【R18】猫は異世界で昼寝した

nekomata-nyan

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35 俊也君、偉くなりましたね? 性教育ですと?

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 俊也と巫女たちの、のんびり旅も、後一週間といったところ。
 
 今夜の宿泊は「ホットスプリング」と呼ばれる保養地。少し遠回りになったが、旅といえば温泉でしょ!

 ホットスプリングは、その名の通り、天然温泉で有名だった。


 宿はホットスプリング有数のハイグレード。ずっとできるだけハイレベルな宿を選んでいたが、この『天国の宿』は、なかなかの格式。客層は貴族や豪商がほとんどだとか。

 ルマンダがチェックインしたが、俊也は宿代を聞く気になれない。


 スイート一室と、ツインを三室確保。手荷物を部屋に置いて、一同はさっそく温泉へ。

 残念なことに、露天風呂温泉は混浴でなかった。俊也はローマの共同風呂をイメージし、内心期待していたのだが。

大きな衝立で仕切られている。


 ふ~……。やっぱ馬車での移動はきつい。

 湯の中で俊也は伸びをする。久しぶりの温泉。たしか、中一のとき。家族旅行で熱海にいった。

うん、悪くない。混浴でないことを除けば。

 それにしても、馬車の足回り、なんとかならないものだろうか? 石畳の幹道を抜けたら、もっと道は悪くなるらしい。

うん、一考の必要あり。
 馬車の足回りをいじりたくなる、異世界転移もの主人公の気持ちが、切実な形で理解できた。
 
 衝立の向こうから、嫁たちのにぎやかな話し声が聞こえてきた。

 よし、やってみよう……。

 スケベアイ、発動!

 見える、見えるぞ! 寝室での光景と別種の趣!

 いいのか? 俺!

 いいんです! 嫁だから!

 なんとバラエティーに富んだ、色とりどりの裸たち! さすが貴族の御令嬢たち。隠す気は全くないのね……。隠す必要もないだろうけど。

 おっと、あれはまずい……。でも、ちょっとだけ……。

 全然知らない女性が入ってきた。見た目十五六歳? 多分こういった形での入浴に慣れないのだろう。

おずおずと、手拭い的な布で体を隠している。

 まあ、ああいった恥じらいも悪くない。なにせ御令嬢たちは、あっけらかんと全貌をさらしてくれる。
 もちろん、それもいいんだけどね!

 おっと、見知らぬお嬢さんがやっと!

 覚悟を決めましたか!

 正直、貧弱だけど……。見た目年齢的に近い、ユーノやローランの圧勝! パーツは辛勝だが、お肌の張り具合や光沢的に。
 俺の努力のたまもの? 

 ちょっとだけ、のわりに、結構細かく観察する俊也だった。


 眼福を味わうことしばし。若い男性が入ってきた。
 
 あらま、随分ご立派な……。だら~んと垂れたあれが、臨戦態勢に入ったら、レジモードのあれに匹敵するのでは?

 一応視認した後、即衝立の向こうにスケベアイを逃がす俊也だった。
あれは誰得。こちらは俺得!


「ふ~~~……」
 お湯に入った男性が、深いため息をつく。お湯がもたらす弛緩の解放感とは違っているような。

思わず表情を見たら、虚脱しているというか……。あれもお湯に入った放心とは違う。

要するに、何か悩みを抱えているということだろう。知らんけど。

 ふと男性は、俊也に注目。

「失礼ですが、あの女性たちのお連れですか?
前の廊下で見かけたのですが」
 男性は、何を思ったのかそう聞いてきた。

「そうですけど……」

「立ち入ったことをお聞きしますが、あの中のどなたかとねんごろというか……。
関係をおもちですか?」

 それは立ち入り過ぎじゃない? 俊也はそう思ったが、男性の表情は真剣そのもの。

「まあ、そうですけど……」
 俊也は否定する気にもなれず、お茶を濁した。

「全く見知らぬ方だからお聞きしたい!
どうやったら、子作りできるのですか!」
 
 はあ? なんだこいつ、と俊也は一瞬思ったが、その男性は大まじめで聞いている感じ。

 もしやDT君? ひょっとして、悩みの原因は初体験が、うまくいかなかったこと?

 それに、お相手は、さっきのお嬢さん? あのお嬢さん、どう見ても体験豊富だとは思えない。
 この人のマグナムが、不発に終わったのかも……。

「どの程度の知識をお持ちですか?
性交に関して」
 俊也はそう聞いてみた。

「恥ずかしながら、ほとんど知らないのです!」

 ですよね~~~。そんな感じだ。


 その男性は、商家の跡取りで、別の街の、取引がある商家の娘さんと結婚した。お互い顔を知っている程度の仲だったそうだ。

のお嫁さんを迎えるため、その街へ出向いた帰り、この宿に立ち寄ったという。
 この世界に新婚旅行の風習はないが、この宿で三泊して、夫婦の仲を深めようということらしい。

「なるほど……。
さっき『ほとんどない』とおっしゃいましたが、性交渉について、どのように?」

「股の間の穴に突っ込んだら、なんとかなると……。
その『穴』とは、どのようなものなのですか?
ゆうべはよくわからなくて……」

 ダメだこりゃ! 俊也は性教育の重要性を、痛切に感じた。


「まず女性器の形状ですが、ゆうべは御覧にならなかったのですね?」
 初夜ならお互い恥ずかしがって、真っ暗の中でいたそうとしたのでは? 

「全然見ていません」

「女性器の形状は個人差がありますが、普段はおおよそこんな感じです」
 俊也は親指と人差し指を合わせて示す。

「『普段』といいますと?」

「性的に興奮していないときです。
筋や溝みたいにしか見えません」

「なるほど……。
で?」

「大陰唇と小陰唇というパーツがあります。大陰唇は、性器を保護するため普段は閉じているわけです。
性的な刺激を受けたら、大陰唇が開きます。
大陰唇の中に、小陰唇があります。
その形状は色々です。
その小陰唇に保護される形で、膣口、あなたのいう穴があるわけです」

「フムフム……。二重扉みたいな感じですか?」

「そんな感じです。
膣口の上に、尿道口。さらにその上に陰核があります。
陰核は超ちっちゃいペニスとお考え下さい。
その大きさは個人差がありますから、何とも言えませんし、包皮に包まれたまま露出しない人もいます。
非常に敏感な箇所ですから、絶対乱暴に扱ってはいけません」

「はい! 師匠」

「これ、重要です!
性交を円滑に進めるため、女性は潤滑液を分泌します。
いわゆる『濡れる』という状態です。
あなたも興奮したら、さきっちょから、透明な液がにじみ出るでしょ?
それも潤滑液です」

「確かに! 精液とは違うのですね?」

「はい。全然違います。
この『濡れる』ということが、超重要であること、お分かりですね?
濡れなければ、女性は苦痛しか感じません」

「わかりました!
ゆうべは突っ込もうとしたら『痛い』と言われ、それ以上できませんでした。
今から思ったら、濡れてなかったんですね?」

「いきなり突っ込もうとしたんですね?
それじゃ、全然ダメです。
処女なら余計にダメダメです!
まず、ハグとチューから。
女性の緊張をほぐし、お互いの性感を高める……」

 俊也の初心者性教育は、延々と続いた。
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