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第128話 面白いから
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「やぁ、久しぶりだね。バトムス」
「どうも、ナシルさん」
現在バトムスは街の外……門の前にいる。
そして、これから共に行動する冒険者と合流した。
ナシルという名の冒険者はエルフ。
イリオやブレンディとは違い、友人と呼べるほどの存在ではないが、知人と言えるほどの関係性ではある。
何故その人物と共に行動するかと言うと、同じエルフ繋がりということもあって、ファエリナから依頼を通された。
「それじゃあ、早速行こうか」
「はい」
何故か自分に頼まれた依頼を、ひとまず受けはしたため、共に行動をする。
だが、未だにどうして自分に? という疑問はある。
「…………」
「どうしたんだい、バトムス。そんなに難しそうな顔をして。何か悩み事でもあるのかい?
「……どうして、自分に依頼したのか気になっただけですよ」
バトムスは今でも狩りを続けてはいるが、当然の様に冒険者ギルドに登録はしておらず、冒険者ではない。
「ふっふっふ……そんなの、君と冒険してみたかったからに決まってるだろ!!!」
(…………この人、エルフの割にテンション高いよな)
数多くのエルフを見てきた訳ではない。
ただ、ナシルはバトムスのエルフ像からそれなりに離れている性格の持ち主であり、依頼した少年の問いにグーサインしながら答えていた。
「質問を重ねることになるっすけど、どうして俺と冒険を?」
「ふふ……やはり、君は自分のことをあまり解ってないね」
「……かもしれませんね」
自分の事は自分が一番良く解っている!!! と、ほざくつもりはない。
先日、錬金術の師であるエルリックから教えられたこともあり、素直にシエルの言葉を受け止める。
「君はあれだけモンスターと戦える戦力を持っていながら、冒険者ではない」
「まぁ、一応今も執事候補って立場ではありますから」
「そうだろう。だが、君は強い。そして、鍛冶や錬金術も習っている。噂では、料理までするのだろう」
「料理は……ぼちぼちって感じですけど」
「だとしても、だよ。バトムス、君は本当に面白い存在だ」
「そ、そうっすか」
面白いかどうかは、本人ということもあって解らない。
ただ、バトムスも自分が同じ十二歳の子供たちと比べれば、普通ではないことは理解しているため、否定は出来なかった。
「だから、君と冒険してみたかった」
「な、なるほ……ど? まぁ……ナシルさんみたいな人にそう思ってもらえるのは嬉しいっすけど」
彼は、ただのどにでもいるエルフの冒険者、ではない。
本来であれば高ランク冒険者と呼ばれる、Bランクに昇格できる実力を有している。
その実力を有していながら、昇格すれば付いてくる面倒事などを理由にギルドからの推薦を断り、Cランク冒険者として活動し続けている。
そんな実力者である知っているからこそ、シエルから面白い存在だと言われることは、本当に悪い気はしないバトムス。
「それで、トレントの討伐でしたっけ」
「そうだよ。正確には、トレントの木の回収」
「……弓の素材にでも使うんですか?」
「あぁ~~~、そういうのもありだね。バトムスに新しい弓でも造ってもらおうかな」
「……シエルさん、それはマジで勘弁してください」
同じルーキーに、若い者に武器を造るのは……悪くはないと思えてきた。
だが、今隣にいる人物は間違いなくルーキーではない。
正真正銘、探索……戦闘のプロである。
お世辞だとしても嬉しいより畏れ多いという感情が勝るというもの。
「あっはっは!!! 本当にそこら辺は謙虚なんだね~~」
「普通に半人前なんで。というか、まだ弓は造ったことがないんで、素人ってレベルじゃないですよ」
「でも、造り始めればいずれちゃんとした弓を造れるようになるでしょ」
「それはその時になってみないと解りませんけど」
「それじゃあ、その時になるまで待ってるよ」
エルフという種族は人族、他の種族と比べても寿命が圧倒的に長い。
なので、本当にバトムスが何年……十年以上、何十年後にようやく納得のいく弓を造れるまで、全然待ててしまう。
「まぁ、本題は同じエルフの友人が今度カフェを開くんだ」
「良いですね……それじゃあ、その店を造るのに必要ってことっすね」
「そういう事。理解が早いね~~。どうやら、トレントとかエルダートレントとかの木材で家、店を造ると改良は必要だけど、中にいる人たちに癒しを与える効果があるみたいでね」
「へぇ~~~~。魔が転じて聖となる、って感じですかね」
「そんな感じかもしれないね」
「…………シエルさん。今回の探索で、エルダートレントに遭遇することはないっすよね」
エルダートレントはトレントという木のモンスターの上位に当たるモンスター。
トレントのランクがDであるのに対し……エルダートレントのランクはB。
当たり前だが、バトムスでは天地がひっくり返っても勝てない怪物である。
「あっはっは!!! 大丈夫だよ。そこら辺はちゃんと調べてるからね。でも……安心して。仮にそうなっとしても、僕が絶対に守るから」
「っっ……それじゃあ、仮にそうなったらお願いしますよ」
「任せときな!!!!」
強者の……大人の顔をしながら告げられた言葉には、確かな安心感があった。
それならばと、バトムスは今回の依頼をただただ楽しもうと決めた。
「どうも、ナシルさん」
現在バトムスは街の外……門の前にいる。
そして、これから共に行動する冒険者と合流した。
ナシルという名の冒険者はエルフ。
イリオやブレンディとは違い、友人と呼べるほどの存在ではないが、知人と言えるほどの関係性ではある。
何故その人物と共に行動するかと言うと、同じエルフ繋がりということもあって、ファエリナから依頼を通された。
「それじゃあ、早速行こうか」
「はい」
何故か自分に頼まれた依頼を、ひとまず受けはしたため、共に行動をする。
だが、未だにどうして自分に? という疑問はある。
「…………」
「どうしたんだい、バトムス。そんなに難しそうな顔をして。何か悩み事でもあるのかい?
「……どうして、自分に依頼したのか気になっただけですよ」
バトムスは今でも狩りを続けてはいるが、当然の様に冒険者ギルドに登録はしておらず、冒険者ではない。
「ふっふっふ……そんなの、君と冒険してみたかったからに決まってるだろ!!!」
(…………この人、エルフの割にテンション高いよな)
数多くのエルフを見てきた訳ではない。
ただ、ナシルはバトムスのエルフ像からそれなりに離れている性格の持ち主であり、依頼した少年の問いにグーサインしながら答えていた。
「質問を重ねることになるっすけど、どうして俺と冒険を?」
「ふふ……やはり、君は自分のことをあまり解ってないね」
「……かもしれませんね」
自分の事は自分が一番良く解っている!!! と、ほざくつもりはない。
先日、錬金術の師であるエルリックから教えられたこともあり、素直にシエルの言葉を受け止める。
「君はあれだけモンスターと戦える戦力を持っていながら、冒険者ではない」
「まぁ、一応今も執事候補って立場ではありますから」
「そうだろう。だが、君は強い。そして、鍛冶や錬金術も習っている。噂では、料理までするのだろう」
「料理は……ぼちぼちって感じですけど」
「だとしても、だよ。バトムス、君は本当に面白い存在だ」
「そ、そうっすか」
面白いかどうかは、本人ということもあって解らない。
ただ、バトムスも自分が同じ十二歳の子供たちと比べれば、普通ではないことは理解しているため、否定は出来なかった。
「だから、君と冒険してみたかった」
「な、なるほ……ど? まぁ……ナシルさんみたいな人にそう思ってもらえるのは嬉しいっすけど」
彼は、ただのどにでもいるエルフの冒険者、ではない。
本来であれば高ランク冒険者と呼ばれる、Bランクに昇格できる実力を有している。
その実力を有していながら、昇格すれば付いてくる面倒事などを理由にギルドからの推薦を断り、Cランク冒険者として活動し続けている。
そんな実力者である知っているからこそ、シエルから面白い存在だと言われることは、本当に悪い気はしないバトムス。
「それで、トレントの討伐でしたっけ」
「そうだよ。正確には、トレントの木の回収」
「……弓の素材にでも使うんですか?」
「あぁ~~~、そういうのもありだね。バトムスに新しい弓でも造ってもらおうかな」
「……シエルさん、それはマジで勘弁してください」
同じルーキーに、若い者に武器を造るのは……悪くはないと思えてきた。
だが、今隣にいる人物は間違いなくルーキーではない。
正真正銘、探索……戦闘のプロである。
お世辞だとしても嬉しいより畏れ多いという感情が勝るというもの。
「あっはっは!!! 本当にそこら辺は謙虚なんだね~~」
「普通に半人前なんで。というか、まだ弓は造ったことがないんで、素人ってレベルじゃないですよ」
「でも、造り始めればいずれちゃんとした弓を造れるようになるでしょ」
「それはその時になってみないと解りませんけど」
「それじゃあ、その時になるまで待ってるよ」
エルフという種族は人族、他の種族と比べても寿命が圧倒的に長い。
なので、本当にバトムスが何年……十年以上、何十年後にようやく納得のいく弓を造れるまで、全然待ててしまう。
「まぁ、本題は同じエルフの友人が今度カフェを開くんだ」
「良いですね……それじゃあ、その店を造るのに必要ってことっすね」
「そういう事。理解が早いね~~。どうやら、トレントとかエルダートレントとかの木材で家、店を造ると改良は必要だけど、中にいる人たちに癒しを与える効果があるみたいでね」
「へぇ~~~~。魔が転じて聖となる、って感じですかね」
「そんな感じかもしれないね」
「…………シエルさん。今回の探索で、エルダートレントに遭遇することはないっすよね」
エルダートレントはトレントという木のモンスターの上位に当たるモンスター。
トレントのランクがDであるのに対し……エルダートレントのランクはB。
当たり前だが、バトムスでは天地がひっくり返っても勝てない怪物である。
「あっはっは!!! 大丈夫だよ。そこら辺はちゃんと調べてるからね。でも……安心して。仮にそうなっとしても、僕が絶対に守るから」
「っっ……それじゃあ、仮にそうなったらお願いしますよ」
「任せときな!!!!」
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それならばと、バトムスは今回の依頼をただただ楽しもうと決めた。
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