143 / 1,109
寝た気がしない
しおりを挟む
ロウレット公爵家当主の魔靴を造り始めてから三日。
ようやく依頼品が完成した。
材料として提供してもらった素材や魔核の質が良かったからというのもあるが、良い品が出来たと思う。
バイドシャークの牙も上手く活かせた事だしな。
あっ、一応使い方を書いておいた方が良さそうだな。
「あぁーーーーー。つっ、かれたーーーーー。この二日間、しっかりと睡眠時間を取ってはいたが、あんまり寝れた感じがしなかったからな」
「確かに寝起きのラガス坊ちゃまは普段と比べて少し生気が無かったですからね」
「そこまでヤバかったのか?」
「生気が無いってのもあったっすけど、何時も考え事をしている表情でした」
確かにシュラの言う通り下を向きながら魔靴の事を考えていた気がする。
訓練の最中は訓練に集中していたとは思うが、休憩時間は魔靴の事を考えていたしな。
やっぱり失敗できないってのは怖いな。
代理に使える素材や魔核を持っている訳でもないし。
「とりあえず、この魔靴を父さんに頼んで送っても貰わないとな」
「かしこまりました。まだ昼過ぎぐらいですが、森には行かれますか?」
昼過ぎって言っても、大体三時過ぎぐらいだよな。だったら今日は止めておこう。
「今日は止めておく。自由時間にするから、二人共好きに過ごしてくれ」
依頼品の魔靴は造り終わったが、父さんと母さんにカロウス兄さんの魔靴をどういった形で造るか考えないといけないからな。
今日の暇な時間はそれに使おう。
「二人でモンスターと戦うのは初めてかもしれないな」
「そうですね。前衛は任せても良いですか?」
「ああ。接近戦は任せてくれ。その代わり、後衛は頼む」
「安心してください。シュラが戦いやすいように援護しますから」
ラガスから自由時間を貰った二人だが、結局森の中へ入ってモンスターを狩る事になった。
「ここ最近のラガスは随分と気を張った表情をしていたよな」
「依頼主が依頼主ですからね。それに先払いとして送られて来た報酬も相当な物だったようですからね。私としてはラガス坊ちゃまに切り札が増えて嬉しく思いますが」
「それに関しては俺も嬉しいさ。報酬のアブスエンドを見せて貰ったが、見た目だけだったらそこまで珍しい物じゃない。吸収の効果を使わずに伸縮の効果だけを使うなら人前でも使える武器だろうからな。あいつは謙遜しているが、武器の腕は中々の物だ。大剣だけはこう・・・・・・特技的な部分で負けたくないが、他の武器に関しては全く」
「そうでしょうか? 確かに短剣の扱いに関しては私の方が上ですが、手斧や大斧、通常の槍などに関しては平均より上だと私は思いますよ。兵士の方々もシュラの腕前を褒めていたじゃないですか」
メリルからすればシュラの各武器の腕前は同年代より頭二つは抜けているように思えた。
だがシュラは自身の大剣以外の腕前はそこまで誇れるものでは無いと感じている。
「俺は鬼人族だから人族より力が上なのは当たり前の事だ。武器同士がぶつかった時は相手に俺の力を逃がされない様に上手くコントロール出来れば何とかなる」
力を逃がされない様にぶつける事自体がそう簡単に出来ない事。
メリルもそれが出来る程の技量はあっても、力が無いので実行する事が無い。寧ろ受けた力を逃がす方に力を入れている。
「あなたはラガス坊ちゃまが謙遜されていると言っていますが、シュラも中々に謙遜されているかと。おそらく、私達程考えながら訓練を行っている子供は殆どいないでしょう」
「それもそうか。そんなことやってるから、こいつら程度じゃ話にならないんだよな」
二人の眼前に五体のゴブリン。
ゴブリン達をシュラとメリルを獲物として捉えている様で、表情から全くもって緊張感が感じられない。
「はぁーーーーー、嘗められたもんだな」
溜息を一つ吐き、シュラは床に落ちている石を数個拾う。
ようやく依頼品が完成した。
材料として提供してもらった素材や魔核の質が良かったからというのもあるが、良い品が出来たと思う。
バイドシャークの牙も上手く活かせた事だしな。
あっ、一応使い方を書いておいた方が良さそうだな。
「あぁーーーーー。つっ、かれたーーーーー。この二日間、しっかりと睡眠時間を取ってはいたが、あんまり寝れた感じがしなかったからな」
「確かに寝起きのラガス坊ちゃまは普段と比べて少し生気が無かったですからね」
「そこまでヤバかったのか?」
「生気が無いってのもあったっすけど、何時も考え事をしている表情でした」
確かにシュラの言う通り下を向きながら魔靴の事を考えていた気がする。
訓練の最中は訓練に集中していたとは思うが、休憩時間は魔靴の事を考えていたしな。
やっぱり失敗できないってのは怖いな。
代理に使える素材や魔核を持っている訳でもないし。
「とりあえず、この魔靴を父さんに頼んで送っても貰わないとな」
「かしこまりました。まだ昼過ぎぐらいですが、森には行かれますか?」
昼過ぎって言っても、大体三時過ぎぐらいだよな。だったら今日は止めておこう。
「今日は止めておく。自由時間にするから、二人共好きに過ごしてくれ」
依頼品の魔靴は造り終わったが、父さんと母さんにカロウス兄さんの魔靴をどういった形で造るか考えないといけないからな。
今日の暇な時間はそれに使おう。
「二人でモンスターと戦うのは初めてかもしれないな」
「そうですね。前衛は任せても良いですか?」
「ああ。接近戦は任せてくれ。その代わり、後衛は頼む」
「安心してください。シュラが戦いやすいように援護しますから」
ラガスから自由時間を貰った二人だが、結局森の中へ入ってモンスターを狩る事になった。
「ここ最近のラガスは随分と気を張った表情をしていたよな」
「依頼主が依頼主ですからね。それに先払いとして送られて来た報酬も相当な物だったようですからね。私としてはラガス坊ちゃまに切り札が増えて嬉しく思いますが」
「それに関しては俺も嬉しいさ。報酬のアブスエンドを見せて貰ったが、見た目だけだったらそこまで珍しい物じゃない。吸収の効果を使わずに伸縮の効果だけを使うなら人前でも使える武器だろうからな。あいつは謙遜しているが、武器の腕は中々の物だ。大剣だけはこう・・・・・・特技的な部分で負けたくないが、他の武器に関しては全く」
「そうでしょうか? 確かに短剣の扱いに関しては私の方が上ですが、手斧や大斧、通常の槍などに関しては平均より上だと私は思いますよ。兵士の方々もシュラの腕前を褒めていたじゃないですか」
メリルからすればシュラの各武器の腕前は同年代より頭二つは抜けているように思えた。
だがシュラは自身の大剣以外の腕前はそこまで誇れるものでは無いと感じている。
「俺は鬼人族だから人族より力が上なのは当たり前の事だ。武器同士がぶつかった時は相手に俺の力を逃がされない様に上手くコントロール出来れば何とかなる」
力を逃がされない様にぶつける事自体がそう簡単に出来ない事。
メリルもそれが出来る程の技量はあっても、力が無いので実行する事が無い。寧ろ受けた力を逃がす方に力を入れている。
「あなたはラガス坊ちゃまが謙遜されていると言っていますが、シュラも中々に謙遜されているかと。おそらく、私達程考えながら訓練を行っている子供は殆どいないでしょう」
「それもそうか。そんなことやってるから、こいつら程度じゃ話にならないんだよな」
二人の眼前に五体のゴブリン。
ゴブリン達をシュラとメリルを獲物として捉えている様で、表情から全くもって緊張感が感じられない。
「はぁーーーーー、嘗められたもんだな」
溜息を一つ吐き、シュラは床に落ちている石を数個拾う。
105
あなたにおすすめの小説
聖女を追放した国は、私が祈らなくなった理由を最後まで知りませんでした
藤原遊
ファンタジー
この国では、人の悪意や欲望、嘘が積み重なると
土地を蝕む邪気となって現れる。
それを祈りによって浄化してきたのが、聖女である私だった。
派手な奇跡は起こらない。
けれど、私が祈るたびに国は荒廃を免れてきた。
――その役目を、誰一人として理解しないまま。
奇跡が少なくなった。
役に立たない聖女はいらない。
そう言われ、私は静かに国を追放された。
もう、祈る理由はない。
邪気を生み出す原因に目を向けず、
後始末だけを押し付ける国を守る理由も。
聖女がいなくなった国で、
少しずつ異変が起こり始める。
けれど彼らは、最後まで気づかなかった。
私がなぜ祈らなくなったのかを。
母は何処? 父はだぁれ?
穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。
産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。
妹も、実妹なのか不明だ。
そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。
父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。
母は、どこへ行ってしまったんだろう!
というところからスタートする、
さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。
変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、
家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。
意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。
前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。
もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。
単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。
また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。
「小説家になろう」で連載していたものです。
転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
神様のミスで死んだので、神獣もふもふと異世界インターネットで快適スローライフ始めます ~最強生活チートと1000万ポイントでポチりまくり!~
幸せのオムライス
ファンタジー
★HOTランキング1位獲得!(2026.1.23) 完結までプロット作成済み! 毎日更新中! なろう四半期ランクイン中!(異世界転生/ファンタジー/連載中)★
山根ことり、28歳OL。私の平凡な毎日は、上から降ってきた神様の植木鉢が頭に直撃したことで、あっけなく幕を閉じた。
神様の100%過失による事故死ということで、お詫びにもらったのは3つのチート能力。
①通販サイトや検索が使える【異世界インターネット接続】
②もふもふ動物と話せる【もふもふテイマー&翻訳】
③戦闘はできないけど生活は最強な【生活魔法 Lv.99】
私の願いはただ一つ。働かずに、可愛いペットともふもふしながら快適なスローライフを送ること!
のはずが、転生先は森のど真ん中。おまけに保護された先の孤児院は、ご飯はまずいしお風呂もない劣悪環境!?
「私の安眠のため、改革します!」
チート能力を駆使して、ボロ屋敷がピカピカに大変身!
現代知識と通販調味料で絶品ごはんを振る舞えば、心を閉ざした子供たちも次々と懐いてきて……?
気づけばギルドに登録し、薬草採取で荒稼ぎ。謎の天才少女として街の注目株に!?
あれ、私のスローライフはどこへ?
これは、うっかりチートで快適な生活基盤を整えすぎた元OLが、最強神獣もふもふや仲間たちとのんびり暮らすために、ついでに周りも幸せにしちゃう、そんな物語。
【今後のストーリー構想(全11章完結予定)】
第1章 森の生活と孤児院改革(完結済)
第2章 ヤマネコ商会、爆誕!(連載中)
第3章 ようこそ、ヤマネコ冒険部へ!
第4章 王都は誘惑の香り
第5章 救国のセラピー
第6章 戦場のロジスティクス・イノベーション
第7章 領主様はスローライフをご所望です
第8章 プロジェクト・コトリランド
第9章 ヤマネコ式教育改革
第10章 魔王対策は役員会にて
第11章 魔王城、買収しました(完結予定)
最後に言い残した事は
白羽鳥(扇つくも)
ファンタジー
どうして、こんな事になったんだろう……
断頭台の上で、元王妃リテラシーは呆然と己を罵倒する民衆を見下ろしていた。世界中から尊敬を集めていた宰相である父の暗殺。全てが狂い出したのはそこから……いや、もっと前だったかもしれない。
本日、リテラシーは公開処刑される。家族ぐるみで悪魔崇拝を行っていたという謂れなき罪のために王妃の位を剥奪され、邪悪な魔女として。
「最後に、言い残した事はあるか?」
かつての夫だった若き国王の言葉に、リテラシーは父から教えられていた『呪文』を発する。
※ファンタジーです。ややグロ表現注意。
※「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載。
転生したおばあちゃんはチートが欲しい ~この世界が乙女ゲームなのは誰も知らない~
ピエール
ファンタジー
おばあちゃん。
異世界転生しちゃいました。
そういえば、孫が「転生するとチートが貰えるんだよ!」と言ってたけど
チート無いみたいだけど?
おばあちゃんよく分かんないわぁ。
頭は老人 体は子供
乙女ゲームの世界に紛れ込んだ おばあちゃん。
当然、おばあちゃんはここが乙女ゲームの世界だなんて知りません。
訳が分からないながら、一生懸命歩んで行きます。
おばあちゃん奮闘記です。
果たして、おばあちゃんは断罪イベントを回避できるか?
[第1章おばあちゃん編]は文章が拙い為読みづらいかもしれません。
第二章 学園編 始まりました。
いよいよゲームスタートです!
[1章]はおばあちゃんの語りと生い立ちが多く、あまり話に動きがありません。
話が動き出す[2章]から読んでも意味が分かると思います。
おばあちゃんの転生後の生活に興味が出てきたら一章を読んでみて下さい。(伏線がありますので)
初投稿です
不慣れですが宜しくお願いします。
最初の頃、不慣れで長文が書けませんでした。
申し訳ございません。
少しづつ修正して纏めていこうと思います。
病弱が転生 ~やっぱり体力は無いけれど知識だけは豊富です~
於田縫紀
ファンタジー
ここは魔法がある世界。ただし各人がそれぞれ遺伝で受け継いだ魔法や日常生活に使える魔法を持っている。商家の次男に生まれた俺が受け継いだのは鑑定魔法、商売で使うにはいいが今一つさえない魔法だ。
しかし流行風邪で寝込んだ俺は前世の記憶を思い出す。病弱で病院からほとんど出る事無く日々を送っていた頃の記憶と、動けないかわりにネットや読書で知識を詰め込んだ知識を。
そしてある日、白い花を見て鑑定した事で、俺は前世の知識を使ってお金を稼げそうな事に気付いた。ならば今のぱっとしない暮らしをもっと豊かにしよう。俺は親友のシンハ君と挑戦を開始した。
対人戦闘ほぼ無し、知識チート系学園ものです。
俺に王太子の側近なんて無理です!
クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。
そう、ここは剣と魔法の世界!
友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。
ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる