僕が玩具になった理由

Me-ya

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たどりついた道程-逃避の章-

22

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「…いい加減にしろ」

和巳の咎めるような視線に、俺は唇を噛む。

「優紀も黙ってろ。でも、確かに、優紀を帰す事ができないと言う眞司の話には俺も賛成だ…けど…お前達二人の話を聞いて、このまま、二人一緒に居る事がいいとも思えなくなった…」

前半は優紀に、後半は俺に向けて言った言葉だろう。

言い返す言葉もない俺は、唇を噛んだまま、和巳を黙って見詰めた。 

そのまま沈黙が続き、重い空気が部屋を包み込む。

その時。

「…僕、知ってるよ」

優紀がポツリと口を開いた。

「元々、眞司、僕をお兄さんに渡すつもりだったでしょう?その為に、眞司の事が好きだった僕に、声をかけてきたんだよね」 

図星を指されて、俺は言葉に詰まる。 

確かに…俺は、俺の代わりとして兄貴に差し出す人物…優紀…を探していた。

偶然、兄貴の机の上に置かれていた優紀の写真を見付けた時から…。

偶然、俺を熱い眼差しで見詰めていた優紀に気付いた時は“これは運命だ”と思ったさ。

そして、兄貴好みの身体に仕立てる事にした…俺の代わりとして。

「…だったら、眞司の思った通りになったんだから、もういいだろ。僕を帰して放っておいてよ…僕はお兄さんと契約したんだから。お兄さんが僕に飽きるまで一緒に居るって」


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