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その火は、飢えは消えていない
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「お疲れ様、リース」
「お疲れ」
「お疲れ様です」
「お疲れ様、です」
まっ、ぶっちゃけ全然疲れていないと思うけど。
だって……汗一つ流れていないし。
てか、戦いの最中に呼吸すら全く乱れていなかったよな。
「ありがとう。これで四勝だ。後は……ラガス君が勝てば終わりだね」
「サラッとプレッシャーを掛けてきますね」
「そうかい? でも、負ける気は一切ないよね」
「それは……勿論そうですけど」
学園から勝つのは解ってるから試合時間を少しは気にしてくれ、なんて言われて人が負ける訳にはいかないだろ。
「でも、この四戦にあの人が出ていないということは、大将戦には出て来る筈よね」
あの人? ……あぁ、あの人か。
「あつか……まっ、ラガスが勝つのには変わりないだろ」
おい、お前までサラッとプレッシャーを重ねてくるなよ。
「でもラージュさんよ。油断は出来ない相手じゃない」
「それはそうかもな。ただ、俺より強いラガスが俺に負けた相手に負ける訳がないだろ」
……そういえば確かにそうだった気がする。
確か準決勝辺りでアリクに負けていたっけ。
「それはそう、かもね。でも、何かしらの切り札を追加してるかもしれないじゃね」
「その可能性は確かに否定出来ないな。だが、それはここで出す必要が有るか?」
「どういう……あっ、そぅ……ね。出さないかもしれないわね」
? 切り札があるなら勝つために切ると思うけどな。
なんて考えながら俺は今の状況を一度頭の中に浮かべた。
四戦中、こちらが四勝している。どう足掻いてもフレイア女学院が俺達に勝つことはあり得ない。
あぁ~~、その事実を考えれば他の二校と戦う時にとっておいたほうが有効的かもな。
俺にその切り札を使って、仮に勝ったとしても団体戦に勝利する訳ではない。
団体戦の結果としては負けだ。
そこで自身の切り札を知られてしまうよりは、他の二校との戦う時に使った方が有効か。
「確かにアリクの言う通り、本当に隠している切り札は使わない可能性が高いだろう。でも、だからって勝利を必死に奪いに来ないかは別。もしかしたら……アリクと戦った時以上に必死の形相と思いで奪いに来るかもしれない」
「……それはそれでなんかムカつくな。俺には本気出していなかったみたいじゃねぇか」
仮にそうだとしたら、アリクにとってはムカつく事実だろうな。
全力ではなく手札を残して勝ったなんて、勝ちを譲られた……なんて思ってしまっても仕方がない。
「何はともあれ、強い相手には間違いない。でも……ラガス君にとっては大したことは無い壁だろ?」
「それはラージュさんに失礼ですけど……まぁ、ちゃんと勝ってきますよ」
そろそろリングに向かおう。
最初は魔弾で対処して、そこから戦い方を変えていけば特に問題無いだろう。
「ラガス、頑張って」
「気楽にいきなさい。あなたならササっと勝てるわよ!!!」
「ササっと勝ったら駄目なんだろ馬鹿、まっ……お前が負けるなんてあり得ねぇ。だからあんまり重症を負わせずに勝ってこい。そしたらお前に対してのブーイングも無い筈だ」
「君なら学園からの願いに答えられるだろう……でも、万が一という可能性はある。例えばリザードさんの魔力が暴走した時のように。だから、ヤバいなと思ったら遠慮なくぶっ飛ばしても良いよ」
四人の優しく背中を押された。
多分、そういった言葉とか無くても勝てるだろうけど、なんとなく良い気分だな。
ただ……あんまり浮かれてアリクみたいに開幕速攻で試合を終わらすのだけは止めよう。
「行ってきます」
さて、みんなの期待に応える為に……勝ちを奪ってこよう。
そう思いながら俺が通路から出ると、いつも通り……いや、いつも以上の声が降りかかってくる。
最後の大将戦だからか、観客達のテンションも上がりまくってるって事か。
てっきり俺達が四勝して勝ちは決まってるから観客達のテンションは少々下がっているかと思っていたけど……まだまだ熱々みたいだな。
リングにラージュさんと同時に上がっている。
……アリク、ラージュさんが切り札を持っているかどうかは解らない。
でも、俺に勝つ気は全く薄れていないみたいだぞ。
「お疲れ」
「お疲れ様です」
「お疲れ様、です」
まっ、ぶっちゃけ全然疲れていないと思うけど。
だって……汗一つ流れていないし。
てか、戦いの最中に呼吸すら全く乱れていなかったよな。
「ありがとう。これで四勝だ。後は……ラガス君が勝てば終わりだね」
「サラッとプレッシャーを掛けてきますね」
「そうかい? でも、負ける気は一切ないよね」
「それは……勿論そうですけど」
学園から勝つのは解ってるから試合時間を少しは気にしてくれ、なんて言われて人が負ける訳にはいかないだろ。
「でも、この四戦にあの人が出ていないということは、大将戦には出て来る筈よね」
あの人? ……あぁ、あの人か。
「あつか……まっ、ラガスが勝つのには変わりないだろ」
おい、お前までサラッとプレッシャーを重ねてくるなよ。
「でもラージュさんよ。油断は出来ない相手じゃない」
「それはそうかもな。ただ、俺より強いラガスが俺に負けた相手に負ける訳がないだろ」
……そういえば確かにそうだった気がする。
確か準決勝辺りでアリクに負けていたっけ。
「それはそう、かもね。でも、何かしらの切り札を追加してるかもしれないじゃね」
「その可能性は確かに否定出来ないな。だが、それはここで出す必要が有るか?」
「どういう……あっ、そぅ……ね。出さないかもしれないわね」
? 切り札があるなら勝つために切ると思うけどな。
なんて考えながら俺は今の状況を一度頭の中に浮かべた。
四戦中、こちらが四勝している。どう足掻いてもフレイア女学院が俺達に勝つことはあり得ない。
あぁ~~、その事実を考えれば他の二校と戦う時にとっておいたほうが有効的かもな。
俺にその切り札を使って、仮に勝ったとしても団体戦に勝利する訳ではない。
団体戦の結果としては負けだ。
そこで自身の切り札を知られてしまうよりは、他の二校との戦う時に使った方が有効か。
「確かにアリクの言う通り、本当に隠している切り札は使わない可能性が高いだろう。でも、だからって勝利を必死に奪いに来ないかは別。もしかしたら……アリクと戦った時以上に必死の形相と思いで奪いに来るかもしれない」
「……それはそれでなんかムカつくな。俺には本気出していなかったみたいじゃねぇか」
仮にそうだとしたら、アリクにとってはムカつく事実だろうな。
全力ではなく手札を残して勝ったなんて、勝ちを譲られた……なんて思ってしまっても仕方がない。
「何はともあれ、強い相手には間違いない。でも……ラガス君にとっては大したことは無い壁だろ?」
「それはラージュさんに失礼ですけど……まぁ、ちゃんと勝ってきますよ」
そろそろリングに向かおう。
最初は魔弾で対処して、そこから戦い方を変えていけば特に問題無いだろう。
「ラガス、頑張って」
「気楽にいきなさい。あなたならササっと勝てるわよ!!!」
「ササっと勝ったら駄目なんだろ馬鹿、まっ……お前が負けるなんてあり得ねぇ。だからあんまり重症を負わせずに勝ってこい。そしたらお前に対してのブーイングも無い筈だ」
「君なら学園からの願いに答えられるだろう……でも、万が一という可能性はある。例えばリザードさんの魔力が暴走した時のように。だから、ヤバいなと思ったら遠慮なくぶっ飛ばしても良いよ」
四人の優しく背中を押された。
多分、そういった言葉とか無くても勝てるだろうけど、なんとなく良い気分だな。
ただ……あんまり浮かれてアリクみたいに開幕速攻で試合を終わらすのだけは止めよう。
「行ってきます」
さて、みんなの期待に応える為に……勝ちを奪ってこよう。
そう思いながら俺が通路から出ると、いつも通り……いや、いつも以上の声が降りかかってくる。
最後の大将戦だからか、観客達のテンションも上がりまくってるって事か。
てっきり俺達が四勝して勝ちは決まってるから観客達のテンションは少々下がっているかと思っていたけど……まだまだ熱々みたいだな。
リングにラージュさんと同時に上がっている。
……アリク、ラージュさんが切り札を持っているかどうかは解らない。
でも、俺に勝つ気は全く薄れていないみたいだぞ。
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