万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

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目立つ一家の異端児

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「・・・・・・なるほど、アリクとの決闘の戦法に少し手を加えたみたいだね」

「何がなるほどなんだアリク? あそこで尻と股間を抑えている奴らがなんでああなったのか解ったのか?」

僕は話しかけて来た友人の一人、セドリックの問いに答える。

「ああ、勿論。ラガスがあの三人の貴族が自分達のところに届く前に仕掛けたんだよ」

「えっ、嘘でしょ!? だって何か魔法を使ったようにも見えなかったし。というか、そもそも詠唱さえしていなかったし」

女友達のファーラが驚いてあり得ないって感じの表情を浮かべている。
まぁ、その気持ちは解らなくもないよ。
僕も少し前にアリクがラガスに瞬殺・・・・・・いや、殺されてはいなかったな。取りあえず三十秒と経たずに倒された時は似たような気持になった筈だから。

「確かに疑問に感じるかもしれないけど、ラガスがやったのは事実だよ。というか・・・・・・この場にいる十歳以下の子供で、あんな現状を作り出せるのはラガスしかいない。断言できるよ」

過去のアリクとの決闘と倒し方は少し違う、寧ろ酷いと言える。
ただ、ラガスの魔弾に詠唱が要らないのは知っていた。でも・・・・・・攻撃が全く見えなかった。

攻撃が見えなかったからラガスがやったのではない? そんな事は無い。
ラガスはしっかりと三本の指を三人の貴族に向けていた。
三つの魔弾を放ったのは明白。しかしその三つの魔弾が見えなかった。距離が離れていたから見えなかったとかそういう事では無く、完全に目視できなかった。

ただ、驚きはしたけど直ぐに納得した。ラガスが持つ魔弾のアビリティにそういう効果がある。
普通に考えてそれ以外はあり得ない。
ラガスが新しいアビリティを習得したっていう可能性もあるかもしれないけど、それは多分ない。

「お前の弟・・・・・・マジでヤバくないか」

「マジでヤバいのかどうかは分からないけど、僕はラガスの事を凄いと思っているよ。兎に角教わる事が多い。まぁ、そんな弟がいる自分を幸運だと僕は思うけどね」

プライドが高い人なら自分の弟妹から何かを教わる事を屈辱だと感じるかもしれない。
・・・・・・僕のもう一人の弟であるアリクが当てはまるのかな?

頼むから学校に入ってからは面倒事を起こして欲しくないものだね。



「ぷっ、ふふ・・・・・・ふふふ。流石ラガスね」

「どうしましたかクレアさん? 確かにあそこで地面に蹲り前方と後方を抑えている方は滑稽で面白く見えますが」

「あの現状を作ったのは私の弟よ。ほら、今移動している二人組の男子がいるでしょう。右の方が私の弟よ」

「あの方がクレア姉さんの弟さん・・・・・・何と言うか、気だるげな雰囲気を醸し出していますね」

あなたの言う通りよミリス。ラガスは基本的に面倒事は避けたい性分だから。
でも・・・・・・知らず知らずのうちに面倒事に首を突っ込む、もしくは巻き込まれる気がするのよね・・・・・・・・・・・・姉としては気のせいであって欲しいけど。

「ラガスは基本的に自分の興味がある事にしか関心がないのよ。パーティーが始まってから料理を食べるか隣にいる男の子と喋るか、それしかしていないわ。将来の奥さん探しなんて一切していない」

「それは・・・・・・貴族の子息としてはよろしくないのでは?」

「ミリスの言う通りかもしれないわ。ただ、ラガスは学校を卒業した後ハンターになるから殆ど関係ないわ」

「・・・・・・ふふ、姉弟は似るものなんですね。ただどうやってあの三人を沈めたのか・・・・・・クレアさんは分かりますか」

分かる!! っと断言したいとこだけど、正確には分からないのよね。
ラガスが三人を沈める少し前から見ていたけど、三本の指を三人に向けているのは見えた。
けどそこからは何も見えなかった。おそらく魔弾を放ってアリクとの決闘の時と同じように倒した筈。

ただしその魔弾が速過ぎて目で追えなかったとかそういう事では無く、本当に見えなかった。

「そうね、全部が分かった訳じゃ無いけれど大体は解ったわ。あの三人が可哀想とは思わないけど・・・・・・これからの面子を考えればほんの少しだけ同情するわ」

「そうですね。ただ・・・・・・調子に乗ろうとした方には良い罰ではないでしょうか」

ふふふ、ミリスって可愛い顔して言う事は案外厳しいのね。
まぁ、ほんの少しだけ同情はすれど、思っている事は私もミリスと同じね。





「・・・・・・ふぅーーー、全く。面倒事に好かれる体質でも持っているのかもしれないな」

「アゼレード男爵、君の口振りからするとあそこで二つの急所を押えて蹲っている三人組の現状を作ったのは、あなたの息子というか?」

「確証はないですが、恐らく息子のラガスがやらかした事だと」

「そうか・・・・・・何と言えば良いのか、見た目とは裏腹の実力を持っている、と言ったところか?」

流石グレンデアル伯爵、実戦経験が殆ど無い貴族ならば私の言葉を笑い飛ばす筈だが、強さに関しては話が通じる方だ。

「はい、見た目によらず努力家です。ただ・・・・・・自身が興味を持つ事以外には関心が無いのが玉に傷ですが」

「確かにパーティー中なのにも関わらず、料理を食べるか話しかけて来た気の合う男の子と話すだけ。あれか、まだ女には興味が無い年頃なのか?」

「そう言う訳では無いのですが、女の子がというよりは結婚に興味が無いと言ったところですね」

侍女であるメリルや姉であるクレアやクローナに抱き着かれた時に顔が赤くなっているのを見れば、女に興味が無いという訳では無い筈だ。

「なるほど。貴族の学校に入学はすれど、将来はハンターになるといったところか」

「四男という事もあって選ぶ道は多いのですが、私と妻の血を引いているせいか貴族の学校に入学するのにも関わらずハンターを目指すようです」

「確かに珍しい卒業進路だが、過去に例が無い訳では無い。ハンターについて学ぶ学校も金がかかる。それなら貴族であれば学費が掛からない。それを有効活用して入学する者もいる。なにより・・・・・・元ハンターとしては息子が同じハンターを目指すのは嬉しい事なのではないか?」

確かにそういった気持ちも無いとは言い切れない。
寧ろラガスはハンターとして俺を超える可能性を十分に持っている。
ただ、不安要素が少しな・・・・・・。

「勿論それは嬉しい事です。長男以外は全員ハンターを目指していますからね。しかしラガスの場合ハンターになってからが心配と言いますか・・・・・・」

「・・・・・・なるほど、言いたい事は何となくだが解った。しかし今回の様に案外上手くやり過ごすと私は思うがな」

グレンデアル伯爵の言う通り、これから先そこら辺の技術も知らぬ間に習得していそうだ。
まぁ、あいつはアリクと違って考えなしに問題を起こす奴じゃない。その辺りは心配しなくていいかもしれないな。
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