこに関しては、既にそういった風潮があるとしか言えない。
「次期当主か、婚約が決まってる人とかになるとなぁ~~~~。それこそ、あれだろ、貴族に生まれた者としての責任を果たすのが優先だろって話になるしな」
「……リーベ、の、話?」
「「っっ……」」
二人とも意図してはいなかったが、セルシアの言葉にハッとした表情を浮かべる。
ジース・リーベ。
ラガスたちの同級生だった人物であり、学生の中では数少ないラガスたちを楽しませるバトルができた学生。
そんな彼には……フィーラ・アザルトという男爵家の婚約者がいた。
ジースが侯爵家の令息であることを考えれば、かなり身分違いの婚約ではある。
だが、ジースが基本的に我儘を言わない子供であり、相手側としても侯爵家と縁ができることは非常に嬉しく、断る理由がなかった。
しかし……フィーラには、既にライドという平民の想い人がいた。
「あれは……なんと言いますか…………胸が痛くなるものでした」
「そうだなぁ……恋愛とかしたことねぇけど、思い出すとマジで胸が痛くなる終わりだったよな」
最終的にジースが引いたこともあり、主役たちからすればその場では悲劇的な結末にはならなかった。
ただ、現実にはストーリーにするなら表に出せない内容もある。
具体的には……婚約するにあたって行われた侯爵家から男爵家に対する援助など。
「……うん。あれは、違うと、思った、かな」
恋愛にあまり興味がないセルシアであっても、あの出来事に祝福的な意味での感動を覚えることは……なかった。
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