僕が玩具になった理由

Me-ya

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止まない雨-眞司の章-

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いつもの視線を感じた。

俺を見詰める視線。

顔を上げると、本棚の陰からこちらを覗いている瞳を見付けた。

視線が合った途端。

恐る恐るこちらを覗いている人物の身体が固まる。

それは入学式の時から俺を見詰めていた視線。

1枚の写真が頭に浮かぶ。

それと共に、兄貴の顔も。

(…見つけた。コイツだ)

そうと分かると、一気に会長から興味が失せる。

会長は未だに僕にしがみつき、呻き、腰を振っている。

(さっさと終了させて、会長を帰らすか)

そう決めると、会長のいい場所を強く突き上げる。

その間も本棚の陰から覗いている瞳から視線を外さない。

一際高い呻き声を上げると躰を震わせてグッタリとしてしまった会長を無理矢理、立たせて服を着せる。

足の間から血が一筋滴り落ちたが、構わず図書室から追い出した。

会長は惚けてふらふらしていたが、見張りをしていた役員が2人、走り寄って会長を両側から支える。

図書室の扉を閉めた時、鍵をかける事も忘れない。

振り返った俺の瞳は、ソイツだけを見詰めていた。

俺が一歩足を踏み出す度に、ソイツは本棚の陰に隠れるように身体を縮める。

ソイツの目の前で止まると、人差し指を唇に当てて片目を瞑ってみせた。

「さっき見た事、誰にも秘密な?」

優紀は黙ってコクコクと頷いたが、顔を赤らめて俯く。

-どうやらコイツは俺の事が好きらしい。

優しく言葉をかけながらキスをしてやると…流石に吃驚したみたいだが、おずおずと遠慮がちに応えてくる。

不器用ながらもキスに応えようと必死な相手に俺は内心ほくそ笑みながら、ズボンの中へ手を入れた。

…キスに夢中なヤツはそれに気付いていない。

やんわりとソレを握り込むと同時に…手の中のモノが弾けた。

相手は吃驚したのか…固まっている。

(ま、そりゃそうか)

今まで他人に触られた事も、ましてや他人の手でイカされた事なんかないだろうし…。

顔を真っ赤にして固まってしまっているが…それでもこの場所から逃げようとしない。

それ程、俺の事が好きという事か。

(これは拾い物かも…)

育て方によっては俺の思った通りに育つかもしれない。

オマケに優紀には友人と呼べる人物はいないらしいし。

家族ともそんなに仲が良くないらしい。

(ますます好都合)

俺が独り暮らしをしている事も知らなかった。

確かに、住所は誰にも教えてないけど…独り暮らしをしている事は皆が知っている事なのに。

独り暮らしなのも住所も2人の秘密だと言ってやると、嬉しそうに頬を染めていた。

(喜んでいるのなら、いいか)

ま、嘘も方便という事で…。
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