万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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手綱を握ってくれているはず

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SIDE ロウレット公爵

「ほぅ……」

「旦那様、何か面白いことが書かれていたのですか?」

この日、ロウレット公爵家に一通の手紙が届いた。

その手紙は当主であるバルンクに向けて送られたものであった。

「どうやら、娘は未来の旦那たちと共に、パイラーデスに滞在しているらしい」

「そうなのですね。休暇を楽しんでいらっしゃる、ということでしょうか」

ラガスは定期的に実家へ手紙を送っているが、セルシアは殆ど送っておらず、バルンクは娘の行動や様子を知るためには、自ら情報収集しなければならない。

そんな中、娘ではなく娘の未来の旦那から手紙が送られてきたということもあり、バルンクは読む前からテンションが上がっていた。

「まぁ、そこは……あれだな。未来の旦那、ラガス君はちゃんと満喫しようとしてるみたいだが……」

「セルシア様は、遊泳に夢中になっていると」

「そういう事だ。あの子らしいと言えばあの子らしいがな」

情報は集めているため、セルシアたちがパイラーデスにくるまでは、カルパという未開拓地が近い場所を拠点にして活動していたことを知っている。

未開拓地だけではなく、その中にある地下遺跡を探索していることも知っており、娘がハンターの道に進むことに関して止めはしなかったバルンクも多少の心配はしていた。

そのため、パイラーデスという観光地にいることを聞き、しっかり休んでいるのだと思って安堵しかけたが、全くもってそんなことはなかった。

「……水中での戦いは難しいと聞きますが」

「どうやら、既にそれも体験済みみたいだ。万全の準備を整えた状態で挑んでいるようだから、そこまで心配せずとも良さそうだがな」

「そうでしたか…………ラガス様もそれなりに落ち着いている方ですし、セルシア様が暴走しそうになれば、止めていただけるでしょう」

「…………」

「? 旦那様?」

「俺も同じ意見ではあるが、どうやら中々面白いことをしてるようだぞ」

「面白いこと、ですか」

現在、海という観光スポットがあるパイラーデスにいる。

そこで出来る面白いこととなれば、非常に限られる。
その面白いことは既にバルンクが知っているはず……そのバルンクが笑っているのを見て、老執事の頭には更にはてなマークが浮かんでしまう。

「そうだ。どうやらラガス君たちは、海で鉱石の採掘を行っているらしい」

「海で…………っ!!!!????」

老執事は採掘に関して詳しくはないが、それでも採掘は海でするものではなく、そもそもやることすら難しいことぐらいは想像できる。

「せ、セルシア様たちは大丈夫なのですか?」

「大丈夫だから手紙を送ってきてるのだろう。それに……多少の経験はあるが、海……水中で水棲モンスターと戦うとなれば、ラガス君の魔弾が非常に刺さる」

「っ、あのまさに戦いを支配するような魔弾ですか」

「その魔弾だ。おそらく、水中でもその力を遺憾なく発揮してるのだろう」

「……一方的に対処出来そうですね」

「陸……森と違い、跳ね飛ぶような動きをするモンスターがいないであろうことを考えれば、一切傷を負うことなく対処できるだろうな……それに、海中での採掘に備え、サポートするための魔靴も造ったらしい」

「徹底的な準備具合ですね。ただ、それでもやや心配の気持ちは残りますが」

「はは、そうだな。俺も同じ気持ちだが、手紙を読む限り海に生きるモンスターと戦いたいのはセルシアのようだ。ここでラガス君を責めるのはお門違いというものだろう」

主人の言葉に、老執事はこくりと頷き……寧ろなるべく手綱を握ってくれているであろうラガスに感謝の念を送った。

「それでだな、実際に地上では採掘できない鉱石を手に入れたようだ」

「っ、という事はあの箱に入っている物が」

「そういう事なのだろうな」

ニヤニヤと嬉しそうな笑みを浮かべるバルンクだが、彼が嬉しそうにしているのは他にも理由があった。
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