万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

文字の大きさ
863 / 1,103

もう大人

しおりを挟む
「…………」

「……何か、買わないの?」

武器屋に訪れたシュラとメリル。

訪れた店にはある程度の武器が揃っているものの……シュラは眺めるだけで、一向に購入しようとする素振りすら見せない。

「元々、買うんじゃなくて技術を見に来たって感じだからな」

「技術、ですか…………こうして眺めているだけで、そこまで見えてくるものなの?」

メリルはソウスケと同じく錬金術のアビリティを会得しており、ポーション作り程度であれば問題無く行える。

一応同じ制作者ではあるものの、武器の品質の差は見えても、その中に隠されている技術の差までは解らない。

「全部解りはしねぇけど、多少はな」

「……まだそちらの方面にも強い興味があるのであれば、この街に滞在している間は、鍛冶にも励んだらどう」

「そいつはぁ…………いや、ダメじゃねぇか?」

ところどころ適当な部分があるシュラだが、自分がラガスの執事だという自覚は持っている。

「ダメではないでしょ。その日、私やラガス坊ちゃまも錬金術に励んでいれば良いじゃない」

「そいつは……そう、かもしれねぇな。けど、セルシア様のことはどうすんだ? あの人は錬金術や鍛冶に興味はねぇだろ」

「そうだったわね」

うっかり友人から任されたセルシアの事を忘れていたメリル。

「……ルーフェイスと二人で探索しててもらうのは、危ないわね」

「ストッパーがいないって状況を考えると、結構危ないんじゃないか?」

「そうね。どんどん奥へ奥へと進んでいきそうだわ」

セルシアは基本的にシュラと同じく、強敵と戦いたいタイプ。

そしてルーフェイスは……割と似た様な部分があり、ラガスやメリルとかと比べて、大分子供っぽいところがある。
なので、未知の場所へ冒険に行くとなれば、ラガスやメリルから注意を受けていたとしても…………サラッと忘れてしまい、セルシアと共にガツガツ奥へ進んでしまうかもしれない。

「あの件に関して、怯え過ぎるのは良くないと話したばかりだけど、それを抜きにしても未開拓地は恐ろしい場所。ルーフェイスが付いているとしても……」

「万が一があったらってことか」

セルシアやルーフェイスの実力を信用していないのではない。

メイドや執事という立場上、必要以上に警戒してしまうのは致し方ないことだった。

「……必要以上に奥へ探索したら、公爵家に報告するって言えば良いんじゃねぇか?」

「それは……私たちにも責任があるって流れになりそうじゃない?」

「確かに俺たちは今、ラガスさんだけじゃなくてセルシア様の従者って感じでもあるけど、セルシア様も大人っちゃ大人だろ」

国の法律的な部分では、既に十五歳を越えているため、シュラの言う通り大人と言える。

「学園を卒業してハンターとして活動してるって時点で、十分大人だろ」

「大人……と言えば、大人ね」

「だろだろ。そりゃ俺も守れるなら守りてぇけど、そもそもセルシア様はセルシア様で超強いんだから、あまり心配し過ぎるのもそれはそれでって感じだろ」

「そう、ね。とはいえ、それでも私としてはセルシア様が室内で出来る何かに興味を持ってくれれば、安心出来るから嬉しいのだけどね」

「錬金術か鍛冶…………貴族令嬢と言えば、あれか。裁縫?」

「刺繡ね。とりあえず、どれかを勧めてみるのはありね」

ひとまず一店舗目の武器屋を見回り、今度はマジックアイテムが売っている店へと向かい……こちらでも特に何かを買うことなく、ただ見て回って終了。

店員から「冷やかしかよ」といった視線を向けられるも、学園生活時やハンターとしての生活が始まってから何度も鬱陶しい視線を向けられていたため、全くノーダメージだった。


「ん?」

「あら」

「あっ」

「どうも。シュラさん、メリルさん」

数時間後、四店舗目のマジックアイテム販売店に入ると、先日まで共に行動していたヴェルデとファールナの二人にばったり出会った。
しおりを挟む
感想 128

あなたにおすすめの小説

余命半年の僕は、君を英雄にするために「裏切り者」の汚名を着る

深渡 ケイ
ファンタジー
魔力を持たない少年アルトは、ある日、残酷な未来を知ってしまう。 最愛の幼馴染であり「勇者」であるレナが、半年後に味方の裏切りによって惨殺される未来を。 未来を変える代償として、半年で全身が石化して死ぬ呪いを受けたアルトは、残された命をかけた孤独な決断を下す。 「僕が最悪の裏切り者となって、彼女を救う礎になろう」 卓越した頭脳で、冷徹な「悪の参謀」を演じるアルト。彼の真意を知らないレナは、彼を軽蔑し、やがて憎悪の刃を向ける。 石化していく体に走る激痛と、愛する人に憎まれる絶望。それでも彼は、仮面の下で血の涙を流しながら、彼女を英雄にするための完璧なシナリオを紡ぎ続ける。 これは、誰よりも彼女の幸せを願った少年が、世界一の嫌われ者として死んでいく、至高の献身の物語。

腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。

灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。 彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。 タイトル通りのおっさんコメディーです。

なぜ、私に関係あるのかしら?

シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」 彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。 そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。 「…レオンハルト・トレヴァントだ」 非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。 そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。 「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」 この判断によって、どうなるかなども考えずに… ※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。 ※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、 ※ 画像はAIにて作成しております

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

不死王はスローライフを希望します

小狐丸
ファンタジー
 気がついたら、暗い森の中に居た男。  深夜会社から家に帰ったところまでは覚えているが、何故か自分の名前などのパーソナルな部分を覚えていない。  そこで俺は気がつく。 「俺って透けてないか?」  そう、男はゴーストになっていた。  最底辺のゴーストから成り上がる男の物語。  その最終目標は、世界征服でも英雄でもなく、ノンビリと畑を耕し自給自足するスローライフだった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  暇になったので、駄文ですが勢いで書いてしまいました。  設定等ユルユルでガバガバですが、暇つぶしと割り切って読んで頂ければと思います。

処理中です...