【R18】猫は異世界で昼寝した

nekomata-nyan

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17 SA発足

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ルラは俊也の両親と対面を無事果たし、イスタリアへ帰還。
もっと暇になったら、あちらの世界の見聞を広めたいのだが、今日ようやくリストのメンバーが、一堂に会することができる。

会場は王立魔法学校に決めた。全員「魔法技術研究会」のメンバーだから、不自然ではない。

ちなみに会長はルラ、副会長はエレンだ。

男子禁制の規則はないが、場の空気に耐えられる男子生徒はいなかった。
迷い込んだ男子生徒は、一か月も経たないうちに全員退会した。

理由は二つ。ルラの魔力や技術は一ケタ違っていたこと。男としてのプライド、というか見栄が保てない。

二つ。会の雰囲気は、はっきり言ってルラハーレム。みんなルラに身も心も捧げている感じ。

まあ、実際身は捧げてないだろうが、「抱いて上げる。おいで」とでも言えば、迷うことなく捧げるだろう。


 研究会室に全員が顔をそろえる。

諜報活動に長けたルマンダが、盗聴を防ぐ結界を張る。一同の表情は、さっと緊張感を高める。

みんなルマンダが施した魔法の意味が、わかったからだ。

あれは一級の結界だ。まず盗聴の魔力を感知し、結界内の音を外部から完全に遮断する。


「さっそく用件をお話しします。
わが国の安定を、心から望んでいる方は残って下さい。
そうでない方は、速やかに退出してください」
 ルラは起立してそう語った。穏やかな表情と声色だったが、強い意志が感じ取られた。

「もう一度問います。
国家の安定のために、身も心もささげられる。
そう誓える方だけお残り下さい」
 ルラは全員の顔を見回した。皆の光る眼を見て満足そうに微笑む。

「皆様は私が思っていた通りの方でした。
念のために断わっておきます。
身を捧げる、というのは単なる比喩ではありません。
ある一人の男性に、貞操を捧げることです。
それと、場合によっては、命を失う事態になるかもしれません。
契約書を配布します。
これにサインしたら、特級契約が発動します。
つまり、契約にそむいた場合、あなた方の魔力は、一生発動できなくなります。
嫌だと思った方は、白紙のままで退出してください。
契約が結ばれるまでは、詳しいことは一切申せません。
ただ、私、エレン、ルマンダの三名は、もう契約書にサインしています。
実際、すでに、そのある方と契りを結んでおります。
三人とも、その方に心も体も捧げられたこと、誇りに思っていますし、一生ついていくつもりです。
はっきり申します。
その方とのセックス、超気持ちいいですよ」
 
場に初めて動揺が感じられた。「ルラ様とエレン様が、貞操を捧げちゃった!」

一同がっかり。

「その程度で動揺なさるなら、速やかに退出してください!」
 ルラが一喝。

一同顔を見合す。

ユーノが立ち上がる。

「国の安定のため、とおっしゃいましたが、もう少し詳しく教えてください。
漠然としすぎて、決断が下せません」
 ユーノは毅然として聞いた。

「わかりました。もし私たちが恐れている事態になったとき、おそらく貴族階級は全員抹殺されるでしょう。
もうお気づきでしょうが、はっきり言います。
軍の幹部のほとんどは、貴族位を継げなかった子弟です。
世襲できなかった潜在的な不満は大きい。
下級貴族の戦士は、成り上がる絶好のチャンス。
要するに、クーデターの可能性が高まっているということです。
もしかしたら、貴族の中に首謀者がいるかもしれません。
生き残った方が、その首謀者だと考えていいでしょう。
それが判明した時点で、私たちは拘束、もしくは抹殺されているはずですから、分かっても意味はありません。
その最悪の事態を防ぐため、とだけお伝えします」
 ルラの言葉に、全員蒼白となった。

ユーノだけは、納得顔で着席した。

彼女はおおよそ察した上で、あえて質問した。この会に参加したメンバーの覚悟を迫るために。

そこまで教えられて、逃げだすメンバーはいないと、彼女は確信していた。

ルラ様も本当は、そのことをわかっているはずだ。彼女が選んだメンバーなのだから。

ユーノは着席して、配られた契約書にサインした。

全員迷いなくサインする。

契約書は回収され、ルラとエレンはサインを確認する。


「ありがとうございます。みな様の決意、たしかに受け取りました」
 ルラは目でルマンダを促す。

ルマンダは耐火容器を運ぶ。ルラは魔法の杖で魔法陣を描く。

「ファイア」
 容器に入れられた契約書は燃え上がった。

「私たちが、すべてを捧げるべき男性です。名前は俊也青形です。
聞きなれない名前でしょ? 
異世界から間違って、私が召喚してしまいました」
 そう言って、ルラはデジカメを全員に回すよう、ルマンダに指示した。

受けとったメンバーの反応は様々。

デジカメに驚く者。

緩そうな顔だけど、愛きょうある。

微妙……。

まあ、いんじゃない。

国家の危機なのだから……etc。

全員総じて言えることは、かろうじて許容範囲、ということだった。


「ローラン、おいで」
 ルラは手招きする。ローランは、なんだろうと思いながら、ルラに駆け寄る。

「夏休み前、魔力量りあったよね? 
私の魔力がどう変化したか、みんなに教えて。
エレンとルマンダも量ってみて」
 素直なローランは、ルラのおでこに、おでこをくっつける。

「ひゃー!」

 奇声を上げてローランは、ルラから三歩後ずさった。おでこが熱い。

「私ではよくわからないです。とんでもない魔力量だとはわかりました。
こんな短期間で、どうやって上げたんですか?」
 ローランは恐る恐る聞く。

「簡単よ。俊也と三度セックスしただけ。
それがあなたたちの、貞操を求める理由」
 
全員納得。メンバーは自分たちの貞操を求める根拠だけが、腑に落ちなかったから。


メンバーはこぞってルラ、エレン、ルマンダの魔力を確かめる。

ルラの魔力量。
正確にはわからないが、とんでもないレベル。量らせてもらったことはないが、大魔導師ポナン様クラスか。

エレンの魔力量。
上級魔導師クラス。セックスは一度だけ。ただし中出し。

ルマンダ。
中級魔導師クラス。セックスは一度、ただし外出し。

結論。早く中出ししてもらいたい! 俊也の評価は、一挙に激高。

貴族階級は、婚姻に伴うセックスを、ほとんどの場合家の打算に基づいておこなう。
それが当たり前だという教育を受けていた。

俊也とのセックスは、自らの打算に基づき、しかも貴族層全体の打算も満たす。

彼女たちにとって、拒否という選択はありえなかった。
 

ルラは全員の反応に満足し、詳しい事情を語った。

ここにSLMA(シュンヤ・ラブ・マジカル・アーミー)は発足した。
少し長いので、公式略称として「SA」と呼ぶことも決定した。
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