万分の一の確率でパートナーが見つかるって、そんな事あるのか?

Gai

文字の大きさ
1,025 / 1,103

まだ、解っていない

しおりを挟む
「っ……漂う匂いが、変わったな」

「えぇ、そうですね。これが、海の香りというものでしょうか」

十日以上歩き続け、道中……モンスターに襲われることはあれど、盗賊に襲われることなく、珍しく平和な時間を過ごしていると、ようやく磯の香りを感じ取れた。

「へぇ~~~、これが…………ん~~~、ちと変な感じがするかもしれないっすけど、悪くはない、っすかね」

「……うん。この、感じ……悪く、ない」

メリルには好評。
シュラには、微妙って感じか。

セルシアは、多分本当に悪くないって感じてそうだな。

『………………ラガス』

『ん? どうした、ルーフェイス』

『今日から、毎日水浴びするよ』

『……ふふ、そうか。そりゃ良かったよ』

実際に、パイラーデスに到着してから、ルーフェイスには毎日水浴びさせようと思っていた。
ただ、ルーフェイスは水浴びだったり、風呂に入れさせたりするのを苦労するタイプじゃないけど、さすがに毎日だと嫌がるからな。

磯の香りとかあれこれを無視して、いつも通り数日に一回で良いとごねるかと思ったが、どうやら無駄な心配だったみたいだ。

「にしても、調べてた通り……本当に豊かな街、っぽいな」

まだ街には到着してないが、割と大きな屋敷がちらほらと見える。

「海という財産に加えて、交易という財産もある。ダンジョンの様に利益が確定している訳ではないでしょうが、それでもダンジョンが二つあるようなものと言えるかもしれませんね」

二つのダンジョンから得られる利益、か。
どの程度の質のダンジョンにかもよると思うけど……そりゃあ、街全体が潤うか。

「ダンジョンが二つ……それ、超ヤバくねぇか?」

「あくまで推察の域でしかありません。他では食べられない料理や得られない素材などがあっても、海の波が激しい、嵐などがくれば得られる物も得られないと聞きますし」

「あぁ~~~…………つまり、俺らで言うとあれか。土砂降りの中で強敵と戦う感じか」

「その認識で合っているかと……いえ、もしかしらそれ以上に酷いかもしれませんね」

「うげっ!! マジかよ」

……多分、メリルの言う通り土砂降りの中で強敵と戦うより、海が荒れてる、嵐が来てる時に水中で戦う方が酷いだろうな。

水中でどこから、土砂降りの中ですら強敵と戦ったことがないから実体験で比べることは出来ないけど、水中に生息してるモンスターの方が圧倒的にそのホームで戦い慣れてて、俺たちハンターの方が戦い慣れてない。

それに、水中の方がよっぽど水中戦に慣れてる人じゃなく、荒れてる海の中で逃走するって言うのが厳しいと思う。

「水中戦って思ってたよりヤバそうっすね」

「シュラ……」

「あれだぜ、ちゃんと教えてくれた話は聞いてたけど、それでもって思っててよ」

「はぁ~~~~。全く……シュラ。水中には、常に地面がある訳じゃないの。仮に地面に足を付けられたとしても、遊泳のアビリティを持っていなければ、地上の動きの四分の一……五分の一の速さを体現できるかどうか」

「五分の一か…………そいつは、死活問題ってやつだな」

「……本当に理解してるんでしょうね」

「おぅ、勿論解ったぜ。つまり、海のモンスターと本格的に戦るなら、遊泳のアビリティを習得して、それなりにレベルを上げてから戦えって話だろ!!!」

シュラの考えは、間違ってはいない。
まず第一優先にしなきゃいけないのは、そこだ。

当然、俺も海のモンスターと戦るなら、そこら辺をしっかりと整えてから挑む。

「そうですね。しかし、それだけではありません」

「おいおい、まだあるのかよ」

「当然でしょう。海は私たちが最近まで探索していた地下遺跡と違い、気候があります」

「……つまり、雨が降ったらヤバいってことだな」

「いいえ。雨が降るかもしれないと感じたら、可能性の段階で戻ることです」

「か、可能性であってもかよ」

「可能性であっても、よ」

「…………ら、ラガスさん」

「悪いけど、それに関しては俺も同じだな」

その辺りをどう判断するのかは解らないけど、動き慣れてない場所でモンスターたちにとって有利な状況になるって解ってるなら、確実に引かないとな。
しおりを挟む
感想 128

あなたにおすすめの小説

腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。

灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。 彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。 タイトル通りのおっさんコメディーです。

余命半年の僕は、君を英雄にするために「裏切り者」の汚名を着る

深渡 ケイ
ファンタジー
魔力を持たない少年アルトは、ある日、残酷な未来を知ってしまう。 最愛の幼馴染であり「勇者」であるレナが、半年後に味方の裏切りによって惨殺される未来を。 未来を変える代償として、半年で全身が石化して死ぬ呪いを受けたアルトは、残された命をかけた孤独な決断を下す。 「僕が最悪の裏切り者となって、彼女を救う礎になろう」 卓越した頭脳で、冷徹な「悪の参謀」を演じるアルト。彼の真意を知らないレナは、彼を軽蔑し、やがて憎悪の刃を向ける。 石化していく体に走る激痛と、愛する人に憎まれる絶望。それでも彼は、仮面の下で血の涙を流しながら、彼女を英雄にするための完璧なシナリオを紡ぎ続ける。 これは、誰よりも彼女の幸せを願った少年が、世界一の嫌われ者として死んでいく、至高の献身の物語。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

なぜ、私に関係あるのかしら?

シエル
ファンタジー
「初めまして、アシュフォード公爵家一女、セシリア・アシュフォードと申します」 彼女は、つい先日までこの国の王太子殿下の婚約者だった。 そして今日、このトレヴァント辺境伯家へと嫁いできた。 「…レオンハルト・トレヴァントだ」 非道にも自らの実妹を長年にわたり虐げ、婚約者以外の男との不適切な関係を理由に、王太子妃に不適格とされ、貴族学院の卒業式で婚約破棄を宣告された。 そして、新たな婚約者として、その妹が王太子本人から指名されたのだった。 「私は君と夫婦になるつもりはないし、辺境伯夫人として扱うこともない」 この判断によって、どうなるかなども考えずに… ※ 中世ヨーロッパ風の世界観です。 ※ ご都合主義ですので、ご了承下さい、 ※ 画像はAIにて作成しております

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

不死王はスローライフを希望します

小狐丸
ファンタジー
 気がついたら、暗い森の中に居た男。  深夜会社から家に帰ったところまでは覚えているが、何故か自分の名前などのパーソナルな部分を覚えていない。  そこで俺は気がつく。 「俺って透けてないか?」  そう、男はゴーストになっていた。  最底辺のゴーストから成り上がる男の物語。  その最終目標は、世界征服でも英雄でもなく、ノンビリと畑を耕し自給自足するスローライフだった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  暇になったので、駄文ですが勢いで書いてしまいました。  設定等ユルユルでガバガバですが、暇つぶしと割り切って読んで頂ければと思います。

処理中です...