331 / 1,103
噂通りの後衛殺し
しおりを挟む
「次は私の番よ!!」
元気良く背後から現れたのはクレア姉さんだ。
セルシアが圧勝してアリクが瞬殺した。次にクレア姉さんが勝てばその時点で俺達の勝利が決まる。
出番としては中堅なのでここで負けても副将戦、大将戦が残っているので本来ならそこまで気負う位置では無い。
だが、俺達が望む状態は全勝。クレア姉さんは一切負ける気は無い。
「さっさと勝っちまえよ」
「勿論。というかアリク、勝つのが勿論一番の目的だけど……いくらなんでも早過ぎじゃない? カウントを含めなかったら十秒も経っていないわよね」
「うっ……仕方ないだろ、いつもと違って体が普段以上に動いてくれたんだよ」
「そうなの? まっ、五戦ある一つぐらい瞬殺でも問題無いわよね」
確かにそうだが……クレア姉さんも勢い余って瞬殺してしまわないか?
「そういう事だ。というか、お前だってその可能性はあるんじゃないのか」
「……それはちょっと否定出来無いわね」
そういえば過去の大会で何度か瞬殺してるんだけど……まっ、それはアリクも一緒だろうけど。
クレア姉さんが持ってる杖は木製じゃなくて鉄製だからなぁ……撲殺で終わらせることだってありそうだ。
「でも、私の場合は後衛職だから色々と油断出来ないのよ」
「何言ってんだよ、相手が後衛職だったら大概は瞬殺してきたくせに」
……は、ははは。クレア姉さんはある意味後衛職キラーだな。
「うっさい!! とりあえず勝つことが一番、試合時間を気にするのは二番目よ」
「違いないな。ちゃちゃっと終わらせてこい」
「相手の人のプライドを折らないようにね」
「……頑張って、ください」
「任せなさい!!!」
自信満々な表情でクレア姉さんは入り口を抜け、リングへと上がった。
そして直ぐに試合が始まった。
審判の試合開始の合図と共にクレア姉さんは駆け出した……そして、結果だけで言えば試合は一分弱でクレア姉さんの勝利で終わった。
「……どうだ、ラガス。あれが魔法使い殺しのクレアだ」
「は、ははは。それは他の学園で呼ばれている二つ名?」
「いや、名が生まれたのはうちの学校だ。試合や模擬戦を行う度に後衛職の相手は殆ど瞬殺でボコボコにしていたからな……てか、前衛職の相手にも勝つことが多かった」
「前衛職に勝ってしまう後衛職……そりゃ一般的な魔法使いや弓使いにとっては恐怖の対象だな」
今回の試合に関して、クレア姉さんは試合開始の合図と共に駆け出して無数のファイヤボールを放ち、それに相手の女子生徒はウィンドバリアで対処した。
だが、数が多かったファイヤボールのうち幾つかが集まり、ファイヤーランスへと変化させて相手の予想を裏切る攻撃を仕掛ける。
お互いに魔法を発動する時は詠唱破棄だが、クレア姉さんは魔力操作の技量が相手よりも完全に上であり、何度も相手の予想を裏切る攻撃を繰り替えす。
勿論その間に杖による打撃攻撃が加えられており……俺達はそれが本気ではないという事が解った。
「多分、徐々に緩めたよな」
「だな……相手の力量を理解した後は油断しない程度にキッチリと攻め続けた。でも……せいぜい一分程度じゃないか? 速攻で潰した俺が言えることじゃないが、相当早い決着だよな」
「短期決戦の部類には入るかもな」
「そこそこ、早く終わった、ね」
やっぱりセルシアから観ても早く終わったって感覚か。
確かにアリク程速攻で試合を終わらせた訳じゃないが……どうなんだろうな?
観客の沸き具合からして満足してるとは思うけど、内容は相手側が防戦一方だったし……俺達からすれば相手の女子生徒にご愁傷様といった感じだ。
アリクなんて途中からおそらくクレア姉さんと戦っている女子生徒に向かって合掌してたし。
「一般的に後衛職の人が前衛タイプ並みの戦意を持ちながら襲い掛かってくるのって普通に怖いよね」
「そうだよ、それなんだよ。それが悪いとは全然思って無いぞ。そういうところがクレアの強味だと思っているが……やっぱり相手の生徒に同情するな」
団体戦に出てくるような前衛タイプの生徒ならまだ勝てる可能性は高かったと思うけど、今回は……選出運の悪さもあってフレイア女学院側の完敗だな。
元気良く背後から現れたのはクレア姉さんだ。
セルシアが圧勝してアリクが瞬殺した。次にクレア姉さんが勝てばその時点で俺達の勝利が決まる。
出番としては中堅なのでここで負けても副将戦、大将戦が残っているので本来ならそこまで気負う位置では無い。
だが、俺達が望む状態は全勝。クレア姉さんは一切負ける気は無い。
「さっさと勝っちまえよ」
「勿論。というかアリク、勝つのが勿論一番の目的だけど……いくらなんでも早過ぎじゃない? カウントを含めなかったら十秒も経っていないわよね」
「うっ……仕方ないだろ、いつもと違って体が普段以上に動いてくれたんだよ」
「そうなの? まっ、五戦ある一つぐらい瞬殺でも問題無いわよね」
確かにそうだが……クレア姉さんも勢い余って瞬殺してしまわないか?
「そういう事だ。というか、お前だってその可能性はあるんじゃないのか」
「……それはちょっと否定出来無いわね」
そういえば過去の大会で何度か瞬殺してるんだけど……まっ、それはアリクも一緒だろうけど。
クレア姉さんが持ってる杖は木製じゃなくて鉄製だからなぁ……撲殺で終わらせることだってありそうだ。
「でも、私の場合は後衛職だから色々と油断出来ないのよ」
「何言ってんだよ、相手が後衛職だったら大概は瞬殺してきたくせに」
……は、ははは。クレア姉さんはある意味後衛職キラーだな。
「うっさい!! とりあえず勝つことが一番、試合時間を気にするのは二番目よ」
「違いないな。ちゃちゃっと終わらせてこい」
「相手の人のプライドを折らないようにね」
「……頑張って、ください」
「任せなさい!!!」
自信満々な表情でクレア姉さんは入り口を抜け、リングへと上がった。
そして直ぐに試合が始まった。
審判の試合開始の合図と共にクレア姉さんは駆け出した……そして、結果だけで言えば試合は一分弱でクレア姉さんの勝利で終わった。
「……どうだ、ラガス。あれが魔法使い殺しのクレアだ」
「は、ははは。それは他の学園で呼ばれている二つ名?」
「いや、名が生まれたのはうちの学校だ。試合や模擬戦を行う度に後衛職の相手は殆ど瞬殺でボコボコにしていたからな……てか、前衛職の相手にも勝つことが多かった」
「前衛職に勝ってしまう後衛職……そりゃ一般的な魔法使いや弓使いにとっては恐怖の対象だな」
今回の試合に関して、クレア姉さんは試合開始の合図と共に駆け出して無数のファイヤボールを放ち、それに相手の女子生徒はウィンドバリアで対処した。
だが、数が多かったファイヤボールのうち幾つかが集まり、ファイヤーランスへと変化させて相手の予想を裏切る攻撃を仕掛ける。
お互いに魔法を発動する時は詠唱破棄だが、クレア姉さんは魔力操作の技量が相手よりも完全に上であり、何度も相手の予想を裏切る攻撃を繰り替えす。
勿論その間に杖による打撃攻撃が加えられており……俺達はそれが本気ではないという事が解った。
「多分、徐々に緩めたよな」
「だな……相手の力量を理解した後は油断しない程度にキッチリと攻め続けた。でも……せいぜい一分程度じゃないか? 速攻で潰した俺が言えることじゃないが、相当早い決着だよな」
「短期決戦の部類には入るかもな」
「そこそこ、早く終わった、ね」
やっぱりセルシアから観ても早く終わったって感覚か。
確かにアリク程速攻で試合を終わらせた訳じゃないが……どうなんだろうな?
観客の沸き具合からして満足してるとは思うけど、内容は相手側が防戦一方だったし……俺達からすれば相手の女子生徒にご愁傷様といった感じだ。
アリクなんて途中からおそらくクレア姉さんと戦っている女子生徒に向かって合掌してたし。
「一般的に後衛職の人が前衛タイプ並みの戦意を持ちながら襲い掛かってくるのって普通に怖いよね」
「そうだよ、それなんだよ。それが悪いとは全然思って無いぞ。そういうところがクレアの強味だと思っているが……やっぱり相手の生徒に同情するな」
団体戦に出てくるような前衛タイプの生徒ならまだ勝てる可能性は高かったと思うけど、今回は……選出運の悪さもあってフレイア女学院側の完敗だな。
106
あなたにおすすめの小説
不死王はスローライフを希望します
小狐丸
ファンタジー
気がついたら、暗い森の中に居た男。
深夜会社から家に帰ったところまでは覚えているが、何故か自分の名前などのパーソナルな部分を覚えていない。
そこで俺は気がつく。
「俺って透けてないか?」
そう、男はゴーストになっていた。
最底辺のゴーストから成り上がる男の物語。
その最終目標は、世界征服でも英雄でもなく、ノンビリと畑を耕し自給自足するスローライフだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
暇になったので、駄文ですが勢いで書いてしまいました。
設定等ユルユルでガバガバですが、暇つぶしと割り切って読んで頂ければと思います。
落ちこぼれの【無属性】魔術師、実は属性そのものを定義する「概念魔法」の創始者だった
風船色
ファンタジー
「魔法とは才能(血筋)ではなく、記述されるべき論理(ロジック)である」
王立魔導学院で「万年最下位」の烙印を押された少年、アリスティア・レイロード。属性至上主義のこの世界で、火すら出せない彼は「無属性のゴミ」と蔑まれ、ついに卒業試験で不合格となり国外追放を言い渡される。
しかし、彼を嘲笑う者たちは知らなかった。アリスティアが、既存の属性魔法など比較にならないほど高次の真理――世界の現象を数式として捉え、前提条件から書き換える『概念魔法(コンセプト・マジック)』の使い手であることを。
追放の道中、彼は石ころに「硬度:無限」の概念を付与し、デコピン一つで武装集団を粉砕。呪われた最果ての森を「快適な居住空間」へと再定義し、封印されていた銀嶺竜の少女・ルナを助手にして、悠々自適な研究生活をスタートさせる。
一方、彼を捨てた王国は、属性魔法が通用しない未知の兵器を操る帝国の侵攻に直面していた。「助けてくれ」と膝をつくかつての同級生や国王たちに対し、アリスティアは冷淡に告げる。
「君たちの誇りは、僕の昼寝より価値があるのか?」
これは、感情に流されない徹底した合理主義者が、己の知的好奇心のために世界の理を再構築していく、痛快な魔導ファンタジー。
【完結】魔法大戦 〜失われた古代魔法で無双する!〜
加瀬 一葉
ファンタジー
王立魔法学校。高等部に編入してきた冴えない生徒ラフィト。エリートが集うこの学校で、辺境出身のラフィトは落ちこぼれの劣等生なのだが……。
実は彼は、失われたはずの古代魔法を操る一族の末裔。魔族の脅威が増す時代に、ラフィトは人類を救うことができるのか?
過去と現在が交錯する、魔法ファンタジー。
この度異世界に転生して貴族に生まれ変わりました
okiraku
ファンタジー
地球世界の日本の一般国民の息子に生まれた藤堂晴馬は、生まれつきのエスパーで透視能力者だった。彼は親から独立してアパートを借りて住みながら某有名国立大学にかよっていた。4年生の時、酔っ払いの無免許運転の車にはねられこの世を去り、異世界アールディアのバリアス王国貴族の子として転生した。幸せで平和な人生を今世で歩むかに見えたが、国内は王族派と貴族派、中立派に分かれそれに国王が王位継承者を定めぬまま重い病に倒れ王子たちによる王位継承争いが起こり国内は不安定な状態となった。そのため貴族間で領地争いが起こり転生した晴馬の家もまきこまれ領地を失うこととなるが、もともと転生者である晴馬は逞しく生き家族を支えて生き抜くのであった。
魔力ゼロの英雄の娘と魔族の秘密
藤原遊
ファンタジー
魔法が支配する世界で、魔力を持たない少女アリア・マーウェラ。彼女は、かつて街を守るために命を落とした英雄的冒険者の両親を持ちながら、その体質ゆえに魔法を使えず、魔道具すら扱えない。しかし、彼女は圧倒的な身体能力と戦闘センスを武器に、ギルドでソロ冒険者として活動していた。街の人々やギルド仲間からは「英雄の娘」として大切にされつつも、「魔力を捨てて進化した次世代型脳筋剣士」と妙な評価を受けている。
そんなある日、アリアは山中で倒れていた謎の魔法使いイアンを助ける。彼は並外れた魔法の才能を持ちながら、孤独な影を背負っていた。やがて二人は冒険の中で信頼を深め、街を脅かす魔王復活を阻止するため、「カギ」を探す旅に出る。
しかしイアンには秘密があった。彼は魔族と人間の混血であり、魔王軍四天王の血を引いていたのだ。その事実が明らかになったとき、アリアは「どんな過去があっても、イアンはイアンだよ」と笑顔で受け入れる。
過去に囚われたイアンと、前を向いて進むアリア。二人の絆が、世界を揺るがす冒険の行方を決める――。シリアスとギャグが織り交ざる、剣と魔法の冒険譚!
世の中は意外と魔術で何とかなる
ものまねの実
ファンタジー
新しい人生が唐突に始まった男が一人。目覚めた場所は人のいない森の中の廃村。生きるのに精一杯で、大層な目標もない。しかしある日の出会いから物語は動き出す。
神様の土下座・謝罪もない、スキル特典もレベル制もない、転生トラックもそれほど走ってない。突然の転生に戸惑うも、前世での経験があるおかげで図太く生きられる。生きるのに『隠してたけど実は最強』も『パーティから追放されたから復讐する』とかの設定も必要ない。人はただ明日を目指して歩くだけで十分なんだ。
『王道とは歩むものではなく、その隣にある少しずれた道を歩くためのガイドにするくらいが丁度いい』
平凡な生き方をしているつもりが、結局騒ぎを起こしてしまう男の冒険譚。困ったときの魔術頼み!大丈夫、俺上手に魔術使えますから。※主人公は結構ズルをします。正々堂々がお好きな方はご注意ください。
異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。
実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。
そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。
グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・
しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。
これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。
心が折れた日に神の声を聞く
木嶋うめ香
ファンタジー
ある日目を覚ましたアンカーは、自分が何度も何度も自分に生まれ変わり、父と義母と義妹に虐げられ冤罪で処刑された人生を送っていたと気が付く。
どうして何度も生まれ変わっているの、もう繰り返したくない、生まれ変わりたくなんてない。
何度生まれ変わりを繰り返しても、苦しい人生を送った末に処刑される。
絶望のあまり、アンカーは自ら命を断とうとした瞬間、神の声を聞く。
没ネタ供養、第二弾の短編です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる